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第七話 インスペクター四天王その三
 ロンド=ベルのマシンは総攻撃を浴びせてきた。それはまさに火炎そのものであった。
「おらおらおらっ!」
 ケーンがドラグナーを前に出す。
「久し振りによ、暴れてやるぜ!」
「っておめえこの前の戦いも派手にやったじゃねえか」
「別に久し振りじゃないんじゃないのか?」
「出番の関係なんだよ!」
 そうタップとライトに返す。
「最近出番がなかったからよ!派手にやるぜ!」
「インスペクターの強さを見させてもらいたい」
「ええ」
 美久はマサトのその言葉に応える。
「その為にも今は」
「頑張ってね、マサト君」
 ゼオライマーは前線に出て派手に暴れる。一気だけでもかなりのものだ。
 戦局はすぐにロンド=ベルに傾いていった。左右に別れた彼等はそこから鋏で紙を切るようにインスペクターの軍勢を切っていっていた。そうしてヴィガジのいる後方にまで迫っていた。
「やい尻頭!」
 勝平がヴィガジに対して言う。
「手前みてえな奴はここで終わりにしてやるぜ!」
「私が終わりだと」
「そうだ!」
 勝平は彼に言い返す。
「ギッタンギッタンにしてやっからな!」
「ふむ、確かに好戦的だ」
 ヴィガジは叫ぶ彼を見て冷静に述べた。
「あまりにも。だが」
「何ブツクサ言ってやがる!」
「対策は可能だ。それが今だ」
「なっ!」
 ヴィガジが言うと急に援軍が現われた。インスペクターのマシン達であった。
「な、何でここに」
「備えはしておくものだ」
 彼はそう勝平に述べた。
「いざという時の為にな」
「畜生、伏兵ってやつかよ」
「ってわかってたでしょ?」
「いつものことだろうが」
 恵子と宇宙太が勝平に言う。
「何を今更」
「驚くことか」
「まあ驚いてはねえけれどよ」
 彼もそれには驚いてはいない。平気な顔である。
「けれどまた出て来てよ。うざいっていうかよ」
「じゃあ倒せばいいだけさ」
 万丈はいつもの軽い調子で勝平に言った。
「いつも通りね。それじゃあ」
「ええ万丈さん」
「ここは力を合わせて」
「うん。じゃあ勝平君」
 恵子と宇宙太の言葉を受けて勝平にも声をかける。
「背中合わせで行こうか」
「よし、じゃあ派手にやるぜ!」
 ザンボットとダイターンが背中を合わせる。そうして周りに群がるインスペクターのマシンを次々に薙ぎ倒していくのであった。二機のマシンだけでロンド=ベルはかなりの戦火を挙げていた。
 だがそれを見てもヴィガジは冷静であった。落ち着いたまま言う。
「強さはわかった。予想以上だ」
「データは揃ったんだな」
「うむ」
 通信に出て来たメキボスに答える。
「ここでの仕事は終わりだが」
「おっと、それはまだだな」
 ここでメキボスはこう言ってきた。
「まだだと?」
「俺達の仕事がな」
「終わりじゃないじゃない」
「アギーハ」
 アギーハも通信に出て来た。
「今そっちに出る」
「シカログも一緒だよ」
「・・・・・・・・・」
 モニターにシカログの姿も映った。すると新たに三機のマシンが戦場に姿を現わした。
「また出たのかよ」
 マサキが彼等の姿を見て言った。
「やいインスペクター!」
「何だ?」
 メキボスが彼に応える。
「俺達に言いたいことがあるようだな」
「あるから言ってるんだよ!」
 マサキは遠慮なく言う。
「手前等一体何者だ!名乗りやがれ!」
「おいおい、また随分と血の気の多い奴だな」
 メキボスは感情を露わにするマサキに対して苦笑いを浮かべた。
「別にそんなに怒らなくてもちゃんと名乗ることは名乗るぜ」
「そうよ。その為に来たんだし」
「その為に!?」 
