ネィバーランド(41/93)縦書き表示RDF


ネィバーランド
作:めろん



第41話 牛乳の乱


「♪〜」

楽し気な歌が何処からか聴こえてきた。

「凄いワ!!ソラくン!なかなかじゃなイ!」

「ど…どうも」

「でも声が小さいですよ?」

「いやだってこの歌―…」

「ばっきゃ野郎〜羞恥心なんか捨てちまえYO!!」

「そうです!もっと大きい声じゃないとボクちんのドラムに負けるですよ?」

「じゃア、ソラくン?もう一回通すわヨ!!」

「…ふぇ〜い…」

おやおや。ソラ君、練習頑張ってるみたいですね。邪魔しちゃ悪いんで、ルゥ達の方に足を伸ばしてみましょう。

「痛っ!?なんか今足当たった?!」

…いっけね☆

「何言ってるにゃ?ルゥちん」

「ん〜…?」

周りを見回すルゥ。…バレてない!絶対バレてない!!

「…なんでもないよ」

…………………………ほっ

「ふ〜…平和だね」

イオが言う。

「まふ〜♪」

「きききき〜♪」

「本当本当〜平和が一番よね!」

「そう言えば、あの後ルゥちんはどうやって王様を説得したにゃ?」

「ん?」

「そう言えばそうね。私たちが客間にいる間、ルゥ王室行ってたのよね?」

「あ〜…!」









『父上様!これでもセイクリッドを信じるのですか!?』

『…』

『ヤツは内部に侵入して、この街のミストを破壊したのですよ?!そして、見張りの兵を操って…!!』

『…うむ』

『あ…あなた…』

『この様な事が起きたと言うのにセイクリッドを信じると言うなら、私は王位継承権を放棄します!!』

『『!』』

『民を守る事も出来ない様な王の後など、継ぎたくありません!!』

『…』

『…ルクレツィア』

『…港に』

『!』

『港に一隻の船を着けておいた。』

『父上様!』

『赤の台座は、ソング大陸にある。』

『じゃあ!』

顔を上げるルゥ。

『…だが、セイクリッドとの友好関係は変わらぬ。』

『な、何故ですかっ?!』

『我が愛する民を守る為―…無意味な血を流さぬ為だ!』

『!』

ルゥの顔色が明るくなった。

『ただし、条件がひとつだけある…』

『?』

『『…必ず…生きて帰ってきなさい…!』』

『! はい…父上様、母上様!!』









「…とまあ、こんな感じ?」

「格好良いにゃ〜ルゥちん♪」

「でしょ?!」

「てかルゥ…絵、上手いわね?」

「でしょ?!」

実はルゥ、二人に紙芝居で回想を伝えていた。かなり絵が上手い。

「流石、王族の英才教育ってヤツだね。」

「おお?解ってんじゃんイオ!」

「「英才教育ぅ!?」」

アミュとエリアが同時に聞き返す。

「うん!……あれは…キツかったなあ…礼儀作法に食事に語学、国学、地学…」

「それなのに、牛乳飲めないにゃ〜?」

「う…」

「そう言えばルゥ、ピーマンとニンジンとナス食べられないわよね?」

「うう…」

「はんっ…お子ちゃまだね」

イオが鼻で笑った。

「うっさーい!!!!!!いいの!!何だよ!?牛乳が何だって言うのさ!?」

ルゥがキレた。

「何?あの白い液体?!牛乳!?そんなの仔牛だけ飲んでりゃ良いじゃん!!!オレもう離乳しましたよ!?ええしましたとも!!!それなのに…それなのにっ…!!!!」

髪の毛を自分の手でぐしゃぐしゃにするルゥ。そして

「うわーんっ!!」

部屋から走り去っていった。泣きながら。


「…」

「……」

「………」

「「ルゥ!?」」

「何してるにゃ〜!!追うにゃ〜!!!!」

「まふ〜!!」

「ききー!!」

こうしてメンバーがルゥを追い掛けて行った。








「…此処に宝玉があるのね♪」

長い桃色の髪を団子にした一人の女性が村に入って来た。

「でもちょーーーっと、詰まんないわね…ん〜…」

村を見回す女性。そして張り紙に気付く。

「…バンド…コンテスト?」

「よぉよぉ姉さん美人だね〜♪」

「俺らと遊ばな〜い?」

女性が振り向き、口説いてきた二人の男を見て呟いた。

「…タイプじゃないわ」

「な?遊ぼうぜ☆」

聞こえなかったのか、再度そう言って、女性の腕を掴んだ。
すると、女性は、その美しい顔でふっと微笑み、そして、美しい声でこう言った。

「一回死ぬか?豚共」









びゅわっっっっっっっっっ


文字通りその場が氷ついた。


「…やってらんないわね〜…ホテルでも探しましょ♪」

何事もなかった様に歩いていく女性。
氷ついた二人の男を残したまま…









「…」

ぶっす〜と膨れてるルゥ。

「ほっ、ほら!ルゥの好きなスパゲティよ!!」

エリアがスパゲティを差し出した。因みにこのスパゲティは買った物です。断じて作った物ではありません。

「…」

「…にゃ!オレンジジュースも付けるにゃ〜♪」

「…」

「ホラ、エビフライもあるよ。」

「まふ〜」

「ききー」

「…」

今、ルゥの目の前には、お子様が大好きそうなメニューがズラリと並んでいる。悔しい事に、ルゥはこれらが大好きだ。

「…」

食べたいのだが、自分は今膨れている為かなり食べにくい雰囲気。


「…」

ここで、アミュが決め手の一言を言った。

「にゃ〜♪ルゥちんが大好きな酸っぱい納豆も付けるにゃ!!!!」

「許す!!」

文字通り顔色が変わるルゥ。そして喜々としてそれらを食べ始めるルゥ。それを見て、



(((…お子ちゃまだなあ…♪)))


エリアはルゥより年下なのだが、あまりにも微笑ましいルゥに、メンバー全員がそう思いながら微笑んでいた。


「?…食べないの?」

ルゥが聞く。

「にゃ!頂くにゃ〜♪」

「「いただきま〜す♪」」

「まふ〜♪」

「ききー♪」


こうして、メンバーの夜が更けて行くのでした。



















ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう