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猫さんの瞳に魅せられて 作者:猫村銀杏(ねこむらいちょう)

第一巻

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第六章 シキの夢(第一巻完結)

2016/5/5 表示乱れていたので微修正しました。
第六章 シキの夢

 目が覚めるとシキは、毎朝見る天井を見ていた。
 シキはまだクリームを助け出そうとしていた途中だったことを思い出して、今まで意識をなくしていたのが嘘だったかのように覚醒した。
「クリーム!」
 シキは思わず叫んだ。クリームは無事なのだろうか。
「いきなりうるさいわね。やっと起きたのか、このご主人は。ほんとぐうたらしているのだから」
 シキが人生で聞いたこともない声が応えた。でも、シキはその声をどこかで聞いたことがある気もした。一体、誰だろうと疑問に思ったシキが、上体を起こすとベッドの脇には可愛い女の子が立っていた。
 その女の子は、真っ白で綺麗な白髪を肩のあたりまでたなびかせていた。
 シキより少し小さいその女の子の姿は、シキにはなぜか浮き世離れして見えたが、妙に引き寄せられる姿だ。極めつけはその目である。シキと目があったその子の瞳は人間にはとても珍しいオッドアイだ。だが、猫さんのオッドアイは人間ほどには珍しくない。
「おはよう、シキ。気分はどう?」
その子がシキに微笑んで話しかける。
「お前、もしかしてクリームなのか?」
 シキは、これまでの出来事を通じて猫さんが人間社会に人間として生活しているという事実を受け入れていた。この女の子の姿を見て、なにより両目に映える金色と銀色のオッドアイの瞳がクリームのものだし、猫キチのシキじゃなくてもわかる雰囲気があった。
「そういえば、この姿をシキが見るのは初めてだっけ?そう、私はクリームだよ。それで、体は大丈夫なの? シキ」
 猫さんの姿で喋ってくる時(しゃべるといっても鳴いてくる時)と随分印象が違うが、やっぱりこの女の子はクリームだ。クリームといえば直情的に動く猫さんであったから、擬人化するともっと砕けたイメージの喋り方だったのだが、ここらへんは王女の品格だろうか。シキのもっているイメージとは随分違った。
「よかった。無事だったんだね。クリーム」
何はともあれ無事でよかったとシキは安堵の表情で言った。今まで、気を失っている間も張りつめていたような気がするシキの神経は緊張が解けて、全身の力が一気に抜けた。すると体が再びベッドに落ちた。やっと気を抜いて休めることができると体全体が反応したかのようだった。
「ちょっと、ほんとに大丈夫なの?」
 クリームが心配そうに、シキの顔を覗き込む。目と目が合うと自然と笑顔になった。
「大丈夫、大丈夫。ちょっと気が抜けちゃっただけだから。クリームが無事だと分かったら安心しちゃってさ」
 クリームがあまりにも心配そうな表情をしているのでシキは慌てて弁明した。
「なによ。やっと起きたと思ったら随分とケロッとしちゃってさ。そんなに元気そうにされたら、ずっと看病していた私達が馬鹿らしくみえるじゃない。そんなんなら三日も寝てないで早く起きなさいよ!」
 するとクリームが突然ツンツンになった。化けの皮が剥がれたような豹変ぶりだが、こちらのほうがクリームらしくて、シキにはこっちのクリームのほうが救世主っぽいクリームより、自然体に見えてよく思えた。
「僕は三日も寝ていたのか?」
 そんなに重症だったのだろうか? アンコに思いきり胸をえぐられたのは覚えているが、あっという間に意識が飛んでしまったのでその後の顛末が全く分からない。三日も寝ていたとするならちょっとしたタイムリープだ。
「そうだよ。すごい熱がでたり、うなされていたりで大変だったんだから。みんなにもちゃんと感謝しなさいよ」
「みんな?」
 みんなとは誰のことだろうか? 思わず、シキはクリームに聞いた。
「シキの足元で寝ているみんなのことだよ」
 見るとシキの足元には楽園が広がっていた。トラと見知らぬ猫さん二匹が眠っていた。クリームがすぐわかったのと同様に、シキは二匹を見てそれがナツミとマフユだということがすぐ分かった。人間としてあれほど付き合って、あの戦いを共に戦った戦友の二人なのだから、シキが分かっても不思議ではない。猫さんと人では種が違うのだから、当然見た目が全く違うのだが二匹には人間のころと同じような雰囲気があった。人型と猫型の間で変身できるといっても少しは特徴を受け継ぐようだ。
 ナツミは、全身綺麗な茶色の縞模様に覆われた、なんとも行動的に見える猫さん。
 マフユは、青みがかった毛に覆われた、神秘的な雰囲気を漂わせる猫さん。
 トラはいつものようにきれいに丸くなって眠っていた。マフユは体を横にしただらーっとした体勢で、そのマフユを枕にするような仰向けの体勢でナツミは寝ていた。みんなすごく可愛くてシキは、その姿に心の芯から癒されるのを感じた。
「すごいぐっすり眠っているね。それじゃみんなで看病してくれたんだ。ありがとうね。もちろんクリームも」
 シキは、眠っているみんなと今まさに看病してくれていたクリームにもお礼を言う。すると、クリームはしどろもどろになる。
「なによ。私じゃなくてみんなにお礼を言いなさいって言ったの。私は大したことしてないんだからいいの」
 素直じゃないなあとシキは思った。しかしこれでこそクリームというものである。人同士で会話するのは初めてで、慣れてなかっただけで調子がでてきたのかな?
