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第二話 激戦のプレリュードその二
「これです。何か恐竜みたいな機体です」
「これね」
「これは全く新しい機体です」
 ここでルリも言ってきた。彼女はそのハッキングを使ったのである。
「インスペクターの兵器の中でもかなり性能が高いです」
「じゃああれね」
 タリアはそれを聞いて確信したように述べてきた。
「敵の司令官は」
「聞こえているか、地球の諸君」
 その恐竜の如き機体から声がしてきた。
「あっ、向こうから来ましたね」
 アーサーがそれを聞いて言った。
「何か話が早いですね」
「ちょっとアーサー」
 タリアはその言葉には突っ込みを入れてきた。
「はい?」
「それは少し違うんじゃないかしら」
 苦笑いを浮かべて言う。
「話が早いかどうかは」
「あっ、そうですか」
「そうですよ。そんなこと言ってるとアーサーさん」
 メイリンが少し意地悪に笑って言ってきた。
「913の人が来ますよ」
「うわ、何か凄く嫌そう」
 アーサーは本当に嫌そうな顔になった。
「その数字嫌いなんだよな」
「あら、何かあったのかしら」
「いや、何か天敵っぽくって」
 何故かこう言う。
「その数字に関連する人間が」
「何か話がわからないわね」
 タリアもそれがどうしてかわからず首を傾げさせた。
「何が何なのか」
「まあそれは置いておいて。話がはじまりましたよ」
 そうインスペクターの方に話を戻すのであった。見ればその司令官が名乗っていた。
「私はインスペクターの司令官の一人ウィガジである」
「ウィガジ?」
「そうだ。以後覚えておいてくれ給え」
 まずは丁寧に言葉を返してきた。
「今回は諸君に話を伝えたくてここまで来た」
「ああ、その前によ」
 甲児がここで彼に問うてきた。
「何だ?」
「この前の呉のことだけれどよ」
「あの港町でのことか」
「ああ、あれあんた達だよな」
「そうだ」
 甲児の問いに何も隠すことなく答えてきた。
「それが何か」
「何かじゃねえよ。ありゃ何だ?」
 顔を顰めて抗議してきた。
「いきなり戦闘なんてよ。随分と物騒じゃねえかよ」
「諸君等の戦力を確かめたのだ」
「戦力を!?」
「そうだ。バルマー、そして宇宙怪獣を退けた諸君の実力をな。確かに素晴らしい」
 それもまた素直に認める。
「諸君の戦闘力は傑出している。あまりにも」
「それで何が言いたいのかな」
 今度は万丈が彼に尋ねてきた。
「どうにも上から下に対して言っているような口調が気になるんだけれどね」
「我々は諸君等を監視しに来た」
「監視!?」
「そうだ、君達はいずれその力によって宇宙にとって大きな災いとなる」
 彼はそうロンド=ベルに告げてきた。
「我々はそれを無視できない。従って諸君等を監視下に置くことにしたのだ」
「おいおい、またえらく一方的だな」
 宙がそれに突っ込みを入れる。
「俺達はそこまでされるようなものかよ」
「そうだ、だからこそだ」
 彼はまた言う。
「我々の監視下に置く。素直に受諾することを望む」
「それはかなり筋が通らないんじゃないかな」
 万丈が言ってきた。
「筋が?」
「そうさ。それを言うのならバルマー帝国はどうなるんだい?」
「彼等にしても監視対象だ」
 これもどうやら事実であるらしい。それはウィガジのはっきりとした口調からわかった。
「彼等もまた宇宙にとっての災いなのだから」
「で、彼等はそれに従っているかい?」
「いや」
 これについても隠しはしない。
「それはない。相変わらずだ」
「だろうね。そうだと思ったよ」
 予想していたので大いに納得した万丈であった。
「さしづめ彼等とも戦争中なのかな」
「それについては答えるつもりはない」
 いささか官僚答弁であった。
「こちらとしては宇宙の秩序の為に動いているのだ」
「その秩序の為に地球をだね」
「そうだ。返答は如何」
「それなら答えは決まっている」
 グローバルが答えてきた。
「既に地球としての意志は決まっている」
「我々に関してか?」
「いや、全ての勢力に関してだ」
