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第五話 百鬼帝国その一
                   百鬼帝国
 フローラは百鬼帝国の宮殿奥深くに案内された。そこは特別な場所であった。
「こちらです」
 鬼の兵士に案内されて来たのだった。そこには二人の男がいた。
「ヒドラー元帥です」
「ジラー博士だ」
 二人はそれぞれそう名乗った。
「以後見知りおき」
「こちらも」
 フローラは彼等に言葉を返した。そうして奥にいる男と向かい合った。
「貴方が百鬼帝国の主ですね」
「うむ」
 男はフローラに挨拶を返す。
「我が名は帝王ブライ。よく覚えておけ」
「はっ」
「話は聞いている」
 ブライはすぐにフローラに述べてきた。
「我等と同盟を結びたいのだな」
「そうです」
 フローラもまた彼に答える。
「我が邪魔大王国と百鬼帝国が手を結べば敵はありません」
「確かにな」
 ブライもその言葉に頷く。
「それに我等は共に同じ地底の者」
「はい」
 その言葉にも頷く。
「言わば同胞だな」
「だからこそです」
 フローラはまた述べる。
「帝王ブライよ、今こそ我等は」
「わかておる」
 ブライも不敵に笑って彼女に言う。
「我等とてそれを願っていたのだ」
「それでは」
「うむ。今こそ同盟を結ぼうぞ」
 その笑みのままフローラに述べる。
「そしてこの地球を」
「地上を」
 彼等はそれぞれ言う。
「我等のものに。そうだな」
「はい。それでは」
「皆の者」
 ブライはヒドラー、ジラーだけでなくそこにいる全ての者に言った。
「今こそ我等が同盟の時だ。祝うがいい」
「百鬼ブラーーーーーーーーーイッ!」
「百鬼ブラーーーーーーーーーイッ!」
 ブライを讃える声が木霊する。こうして百鬼定刻と邪魔大王国の同盟はなったのであった。
 フローラが去ってから。ブライの間にはヒドラーとジラーだけが残っていた。ヒドラーはその中でブライに対して問うてきたのであった。
「偉大なる帝王ブライよ」
「何だ?」
 ブライも彼に応えて顔を向ける。
「ヒドラーよ、申してみよ」
「邪魔大王国との同盟ですが」
 今結んだばかりの同盟について言及する。
「まことに。あれで宜しいのですな」
「何がだ?」
「このまま行かれるのでしょうか」
 そう帝王に問う。
「永劫に」
「それはない」
 ブライはそれはすぐに否定した。
「それは向こうも同じであろう。人間もバルマーも倒せば」
「後は用済みですか」
「そうだ。いずれ奴等も倒す」
 それをはっきりと述べる。
「その為の作戦も進めておけ。よいな」
「はっ」
 ヒドラーはブライのその言葉に応えた。
「それではそちらも」
「うむ。しかしまずは地上だ」
 ブライはそれには念を押してきた。
「地上を制圧し我等を脅かす全ての敵を排除して」
「地球の覇権を握る」
「ジラーよ」
 今度はジラーに顔を向けた。
「はっ、偉大なる帝王ブライよ」
「兵器の開発を急がせよ」
 そう彼に言う。
「よいな、その兵器で」
「わかっております、ブライよ」
 ジラーも彼の言葉に頷く。
「それで全ての敵を」
「そうだ。全ては偉大なる鬼のもの」
 自らの角にかけての言葉であった。
「鬼の前に全ての敵は滅び去るのだ」
「はっ!」
 ヒドラーとジラーは彼に敬礼する。百鬼帝国が遂に動きはじめたのだった。
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