第四話 竜魔帝王その三
「触らぬ神に何とやらで」
「じゃ、じゃあねキラ」
「後宜しく」
「宜しくってよお」
そそくさと立ち去っていくキラとシンジに対して言う。
「御前等一体」
「すぐにわかるわ」
「それじゃあ」
一時間後医務室には残骸になり果てた赤服があるだけだった。皆その恐ろしい姿を見て何も言えなかった。そうこうしている間にパーティーは終わり敵への情報収集が再び本格化した。その日のうちに大塚長官からロンド=ベルに連絡が入った。
「金沢ですか、今度は」
「うむ」
大塚はヘンケンの問いに答えていた。
「そうだ。地下からかなりのエネルギー反応を感じる」
「では邪魔大王国」
「おそらくはな」
また彼の問いに答えた。
「今金沢には最低限の防衛戦力しかない。今そこを衝かれれば」
「危険ですね」
「そうだ。それで君達に向かってもらいたい」
そうヘンケン達に言う。
「頼めるか?」
「勿論です」
ヘンケンはすぐに即答してきた。
「それでは今からすぐにでも」
「うむ、頼むぞ」
「はい、それでは」
こうしてロンド=ベルは金沢に向かうことになった。すぐに金沢に到着した。
「さて、ここですね」
イーグルは金沢の市街地から少し離れた場所にNSXを置いて言う。
「ここにこの前の敵が」
「そのようですね」
その言葉にタトラが答える。
「おそらくはもうすぐ出て来ます」
「彼等が」
「だとすればいきなり下から来る」
アスカは和菓子を食べながら話に入ってきた。
「随分と考えておるわ、相手も」
「そうですね。敵もさるものです」
イーグルはアスカのその言葉に頷く。
「それにしても」
「それにしても?何じゃ?」
「いえ、こちらの世界は私達のいた世界と同じように戦争が多い世界だと思いまして」
「そうじゃな」
アスカは彼のその言葉に頷いて応えてきた。
「それはやはり人だからじゃろうな」
「そうなるのですね」
タトラがそれに応える。
「人だから争うと」
「姿形は違えどじゃ」
アスカはその幼い姿からは想像もできないしっかりしたことを述べてきた。
「そういうものじゃとわらわは思う。人間なのじゃからな」
「そうですね」
イーグルはその言葉に同意してきた。
「いいのか悪いのかはわかりませんが」
「あの邪魔大王国の者達も人間なのじゃろう?」
「そういう奴もいた」
宙がアスカに応えた。
「とんでもねえ奴も一杯いたがな」
「そういうことじゃな。さて」
アスカはあらためて身構える。
「そろそろ来るな。ならば」
「地下からエネルギー反応無数」
ナデシコでメグミが報告してきた。
「金沢を囲むようにしています」
「了解」
ユリカはそれを聞いてすぐに応えてきた。
「それでは全軍戦闘用意」
「了解」
ルリがその指示に頷く。
「敵が出現し次第攻撃を。街には一歩も入れないで下さい」
「よおおおおおおし!」
ダイゴウジがユリカのその指示を聞いて声をあげる。
「わかった!じゃあ一歩たりとも入れん!」
「その意気ってことだね」
サブロウタも意気揚々と彼に合わせてきた。
「市民の皆さんには迷惑がかからないようにねってね」
「おい、わかってんじゃねえか」
リョーコはサブロウタの今の言葉を聞いて楽しそうに声をかけてきた。
「御前も案外真面目なところは真面目なんだな」
「何か漫画でこういう人結構いますよね」
ヒカルも言う。
「締めるところは締めるっていうか」
「締めるのは鯖。シメサバ」
「何ていうかよ」
リョーコは少し脱力しながら述べてきた。
「イズミの駄洒落も段々訳わかんねえふうになってるよな」
「そうですか?面白いですよ」
しかしヒカルはこう返すのだった。
「イズミさんの駄洒落もロンド=ベルの名物じゃないですか」
「名物なのかな」
ジュンはそれには懐疑的に首を傾げる。
「それって」