 彼はそうウィガジに答えた。
「我々を脅かさんとする勢力には断固として戦う」
「我々は戦いに来たのではないが」
「ものは言いような」
 ミサトは顔を顰めさせて口調をシニカルにさせて言ってきた。
「要は私達を支配下に置きたいのよね。見え見えなのよ」
「方弁ももう少ししっかりとしたら?」
 ミドリも言う。
「全く」
「それで受け入れられないとどうなの?」
 ミサトはまた彼に問うた。
「話し合い?それとも」
「残念だ」
 それに対するウィガジの返事はこうであった。
「我々としてもこうはしたくないのだが」
「つまりは開戦だね」
 万丈もそこから先はもう言わせない。
「それじゃあ」
「では我が軍はこれより攻撃を開始する」
 ウィガジは今言った。
「それでいいな」
「じゃあ呉でのあれは何だってんだよ」
 また甲児が言い返す。
「いいからさっさと来やがれ」
「わかった。それでは総員攻撃だ」
 甲児の言葉を受けて彼は自軍に攻撃命令を出した。
「いいな」
「総員迎撃用意」
 グローバルはそれを見て指示を出した。
「いいな」
「了解」
「やっぱりこうなったわね」
 彼等は口々に言う。
「ミネルバ、前へ」
 タリアはミネルバを前に出すように指示を伝えた。
「海岸に沿って防衛線を張るわよ」
「わかりました」
 アーサーがそれに頷く。
「それじゃあ」
「あれ、じゃあ防衛戦なのか、今回」
 シンはそれを聞いてすぐに察しをつけてきた。
「どうせなら派手にいつもみたいにいきたいんだけれどな」
「いや、今回はこれでいい」
 だがその彼にレイが答える。
「東京防衛の必要があるのだからな」
「それもそうか」
「安心しろ、敵は必ず来る」
 そう言ってシンを安心させる。
「俺達は待っていればいい」
「まあ来た奴は全員海に叩き落してやるぜ」
 シンは最初からそのつもりであった。
「来やがれ、ゲストでもインスペクターでもな」
「おそらくゲストも来る」
 レイはそう読んでいた。
「果たして彼等とインスペクターの関係が鍵になるな」
 その彼等の側では防衛を不服に思う者達がいた。
「おいおい、攻めなきゃ意味ねえだろうが!」
「滅殺!!それしかないって!!」
「・・・・・・前に行きたい」
「あんた達もちょっとは落ち着きなさいよ」
 ファがオルガ、クロト、シャニに注意する。
「騒いでも何にもならないわよ」
「つってもよお!敵を待つなんてよお!」
「僕達の性分に合わないんだよね!」
「・・・・・・殺す」
「どっちにしろ敵はすぐに来るわよ」
 フォウがそう言って宥めてきた。
「安心するといいわ、それは」
「そうか。じゃあ安心して」
「撃墜してやる!」
「・・・・・・どいつもこいつも」
「わかってると思うが俺達は撃つなよ」
 カミーユが彼等に言う。
「流石に後ろから撃たれたらやばいからな」
「派手な援護射撃期待しな」
「カミーユの分も残しておいてあげるからさ」
「安心しろ」
「そうさせてもらうよ。しかし」
 カミーユはここであらためてインスペクターの軍を見た。そのうえで述べる。
「地球の兵器に似ているな」
「そうね」
 エマがカミーユの言葉に頷く。
「どうやら。私達の技術を使っているみたいね」
「何時の間に」
「若しかしたら既にスパイを送っていたのかも」
 エマはそう推察を及ばせてきた。
「それだと説明がつくわね」
「そうですね」
 カミーユもそれに頷く。
「それなら」
「ええ。だとするとかなり手強いわよ」
 彼女は言う。
「実際に性能が高い兵器だし」
「だからよ、ここは!」
 また三人が騒ぎ出した。
「いっちょ派手にだな!」
「抹殺しちゃおうって!」
「・・・・・・攻める」
「だからそれは駄目なのよ」
 ファがまた三人を注意する。
「どんどん来てるからそれを相手にしていて」
「ちぇっ、面白くないなあ」
「だるい」
 彼等はそれを聞いて不満な顔を見せる。彼等にとっては護りに徹するというのは性に合わないことなのだ。根っからの攻撃的な性格故である。
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