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第十三話 ゲートその二
 宇宙に出たロンド=ベル。ラビアン=ローズで新たな仲間が合流していた。
「三人ねえ」
「ここに来て」
「エイジ君のレイズナーがあったわよね」
 エマリーは皆に対して説明していた。
「ええ」
「あれが何か?」
「あれをもとに三機試作で開発したのよ」
「そうだったんですか」
 エイジはエマリーからそう告げられて声をあげた。
「そうなの。その結果面白いものができたわ」
「どんなのですか?」
「まずはね」
 エマリーはエイジの言葉を受けて話はじめた。
「まずはバランス重視のドトール」
「はい」
「そして格闘戦重視のベイブルに後方支援用のバルディね」
「全部揃えたんですか」
「そういうこと。パイロットもね」
 見ればもうそこには新たなSPTのパイロット達がいた。二人の若者に一人の少女である。
「シモーヌ=ルフランよ」
 まずは少女が名乗った。
「デビット=ラザフォードだ」
「ロアン=デミトリッヒです」
 続いて二人の若者が。それぞれ名乗ったのであった。
「これから宜しくね」
「まさかロンド=ベルに入るなんて思わなかったけれどな」
「御願いします」
「こちらこそ宜しく」
 アムロが一同を代表して挨拶をする。三人はアムロの顔を見るとその表情を一変させた。
「おい、本物だぜ」
「ええ」
「そうですね」
 デビットの声にシモーヌとロアンが声をあげる。
「連邦軍の白い流星」
「まさか本当にいるなんて」
「おいおい、俺は伝説なのかい?」
「いや、あんまり凄いっていうんで」
「ねえ」
 デビットとシモーヌはそうアムロに答えた。
「やっぱりロンド=ベルっていったら」
「アムロ=レイ中佐ですから」
「何か俺は自分で思っているより有名みたいだな」
「ははは、そうだな」
 アムロの言葉にブライトが笑う。
「御前は何かと目立つからな」
「しかもブライト=ノア大佐までいますよ」
 今度はロアンが言う。
「ロンド=ベルの名艦長」
「ええ」
「しかもロンド=ベルきっての苦労人」
「私はそれなのか」
 デビットの言葉に苦笑いを浮かべる。
「はい、個性派揃いのロンド=ベルを上手く纏めている」
「名艦長ですよね」
「ううむ、私も有名になっているようだな」
「ははは、そうだな」
 アムロはそのブライトに顔を向けて笑った。
「御前も結構目立つしな」
「自覚はないんだがな」
 二十代にしてはやけに老けた仕草を二人は見せていた。そこがまた目立つのだが二人には今一つ実感がないようであった。
「それでね」
 エマリーはまたロンド=ベルの一面に声をかけた。
「彼等はエイジ君と一緒にいてもらうわ」
「僕とですか」
「そう、同じSPTのパイロットとしてね」
「あんたがあのバルマーから来たパイロットか」
 最初にエイジに声をかけたのはデビットだった。
「うん、そうだけれど」
「成程ね。あまり強そうには見えないわ」
「ちょっとデビット」
 シモーヌが彼を注意する。
「いきなり初対面の人に何よ」
「いや、本当によ」
 それでも彼は言うのだった。
「何か線が細いっていうかな。まあバルマーだからって特に何も思わないけれどな」
「へえ、そりゃまた何でだい?」
 チャックが彼に問う。
「いや、そんなのロンド=ベルじゃ普通だって聞いたからさ」
 それがデビットの答えだった。
「それに」
「それに?」
 今度はボーマンが声をあげた。
「地球にはもっととんでもないのがいたしな」
「またあいつ等かよ」
 ムウはそれを聞いてそのとんでもないのが何なのかすぐにわかった。
「何処でも暴れてやがったんだな」
「俺のところに来たのは命の鐘の十常侍だ」
「またすげえのが来たな、おい」
 これには流石にロウも言う。
「大丈夫じゃ・・・・・・なかったよな」
「何か訳がわからないままに基地が破壊されちまったよ」
 何処も同じだった。十傑集の前では普通の兵器では太刀打ちできない。
「あいつが鐘を鳴らしてな。命の鐘の響きなり!とか叫んで」
「あっという間だったわ」
「気付いた時にはもう」
 シモーヌもロアンも言う。
「完全に破壊されて」
「それで僕達ずっとテストパイロットしていました」
「君達も大変だったんだね」
 ユウナにとっては他人事ではなかった。
「自分達の基地がそんな目に遭って」
「ええ、まあ」
 ロアンがそのユウナに答える。
「そういえばオーブも一度」
「施設の一割が完全に破壊されたよ」
 オーブの雑務のほぼ一切を取り仕切るユウナにとっては思い出したくもないことであった。
「たった一人にね。白昼の残月に」
「そうでしたね。それで」
「正直ねえ。ザフトより損害が出たんだ」
「本当ですか!?」
「残念ですが本当です」
 キサカが沈痛な顔で答えてきた。
「あの時のことは思い出したくも」
「そうですか」
「大変だったんだ、オーブも」
「そうなんだよな、あの変態共はよ」 
 デビットは忌々しげに言う。
「コーディネイターとかそんなの全然気にならねえ位だ」
「俺達でもあんなことできるかっ!」
「おいおい、ありゃそもそも人間かどうかすりゃ怪しいだろうが」
 イザークとディアッカがすぐに突っ込みを入れる。
「何処の世界にあんな忍者がいる!」
「あんた等宇宙から生身で攻撃出せるか?」
「まさか」
「そんなことができるのは」
「そういうことだ」
 イザークはそうでビット達三人に告げる。
「あれと比べたら何者もな」
「普通人だぜ。単に生まれた星が違うだけだ」
「そうよね」
「その通りです」
 シモーヌとロアンはディアッカのその言葉に頷く。
「俺も結構バルマーの連中には偏見あった口だけれどな」
 デビットはそう言いながらエイジを見る。
「エイジだったな」
「うん」
 エイジはその彼に応えた。
「まあ宜しくな。これから頼むぜ」
「うん、わかったよ。けれど」
「けれど。何かあるのか?」
「僕もあんなことはできないから」
「だからわかってるわよ」
 シモーヌが思わず吹き出して言うのだった。
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