「お礼くらい素直にどういたしましてって言えたら可愛いのに」
 シキは同情するようにクリームに言った。
「素直じゃなくて悪かったわね」
 クリームは不機嫌そうに言った。
「別に僕はクリームがどれだけ僕を看病してくれたか。トラ達がどれだけ看病してくれたのか。わからないよ。でもさ、少しでも手を貸してくれたっていうならそれだけでお礼を言ってもいいじゃない。それに、僕は本当にクリームがいなくなっちゃうんじゃないかって怖かったんだ。だから、生きていてくれてありがとうって。その気持ちが一番強いんだ。本当にありがとう」
 シキは、とびっきりの笑顔でクリームに感謝した。
「よくそんなこと素面で言えるわね。恥ずかしいを通り越して呆れるわね」
クリームはくすくすと笑ってシキのセリフを流した。もうちょっとクリームをからかってみたい気持ちもシキにはあったが、それ以上にクリームと話したいことがシキには山ほどあった。
「いや、ほんとみんな無事だったみたいでよかったよ。あの後、アンコとの戦いは一体どうなったの?」
シキは特に気になっていることをクリームに聞いた。
「みんな無事?」
笑っていたクリームが突然厳しい表情になって、怒ったように言う。シキには何がクリームの気に障ったのか全く分からなかった。
「見た感じ、誰も怪我とかしていないみたいだし元気に見えるけど誰か調子が悪いの? トラも、ナツミも、マフユも元気に見えるよ」
三匹ともすやすやと眠っていて、普通の猫さんの日常を謳歌しているようにみえた。ナツミも昼間はお昼寝の時間だと言っていたし、シキには何の問題もないように思えた。
「ナツミ達は、見た通り元気いっぱいよ。あなたのお守りで疲れているかもしれないけれど、それだって元気だからできることだしね」
クリームは、はっきり怒ったように言った。
「じゃあ、お前もしかしてどこか怪我しているのか?」
シキは改めて心配になって聞いた。
「はあ? なんで私が怪我しなきゃいけにゃいの?」
「なんでって、捕まっていたのはクリームじゃないか。アンコになにかひどいことされたんじゃないかと」
シキは、クリームのよくわからない反応にしどろもどろになった。
「あのねえ。シキを助けたのは誰だと思っているの? そりゃあ、寝込みをいつの間にやら連れ去られていてむかむかさせられたけど、私は特に何もされていにゃいわよ」
やはり、クリームも無事だったみたいだ。でも、こうなると誰が怪我をしたのか全く分からなかった。
「いや、僕が気を失ってから何が起こったの分からないからさ。あの後、何があったんだ?」
 シキはなんとか間を繋げようと、言葉を紡ぐ。クリームは何も答えなかった。あまりに怒って何も言えないようだった。
「いい加減にしろ! そうやってシキは、他の猫の心配ばかりして。あなた以外は誰も怪我なんかしていないわよ。なんで、今話した中に自分のことが全く入っていないのよ。シキが私を助けにあんなところまで追っかけてきてくれてそれは嬉しかったよ。でも、それであなたが死んだらどうなるの? 残される私達の気持ちを考えたことあるの?」
 クリームは、溜まった鬱憤を晴らすように一気に爆発する。あまりの形相に今度はシキが黙る番だった。
「いつもいつもあなたはそう。私達、猫のことばかり優先に考えて自分のことは後回し。自分が幸せであろうっていう気はないの? 人間は周りの人のことばかり考えて、周りの目ばかり気にして。そういうのやめてよ。シキは猫のことを大好きならその猫みたいに生きたらいいじゃない。シズカはいつもそうだよ。シキの生き方は正直見ていられないよ」
 クリームの声は段々と沈んでいき、怒っているのか悲しんでいるのか分からないような声色になった。
「クリームにそんな風に心配させたのは正直悪かったよ。でも、僕は別に自分のことを後回しにして生きているつもりはないよ」
 シキは確かにクリームを助けようと必死だったけど、自分のことをないがしろにしたつもりはなかった。むしろクリームが無事であれば、それだけで嬉しかったのだから自分のためにも行動したのだ。
「私はナツミ達から聞いて全部知っているんだからね。全く……、自覚がないっていうのが一番困るのよ」
 クリームはシキの鈍感っぷりに呆れているようだった。
「どういうことだよ。僕にも分かるように言ってくれないか」
 残念ながら、クリームの思うとおりにシキは鈍感だった。
「にゃんダフルシューズがどういうものかはマフユから聞いた?」
