第十一話 炸裂!!ライジング=メテオその五
「そして主力もまた」
「これ以上の戦闘は無理か」
「残念ですが」
部下は苦い顔で報告する。
「最早。適わぬかと」
「くっ」
フローラはそれを聞いてあらためて歯噛みした。
「今動員できる戦力の全てを出したというのにな」
「はっ」
「百鬼帝国のそれも」
この戦いには邪魔大王国も百鬼帝国もその戦力の全てを動員していたのである。だがそれでも今のロンド=ベルを倒すことは適わなかったのである。これが無念だったのだ。
「敗北か」
「如何為されますか?」
部下はそうフローラに問うた。
「まだ戦われますか、それとも」
「まだだ」
フローラはまだ諦めてはいなかった。
「せめて」
「せめて?」
「あのマシンだけでも」
目の前の雷鳳を見据えていた。
「倒しておく。いいな」
「わかりました。それでは」
「前に出る!」
自身の乗る移動要塞を前に出させる。
「あのマシンだけでも手土産にするぞ!」
「はっ!」
そのまま雷鳳に突っ込む。それはロンド=ベルにもわかった。
「トウマ!」
宙がトウマに声をかけた。
「来たぞ!フローラだ!」
「ああ!」
トウマもそれに応える。
「狙いは俺か!」
「いいかトウマ!」
ここで鉄也に彼に声をかける。
「今こそ特訓の成果を見せる時だ!」
「わかった!」
それに応えて何かを外した。
「あれは」
「パワーリストとパワーアングルね」
ミサトがミナキに言う。ミナキはミサト、リツコと共にグラン=ガランの艦橋にいるのだ。
「どうやら」
「そんなものを身に着けて戦っていたんですか」
「全ては力を引き出す為よ」
ミサトは腕を組んだ姿勢でそうミナキに説明した。
「雷鳳の力をね」
「そうだったんですか。それで」
「見ておきなさい」
あらためてミナキに対して言う。
「彼の頑張り、そして真の力を」
「真実の力・・・・・・」
「言い換えるなら人間の力よ」
ミサトはこうも言うのだった。
「貴女もね」
「トウマが見せてくれるんですね、私に」
「ええ」
その言葉にこくりと頷いてみせた。真剣な顔で。
「貴女に。そして」
「そして?」
「私達にもね」
「ミナキちゃん」
リツコもミナキに声をかけてきた。
「人間の力はね、馬鹿にはできないわ」
「そうなのですか」
「それが今からわかるから」
そう告げるのだった。
「私達がロンド=ベルで学んだこと」
ミサトはモニターに映る雷鳳を見ながらまた言った。
「それは人間の持っている力の素晴らしさよ」
「人間の持っている、ですか」
「それが今からわかるのよ」
またリツコが言った。
「今からね。さあ」
「はい」
ミナキも腹を括った。そのうえで頷く。
「それを今から」
「さあトウマ君」
リツコがモニターのトウマに声をかける。本人に聞こえていないのを承知で。
「見せてもらうわ。貴方の、そして」
「人の力を!」
ミナキの言葉だった。今トウマは己の全ての力を引き出すのだった。
「決めてやる・・・・・・」
構えを取る。その中で力を溜める。
「行くぞフローラ!」
その力を今解放した。
「ライジングメテオ!」
突進する。光となってフローラの移動要塞に向けて突き進む。
「ムッ!?」
「せいせいせいせいっ!!」
派手な攻撃を繰り出しはじめた。
「これで・・・・・・」
「何っ!?」
フローラですら捉えきれない動きだった。一方的な攻撃を受けダメージを浴びながらもどうすることもできなかった。トウマはその間にさらに攻撃に移ってきた。
「終わりだーーーーーーーっ!せいやーーーーーーーーーーっ!」
光が貫いた。移動要塞は虚しくその動きを止めたのだった。
「何だとっ!?」
「フローラ様!」
部下が報告する。
「要塞は最早移動不可能です!」
「何だと!?」
「早くお逃げ下さい。このままでは」
「しかしだ!」
「ですが!」
部下はそれでも退こうとしないフローラにまた言った。
「このままでは」
「くっ、致し方あるまい」
フローラも遂に認めた。敗北を。
「全軍撤退だ。戦力の回復に務める」
「はっ」
こうして彼等は撤退した。百鬼帝国、邪魔大王国の大攻勢はロンド=ベルの堅固な防御の前に空しく敗れ去ったのであった。
小説・詩ランキング
http://www.sclear.com/s/rank.cgi?mode=r_link&id=5341
http://highmix.s26.xrea.com/robo/rank.cgi?mode=r_link&id=106
http://www.webstation.jp/syousetu/rank.cgi?mode=r_link&id=3648
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。