第十話 内なる修羅その二
「あれ、何であんた達」
「いえ、実はですね」
「俺達ここにずっといるからよお」
まずはボルフォッグとゴルディマーグが彼に声をかけてきた。
「トウマ隊員に偶然御会いしたわけです」
「たまたまだぜ」
「そうか、たまたまか」
演技だとわかっていたがそれでもトウマは彼等の言葉を受けた。悪い気はしなかった。
「そのたまたまにですね」
「僕達からのプレゼントがあるんだ」
今度が氷竜と炎竜が彼に言う。
「プレゼント?」
「そうさ、これさ」
「よかったら受け取ってくれ」
それはGGGの隊員証だった。マイクがトウマの胸にそれを付ける。
「トウマこれでマイク達の仲間ね!」
マイクは目を笑わせてこう言った。
「いっつも心は一緒だよ!」
「心は一緒か」
「そういうこと」
「いつも同じですよ」
光竜と闇竜がトウマに対して言う。
「ですからトウマ隊員」
「勇気を忘れるんじゃねえぜ」
「ああ、わかった」
ボルフォッグとゴルディマーグの言葉である。それを受けたトウマは晴れ渡った顔で彼等に応えた。今まで沈んでいた顔が嘘のようであった。
「じゃあ。まずは頑張って偵察行って来るぜ」
「御願いしますね」
「気合入れていけよ」
「ああ!」
トウマは笑顔でその言葉に応える。そうして沈んだ気を取り直して偵察に出るのであった。
トウマはまずは単身で偵察に出た。だがすぐに一個小隊が彼のところにやって来た。
「何処の小隊だ、一体」
「よおトウマさん」
「寂しい思いしていない?」
「来たぞ」
何とオルガ、クロト、シャニの三人だった。劾も一緒である。
「何であんた達まで」
「流石に一人じゃ危ねえだろ?」
オルガがトウマに答える。
「だから僕達もさ」
「来たんだ」
「どうしてもって言うからな」
劾がそう述べてきた。
「それで来たというわけだ」
「そうだったのか」
「俺達がいれば何の問題もねえぜ」
「トウマは寝ていていいからさ」
「任せろ」
三人はそれぞれ言う。トウマはそんな彼等の言葉を受けてまた笑顔になった。彼等の心も同時に感じたからだ。
「悪いな、何か」
「御礼は本でいいぜ」
「僕はゲームソフト」
「新しいCD」
「・・・・・・何か結構安いものばっかりだな」
「こいつ等はそういったのだけあれば文句は言わない」
劾がそうトウマに述べる。
「出撃かトレーニングの間はずっとそうだ」
「そうなのか。そういえば見ないと思ったら」
この三人は普段は案外大人しいのだ。ただ身体が異常に頑丈で身体能力が超人的なだけである。それと頭が少しあれなだけなのである。大した違いは一応はないのだ。
彼等と話をしながら偵察を続ける。話せば意外と悪い連中ではなかった。むしろ気さくな方である。この時ふとオルガがトウマに尋ねてきた。
「ところでトウマさんよ」
「何だ?」
「あんた何で戦ってるんだ?」
そうトウマに問うてきたのだ。
「俺か」
「ああ。何か理由があるんだろ?」
「そうだよね」
クロトもそれに頷く。
「僕達みたいにさ、兵器扱いじゃないんだし」
「理由はある」
シャニも言う。
「それを知りたい」
「そうだね、知りたいよ」
「実はなあ」
トウマは三人に言われてそれについて話をはじめた。
「俺は。ある人に助けられたんだ」
「ある人?」
「バイトしていた時な。たまたまそこで誘導にあたっていた兵隊さんに」
あの時のことを彼等に言う。
「その人達は俺とミナキを安全な場所に誘導させてな。その後怪我人を助けていたんだ。そういうのを見ていたらな」
「自分も」
シャニはそれを聞いて呟く。
「そういうことさ。やっぱりああいうのって凄いよな」
「そうだな」
オルガが最初にその言葉に頷いた。
「そうそうはできねえぜ、やっぱりよお」
「僕達はただ戦っているだけれどね」
クロトは今の自分のことを正直に述べた。
「やりたいように」
「うざい奴は潰す」
シャニもまた。
「それだけだ」
「あんた達はまた何か極端だな」
「だが気持ちはわかるな」
ここで劾が彼等をフォローして述べる。
「こいつ等は御前を」
「ええ、よくわかります」
そう彼にも言葉を返す。
「だから有り難いです」
「あの女のことは気にするな」
劾もまたミナキについて言及する。
「わかったな」
「すいません」
「それでだ。どうやらまずいことになった」
「ええ、そうですね」
それについてはトウマもわかった。
「レーダーに反応です」
「数は・・・・・・かなりだな」
「へっ、大したことないね」
「そうだな」
「平気だ」
クロト、オルガ、シャニにとってはそうであった。彼等のガンダムの圧倒的な力からすれば。
「トウマさんさあ」
シャニがトウマに声をかける。
「気楽にやっていいよ」
「僕達が暴れ回るから」
クロトはもう戦闘態勢に入っている。レイダーが変形して敵を探している。
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