第四話 竜魔帝王その四
「責めてもどうにもならないんだからな」
「ああ」
凱のその言葉に頷く。
「わかった」
そんな彼をミナキは見ていた。何かを見定めるように。
戦い自体はすぐに終わった。結局ロンド=ベルはその戦力で敵を圧倒したのであった。こうして戦いを終えて金沢郊外に集結した。
「何かあっけないっつうかよ」
マサキがまた言った。
「あの連中にしては大した攻勢じゃなかったよな」
「そうね」
それにシモーヌが頷いて同意する。
「邪魔大王国もしつこいしね」
「それでだよな。何かこの作戦はあまり力入れてないんじゃないかね」
マサキはまた言う。
「他に重要なことがあったとかよ」
「重要なこととな」
ティアンがそれを聞いて声をあげる。
「してそれは一体」
「何か他の勢力と交渉しているとかは」
デメクサは何気なく述べてきた。
「だとしたら何処なのでしょうね」
「バルマーはないな」
ファングはそう分析を立ててきた。
「あの連中は地球にいる全ての勢力を敵対視しているからな」
「そうね」
彼の言葉にベッキーが同意して頷く。
「それはないわよね。少なくともバルマーは」
「じゃあ一体何処なのでしょう」
エリスがあらためて問う。
「他にはインスペクターが出ていますけれど」
「あの連中はまだどっかと交渉できる程地球のこと知らんやろ」
ロドニーはそう読んでいた。
「わい等のことかてまだ調べ中みたいやしな」
「そうだな」
ジノもまたそう読んでいた。
「おそらくは地球の勢力ではないだろう」
「じゃあ一体・・・・・・いえ」
ロザリーはふと何かに気付いた。
「ひょっとしてまだ地下勢力がいるとか」
「残党とかか?」
マサキは何となくそう考えた。
「ミケーネとかのよ。あいつ等勢力かなりでかかったからな」
「他にまだいたとか?」
プレセアはそう考えた。
「また何とか帝国かも知れないわよ、お兄ちゃん」
「またかよ」
マサキはそれを聞いて嫌そうな顔になった。
「何かそういう勢力ばかり多いな」
「だとしたら問題はそれがどういった勢力かね」
セニアはいるという前提で話を進めてきた。
「どうせまたいつもみたいな感じの勢力なんでしょうけれど」
「やれやれってところだな」
マサキはそれを聞いて上を向いたうえで溜息をつく。
「どうしたもんだよ、いつもいつも」
「地下勢力同士なら有り得ることがある」
ヤンロンがここで言う。
「有り得ることって?」
「同盟だ」
そうリューネに告げる。
「同盟、ねえ」
「地下勢力同士なら利害が一致する可能性がある」
彼はそう主張する。
「あくまで可能性だが」
「何かそういう勢力も多いよな、本当に」
マサキはそれを聞いてまた述べる。
「何でもかんでもよ」
「しかし竜魔帝王」
宙はその中で一人呟く。
「一体どんな力を持っているんだ」
それについて思う。ロンド=ベルはこれからのことにまた脅威を感じていたのだった。
彼等がその脅威を感じていたその頃。地底から新たな勢力が出て来ていた。
「百鬼ブラーーーーーーーーーーーイッ!」
「百鬼ブラーーーーーーーーーーーイッ!」
口髭を生やした軍服の男と科学者めいた男がそう叫びながら敬礼していた。何処かナチスめいた敬礼なのは何故であろうか。
見れば彼等はいずれも角を生やしている。そうして同じく角のある髭だらけの異様なまでの威厳を醸し出す男の前にいたのであった。
「遂に我々の時が来た」
「はっ」
二人の男はその男の言葉に応えた。
「では偉大なる我等が帝王ブライよ」
「うむ」
ブライはまた彼等に顔を向ける。
「これより地上への侵攻を開始する」
「はっ」
「そして」
ブライはさらに言う。
「地上を我々のものとする。よいなヒドラー元帥」
「はっ」
口髭の男が応える。
「ジラー博士」
「はっ」
科学者もまた。
「これより我等鬼の時代がはじまるのだ」
「それで陛下」
ジラーがブライに述べてきた。
「何だ?」
「邪魔大王国から使者が来ていますが」
「邪魔大王国からか」
「はい。如何為されますか」
「ふむ」
ブライはジラーの言葉に一旦考える顔を見せてきた。
「何でしたらすぐにでも消しますが」
「いや」
しかし彼はヒドラーのその言葉を退けた。
「それには及ばぬ」
「では追い返して」
「それもする必要がないな」
「では一体」
「会おう」
ここで彼は言った。
「会われるのですか」
「何ならば手を結んでもいい」
こうまで述べる。
「今我々の覇業ははじまったばかりだ。少しでも戦力が欲しい」
「それでは」
「うむ。利用すればよい」
ブライはそういう考えであった。
「それでどうか」
「わかりました。それでは」
ヒドラーとジラーはその言葉に応えて頷いてきた。そのうえでまた言う。
「そのように」
「うむ、それではな」
ブライもそれに応える。
「ここに呼べ。よいな」
「はっ」
「では皆の者よ」
あらためて彼等に対して言う。
「我等の未来の為に」
「我等の未来の為に」
ヒドラーとジラーは動きを合わせるかのようにして述べるのであった。
「百鬼ブラーーーーーーーーイッ!」
「百鬼ブラーーーーーーーーイッ!」
再びブライを讃える声が木霊する。こうしてまた地球を、人類を脅かさんとする勢力が姿を現わしたのであった。
第四話 完
2007・5・24
小説・詩ランキング
http://www.sclear.com/s/rank.cgi?mode=r_link&id=5341
http://highmix.s26.xrea.com/robo/rank.cgi?mode=r_link&id=106
http://www.webstation.jp/syousetu/rank.cgi?mode=r_link&id=3648
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。