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第九話 立ち上がれ!勇気ある者達その六
「えっ・・・・・・」
「戦争でね!それもシンに殺されたのよ!」
「じゃあ貴女あの」
「そうよ。アルスター事務次官が私のパパだったのよ」
 フレイは泣きながら言った。
「そのことでキラに酷いことも言ったし人を一杯傷つけたわよ。ミナキさんのやってることはそれと全く一緒なのよ。前の私と」
「じゃあシン君、貴方が」
「そうさ」
 シンは苦い顔でミナキの問いに答えた。
「俺だよ。フレイの親父さんを殺したのは。戦艦ごと沈めてな」
 シンもまた苦い顔をしていた。話したくはないのがすぐにわかる。
「俺がやったんだ」
「そうなの」
「シンもキラも憎んだわよ」
 フレイはそれも言う。
「それで酷いことしたし言ったし。それと同じなのよ!」
「同じじゃないわ!」
 ミナキはやはりわからない。わかろうとしない。
「私はそんなのとは!」
「じゃあ何でトウマさんにあんなこと言うのよ!」
 またアスカが激昂して叫んだ。
「あんまりでしょ!トウマさんを切り捨てるなんて!」
「不適格だって言っただけよ!」
「同じじゃない!」
 また叫ぶ。
「それがね!よくそこまで思いやりのないことが言えるわね!」
「そんなのいらないわ!」
 ミナキは気付いていないのだ。自身のエゴイズムに。だからこそ言う。
「だってあれはお父様の!」
「お父様お父様ってね!」
 アスカはまた言う。
「それを楯にして他の人傷つけて!それでも!」
「地球を守る為よ!」
「あんたなんかに地球は守れないわよ!」
「どういうことよ、それ!」
「自分で考えなさい!」
 アスカはさらに怒りを爆発させようとしていた。
「トウマさんのことをね!」
「だから言ってるじゃない!」
 ミナキは何もわからないまま相変わらずの反論をするだけだった。
「トウマは不適格だって!」
「ちょっと、本当にあんたそれでも人間なの!」
 フレイもまた叫んだ。
「思いやりとかないの!本当に!」
「そんなことよりお父様のシステムLIOHは!」
 どうしてもわかろうとしない。
「使いこなせる人がいないと駄目なのよ!」
「ああ、そう」
 いい加減フレイも呆れだした。それでも言う。
「そんなに大事なのならね!」
 叫ぶ。これまでになく。
「自分で乗りなさいよ!」
「それができていたらそうしてるわ!」
 身勝手な言葉は続く。
「トウマが駄目だから降りてもらうだけじゃない!それで何でここまで!」
「わかっていないのなら自分に聞け!」
「そうだそうだ!」
 本気で怒ったシンとディアッカが叫んだ。
「あんた何だ!?黙って聞いてりゃ好き勝手なことばかり言ってよ!」
「じゃあトウマさんは何なんだよ!」
「不適格って言ってるだけじゃない!」
「そうか、あくまでそう言うか」
 イザークも激しい憤怒をその目に見せてきた。
「あんたは。人の優しさがないんだな」
「何でそうなるのよ」
「・・・・・・そうとしか思えないな、俺には」
 イザークは言う。
「はっきり言おう!あんたは人間として最低だ!」
「何よそれ!」
「こっちからあんたみたいなのは願い下げだ!」
「思いやりがここまでないなんてな」
 オデロもトマーシュも言うのだった。
「一つ言っておくさ、あんたに」
 ディアッカがミナキに告げた。
「優しさもわからない人間に誰かを守ったり救ったりはできないぜ」
「ましてや人の心を踏み躙っても平気な人間にはな!」
「どうしてそうなるのよ!」
 ミナキは皆に言われて困惑する。しかしそれでもわかろうとはしない。
「私が。どうして」
「ちょっと皆さん」
 見かねたニコルが口を開いた。
「落ち着きましょう。けれど」
 そのうえでミナキに彼も言う。
「ミナキさん、やっぱりトウマさんは」
「絶対に駄目よ!」
 それでもミナキは拒む。頭から何もわかろうとせず。
「適正ないのにどうしてよ!」
「まだ言うかあんたは!」
「だからシンも!」
 シンはキラが止める。
「落ち着くんだよ!」
「じゃあキラ!」
 シンは自分を止めるキラに対して問う。
「御前はどう思ってるんだ!このままじゃトウマさんがあんまりだろ!」
「わかってるさ。けれど」
 キラもシンと同じ考えだった。だから彼のことはわかる。
「ここでミナキさんに言っても。それは」
「それでもだ!」
「そうだ!」
 カガリも入る。
「ミナキ!あんたこそ出て行け!」
「何でよ!」
 ミナキはその言葉に真っ青になりカガリに言い返す。
「どうして私が!」
「人を追い出す奴は自分もそうなる!」
 カガリはそう言い放った。
「因果応報だ!覚えておけ!」
「全くだぜ!」
 ケーンも言い捨てた。
「こんな思いやりも何もねえとな!全然同情も何もできねえってやつだ!」
「ああ、そうだな」
「ケーンの言葉に同意させてもらうよ」
 タップとライトも続く。
「ミナキさんよお」
 ケーンはミナキを睨んでいた。
「あんた、そんなに偉いんなら一人でやればいいじゃねえか」
「なっ・・・・・・ケーンさんまで」
「そうして一方的にトウマさんが駄目だっていうんだろ?じゃあ俺達だってそう一方的に決めたっていいってことだよなあ」
「そんなこと私は」
「同じだよ」
 沙羅の言葉も嫌悪に満ちている。
「自分の立場になって考えればいいんだよ」
「トウマにロンド=ベルを出て行けって言ってるわけじゃないじゃない。どうしてそこまで」
「人はね。努力するものなんだ」
 雅人もミナキに言う。その目は沙羅のそれと全く同じだ。
「それが見えないかわかろうともしないのは」
「人として最低だ」
 亮は冷たく言い放った。
「少なくとも誰かを救うことも守ることもできはしない」
「くっ・・・・・・」
「頭冷やすかちょっとトウマの心も考えやがれ」
 忍は今にも彼女に背を向けそうであった。
「それができねえっつうんならもうあんたは雷鳳にも近付く資格はねえ」
「トウマさん、気にしたら駄目です」
「そう、そうですよ」
 シンジとミレーヌがトウマをフォローしていた。
「こんな人の言うことなんか」
「気にしないで。また雷鳳で」
「いや」
 だがトウマはそんな彼等の言葉に対して首を横に振るのだった。
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