 クリームはシキに問いかけるが、シキにはその質問の真意が分からなかった。
「少しだけど聞いたよ。人に化けた猫さんが人間の姿でも猫さんの動きが再現できるように、マフユが開発した靴なんでしょう? 最初見た目が最悪で、何履かされるんだよって思ったけど、この靴のおかげで助かったよ」
「そうよ。でもシキは猫じゃないでしょう。じゃあなんでシキはシューズが使えたの?」
 クリームは当然シキよりシューズについて詳しいだろうに、なんで今更こんなことを蒸し返す必要があるのだろうか? シキのほうは聞きかじったばかりで、実際のところはその仕組みについてよく分かっていないのだが、聞いたばかりの話と自分の経験からわかっていることをとりあえず答えた。
「猫さんじゃなくても猫さんのイメージができれば動けるんでしょう? 元が猫さんなら簡単に使えるんだろうけど、人間の僕には最初は思う通り動けなくて大変だったよ」
 ナツミ達の戦いを見て、最終的にはアンコともまともに戦えるようになって本当によかったと、シキは先の戦いを振り返る。
「ナツミ達から聞いたよ。それでにゃんダフルシューズを使って、ナツミを助けて私も助けたんだってね」
「そうだよ。二人ともなんとか助けられてよかったよ。二人が危ないと思ったら、勝手に体が動いたんだ。これもにゃんダフルシューズのおかげなのかな。結局、クリームには逆に助けられちゃったみたいだけどさ。なんにせよ、みんな助かってよかった」
 シキは二人を守れたことがなによりも誇らしかった。
「シキは私達を守ろうとする意志はしっかり持っていたみたいだね。にゃんダフルシューズの能力をフルに発揮しようと思ったら、猫の動きのイメージを持つことももちろん大切なんだけど、履いている人間の意思が靴の動きにも反映されるんだよ。あなたは自分の体がどうやって動いているのか説明できなくても、走ることも物をつかむこともできるでしょう? 普通はにゃんダフルシューズを使おうと思ったら動かし方のイメージと、動かすための具体的な目的が必要なの」
「具体的な目的?」
 シキが聞き返す。
「難しいことを言っているようだけど、実際のところ普段体を動かしているイメージと特に変わることはないわ。と言っても、人間が履いた場合どうなるのかはさっぱりわからないけどね。シューズを履いた人間はシキが初めてなのに、猫の動きをイメージしてあれだけの動き。瞠目に値するわね」
 ナツミ達には猫さんの動きをイメージするようにとひたすら言われていたので、動かすための目的が必要という話は初めて聞いた。
「それは初耳だったよ。その目的意識っていうものの解釈がいまいちわからないんだけど、アンコとの戦いの中ではそれはかなり薄かったんじゃないかと思うんだ。アンコに最初に蹴りを入れたときなんかは自分がアンコを蹴れたことにすら驚くくらい、なんで動かせたのかわからなかったくらいなんだけど、それでも僕ははっきり目的をもってシューズを動かせたのかな?」
 あの時、シキは自分では何もできず、ナツミは殺されるだろうとほとんど諦めたのだ。
「それは当然のことよ。大体、走るとか物をつかむとかならともかく、今、あなたがベッドに座っている体勢のふしぶしの体の動きには意思なんてほとんどない。目的意識っていっても、反射とか潜在意識のような感覚でいいのよ。あなたのやったアンコへの最初の蹴りは、熱湯に手を突っ込んだから手を引っ込めたとかいうような反射の感覚と似たようなものよ。危険というのを反射的に理解して体が反応した。シキも経験的によくあることでしょう」
「つまり、あの時僕はナツミがやられるとあきらめていたけれど、潜在意識ではナツミを助けたいと思ったからあんな蹴りが繰り出せたのかな?」
 確かにそういう危機的な状況に陥ったとき、自分でも信じられないような動きが出来た経験がシキにもあった。シューズを扱うとはそういうことなのだろうか。
「たぶんね。この感覚は、作ったマフユに聞いてもメカニズムがよく分からないみたいだからなんとも言えないけど、とにかく、そういう意識があったのは間違いないわ」
「意識すれば動けるのか。猫さんはすごいね。というかマフユが特にすごいのかな。そんな潜在意識までくみ取って動く道具が作れるなんて驚きだよ」
 猫さんの文明には驚かされてばかりだが、シキは何度でも感心させられた。ここまでやられるとひどいカルチャーショックだった。百年先の人類でも潜在意識を把握して動く機械なんて作れない気がする。人間が猫さんの文明に追いつくのにどれくらいかかるのだろうか?
