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第二話 激戦のプレリュードその一
                    激戦のプレリュード
 呉での戦いを終えたロンド=ベルは東京に移動していた。そこで裁判にかけられている三輪にかわって太平洋軍管区司令官となった岡と話をしていた。
「話は聞いているよ」
 岡はまずは彼等にこう述べてきた。
「新しい敵だね」
「はい、どうやらインスペクターという勢力です」
「インスペクター!?」
 岡はグローバルの言葉に目を動かしてきた。
「監査官かね」
「こちらではそう呼んでいました」
 エイジが彼に述べる。
「バルマーではですけれど」
「ふむ、そうだったのか」
 岡は彼の言葉を聞いて納得した。
「では我々も今後彼等をそう呼ぶか」
「はい」
 ロンド=ベルの面々はその言葉に頷く。そうしてさらに話を進める。
「それでだ」
 岡はまた言った。
「彼等の詳しいことはまだわかってはいないか」
「僕も話だけ聞いているだけで」
 エイジが答えてきた。
「詳しいことは何も」
「わかった。では全てはこれからか」
「そうですね」
「ただ長官」
 ここで大文字が述べてきた。
「何でしょうか」
「回収した彼等の機体からあることがわかりました」
「あること!?」
「はい、どうやら地球の技術が使われているようです」
「地球の」
 岡はその言葉に目を向けてきた。
「それは一体どういうことでしょうか」
「それも詳しいことはまだわかっていません」
 今度はサコンが答えた。
「まだ何もかもが」
「そうですか。それでは何事も今後ということで」
「ええ」
「残念ですが」
「わかりました、それでは我々の方でも調べてみます」
 岡はそこまで聞いたうえでこう言うのだった。
「イゴール長官、大塚長官と力を合わせて」
「御願いします。それでは」
「うん、こちらもできる限りのことはさせてもらう。では君達も」
「はい、無論です」
 大文字が答える。彼等は既に腹を決めていたのであった。

 東京において今後のことを検討していた。豹馬はふとちずるに尋ねてきた。
「それでこれからどうなるんだ、俺達」
「とりあえずは日本に残るみたい」
 ちずるはそう答えた。
「そこで一時待機して敵にあたるの」
「そうか」
「何や、そやったら暫く楽やな」 
 十三がそれを聞いて述べてきた。
「向こうから来てくれるやろしな」
「そうでごわすな」
 大作が彼の言葉に頷く。
「今のところは」
「けれど気になりますね」
「バルマーがかい?」
 日吉が小介に述べてきた。
「やっぱり」
「いえ、あのインスペクターです」
 だが小介はこう返してきた。
「彼等が一体何者か。詳しいことは全くわかっていないので」
「それでごわす」
 大次郎が彼のその言葉に応えて言う。
「一体何者であるのか皆目検討がつきもうさん」
「撃墜した機体からは戦死者も捕虜も得られなかったそうよ」
「逃げられたってわけか」
「ええ、多分ね」
 めぐみは一平にそう述べた。
「脱出装置がいいらしくて」
「そうか。手懸かりはなしか」
 健一はそれを聞いて残念そうに述べた。
「仕方がないな、それは」
「そうだよな。手懸かりが何もないっていうのは辛いけれどな」
「ああ。それでも戦うしかない」
 健一は豹馬にも述べた。
「そのうち色々とわかるだろうしな」
「やれやれ。何か宇宙からどんどん出て来るぜ」
 豹馬はそこまで聞いて大きく溜息を吐き出した。
「何か相手するだけでもあれだよな」
「そういえばだ」
 神宮寺がここでふと気付いた。
「バルマーの中にはまだキャンベル星人もボアザンもいたな」
「彼等だけではありません」
 それに麗が付け加える。
「ポセイダル軍もまた」
「そこにあれよね」
 マリは顔を曇らせて述べる。
「バルマー自体も健在だし」
「その通りです。その戦力はまだまだあると思います」
 猿丸が彼女に答える。
「彼等との戦いもあります」
「何だ、今までと大して変わらねえじゃねえか」
 豹馬はそこまで聞いてまた溜息をついた。
「地球での戦いがやっと終わったって思ったらよ」
「戦力的にはこれからの方が大変なんじゃないかしら」
 ちずるは悲観的なことを述べてきた。
「惑星間に跨る勢力ばかりだし」
「そうですね」
 彼女の言葉に洸が同意して頷く。
「インスペクターにしろそれは間違いないようですし」
「何や、洒落ならん事態は一緒かいな」
「そうですね」
 小介が十三に言う。
「結局は」
「では気合を入れる必要があるでごわすな」
「そうだな。俺達も気合入れて行くか」
 神宮寺は大作の言葉に応えた。
「これからもな」
「そうですね。ところで」
「どうした?」
 皆麗の言葉に顔を向けてきた。
「新たなメンバーが加わるそうです」
「新たな!?」
「はい、エイジさんのレイズナーを研究して新たなマシンを開発しまして」
「新たな」
「そうです。明日こちらに到着するそうです」
「それは有り難いな」
 健一はまずはそれを素直に喜んだ。
「今は一人でも人手が必要だからな」
「そうよね。ブルーガーだって大忙しだし」
 マリが言う。
「一人でも多くいたらそれだけ助かるわ」
「マリの言う通りだな。けれど」
「何?」
 マリは洸の言葉に顔を向けてきた。
「何にしろ大所帯なのは変わらないんだな」
「けれどそれがいいんじゃない」
 まぐみが彼に言う。
「賑やかになって」
「かなり個性派も多いしね」
「けれどそれもまたよしでごわす」
 日吉と大次郎は笑っていた。
「そうだな。メンバーは多い方が何かといい」
 一平も笑って述べる。
「何かと頼りになるしな」
「そうだな。しかしこうして皆を見ていると」
「見ていると?」
 洸は今度は健一の言葉に顔を向けた。
「何かありますか?」
「いや、ハイネル兄さんのことも思い出すんだ」
「プリンス=ハイネルのことをですか」
「ああ。兄さんは今でもきっと戦っている」
 彼は上を見上げて言う。まるでそこにハイネルがいるかのように。
「だから俺達も」
「そうよね。だから」
「どんな敵が出て来ても負けちゃいられないよな」
 マリと洸がまた言う。
「俺達は」
 それだけは確かだった。彼等は負けられない。それをまた確認するのだった。
 暫くしてすぐにそのインスペクターの軍勢が東京湾に現われてきた。今度はこの前の倍以上の戦力があった。
「敵も本気だってことでしょうか」
 アーサーがそれを見てタリアに問う。
「この数は」
「どうかしら」
 しかしタリアは彼のその言葉には懐疑的であった。
「まだ違うかも知れないわよ」
「というとインスペクターはまだ我々を探っていると」
「私だったらそうするわね」
 タリアはここで自分に例えてきた。
「一回の戦闘だけで判断したりはしないわ」
「そうですか」
「ええ、それに」
 彼女はさらに言葉を付け加えてきた。
「自分でも見ておきたいわね」
「自分でもというと」
「上級指揮官がいる筈だけれど」
「上級の」
「そう、それも司令官クラスね」
 彼女はそう呼んでいた。
「メイリン、ちょっといいかしら」
 今度はメイリンに声をかける。
「敵について調べてみて」
「何をですか?」
「敵の機体の種類をまずは」
 そう言う。
「調べて。新しい機体がいないかしら」
「はい・・・・・・あっ」
 すぐに声があがった。
「いたのかしら」
「はい、敵の後方です」
 そこにいる一体をコンピューターで指し示してきた。
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