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第十五話 血の狼煙その六
 援軍も来た。だが今度は無人機ばかりであった。
「相変わらずの戦法か」
 ギャブレーはそれを見て呟く。
「数で押す。それがバルマーか」
「だったらギャブレー君」
 横からレッシィが言う。
「こっちもいつものやり方だな」
「その通りだ」
 ギャブレーの返事は決まっていた。
「一気に倒す。それだけだ」
「ダバ!」
 アムがダバに声をかける。
「あれやっちゃって!」
「よし!」
 ダバはそれに頷く。そうしてバスターランチャーを構えるのだった。
「これで一気に!」
「そうよ、このまま!」
 エリスが横で言う。
「撃っていいから!」
「よし!」
 援軍に来たメガロート達に対してバスターランチャーを放つ。それで数機まとめて粉砕するのだった。
 それを合図に敵の援軍にも攻撃を浴びせる。その中にはクォヴレーもいた。
「バルマーはやはり数で来るのか」
 彼もまたバルマーとの戦いの中でわかってきたものがあった。それは彼等との戦いにおいてはかなり重要なことであった。数なのだ。
「なら」
 それならばやり方があった。彼はそれに移った。
「受けろ」
 ベルグバウを動かす。そうして攻撃に移る。
「エメト=アッシャーーーーーーッ!」
 敵を小隊単位で狙ってきた。その狙いは的確で見事に敵を小隊単位で蹴散らした。彼はここで非凡な才能も仲間達に見せていた。
「凄いわね」
「ああ」
 アラドはゼオラの言葉に頷いていた。二人はそのクォヴレーの後ろにいる。
「これだけの戦闘力があるなんて」
「それに動きもいいぜ」
 見ればバルマーの攻撃を全てかわしている。それはアラド達に匹敵する程であった。
「天才ってやつか?」
「そうかも」
 今度はゼオラがアラドの言葉に頷いた。
「前の戦闘でも凄かったけれど」
「そういえばよ」
「何?」
「やっぱり誰かに似てるんだよな」
 アラドは首を捻りながら述べた。
「あの動きも戦い方も」
「そうね。誰かしら」
 だがどうしても思い出せない。
「あのクールさと激しさは」
「どっかで見たことあるんだけれどな」
「わからないわね。そういえば」
「何だ?」
 ここでアラドはゼオラに問うた。
「いえ。どうやらクォヴレーさん本当にバルマーとは関係ないみたいね」
「ああ、それはな」
 それはアラドもわかった。
「SPTにも迷わずに攻撃してるし」
「確かにな」
 見ればその通りだった。グラドスのSPTを今両断していた。
「けれど素性はまだわからないわね」
「何処の誰かな」
「じゃあ。まだ見ておく必要があるわね」
 そうアラドに告げる。
「それでいいわね」
「俺こういうのって好きじゃないんだけれどな」
 リュウセイは困った顔で述べる。
「どうにも」
「私だってそうよ」
 実はそれはゼオラも同じである。
「けれど。仕方ないじゃない」
「そうか」
「そうよ」 
 ゼオラはまた言う。
「だからね。いいわね」
「わかったよ。それじゃあ」
「ええ。そちらも続けましょう」
 アラドとゼオラはクォヴレーのフォローをしながら彼を見ていた。その間に戦いは終わり無事補給物資がゼダンに届くことになったのであった。
 まずはこれでよしであった。ゼダンのロンド=ベルもほっと胸を撫で下ろした。
「さっ、セシリー」
 シーブックはゼダンに戻るとすぐにセシリーに声をかけた。
「パンを焼いて欲しいな」
「わかってるわ」
 セシリーはにこりと笑って彼に答えた。
「それじゃあすぐにね」
「ああ、頼むよ」
「俺も一緒にな」
「私もね」
 ここでビルギットとアンナマリーも入って来た。
「たっぷり焼いてくれよ」
「美味しいパンをね」
「ちょっと二人共」
 シーブックは二人もやって来たので困惑した顔になった。
「俺がセシリーと一緒にって考えてたのに」
「いいじゃない、これも」
 だが当のセシリーが笑ってこう言ってきた。
「皆で食べるのも」
「それもそうか」
 シーブックもその言葉で考え直した。
「じゃあそれで」
「ええ。少し待ってね」
 セシリーは早速準備に入った。
「かなり多めに焼くから」
「じゃあそれまでは皆で楽しくやろうぜ」
 ビルギットがこう提案してきた。
「それでいいな」
「賛成」
「それじゃあそれで」
 皆も乗ってきた。何だかんだでいつもの面々が揃う。アラドとゼオラもいた。そしてもう一人もその場に連れて来ていたのであった。
「俺もか」
「だってクォヴレーさんも」
「そうですよ」
 アラドとゼオラは彼の両手を掴んで連れて来ていた。
「セシリーさんのパンは最高ですから」
「それに焼けるまで時間がありますし」
「パンか」
 クォヴレーはその単語に反応を見せてきた。
「ここでもパンを食べるんだな」
「お米もありますよ」
「まあ今日はパンで」
「わかった」
 クォヴレーは二人のその言葉に頷いた。
「それじゃあ。俺も入れてくれ」
「どうぞ」
 皆が笑顔で彼に言う。こうして彼は皆の中に入った。
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