「ここまでの話でシキは何か気づくことはない?」
 クリームは話を一度打ち切ってシキに問いかけた。
「気づくことって……。それは気づくことばっかりだよ。こんな経験まるっきり初めてだし何も知らなかったんだから」
 相変わらずシキにはクリームが何を聞きたいのか分からない。
「ナツミや私のことを守ろうと思ったら、シキはシューズを完璧に扱うことができた。それはシキが私達を助けたいという意思をはっきり持っていたからよ。でもあなたは結局アンコに殺されるほどの致命傷を受けたのよ。なぜかわかる?」
 クリームはそう言うと、黙り込んでシキに考えるよう促した。アンコに致命傷を受けたとき、シキはアンコの爪が突き刺さるまで反応することすらできなかった。気づいたら胸に腕が突き刺さっていてシキは間もなく意識を失った。あの時はクリームを助けられた直後で安心して油断していたから思わぬ反撃に気づくことができなかった。
 では、最初にアンコの蹴りを食らった時はどうだろうか?
 思い返してみても、シキはあの時、油断していたようには思えなかった。直前にナツミ達が奇襲を受けて危うくなった状況を目の当たりにしたのだから、油断などできるはずもないのだ。アンコがこちらに攻撃を仕掛けてくる可能性も十分考慮して、シキはしっかりマフユを見張っていたのだ。
 にもかかわらず、シキはアンコの攻撃が見えていたのに、ほとんど反応すらできずに蹴りを食らった。状況を振り返ってみると、この場面で避けられなかったのは確かにシキにとっても不可解だった。もしかしてクリームを助けたときと同じように、ナツミがアンコの攻撃を食らっても無事だったことがわかって、安堵してしまっていたのだろうか? そういう潜在意識があったのだろうか?
「なんでシューズが上手く使えなかったのかわからないけど、アンコから二回攻撃を食らった時は、どちらもナツミとクリームを助けた直後だったから、油断していたのかもしれない。それで避けられなかったんだと思う」
「最初にナツミから蹴りを食らった時もシキは油断していたの? ナツミから聞いた話では、その時はアンコが襲ってくる可能性に十分気づいていたみたいじゃない? 違う?」
 クリームはシキも気づいていたことに鋭く突っ込みをいれた。
「確かにそうなんだよ。アンコのことを十分警戒していたし、攻撃されたときもしっかり見えていたのに、肝心の体が動いてくれなかったんだ。避けようとしたのにシューズは動いてくれなくて猫さんから見たら鈍足な動きしかできなかったから、まともにアンコの蹴りを食らっちゃったんだ。やっぱりまだシューズが使いこなせていないから動けなかったのかな?」
「いいえ。シキはシューズを使いこなしていたのよ。シューズはシキの意思通りに動いた。そうじゃなきゃ、あんな動きできないよ。つまり、シキはその時避けようとする意識がなかったのよ。だから、シューズは避けようとしなかった。マフユ達とも話し合ってみんな同意見になったわ。それが真相」
「そんな馬鹿な。最後クリームを助ける時に食らった一撃はともかく、最初に食らった一撃は避けようとしたんだ。あんな攻撃に気づいていたら回避したいに決まっているだろう」
 シキにとって、クリームの話は自身の経験や意思と釣り合わないように思えた。
「シキ……。あなたが攻撃を認識していたか、いなかったかなんて関係ないのよ」
 クリームは今更、訳が分からない話をするとシキは思った。
「認識していなきゃ避けられるはずがないだろう。イメージの話を散々しておいてなんでその根底をくつがえすような話になるんだよ」
「シキ、潜在意識っていうものについて少し誤解しているみたいだけど、シューズがくみ取る潜在意識っていうのはシキが思っているよりもっと深いものだよ。危ないと思ったから避けるんじゃなくて、危ないと思われるものは避ける。だからあなたが認識していなくても、その結果があなたの望む方向にいかないようなものならシューズは反応して避けてくれるんだよ。最初のアンコへの蹴りはその深い意識だけから反射的に繰り出されたものだよ」
