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「全く、一体何がどうなっているの!?」
キャンティに殺されそうになった時、突然SATが突入してきて彼女達を攻撃してきた。
ジョディはSATに助けられる形でそのまま外を目指したが、そこには到着したばかりの警察が周りを取り囲んでいたのだ。
慌しく武装した警察が動き回り消火活動をするべく、消防を呼んでいる。
辺りを見回すと上司のジェイムズが日本の警察と何やら話しているのが見えたので、重傷を負った体を引きずりながら彼のほうへ近づいていった。
「ジェイムズ! これはどういうことなの!?」
声をかけられ彼は傷だらけの彼女を目にしてその肩を抱いた。
「無事だったか……!さっき本部から連絡があってとりあえず日本警察と連携を組むよう指示が出されたよ」
「本部って……日本はFBIと連絡を取ったというの?」
「その辺に関しては後で詳しく話そう。とにかく君は応急処置をしてもらいなさい。向こうに救護班が控えている」
指を指された方向には救急車が何台も止まっており、隊員が負傷したFBIやSATを手当てしていた。
彼女はうなずくと、肩を貸そうとする彼を手で制して一人歩いていく。
何がなんだかよくわからないが日本が組織壊滅に乗り出したことはわかった。
どうして自分達の突入が彼らに知れたのか、どうして今まで組織に何の手立てもしなかったのかなど色々不可解なところは多い。
しかしこの警察の行動がFBIにとって有益なことだけは確信できる。
この事態を整理しながらゆっくり向かっていると、まだ警察のいない建物の裏側で、どこから入ってきたのか、車が一台止まるのが見えた。
車からは少女と男が急いで出てくる。
「あれは……Mr.阿笠と……遠山さん!?」
文化祭で一度だけ見た少女の姿に驚いた。
博士と和葉が研究所に着くとそこは炎に包まれ建物が崩壊していた。
夜の暗闇に朱色の火が辺りを大きく照らし出す。
踊り狂う炎に二人は愕然として建物を見上げた。
「嘘やろ……?」
「こ、これは……」
――宮野はもう逃げたのか?
博士はもう数十年会っていない親友を案じ冷や汗を流す。
「あの子を救い出してやってくれ」と頼まれたが、自分を助けてくれとは書いていなかった。
まさか今いるFBIや警察に捕まったのかとも考える。
しかし慌しさこそあれ、ボスと捕まえたとあればもっと様々な部隊が来ているはずだ。
それが無いということは、彼はもう逃げたのかもしれない。
ではコナンや哀、そして頼まれた「あの子」はどうなのか。
博士の横で和葉は予想外の出来事に呆然と炎を見つめていたが、そこに這う這うの体で建物から脱出した構成員がやってきた。
息を切らしながら思わず地面に両手をつけた男に彼女は急いで向かい、必死に問いかける。
「なあ! 平次はどこに行ったんや!?」
「は?」
反応の薄い返事に居てもたってもいられず、男の胸ぐらをぐいと掴みあげた。
「スピリタスのことや!!! 今どこにおるんや!!!」
いきなりのすごい剣幕に押されながら男は搾り出すように答える。
「ス、スピリタス様ならボスの部屋にいたという情報しか……」
その下っ端の答えに彼女はつかんでいた手をゆっくりと離した。
男はそのまま尻をついてしまう。
和葉はすばやく辺りを見回したが、探し相手は見つからない。
もう出ているならば絶対見つけられるはずだ。
しかしその彼の存在すら感じ取れない。
「――っ」
「か、和葉君!?」
最悪の展開に迷うことなく裏口を入ろうとしたが、
突然後ろからその腕をつかまれた。
掴んだのは博士ではなく。
「何しようとしているの!?やめなさい!!」
ジョディは崩壊する炎の建物へ飛び込もうとした彼女に怒鳴りつける。
しかし和葉は大人しくしない。
「離して! はよ行かんと死んでしまう!!」
「この建物に入るほうが死ぬわよ!!」
「そんなん関係ない! お願いやから離して!!!」
「遠山さん!!!」
負傷した腕ではしっかりと掴むことはできず、思い切り振り払われた。
そして和葉が叫んだ。
「私は遠山ちゃう!! 私は……私は大黒和葉や!!!!」
そのまま彼女は動きが止まった二人を残し、崩れ落ちる壁と火に怯むことなく飛び込んでいった。
側で大きな瓦礫が降ってこようとも足を止めることは無い。
背後で裏口ががらがらと崩れ去る。
逃げ道など今の彼女には重要ではなかった。
ただ、ただ、彼のことだけを考えて。
あなたを一人にはさせない……!
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