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第十四話 虚空からの転生その一
                   虚空からの転生
 ゲートが来て暫くロンド=ベルはその調査に専念することになった。
 しかし何がわかったというと何もわからない。エクセリヲン以降出て来るものは何もなくこちらからも入ることはできなかったからだ。そのまま時間が過ぎていた。
「ううむ」
 今回はドクーガ艦が調査にあたっていた。カットナルは顎に手を当てて考えていた。
「わからんな」
「わからんか」
「そうだ。あれはそもそも何だ?」
 こうケルナグールに言葉を返した。
「エクセリヲン以降何も出て来んではないか」
「それは皆言っておるぞ」
 ケルナグールはそう答えた。
「何かわからんのはわしも同じだ」
「わしだぞ」
 カットナルも自分でそれを認める。
「訳がわからんのだが」
「ふむ。そうだな」
 ブンドルも言う。
「このゲートについては私もわからない。情報も集まらないししな」
「情報か」
「多分だが」
 カットナルとケルナグールはそれぞれ言う。
「またバルマーの兵器か何かではないのか?」
「バルマーか」
「うむ。これで通って来るとかな」
「その可能性は高いな」
 ブンドルはケルナグールのその言葉に頷いた。
「だがそれについても根拠はまだないな」
「そうじゃな。何もな」
 カットナルがそれに頷く。
「わかっておらぬな」
「試しに何か出て来たらわかるのじゃがのう」
「何かか」
「ではわし等が入ってみるか?」
 カットナルはこう提案してきた。
「試しに」
「それもできない」
 しかしブンドルはそれにも首を横に振った。
「今のとこと入ることもできないではないか」
「それもそうか」
「何かそれで思いきりヒマなんじゃが」
 結局そういうことだった。三人は今の状況が退屈だったのだ。
「地球に言ってもな」
「地底の連中は大人しくしておるし」
「宇宙もこれだ」
 ブンドルもそれについては同じであった。
「美しき戦いが行われていない。悲しいことだ」
「悲しいも何も」
「わしは暴れたいのだ」
「ケルナグール。貴殿も相変わらずだな」
「ふん、それで結構」
 言われただけでショックを受けるケルナグールではない。というよりはブンドルの言葉でいちいち何か怒るようなことでは一緒にはいられない。
「宇宙怪獣でも何でも出て来ないものか」
「そのうち来るぞ」
 カットナルは言葉を返した。
「その時を楽しみにしておれ」
「そうだな。それは間違いない」
 ブンドルもそう見ていた。
「激しい戦いは近い」
「じゃが今ではないのか」
「御主はもう少し落ち着け」
「そうだ」
 カットナルとブンドルがケルナグールをたしなめる。
「それか嫁さんと電話でもしておれ」
「そんなことは毎日しておるわ」
 流石はケルナグールであった。
「朝と夜にな。かみさんとの約束じゃ」
「しかし」
 ブンドルは甚だ不満そうな顔になった。
「何故だ。何故あれ程の美人が」
「妬くな妬くな」
 ケルナグールは心から楽しそうな顔になっていた。
「わしの幸せをな」
「そもそも貴殿も政治家としての仕事はどうなったのだ?」
 ブンドルはカットナルにも言った。
「国会には出てはいないようだが」
「こっちの方が忙しいのでな」
 ということであった。
「特別休暇を貰っている」
「そうか。では私も論文の執筆を続けよう」
 彼も彼で忙しかった。
「美しき戦いの合間にな」
 こんな話をしていた。それを聞くヒイロ達五人は彼等の会話を黙って聞いていた。
 まずデュオが言った。
「あの旦那方も相変わらずだな」
「そうだな」
 それにトロワが頷く。
「いつも通りで何よりだ」
「それがいいのか」
 ウーヒェイがそれに問う。
「あの三人は」
「いいのかね、あれで」
 デュオはそれには懐疑的だった。
「いいのだ」
 トロワはそれにも頷く。
「そうでなくてはコンデイションが維持できない。俺達もな」
「まあそうか」
「そうだな」
 デュオもウーヒェイもそれに納得する。
「俺達もあのやり取り見てるとな」
「不思議といつもの気分になれる」
「やっぱり雰囲気ですよね」
 カトルはそう捉えていた。
「雰囲気が大事なんですよ」
「その通りだ」
 ヒイロも彼と同じ考えであった。
「ロンド=ベルの雰囲気はいい。俺は好きだ」
「おろっ、そうなのか」
「御前もなのか」
 デュオとウーヒェイはそれにも応える。
「いい感じに精神的にコンデイションを維持できるからな」
「けれど最近あれですね」
 カトルは言う。
「皆どんどん増えて」
「正直最近まで覚えるのが大変だった」
 トロワの意外な苦労話だった。
「今度はSPTのメンバーも入ったしな」
「人が集まっている」
 ヒイロはこう評する。
「それがどうなるかだな」
「ああ」
 トロワが頷いた。
「今後にな」
 そんな話をしながらゲートを調査していたがこの日も何もなかった。ロンド=ベルはゼダンに駐留して調査を続けているがやはり何も見つからないままであった。
 だが次の日。ゲートから何かが出て来た。それは赤いマシンであった。
「ここか」
 それに乗る一人の男が呟いた。
「ここが太陽系か。さて」
 ゲートから出てそのまま外に出ようとする。だがその時だった。
「!?」
 またゲートから何か出て来た。それは。
「あれは」
 黒いマシンであった。堕天使の様な。その黒いマシンは赤いマシンに突進してきた。
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