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事務所を出て数分後、コナンと平次は阿笠宅に来ていた。
事情を知らない者に聞かれたくないことなら
ここで話すのが一番いい。
二人が阿笠宅に訪れると、まだ眠そうな哀が出迎えた。
今朝出て行ったコナンが平次を連れてきて戻ってきたことに多少驚きながら。
中に入れさせてもらって、彼女と博士も交え早速本題に入る。
「で? サインもらうためだけに来たわけじゃねえだろ?」
優作といい平次といい言い訳がもっともらしすぎて怪しいのだ。
「そらなあ。だからこうやって二人で話せるよう連れ出してやったんやないか」
そう言って平次はずずいとコナンに顔を近づけた。
隠し事はあかんで、という表情である。
「鳥取行ったんやろ? どうやったんや?」
哀が顔を曇らせる。
ちらりと横目でそれを見たがコナンは正直に答える。
「……俺達が行った時、宮野家は火事で全焼していた」
「っなんやて!?」
がたん、と音を立てて平次が立ち上がる。
そして何かを考えるように手を顎に当てて神妙な顔つきになった。
「その鳥取行きのこと、誰かに話したんか?」
「鳥取行き自体は教えていないが、知り合いの刑事達ににおっちゃんの声で宮野家の場所を聞きまわった」
「なら、もしかして……」
やはり平次は頭の回転が早い。
事態の大きさを理解しているようだ。
コナンも彼の考えてることが聞かなくてもわかった。
「ああ。もしかすると、いやかなりの可能性で誰かが俺達の動きを読んでいるということだ。
そしてそれは……お前にはあまり言いたくないが、警察関係者の可能性もある」
周りが警察関係者ばかりの平次には言いづらいが、そう考えるしかなかったのだ。
コナンの告白に博士と哀が声にならない驚きを示す。
まさかそんな。
一方平次は別段気分を害した様子も無く、神妙な感じでうなずいた。
「俺にまで気を使わんでもええ。お前の考えが一番妥当や。でもそんな奴らが敵やったらどないするんや?」
もし警察関係者が組織の人間だった場合、いざという時頼れる者は格段に減る。
FBIもアウェイである日本であまり目立った動きはできないのだ。
そんな中で組織が行動を起こしたら。
最悪の事態がそこにある。
背筋に冷や汗が流れるのをコナンは感じた。
そのとき、ズボンのポケットから振動が伝わってきた。
「電話?」
ディスプレイにはどこかへ外出した「父」の文字が。
直感的にそれが組織がらみだと悟ったコナンは側に哀がいるのを考え、「家族のことっぽいし、少し席を外す」と三人に伝え急いで立ち上がる。
組織絡みの大事な用件なのだろうと見抜いている平次は彼を止めずそのまま前を通した。
コナンはそのまま走って別室へと去っていく。
「……何かまだ言いたそうね」
黙って通した彼をどう捉えたのか、哀が尋ねた。
「いや、他の考えもあるかもしれんなと思て」
「他の考え?」
「そうや。別に警察関係者やなくても、盗聴や監視しとけばわかるんとちゃうかなあって」
「それはあまり考えられないわ。盗聴されるということは私達の正体がばれてるってことよ。
なのに彼らは私達に何のアクションも起こさない。何故だかわからないけど、行動はばれてるけど正体はばれていないはずなの。……でも警察の場合だとしてもこの疑問は解決できないけどね」
「なるほど。あーややこしいことになってんなあ! どないせえっちゅうねん」
平次は複雑怪奇な状態に頭を抱えた。
哀も出来ることならば、らしくないが何かを蹴飛ばしたい気分だった。
その頃、別室ではコナンが優作からの電話を受け取っていた。
そして驚愕の知らせが聞かされる。
「外務大臣の息子の暗殺だと!?」
父から聞かされた内容はあまりにも突飛過ぎた。
今、優作はジョディ達といるという。
その辺の事情も聞きたかったが、そうもいかない事態だ。
「ああ。昨日辺りから水無怜奈を探す組織の動きが影を潜めたそうだ。探してはいるが、どうも形だけみたいらしい。それで彼らが違う大きな何かを起こすのではないかと予測して、私もさっきまで一緒に調べていたんだ。すると……」
「外務大臣の息子が狙われていることがわかったってわけか」
「そういうことだ。詳しいことは後で話す。とにかく今すぐ来てくれ」
「わかった!」
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