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プロローグ②
 
 ここで話は冒頭に戻る。
 目を開けて、最初に映ったものは鉄格子だった。
 現在俺は固いゴムのようなもので両腕を縛られた状態で、小さめの鳥かごに閉じ込められると言う羞恥プレイをさせられている。
 何がどうなったのか。
 始めにもいったが、誰か説明してくれ。
 見たところ、神殿っぽいこの場所は体育館ほどの広さがある。
 本当に神殿なら、大広間とか講堂じゃないだろうか。
 この俺の分析はRPGの知識を総動員した結果だ。伊達に高二でゲームオタ化してないよ。
 あ、それで思い出した。俺の大切なゲーム機が入ったバッグ。…よかった、ちゃんと肩にかかってる。
 ふっとなにげなしに正面を向く。誰かいないのか。
 ステンドグラスの光が柔らかく、タイル張りの床に降り注ぐ。と、光と影のコントラストの合間に、誰かの足が見えた。
 視線をそのまま上へと移動させる。そこには、飾りつきの中折れ帽を目深に被った、軍服姿の男が立っていた。表情は読み取れない。
「こいつが『神力箱(じんりょくばこ)』か?」
 右側からの重い声に、反射的にそちらをみる。
 きっと鋭い目で睨み付ける、きつめの女性と目があった。美青年過ぎて男かと思ったが…胸あるもんな。
 って何見てんだ俺は、こんな時に。
「まぁ!美しい方じゃぁないですか!」
 今度は左側から妙にテンションの高い女性の声。素直(?)に顔を向けた。
 ゴスロリと称されるフリルがたくさんあるワンピースを着ている、ピンクの長髪美少女だ。
 美しいってあなたのことじゃないですか。
 いつの間にか鳥かごの周囲には何人かが等間隔に並んでいた。俺を取り囲むかのように。
 さすがに怖いんだけど。
 後ろの見えない俺から三人がしっかりと見えるわけだから、他に3、4人は居るのだろうか。
「始める前に、ちょっといいかな」
 正面にいた帽子の男が、チョイと唾を押し上げていった。コツコツと靴をならして近づいてくる。
 唾を押し上げたことにより、よく見えるようになった顔は、他にみたことがないくらい美しい。細い切れ目とくねった紫の髪が、それ以上無いほどの色気を醸し出していた。
「その格好、そそるね」
「!?」
 格子越しに目とはなの先にあった美麗な男の顔に、驚いて身を引いた。帽子の彼はフッと妖艶に笑う。
 俺は直視できなくて目線をそらした。
 美形過ぎて気まずいのもあるが、大部分は真面目な恐怖からだ。自由にならないこの状態で、知らない、しかもちょっと危ない気がするこんな集団に囲まれたら、だれでも恐怖くらい持つ。
「儀式が終わったら、私のもとにおいておくのもいいかも知りませんね」
「―っ」
 伸ばされた手が首筋に触れた。
 そのまま手は顎へと移動していく。遂には、クイと顎をあげられ、強制的に目をあわせられた。親指はなぜか唇の辺りを撫でていて、はっきりいって気持ち悪い。
 背筋に嫌な汗が流れるのを感じた。
「怯えてるのかい?可愛いね」
 男はまた妖艶に笑う。どうもこいつらは変態のようだ。…また俺は関係の無いことを。
「まぁいい。儀式が先だ」
 男は今まで撫でていた指先を急に止め、爪を立てて首筋を一撫でした。
「――っ!?」
 変な声が出そうになるのを必死に押さえる。そんな優しく爪を立てないでくれ。
 男はくるりと向きを変えて、輪へと位置をもどし、
「始めよう」
 変わらぬ笑みで放った。
ちょっと短めです。
帽子男が変態気味だと思いながら書いてました(笑

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