 なんとなくシキにもクリームが何を言いたいのか分かってきた。
「じゃあ僕はアンコの攻撃を避けようとする意識がなかったんじゃなくて、自分の身を守ろうとする意識がなかったって言いたいの?」
 シキ自身受け入れがたい話ではあったが、クリームの話の要旨を把握するとそういうことになる。
「それが大体真実ね。身を守ろうとする意識がなかったって言ったら言い過ぎだけど、少なくとも私達を守ろうとする意識よりははるかに低かったから、シキは自分の身を守ろうとすることすらできなかった」
 シキはようやくクリームの言いたいことが理解できた。クリームは、潜在的にシキが自分を守ろうとする意志が足りなかったことが気に入らないらしい。
「確かにそうかもしれないな」
 クリームにここまで順序だてて説明されれば、シキ自身、妙に納得できることだった。
「何、すんなり納得してんのよ」
 ここまで、また冷静に喋っていたクリームだったが、このシキの態度に若干怒りがぶり返してきたようだ。
「クリーム達には悪いけど納得しちゃってもしょうがないよ。確かに僕の優先事項は潜在意識なんか関係なく、表の意識でもクリーム達だったんだからね」
 シキは妙にすっきりした気分だった。アンコの蹴りを食らった理由もはっきりわかった。あの時、シキはナツミの無事をはっきりと確認したあとで、アンコの攻撃を避けようとした。優先事項がナツミだったんだから避けられるわけがない。道理でシューズは反応すらしないわけだ。
「わかっていたわよ。シキがそういう奴だっていうのは。でもね。シキは本当に死んでいたんだよ。私が助けなきゃ今頃、天国か地獄暮らしだったのよ」
「それでもいいんだよ。僕が生きていてもクリーム達がいなかったら僕の人生つまらないからさ。そんな世界、生き地獄みたいなものだよ」
 シキは間を置いてちょっと考え込む。
「でも、天国か地獄には猫さんはいるのかな? いなかったらちょっと悲しいな」
「そんなの知らないわよ。冗談はやめろ」
 クリームは相変わらず怒っていた。
「ごめん。でもクリームだって僕を命がけで助けてくれたんだからお互いさまだよ」
 シキが指摘すると途端にクリームは動揺する。その雰囲気はシキが猫さんのクリームに必要以上にスキンシップをとったときに、抵抗するときの様子とまるで一緒だった。
「何、言ってんの?」
 クリームは動揺を隠すように言ったが、シキにはばればれだった。
「クリームは僕がアンコにやられてから全く記憶がないと思っているみたいだけど、やられたあとも少しだけ意識があったんだ。結局すぐ意識は失っちゃったけど、温かい眩い光と、白い閃光が動くのを見たよ。それ以外に誰もいないんだから当たり前だけど、あれがクリームだったんでしょう?」
 今度はシキが種明かしをする番だったが、まだクリームには余裕があるようだった。
「だから私が助けたって言ったでしょう。ほんと世話のかかるご主人なんだから」
「でもさ、僕がクリームを助け出した時は、逆にクリームのほうは気を失っていたはずなんだよね。いつものようにクリームはかわいい寝顔で力もはいっていないみたいだった」
 寝顔はかわいいが、今のクリームはしかめっ面だった。とはいえ、しかめっ面もシキには可愛く見えた。
「なんで、私の寝顔を凝視しているのよ」
「まさか人になったクリームに対して、そんなことを告白する機会がくるとは思っていなかったけど、別に今更言わなくても僕がクリームを見ていることは知っていたでしょう?特に寝ている時でも呼びかければ、尻尾を振ってくれるところなんて最高にかわいいよ」
「人型になっても私が元々クリームだとわかっていたら容赦ないのね。人間相手だったらシキはそんなこと絶対言えないのに」
 クリームはシキをかわいそうな眼で見た。
「その話は置いといてさ。あのときクリームは気を失っていたんだよ。じゃあ意識的に変身して行動することはできないんだよ。つまりあの時なにがあったかって言うと。クリームは潜在的に僕を助けたいと思ってくれたから、シューズがクリームの潜在意識をくみ取って、クリームが認識しないでも僕を助けるように動いてくれたんだ」
