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息子の身近に構成員がいるという事実。
そしてボスのコードネームを初対面で見せ付けたという事実。
それは変えようの無い真実。
「そう……君の演技は完璧だった。あの子の、いや全ての者の前で」
そしてそれは私以外で。
そう彼は言うと目の前にいる男に向けていた視線を少し横にそらした。
あまりこの男を直視できなかった。
こんな真実を用意した男を。
闇夜の町に一閃風が吹いた。
満月が雲間から姿を見せる。
「君が彼女のことを必要以上に知っていたことがきっかけだったよ」
なぜ、あの時素性が一切不明だったクリスのことを賢いと言ったのか。
なぜ、あの時ジョディに対して牽制をかけたのか。
「そして、あの幽霊船での出来事がそれを決定付けたんだ」
組織の人間が居たにもかかわらず、無事で居られたそのワケ。
「……できればもっと違った場所で君とは話がしたかった」
きっと楽しい会話が出来ただろう。
しかし目の前の男はまだ何も話さない。
「君が彼女に問いかけた言葉をそのまま返すよ」
工藤優作は一旦一呼吸置いた。
息子には言わせたくない言葉だった。
だからこそ、自分が言うのだ。
「君は、何者なんだい?」
服部平次はその状況にそぐわぬ穏やかな笑みを浮かべた。
「真実を解き明かすだけでは、何の解決にもならへんで?先生――」
春の桜が闇夜に散った。
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