第八話 混沌の大地その二
「その状態で何かしても無駄な損害を出すだけです」
「ええ」
「少しでもわかりゃあいいんだけれどな」
デュオが言った。
「今は全然わかっていねえからな」
「機ではないということだな」
ウーヒェイが彼にこう述べた。
「腹立たしいことだがな」
「そうですね。今は待つしかありません」
カトルがウーヒェイの言葉に頷いた。
「はがゆいですけれど」
「そのうち状況が変わる」
トロワは冷静に述べた。
「それまでの我慢だ」
「だが。戦いはさらに激しくなる」
ヒイロは視線の先に何かを見ていた。
「それに対してどうするか。考えておかなければならない」
「敵と見たら手当たり次第にぶっ潰す!」
豹馬が提案してきた。
「これは駄目かな」
「駄目に決まってるでしょ」
ちずるが彼に言った。
「作戦でも何でもないじゃない、そんなの」
「そっか」
「そうよ。けれど今が何かもどかしいのは事実よね」
「そやな」
十三がちずるに頷く。
「今はな。ホンマに我慢や」
「そうでごわすな」
「ただ。情報収集はしておきましょう」
小介は真面目に述べてきた。
「情報収集か」
「はい、そうすれば状況が変わります」
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」
京四郎が呟く。
「その通りだな」
「はい、今は目の前の敵を倒していきその間に」
「情報を集めていくのね」
ナナが問うた。
「そういうことです。ではロペット」
「ハイ」
「僕も頑張りますので協力御願いします」
「ワカリマシタ」
ロペットは彼の言葉に頷いた。こうして小介をはじめとしてロンド=ベルの頭脳達が地底勢力やインスペクターの情報収集を進めていったのであった。
ロンド=ベルはシアトル西岸に着いた。そこは既に敵の勢力が展開して連邦軍に攻撃を仕掛けていた。
「いいか」
敵軍の中央にいる青いマシンに乗る男が指示を出していた。
「狙うのは敵のマシンだけだ。戦闘不能になった者や非戦闘員は狙うな」
「はっ」
「わかりました」
部下達がそれに応えて頷く。
「あくまで戦闘だけを考えろ。いいな」
軍人として理想的な指示を出していた。彼は自ら戦闘に入り敵を倒していた。
その彼のところに今報告が入った。
「ロフレイン隊長」
「どうした?」
部下の報告に応える。
「西岸に新たな敵です」
「連邦軍の援軍か?」
「いえ、どうやらロンド=ベルのようです」
「ロンド=ベル」
その名を聞いて身構える。
「彼等が来たのか、ここに」
「どうされますか?」
報告する兵士は彼に問う。
「戦われますか?それとも」
「まだ撤退には及ばん」
それが彼の判断であった。
「戦闘を続行する。いいな」
「了解」
「それでは」
兵の幾らかが西岸を向く。そこに彼等が来た。
「よし、間に合ったようだな」
「ああ」
ピーとがサンシローの言葉に頷く。
「博士、今です」
「わかっている」
大文字はそのピートの言葉に応える。そうして指示を出した。
「全機出撃だ。いいな」
「わかりました」
リーが最初にこれに応えた。
「行きましょう、ヤマガタケさん」
「おうよ」
続いてブンタとヤマガタケも。まずは彼等の出撃であった。
他の面々も次々と出撃する。キョウスケは目の前に展開する敵軍を見て言う。
「確かにな。同じか」
「そうね」
彼の言葉にリンが頷く。
「インスペクターと同じ。やっぱりね」
「じゃあ戦い方も同じってやつか?」
イルムが軽い調子で言ってきた。
「同じ兵器ならよ」
「いや、そう安易に考えるのはよくなさそうだ」
だがその彼にゼンガーが言った。
「それはどういうことですか?」
「まさか何かが」
「問題はそれを操る者だ」
ゼンガーはクスハとブリットにそう述べた。
「操る者」
「それじゃあ」
「そうだ、最も重要なのは人なのだ」
それがゼンガーの答えであった。
「いいな、それで」
「わかりました」
「そういうことですね」
二人は彼の言葉をあらためて受け入れる。
「操る者が強ければそれだけ強くなる。ならば」
「それだけ戦が面白くなる」
ククルはゼンガーの横で不敵に笑ってみせた。
「そうであろう、ゼンガー=ゾンボルトよ」
「そうかも知れぬ。だが今は」
「参る!」
レーツェルが鋭い声を出した。
「このトロンベの力今見せてやる」
「全軍まずは上陸だ」
グローバルは全軍に伝えた。
「いいな。そうして次は」
「わかってますって」
ジュドーが彼に答える。
「あの連中をやっつけれシアトル解放ってね」
「おおい、生きてっか?」
ビーチャがまだ戦っている連邦軍に対して通信を入れた。
「助けに来たぜ」
「ロンド=ベルか」
「そう、そのロンド=ベルだよ」
モンドが笑いながら応える。
「援軍に来ました」
「けれど随分」
イーノは奮戦する彼等を見て言う。
「ダメージを受けているような」
「そうね」
エルは彼のその言葉に頷いた。
「これはもう限界かも」
「ここは私達に任せて下さい」
それを受けてルーが連邦軍に言った。
「今は撤退してダメージの回復を」
「しかし我々はまだ」
「だからここは任せてって」
痺れを切らしたかのようにルーが話に入ってきた。
「私達だってその為に来たんだしな」
「そうそう、休んでてよ」
プルも参戦した。
「その間パフェでも食べて」
「パフェ!?」
「それかケーキでもさ」
プルツーが続く。
「食べてくつろいでなよ」
「ううむ」
「そうするか」
お菓子の名前を聞くとどうにも気持ちが和んだ。こう言われると弱いのだ。
「それでは頼む」
「後は任せた」
「あいよ」
ジュドーが彼等に応える。
「じゃあ任せられるぜ」
「了解。それではな」
「これで」
連邦軍の将兵達は撤退する。そうしてロンド=ベルだけが戦場に残るのであった。
「さて、とだ」
ブライトが敵軍を見据える。
「どの敵かはまだわからないが攻めるぞ」
「わかった」
アムロがそれに応える。
「じゃあまずは上陸するぞ。皆いいな」
「了解」
「じゃあいきますか」
皆それに続く。こうしてまずは上陸にかかるのだった。
空からの援護の下港に上陸を開始する。早速空では激しい戦闘がはじまった。
「いいか、まずは弾幕を張れ!」
フォッカーがバルキリーのパイロット達に指示を出す。
「ミサイルだ!ミサイルを派手に撃て!」
「わかりました!」
輝が皆を代表して答える。まずはバルキリー達が弾幕を張りその中に入った敵を次々に屠っていく。その間にモビルスーツ達が上陸して戦闘態勢に入る。ここでも見のフスキークラフトを多量に持っているのが効いて上陸はそのまま海に入ってからよりも遥かにスムーズに進んだのであった。
「全機上陸完了しました」
「わかった」
ブライトはサエグサの報告に頷く。
「そのまま前に進め。そうして敵を少しずつ圧迫していくぞ」
「了解!」
その指示も伝わる。こうして彼等は港からさらに進む。
ロンド=ベルのその動きを見て敵軍も手をこまねいているわけではなかった。敵の中枢にいる青いマシンがすっと前に出て来たのだ。
「えっ、隊長」
「俺が行こう」
彼は部下達にそう告げた。
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