 リューネがアギーハの声に反応を示した。
「じゃああんた達。何者なんだよ」
「少なくともインスペクターでかなりの地位にあるのはわかる」 
 ヤンロンの読みは当たっていた。
「そうだな」
「如何にも」
 メキボスが彼に答える。
「俺の名はメキボス」
 まずはメキボスが名乗った。
「あたしはアギーハ」
「・・・・・・・・・」
 アギーハが名乗ってもシカログは名乗らない。それでアギーハがまた言った。
「こっちはシカログ。あたしの彼氏さ」
「何だ、彼氏持ちなのかよ」
 忍はそれを聞いて言った。
「また随分と変わった彼氏だな」
「あたしの理想の彼氏だよ」
 アギーハは得意そうにそう答える。
「渋いシカログはね」
「俺達はインスペクター四天王」
 メキボスが言った。
「覚えておいてくれ。リーダーは俺だ」
「ちょっと待て」
 ヴィガジが突っ込みを入れる。
「リーダーは俺じゃなかったのか?」
「御前は影のリーダーじゃなかったのか?」
「何だそれは」
 同僚の言葉に目をいぶかしめさせる。
「はじめて聞いたぞ」
「当たり前だ。今作ったんだからな」
「おい、それでは何の意味もないぞ」
「じゃああたしは真のリーダーだね」
 調子に乗ってアギーハが言う。
「それでシカログが裏のリーダー。それでいいじゃないか」
「よくはない」
 ヴィガジはムッとした顔で応える。
「リーダーを決めておかないといざという時にだな」
「ああわかったわかった」
 メキボスはつっかかるヴィガジをあしらいにかかった。
「じゃあそれでいい。それでだ」
 ロンド=ベルに顔を戻してから言う。
「とにかくあんた達は俺達に協力とかするつもりはないんだな」
「そうだ」
 万丈が代表して答える。
「君達の言っていることは一方的な制圧だ。そんなものは受けられない」
「まあそうだろうな」
 それに関してはメキボスも納得する素振りを見せてきた。
「俺でもそうするな」
「おい」
「だがわかっている」
 ヴィガジに言葉を返す。
「こっちもこっちの事情があってな。じゃあ交渉は決裂だな」
「そういうことになるね」
 そうメキボスに返す。
「君達の態度がそんなのだとね。
「わかった。ではまたな」
 撤退にかかった。
「今は退くが今度はそうはいかないだろうな」
「全面戦争というわけか」
「そういうことになるな。あんた達が俺達の提案を受け入れないっていうんだからな」
「何か随分あっさりしてるね」
「そうだな」
 雅人と亮はここはあっさり引き下がるメキボス達を見て言う。
「またな。だが今度はそうはいかないぜ」
「全面戦争っていうつもりかい?」
「その通りさ」
 メキボスは今度は沙羅に答えた。
「容赦はしないってことで。いいな」
「ああ、望むところだ」
 また万丈が答える。
「こちらも。遠慮なくやらせてもらう」
「じゃあ。またね」
 アギーハも撤退にかかった。
「あたしとシカログのナンバーワンカップルの実力見せてあげるよ、今度はね」
「・・・・・・・・・」
「何かねえ」
 リョーコがシカログを見て言う。
「ああした感じの奴を見てると思い出すんだよなあ、あたしは」
「あの人が後ろに立つと殴る人ですか?」
「ああ、それそれ」
 ヒカリに対して答える。
「あの十三番目の奴な。無口なせいかね」
「あはは、流石にあそこまで変じゃないですけれどね」
 敵だと思って滅茶苦茶言う。
「けれど似てるかも」
「ゴルゴはゴルフをして負けてゴロ寝」
「イズミよお、久し振りで悪いけどもう強引過ぎて訳わからねえよ」
「そもそもあの方ゴルフはされましたっけ」
 ルリがリョーコの突っ込みの後で問う。
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