第十一話 炸裂!!ライジング=メテオその一
炸裂!!ライジング=メテオ
トウマは命に別状はなかった。怪我も酷くはなかった。だが念の為一日は安静にしていた。
そんな彼のところにミナキが来た。そうしてまず彼に謝罪するのだった。
「あの、私・・・・・・」
「いいさ」
だがトウマはそんな彼女を許した。
「俺が未熟なだけだしな」
「いえ、それは違うわ」
ミナキはそれをすぐに否定した。
「貴方が悪いんじゃないの。全ては私が」
「ミナキがって」
「お父様を。盲信していたわ」
トウマから一旦目を背けて言った。
「それでシステムLIOHを」
「あれは一体何なんだ?」
トウマは以前から気になっていることを問うた。
「話は聞いたけれど使ったら駄目なのか」
「ええ、絶対に」
話がわかっているなら早かった。ミナキはすぐにそうトウマに告げた。
「これ以上使えば貴方を」
「殺してしまうのか」
「そう。だからもうあれは封印するわ」
俯いていたが毅然とした顔と声であった。
「もう。だから雷鳳も」
「いや」
しかしここでトウマは言うのだった。
「ミナキ、待ってくれ」
「えっ!?」
「雷鳳を封印するのは待ってくれ」
そう彼女に告げるのだった。
「えっ、けれど」
「俺はあれを使いこなしてみせる」
「駄目よ、システムLIOHは」
もう彼女にそれを使えと言うことはできなかった。そのせいで大変なことになりかねなかったからだ。自分のそれまでの思いやりのなさも含めて激しい後悔の中にあったからだ。
「もう絶対に」
「違うさ」
トウマはそれは否定した。
「俺はシステムLIOHに頼らない」
「使わないの!?」
「そうさ、あれなしで戦ってみせる」
毅然として言うのだった。
「絶対に」
「本気なのね」
「俺は嘘なんか言わないっ」
その言葉こそが偽らざる彼の本音であった。
「例え何があっても」
「そう。決意は強いのね」
ミナキも彼の決意を知った。そしてそれが止められないことも。
「ああ。それでいいな?」
「わかったわ」
ミナキはトウマのその言葉にこくりと頷いた。そうするしかなかった。
「それじゃあ。けれど」
それでも引き下がれない一点はあった。
「システムLIOHは」
「封印するのか」
「あれだけはもう」
俯いたまままた言った。
「使ってはいけないわ。あれは悪魔のシステムだから」
「悪魔のか」
「お父様は悪魔を作り出してしまったのよ」
悲しみと共に言うのだった。
「自分を認めさせる為に。それがシステムLIOHだったから」
「ミナキ・・・・・・」
「私は何もわかっていなかったわ。何もわかっていなくて貴方に酷いことも言ったし」
「それはいいさ」
そんなことを気にするトウマではなかった。うっすらと笑ってさえみせた。
「俺は気にしていないから」
「有り難う・・・・・・」
「それよりミナキ」
トウマはまた彼女に告げた。
「何?」
「俺はまた雷鳳に乗る」
それをまた言うのだった。
「その時に俺はやってみせるから。見ていてくれよ」
「貴方をなのね」
「ああ」
声がはっきりと明るくなっていた。
「絶対にな。頼むぜ」
「ええ」
微かに微笑んでトウマの言葉に応えた。まだ俯いているが。
「わかったわ。それじゃあ」
「やってやるからな」
トウマは復活した。そうして次の戦いに向けてまた特訓に入った。それは以前のものよりもさらに激しく厳しいものだった。だが彼は音を上げはしなかった。
「頑張るよな」
ジュドー達はそんな彼を見て言うのだった。自室で酒を飲みながら。
「トウマさんも。あんなことがあってすぐにな」
「そうよね」
ジュドーのその言葉にまずルーが頷いた。
「それがミナキさんにも伝わったみたいだし」
「あれでわからないとどうかしてるよ」
モンドはそう言うのだった。
「あの時だって酷いと思ったよ」
「まったくだぜ」
ビーチャはモンドのその言葉に頷いた。
「正直何様だってな」
「それはちょっと言い過ぎじゃないかな」
イーノはビール缶片手に首を捻る。
「幾ら何でも」
「あたしはそうは思わないけれどね」
しかしエルは彼とは違う意見であった。
「あの時は殴ってやろうと思ったし」
「ああ、そっちもかよ」
ディアッカがエルの言葉を聞いて言う。彼等も同席しているのだ。
「実は俺もな」
「あれは正直あんまりでしたから」
ニコルも顔を顰めさせていた。
「僕も止めるつもりはありませんでした、はい」
「って御前もかよ」
「厳しいねそりゃ」
「どうにもこうにも」
ケーン、タップ、ライトの三人はニコルのその言葉に突っ込みを入れる。
「これはなあ」
「イザークとかならな」
「不思議じゃないんだが」
「無論俺もそのつもりだった」
イザークもそれを隠すつもりはなかった。
「実際に飛び出ようとした」
「で、何でそれができなかったの?」
プルがそのイザークに問う。
「イザークは」
「私達が止めました」
「流石にそれはまずいですから」
フィリスとエルフィが出て来た。二人は干し肉とビールを楽しんでいる。
「他にもジャックさんも」
「大変でしたよ」
「だってさあ」
ジャックは自分の名前が出て来たところで言う。
「あそこまで思いやりのない言葉聞いたら俺だって」
「気持ちはわかる」
プルツーは彼と同じ意見であった。
「酷過ぎたからな」
「全くだ」
ミゲルは缶のカクテルを飲みながらプルツーのその言葉に頷く。
「あそこまで言うこともすることもなかった」
「そうだな」
それにハイネが同意する。
「あのままトウマが降りていれば非常に後味の悪いことになっていた」
「そうよねえ」
アムはそれを聞いて真剣に顔を曇らせた。
「本当にトウマさん残ってよかったわ」
「トウマさんがいないとやっぱり何か違うんだよな」
キャオの言葉は真理であった。
「戦力的にもそうだけれど何か雰囲気がな」
「その通りだ」
レッシィはそのキャオの言葉に同意する。
「一人いないと全然違う」
「ミナキさんの為にもならなかった」
ダバはやはりかなり冷静であった。
「だから。あれでよかったんだ」
「それでもあれよ」
エマが一言入れる。
「システムLIOHは封印されることになったわ」
「えっ、それじゃあ」
「雷鳳は」
「トウマさんはそのまま戦うつもりよ」
ファが一同に告げる。タイツなので三角に座っていても見えない。
「雷鳳でね」
「けれどそれじゃあ」
「ねえ」
皆それで戦えるのか不安になっていた。
|