プロイセン国王 アクセルくん(7/13)PDFで表示縦書き表示RDF


プロイセン国王 アクセルくん
作:水乃ヘルギ



ミラノ領主 ジュリアーノ


「バカ野郎!」

 リューに連れられ(半ば拉致られ)て、ヴィスコンティの邸にやってきたアクセルくん。
 若い男の怒号が聞こえ、眉をひそめる。

「なんだよ、ケンカか?」

「リューはなぁ、おっぱいでかいから、オレは好きになったんだろうが! うへへへ」

 アクセルくんは思わず膝を折って落胆した。
 
「いきなり何なんだ、あの拍子抜けするスケベそーな声の主は;」

「ジュリアーノよ。当代領主」

 アクセルくんは頭の中が真っ白になる。

「う・・・・・・嘘だろ・・・・・・」

「嘘なもんか! 俺がこの城の主、ジュリアーノだ」

 赤毛の健康そうな青年は、いきなりリューに抱きついて・・・・・・。

「今は昼間でしょ、バカ」

 リューに尻をつねられる。

「いででで! 夜まで待てなぁい! ねぇ、お願いリューちゃん」

「だめよ」

 アクセルくんは思わず舌を噛んだ。

「あ、あ、あのよぉ、お取り込み中悪いんだけど;」

「そーいえばきみは、いったいなんだねぇ。我々の恋路を邪魔しようと言うのか!」

「あほか、そうじゃねえよ! てめー、頭のねじ抜けてるだろ;」

「なんだ、そうなの? はっはっは、そりゃ悪かったなー。最近薄汚いヤツらがリューを狙っていてねぇ。まあ、そのへんで座ってくれ」

 アクセルくんは頭をかいてイスに腰掛ける。

「薄汚いヤツって?」

「リューはホムンクルスだから、実験体にしようとしている団体が、しょっちゅう・・・・・・ね。俺の悪魔召喚じゃあ、たかが知れてるし・・・・・・」

「悪魔召喚?」

 アクセルくんは眉をひそめた。

「そういや、ヘルギも使っていたが」

「なぬ!? ヘルギ先生を知っているのか」

 女官が運んできた紅茶キノコをこぼし、ジュリアーノは立ち上がった。

「きみぃ、きみぃ! 先生がどこにいたのか、教えてくれよぉ」

「ぷ、プロイセンだよ、俺の国・・・・・・」

 ジュリアーノはつかんでいたアクセルくんの襟首をぱっと離した。

「そいつはやばいな。何せ今、プロイセンとは戦争中だ」

「何時代だよ;」

「今? ええと、十六世紀だが・・・・・・」

「・・・・・・あん!?」

 アクセルくんは汗をかいた。
 
「ちょっとまってくれ。俺は十八世紀の人間・・・・・・だぞ!?」

「はて」

 ジュリアーノはリューと顔を見合わせた。

「するときみは、先の時代からきた、というのかね」

「十六世紀が現実ならな・・・・・・」

「うーん」

 ジュリアーノは髪の毛をぐしゃぐしゃとかいて、

「まあいいか。俺、考えるの面倒だし」

 といって舌を出した。

「それであんた、よくもまあ悪魔なんぞ・・・・・・」

 アクセルくんも考えるのは苦手だったので、言うのはよした(汗。

「ヘルギ先生はだいぶまえに行方不明になってね。捜していたんだが、いっこうに見つからない。もし会えたらリューのことを護る方陣でもないかなー、と思ってねぇ」

「なるほど」

 ――ヘルギのヤツ、さっさとこっちにくればいいのに。

 アクセルくんは思ったが、まだ鍵が原因で過去にやってきたことになど、いっこうに気づかなかった。
 とろいんだよなー、コイツら(笑。  
       


まったくイヤすぎる領主揃いか、この物語は^^;
イタリア対プロイセンとは・・・・・・。
ぜひみたい(笑。











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