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王子様のペット 作者:ぬいぬい
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【プロローグ】

近くで囁くような声が聞こえる。

その優しくて温かい口調は聞いた覚えが無い筈なのに、何処か懐かしい。俺に何かを囁くような声は次第に小さくなり、最後に一言聞こえた。

「・・・愛している、」



・・・・・・・・

・・・・

・・





「明、御飯出来たわよ~?」

いつものように7時に母の声が聞こえ、重たい瞼をゆっくりと開けた。これが俺の日常で親に起こされないと朝は起きられないと思う。

「最近神隠しみたいに人が消える事件が増えてるから、気をつけなさいね?この近辺らしいし・・・。心配だわ、」

母さん、女じゃ有るまいし俺は大丈夫だよ。心の中でそう言いながら昨日の夢を思い出していた。あの呼ぶ声に聞き覚えがないのが何故か妙に引っかかるのだ。不思議と耳に響き渡る。夢なのに鮮明に覚えているのが不思議で貯まらない。

「おはよっ」

小学校からの付き合いである彼《遠藤 苑》は所謂幼馴染みである。一緒に暮らしてきた筈なのに、俺達は全然違う人生を歩んできている。

まずそのイケメンな顔から、苑を好きな女子は沢山居る。
そして成績優秀で会長を務めているのだ。
その上サッカーでも野球でも、スポーツも何でも出来る。


・・・神様はひいきがかなり激しいのだ。


「そう言えば知ってるか?神隠し事件」
「あぁ....母さんから今朝聞いたけど。そんなの有る訳無いんじゃないか?」

「お前はいつでも無防備なんだから、気をつけろよ?」
「馬鹿かよ、俺は男だから大丈夫だろ。」

そう言うと、真剣な顔で俺の肩を掴んだ。そのまま苑の顔が近づく。
こんな綺麗な顔に女子が騒ぐのもうなずける。

周りには誰も居なくて、俺達の距離はどんどん狭まる。
そのせいで不覚にも鼓動が高鳴る心臓の鼓動音。手は勝手に震える。


そして、苑の唇が目の前で止まった。


「・・・ほら、これも防げないんじゃん?絶対気をつけろ。」


そう言い残すと溜息を付いたまま小走りで走っていった。後ろ姿をただ呆然と見つめていた。


火照った顔、震えた腕。
・・・俺は苑にこんなにも反応してしまう。

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