第3章・運命
すっごい執筆をさぼってて、第3章を投稿するのに時間がかかってしまいました。つたないこの小説を見てくださっている方、遅れてしまってすいません!!
AM8:30
新着メール
送信者:ゆか
『マホおはよっ(^0^)/もう起きてる〜?今日の待ち合わせ11時にTUTAYAでいいかな〜?買い物して・・お昼も一緒に食べよう!(^ー^)v ゆか』
朝起きると、由香からメールが来ていた。AM9:00。
ボーっとした頭で返信する。
『おはよう。
今起きたよ、11時大丈夫です。
じゃあ また後で。 マホ』
カーテンを開けると外はきれいな青空。窓を開けると風が髪をなでていった。
伸ばした前髪がゆれる。
久しぶりに風が気持ちいいと感じた。
何か、変われるかもしれない・・
なんて、
ちょっとしたことでもこれからはそう思うようにしよう。と決めた。
朝ごはんをヨーグルトですませて洗濯物をほす。雨にならない事を祈りながら早めに家を出た。
自分で車を運転して行こうと思ったが、気乗りしなくてバスを選んだ。
街は今日も多くの人で溢れかえっている。
時間は止まらない。ここは確実に今日という時を刻み続けてる。
進んでる。
なんか自分だけ置いてきぼりをくらった感じがしてちょっとだけ怖くなった。
でも、今日は私だってちゃんと“動いてる” うん、動けてる。
由香に感謝しなくちゃ・・
早めに来たはずなのに由香はもう来ていた。
「麻穂!早かったね」
「うん、なんか遅れそうだったから・・」
「そう、でも思ったより元気そうでちょっと安心した。」
由香が微笑む。
「さ〜て何処行こっか?」
歩き出した由香の隣を陣取り私は、
「何処でもいいよ。でも由香、買いたい物があったんじゃないの?」
と言った。
「え?あ、あ〜・・買いたかった、・・!本があったんだけどさ、今見たらなかったんだよね。だから、私も何処でもいいよ。」
「あっ、じゃあ、その本探しに他の本屋見てみようよ。いいよ、どうせだから私つきあうよ?」
私は、動揺している由香に、本を買いに来たわけじゃないことを知りながらちょっといじわるしてみた。
「え?いいよいいよ!そんなんでつきあわせるのなんだし、今日は麻穂が行きたいトコ行こ?うん!そーしよ!」
あわてる由香を横目で見ながら私は思わずふきだした。
『ぶっ、本当は本なんて最初から買いたかったわけじゃないんでしょ?
ありがと、気使ってくれて。』
くちには出さずにそう感謝した。
「なんで笑ってんの?」
「なんでもない」
そう言って私達は、特別行くあてもなく街に出た。
服を見たり、靴を見たり、いろんな店を覗いていくと、私達は[科学発明館]という店を見つけた。
「何これ?ここ何ができるか楽しみにしてたのに〜」
由香が言うには、ここは前から建設中だった建物らしくわりと新しいお店らしい。期待してたのにな〜と不服そうに言った。
「いいじゃん、ちょっと覗いてみようよ。なかなかおもしろいかもよ?」
私はそう言って店のドアを開けた。
「え〜?麻穂そんなの興味あったけ〜?」
私はその時、自分自身でもなぜそんな所に興味がわいたのか分からなかった。ただの気まぐれだと思いながらも、何かひっかかるものがあったのだ。
今思いかえすとそれはやっぱり、何か、めぐり合わせの力というものが働いていたのかもしれない。
店には様々な機械があって、自動で動く掃除機や、凄い速さで食器を洗い、乾燥までしてくれる食器洗い乾燥機、はたまた本を入れると勝手に朗読してくれる本読み機などがあった。まぁ値段はそれなりに高い物だ。
「ようは、ちょっと進歩した電器用品ってことね?」
商品を見ながら由香が言った。商品にちょっと手が込んでる、と言う以外は普通の電気屋さんとなんら変わりはなかった。
しかし少し奥に進むとそこには普段見慣れないものがあった。
「何コレ、ロボット?・・ね、麻穂!見てよコレ!」
と、由香が手招きした先には映画かなんかに出てきそうな人型のロボットがいた。
「ねぇ、コレも売ってるのかな〜・・?」
とロボットをぺたぺたとさわりながら言う。
ロボットは子供くらいの背丈のものから、2mはあるだろう大きい物までいろいろな大きさのものがあった。フィギアみたいにきれいに色がついたロボット達。
「由香、見てコレ・・値段が書いてある。やっぱ売り物みたいよ?」
「へ〜、スゴーイ。ね、動くのかな?」
「ん〜?・・あ、動くっぽいよ?ほら、『家事お手伝いします。』だって。」
「本当だ!こっちは『業務用』って書いてある!・・どんな事するんだろ?」
私達は、「すごい、本当に使えるんだ〜科学は進歩したもんだねー」と、二人で言い合った。
しばらく見ていると、その中に私は多分一番古いであろうロボットを見つけた。他のロボットのようにカラフルでもなければ、細身でもない。ガッチリしたタイプのいかにもロボットという感じだった。大きさは175cmぐらいだろうか?
『オープン記念特別価格!!なんと今ならピッタリ100万円!!』
と、でっかく書かれていた。
「え〜100万!?たっか〜い!!こんなの誰が買うんだって感じじゃん!?」
横から由香が言う。
100万・・・
私は口のなかでその金額をつぶやいていた。
100万円。
心の奥底から何かが響いてくる・・
「ねぇ、麻穂、お腹すかない?そろそろお昼にしようよ」
由香の声にはっと我にかえった私は、「うん」とだけうなずいて店を出た。
由香と入ったイタリア料理の店は、結構評判のいいところで、二人して「おいしい」と言い合ったが、実際のところ私には母の作った“カルボナーラもどき”と味の区別がつかないほどさっきのロボットのことが頭から離れないでいた。なぜそんなに気になってしまうのか自分でも不思議なほどに。
だから、由香に「これから映画でも見て帰る?」と食べ終わって言われた時、つい
「ごめん、用事思い出した・・行かなきゃいけないトコあったんだ。」
と、使い古されたようないいわけを口にしていた。
私の足はかってに走り出し、まっすぐさっきの店へと向かっていった。
ロボットの価格は100万円。結婚資金に晃彦と二人で貯めていた貯金をくずせば買えないことは、ない。
今回書いてて本当に、私はまだまだ全然ダメだな〜と思ってしまいました。才能ねぇな〜・・と(><)でも頑張るっ!!