第四章・出会い
さぼりすぎて、さぼりすぎて久しぶりの投稿・・。
今回はがらっと変えて麻穂の視点からではなくしてみました。・・どうなることやら〜
彼女がボクの所に来たのは空の青が眩しいようなよく晴れた日だった。
・・・もっとも、ボクには空が“青い”かどうかなんてこと分かりっこないんだけど。
なんせボクには色を区別するほどの高性能な機能なんかついてるわけないんだから。空が青いなんてのはボクの頭にデータとして入力してあるから分かる事であって、ボクにとって、晴れの日も、曇りの日もたいしてかわりはない。どっちもただ白が少し濁った色をしてるだけだ。
なんで“白”は分かるのかって?僕の目は昔のテレビとおんなじ、白黒だからさ。暗い方が黒で、明るい方が白なんだろ?まぁ、晴れの日と曇りの日の違いなんてのは太陽がでてるか出てないかで勝手に決めてんだけどね。
ボクはこの店で一番古いロボットだ。
人型ロボットといえば聞こえは近代的でいいが、ボクができたのは人型ロボットが作られるようになった本当に初期の頃で、別に特別凄い機能なんてついていない。今じゃ特別価格100万円!!だ。まぁ、100万で高いといわれてしまっても無理はない。
実際、ボクが売れる日が来るなんてボク自身思いもしなかったのだから。
彼女の名前は[鈴木 麻穂] これはお客様登録の時にうちの店員が入力した名前だ。背はボクより10cmほど低い。世の中には物好きな人がいるもんだな・・。それがボクの正直な感想だった。自分が売れた!という喜びよりもその考えの方がでかかった。
ボクを買った時彼女はちょっと、「やってしまった・・」的な表情をしていた。でかい買い物をして、すがすがしくすっきりした!という感じではなく何か、もう後にはひけない、おもいつめた顔をしていた。
――まぁ、見たところ金持ちそうでもないし、(なんせ安売りしてるこのボクを買ったくらいだ)そんな顔しても無理はないか。――
彼女の部屋はこじんまりとした部屋で、よく片付けられていた。ボクは今日からここで、お手伝いロボットとして過ごすことになる。
「えーっと、まずは・・何だコレ、情報入力?と、名前入力・・名前なら店の人が入れてくれたじゃない!・・・・・あぁロボットに名前をつけるのね。なんかペットみたい。」
などと独り言をいいながら彼女は説明書を読んでいた。
「名前・・そっか、名前かぁ。何がいいかな?何も考えてなかったや。ん〜・・。」
なんて、考え込んでいる。
そういえばボクには名前なんてものがなかったんだ。
ふと、そんなことを思った。
「晃彦・・」
と彼女がつぶやいた。
アキヒコ?まぁ悪くはないがあまりにも人間的な名前じゃないか?
「だめ。そんなの・・・だめだよ・・。」
自分を否定するようにふいに彼女が泣き出した。
「どうしていなくなっちゃったの、晃彦。」
どうやら机に飾ってある写真の男のことらしい。彼氏なんだろう。いや、・・元カレか。
これだから人間ってのはやっかいな生き物だ。
しばらくして落ち着いた彼女はボクにあらためて『ハチ』と名前をつけた。忠犬ハチ公からとったらしい。
―・・犬かよ!!いくらなんでも、なんてランクの下げようだ!まぁ分かれた男の名前を未練たらしくつけられるのもごめんだけど。
そうしてボクの新しい生活が始まった。