取調べ縦書き表示RDF


かなり、ぐろい描写があります。嫌いな方は絶対に読まないでください。
取調べ
作:カトラス


 俺の名前は仮谷崎純一 三十四歳 警視庁第一捜査課で殺人担当の刑事をしている。
 俺達捜査課が追ってる事件は一カ月ほど前から、
各種マスメディアでも連日とりあげられている都内連続バラバラ殺人事件だ。
 俺には身重の妻がいるが、この事件の捜査のおかげでずっと所内にかんづめ状態で
昨日から妻に連絡もとれないでいた。
 しかし、事件の方は急展開を見せ容疑者を逮捕することが出来た。
 都内公園を巡回中の警察官が挙動不審な少年を職務質問したところ、
持っていたリュックサックの中から、恐らく女性だと思われるひどく痛んだ生首が出てきたからだ。
 もし、この少年が犯人ならば事件の被害者は三人目だった。
 恐らくと言ったのは過去二人の被害者がいずれも女性であったからだ。
 そして、俺は早くこの痛々しい事件を解決させるべく
鑑識から渡された被害者の惨たらしい写真に目を通しながら取り調べ室に向かって
長い廊下を歩いていた。
 写真に写ってるのは年齢性別がつかない。
 それほどまでに写真の遺体はひどく痛んでいた。 
 切断されている首から上の写真……
 以前は人の顔だっただろうと思われる部分は肉塊と化していてまるでのっぺらぼうの様だ。
 目はくりぬかれており、鼻と耳は切り取られている。
 頭頂部に長い髪の毛が申し訳程度に残っているが
皮膚ごと強く引き抜かれたのか、頭蓋骨の一部分が露出していた。
 まだマスコミには漏れていないが、
捜査資料によると容疑者の少年は十七歳で都内有名進学校に通っている。
 両親とも医者をしており、かなり裕福な家庭のようだ。
 少年は一人っ子で兄弟はいない。
 最近凶悪犯罪を犯す少年は、家庭環境がいいところの方が多いと俺は思っている。
 きっと過保護に育ててこられたつけがまわっているのだろう。
 そのような事を考えながら、俺は取り調べ室のドアを開けた。

 俺が入ってきても、少年は全く興味を示さず、携帯電話をいじっていた。
 通常は手錠をかけて取り調べをするのだが少年が十七歳というだけで免除されている。
「なんで、携帯電話をとりあげないんだ!」と、俺は中にいた筆記官に聞いた。
筆記官が言うのには、他の刑事が携帯電話をとりあげようとすると、
 少年はかたくなに拒否反応をしめし室内で暴れて、
取り上げるのなら何も話さないといったそうだった。
その様子を見かねた署長が外部と連絡を取らないという条件で、
所持を認めたということだった。
 署長も「甘いな」と思ったが、これぐらいの事で少年の供述が進むのならやもえないかとも思った。
 俺は少年の正面の椅子に座ると少年の顔を見て尋問を進めた。
 少年の顔には覇気が全くなく、目だけが異様にぎらぎらしていた。
 少年は端正な顔立ちをしており、まるで彫刻の像のようだった。
 俺は最初に少年に名乗った。
「これから、君の話を聞く仮谷崎だ。素直に質問に答えてくれたら手荒な事はしない」
 そう俺が言うと、少年は、フフフと人を馬鹿にしたような笑みをこぼして
「奇遇ですね」とだけいった。
「おい、何が奇遇なんだ!」
 俺は少年に聞いたがそれ以上話す気はないらしく、少年は黙っている。
「あのリュックに入っていた首は、君が殺ったのか?」
「あぁ 僕が殺ったんだよ――刑事さん芸術的だったでしょう」
 少年は相当いかれてるらしい。
「あの首はいったい誰なんだ?」
「さぁ、誰なんでしょうね」
 少年は俺に挑発的な態度でそういった。
「お前、俺をなめてるのか!」
 俺は少年の反省の態度がみられないのとさっきからニヤニヤしているのが、
許せなかったので、思いっきり机を叩いていた。
「刑事さん。暴力はいけませんよ!せっかくこれから少しくらい話してあげようと思っていたのに、そんな態度なら何も僕は話しませんよ」
 俺はこいつに、ご機嫌をとるつもりはなかったがとりあえず供述を早くとりたかったので
少年に謝った。
「いやぁ悪かったね、昨日からあまり寝てないものでついイライラしてしまった。
これから、気をつけるので話してくれるかね」
 少年は私の態度に満足したのか、事件のあらましを語りだした。
「あの作品はねぇ、公園で偶然見かけた女の人なんだよ
たぶん買い物帰りじゃなかったのかなぁ、荷物を重たそうにもっていたからね
それで、綺麗な人だったからこっそり後をつけたんだよ。
そしたら近所の団地に入っていった」
 それから、どうしたんだい? と俺は少年のご機嫌に気をつけながら聞いた。
「僕は新聞の集金を装って、家のチャイムを押したんだよ。
意外と簡単にかぎを開けてくれてね〜 そのまま家の中に無理やり入り込んで
女の人を椅子にしばりあげたんだよ。実に興奮したね」
「それですぐに殺したのか?」
「バカだねぇ、刑事さんすぐには殺さないよ。
すぐに殺ったら、僕が楽しめないじゃないか!
まずねぇ、持っていたナイフで目の玉をえぐってやったんだよ。
女の人は外に聞こえるんじゃないかと思うぐらいすごい悲鳴をあげてたよ。
僕はものすごく愉快だったな。そしたら、女の人気絶しちゃった。
面白くなかったので、耳を切断したら痛さのあまりかぁ〜女の人、目をさましたんだよね。
もうやめてぇ、とか僕に哀願してたようなぁ」
 俺は少年の話を聞いていてさすがに気分が悪くなっていた。
 そんな事を気にすることもなく少年は興奮しているのか、
語気を早めて話す事に夢中になっていた。
「それでね。僕はあることに気づいたんだよ。
女の人のお腹が膨らんでいるのを、僕は腹の中がどうなっているのか気になってね〜
持ってるナイフを今度は腹にむかって……」
 俺は吐き気がしてきたので、トイレにいこうと思ったとき少年がいった。
「そうだ奇遇でねぇ、その女の人、刑事さんと同じ苗字だったよ」
「おい。今なんていった? その女性は俺と同じ苗字だったのか!」
 俺は急に連絡をとっていなかった妻の事が心配になり、
携帯電話で妻の携帯の番号をおした。
 すると、あろうことか! 
さっきから少年がいじっていた携帯電話から聞きなれた着信音が鳴っていた。
その時、俺は全てを悟った。
 あの惨たらしい遺体の写真は……
そして、抑えようのない怒りがこみ上げてきた俺は気づくと少年のこめかみに
拳銃をあてていた。
 少年はそれでも、ケタケタ笑っていた。
「どうせ。撃ってこないでしょう」
 少年は俺をかいかぶっているようだ。
 俺は躊躇なく引き金を引いた。
 真っ赤な血しぶきと共に少年の頭の一部が吹き飛んだ。
 そして、俺は銃声を聞きつけた仲間に取り押さえられた。
 しかし、後悔の念は微塵もない。
 どうせ、この少年は少年法に守られて刑罰を受ける事なく
世間にまた舞い戻るだろう。
 それだったら、妻とこれから生まれてくるはずだった子供の事を
考えると俺のとった行為を誰も責めることはできないだろうと……














ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




◆BACK
小説家になろう