「少なくともなくてはならない」
ナガレはそう言う。
「イズミもな。ロンド=ベルだしな」
「はあ」
「貴方もよ、アキト」
ユリカはアキトに声をかけてきた。
「今日も御願いね」
「ああ・・・・・・って言いたいけれど」
「何?」
ユリカはアキトが問うてきたのでそれに合わせてきた。
「どうしたの?」
「何か最近ユリカテンションあがってないか?」
「そうかしら」
自分では自覚がない。
「私は別にだけれど」
「いつもと同じじゃないの?」
ハルカがアキトに言う。
「艦長は」
「そうかな。じゃあ俺の気のせいか」
「そうそう」
ユリカは笑って述べる。
「まあイルイちゃんが助かって」
「イルイちゃんが?」
「私も早く子供が欲しいなっていうのは思うけれど」
「えっ、それってまさか」
「そっ、アキト」
にこりと笑ってアキトに声をかける。
「この戦いが終わったらね。いいでしょ?」
「ま、まあそれは」
アキトは急に口ごもってしまった。
「別に。戦いが終わったらね」
「決まりね。それじゃあ」
「敵出現です」
タイミングよくルリが述べてきた。
「来たか」
アキトはルリの言葉を受けて顔を真剣なものにさせる。
「それじゃあ」
「金沢を囲むようにして来ています」
その言葉通りだった。敵は完全に金沢とそこを守るロンド=ベルを包囲していた。
「数は三千です」
「何かいきなり派手だな、おい」
マサキはそれを聞いて言った。
「邪魔大王国も余裕がないっていうわけかよ」
「さて、それはどうかな」
しかしそれにはアハマドが異議を呈する。
「違うっていうのかよ」
「むしろこれだけの戦力を平気で送れる余裕があったならばどうだ?」
「余裕っておい」
マサキはその言葉に眉を顰めさせた。
「二度も崩壊してるってのにまだそれだけの力があるのかよ」
「いや、その可能性はある」
その彼に宙が言ってきた。
「宙、マジかよ」
「ああ、父さんが言っていた本当の恐怖の魔王が竜魔帝王だとしたら」
彼は言う。
「それだけの力があって当然だ」
「へっ、邪魔大王国もしぶといこったぜ」
「けれど指揮官がいないわね」
リューネはそこに注目した。
「どうなってるのかしら」
「さてな。だが」
ヤンロンがそれに応えて言う。
「それならば僕達にとって好都合だ。そうじゃないのか?」
「そうね」
ヤンロンのその言葉にテュッティが頷く。
「それじゃあ敵は好き勝手に街に来るみたいだし」
「狙い撃ちってわけね」
ミオがそれに応える。
「そういうことなら」
「よし、全機金沢の防衛にあたれ」
ブライトが彼等の声を聞いて断を下した。
「敵を引きつけて各個撃破しろ。いいな」
「了解」
アムロがそれに応える。
「そういうことならな」
「敵、来ます」
サエグサが報告する。
「よし、総員健闘を祈る!」
こうして金沢の戦いがはじまった。しかし緒戦でじゃなりの決着がついてしまった。僅か数分でハニワ幻人達はその数の殆どを減らしてしまったのだ。
「何だよ、この程度かよ」
アラドはあっという間にいなくなった敵達を見て言う。
「何か拍子抜けだぜ」
「そ、そうか?」
しかしトウマはそれに異議を述べてきた。
「俺は結構」
「大丈夫か、トウマ」
凱がそれを聞いて彼に声をかけてきた。
「御前はまだ実戦経験が浅いんだ。無茶はするな」
「あ、ああ」
トウマは凱のその言葉に応える。
「わかってるけれどな。それでも」
「まあさ。慣れるからさ」
「そうよ。トウマさんも」
アラドとゼオラも彼を気遣って声をかける。
「気にしないでいいわよ」
「済まない」
トウマは二人のその言葉に感謝して述べる。
「けれど俺は」
「だからそんなに自分を責めるな」
凱がまた言った。
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