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第四話 竜魔帝王その二
「何か随分と」
「まあね。何か色々とあってね」
「言っておくけれど飲んでも胸の大きさは変わらないぞ」
 ここで誰かが言った。
「これは忠告だが」
「貴女が言うとまたやけに説得力があるわね」
 皆その声の主を見て言う。そこにいたのはアイビスであった。
「あたしも飲む方だけれどな。胸は全然だからな」
「それがアイビスさんの魅力っていえば魅力!?」
 フレイはこう言う。
「胸が小さいのも好きな人多いし」
「そうだな」
 アイビスもそれに頷く。
「最近はそうみたいだな」
「僕はどっちかっていうと」
「はい、言わなくてもわかってるから」
 アスカがシンジに言う。
「あんたは大きいのよね」
「ま、まあそうかな」
「キラもよね」
 フレイはキラに話を振った。
「そうでしょ?」
「えっ、僕も!?」
「そうよ。だってこの前だって」
「この前!?」
 フレイの言葉に首を傾げさせる。
「僕何かしたっけ」
「サイ達と言ってたじゃない。胸がどうとかって」
「あっ、それはその」
「で、あんたはどうなの?」
 アスカは少し剣呑な目でキラを見てきた。
「大きいの?小さいの?」
「そう言われるとちょっと」
 キラは難しい顔を彼女に見せて言う。
「何か言いにくいな」
「言いにくくてもいいなさい」
 アスカはキラに逃げるのを許さなかった。
「あたしだって言ったのよ」
「えっ、何時!?」
「これから」
 かなり滅茶苦茶なことを言い出していた。
「あたしはトランクスに限るわ」
「それって下着のことだよね、男ものの」
「そうよ。同じじゃない」
 かなり強引に話を進める。
「まあこの部隊は皆トランクスか褌だけれどね。柄は色々だけれど」
「皆の下着の柄知ってるんだ」
「あんたもそれ位知ってるじゃない」
 アスカは目をさらに剣呑にさせてキラに言ってきた。
「お互い飲んだ後とか洗濯の時に見てるでしょ」
「ま、まあね」
 これは事実だ。何気にロンド=ベルの面々の関係は深いものがある。
「白とか多いよね、アスカは」
「そういうこと」
 そうキラに返す。
「あたしは下着はシンプルなのよ」
「はあ」
「で、あんたはどっち?」
 あらためてキラに問うた。
「大きいの?小さいの?」
「どっちかっていうと何か言いにくいけれど」
「どういうことだ、それは」
 カガリが彼に突っ込みを入れる。
「決められないっていうのか?」
「それぞれだから」
 それがキラの言い分であった。
「一概にはね」
「あら、逃げたわけ」
 フレイは今のキラの言葉を聞いて言った。
「何か拍子抜けしちゃった」
「アスランに聞いてもな」
 カガリはここでアスランに顔を向ける。
「何か今一つ。要領を得ていないしな、あいつは」
「そうなのよね、アスランは奥手だから」
 フレイもそれに合わせて述べる。
「言われても顔真っ赤にさせて言うし」
「あいつは問題外だしな」
「ええ」
 カガリとアスカは同時に誰かのことを言った。
「どうせ大きいのがいいとか言い出すに決まってる」
「それ以外に価値はないとかね」
「おい」
 そのシンが来た。
「また俺の話か」
「ええ、そうよ」
 アスカは敵対心を向けて言ってきた。
「あんたのことよ。悪い?」
「御前等みたいなのに言われても面白くとも何ともないんだけれどな」
 シンは喧嘩を売られたと認識して反撃を仕掛けてきた。
「どうせ御前等また胸がどうとか話していたんだろ」
「悪いか?」
 カガリがシンを睨んで問う。
「それが」
「悪いっつうか無駄なんだよ」
 やはりシンはこう言うのだった。
「どうせ何やっても大きくならないんだよ。さっさと諦めて貧乳派でも探しやがれ」
「何だとっ!」
 カガリが今のシンの言葉に激昂した。
「よく考えたら御前の妹さんはまだそこにもいっていないだろうが!」
「マユは胸が大きくなるんだ!」
 シンは何故かそれを知っていた。
「だからいいんだよ!」
「何、このシスコン!」
「あんた、まだ言うつもり!」
「ああ、ついでに言ってやるぜ!」
 そうしてまたしても言わなくていいことを言うのだった。
「御前等みたいなのは万が一大きくなってもすぐに垂れるぜ!」
「言ったわね、よくも!」
 アスカはそれを聞いてカガリと同じように激昂してきた。
「ああ、言ったぜ!そのままミサトさんやリツコさんみたいにな!垂れてどうしようもなくよ!」
「へえ」
 ここで後ろから殺気に満ちた声が聞こえてきた。
「ミサトさんやリツコさんみたいに、ね」
「面白い例えね、シン君」
「おばさんだからな、二人共」
 シンはそれに応えてさらに言う。
「おまけにビールとかレトルトばっかだしよ。そのうち身体全体がブクブクってよ」
「ブクブク、ね」
「つまり太ると」
「そういうのが一番あれだよな」
「あ、あのシン」
「ちょっとさ」
 キラとシンジが蒼白になってシンに声をかけてきた。
「これ以上言わない方が」
「そうだよ。あとすぐにここから逃げるべきだよ」
「逃げるって馬鹿言えよ」
 しかしシンはまだ言うのであった。後ろの殺気には気付いていない。
「何で俺が逃げなくちゃよ」
「いや、今すぐ逃げろ」
 何故かカガリも言う。
「さもないと御前は」
「そ、そうね」
 続いてアスカまでもが。
「逃げないと。死ぬわよ」
「何だ?あのおばさん二人がいるってのか?」
 全然気付かずにさらに言った。
「乳が垂れて肌も荒れてきてしかも厚化粧のな。やっぱりあれだよな、おばさんってのは」
「おばさんってのは?」
「もう女じゃねえな。おばさんっていう独自の生き物だよ」
「そう、わかったわ」
 後ろの声が純粋な殺気だけになった。
「おばさんのことは」
「じゃあシン君」
「あん!?」
「覚悟はいいかしら」
「ちょっとこっちへ来てね」
「こっちって・・・・・・・何だ?」
 後ろの二つの殺気にまだ気付かない。それは異様ですらあった。
「俺は別に動かねえぜ。まさかあのおばさん達がここに来るわけじゃねえんだろ?」
「何て言えばいいのかしら」
 フレイはシンの後ろでミサトとリツコが般若の笑みで立っているのを見ながら激しく汗をかいていた。
「これから起こる事態については」
「それは簡単よ」
 レイが彼に答える。
「簡単なの?」
「ええ」
 またフレイにこくりと頷いて言う。
「地獄絵図」
「まあそうね」
 それしか言いようがなかった。今まさに鬼が二人シンに襲い掛かろうとしている。
「いつものことだけれど」
「さあ、場所変えよう」
 カガリが他の面々を何処かに移動させる。
「もうすぐ恐ろしいことになるから」
「そ、そうね」
 アスカが彼女の言葉に応える。
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