 クリームの足元には、今もしっかりシキとお揃いのにゃんダフルシューズがあった。
 シキはさっきまで自分がどうシューズを扱ったのかもよく分かっていなかったし、クリームとの会話を経ても、今一つ自分がどう動いたかわかっていなかったが、クリームがどう行動したかについては自信を持って言えた。シキという人間はどこまで行っても猫さん本位で動く人間なのだ。
「自分のことはさっぱりのくせに、私や猫のことならずばずばとまるで心の中を読むかのような洞察力。本当に猫キチね」
 クリームはシキの言っていることが合っていることを遠回しに認めた。
「僕は確かにこの戦いで命を捨てるような行動をとってしまったけれどお互い様だね。クリームも僕を守るために戦ってくれたんだからさ」
 クリームが猫さんの姿でいるときから、シキはクリームにデレデレだったのでシキからちょっかいをかけることは日常茶飯事だ。それに対してクリームが、シキの行動に積極的に反応してくれることは稀だったので、シキはクリームが助けてくれたことを、自分にすごく構ってくれたみたいでとても嬉しく思った。
「あのね。シキと私を一緒にしないでよ。あなたはアンコにやられたけれど、私は余裕で倒せたんだからね。戦える根拠も倒せる根拠もなかったあなたとは状況が全然違うの」
 クリームの言葉を聞いて、とたんにシキはぴくりと反応した。ここまで極力触れないように努めてきたが、クリームは確かにアンコを倒したといった。あれだけのことを仕掛けてきたのだから、クリーム達が殺してしまっていてもおかしくないとは思っていた。
 もちろん、シキはあの戦いでクリームを無事に助けることをもちろん第一に考えていた。
 しかし甘いようだが、シキはアンコも助けたいとも思っていた。
 それがあの戦いの最中、シキが抱いたもう一つの願いだ。
 アンコをあのような考えに陥らせてしまっていたのは自分だという自責の念もあったし、自分が猫さんを手にかけることに対する抵抗もあった。アンコを殺せばクリームを助けられるのだが、そうするとアンコを助けられない。この矛盾する二つの願いの中で、シキは戦いの最中もがいていた。
 そうでなければ、アンコの逃亡を許すことなく留めもさせていたはずだ。シキがアンコの一撃を食らってしまったのはこの潜在意識のせいもあったのだろう。
「アンコはさ。あのあとどうなったの?」
 シキは聞かずにはいられなかった。
「ああ、アンコならベランダにいるわよ」
 クリームはケロっとして答えた。
「あらほんとだ。かわいい」
 シキはつい本音が出た。見るといつもはクリームが居座っているベランダの縁で、黒猫さんが下界を睥睨していた。白猫さんがそこにいても絵になったが、黒猫さんが居座るのもなかなかによく、シキは顔がにんまりするのを抑えられなかった。
「いや、なんでここにいるんだよ!?」
 シキの潜在意識じゃないほうの意識がようやく追いついてきて、シキは思わず突っ込みをいれた。
「シキが意識がなくなった後、私がそこそこ痛めつけちゃったからね。アンコもほとんど動けなくなっていたから、シキのついでに治療してあげたのよ。勝手にこの部屋にいれちゃったけど、別にシキは気にしないでしょう?」
 クリームは何が不思議なんだろうというとぼけた顔をしていた。
「そういう問題じゃなくて、とにかくクリーム達はアンコを殺したりしようとはしなかったんだね?」
 部屋に猫さんが来るのは大歓迎ではあるが、今。気になるのはクリーム達がアンコをどうしたのか。アンコはあの後どうなったのかである。
「シキはアンコのことも助けたかったんでしょう? 私はそう思っていたからアンコのことを必要以上に傷つけようとは思わなかった。もっともあの黒いのがわざわざ高いモンプチに催眠剤仕込んで、私のことを連れ去ったと分かったときには殺してやろうかとも思ったけどね。今度から安いカリカリじゃなくてもっといいエサにしなさい」
 シキ達は栄養バランスとかも考えてそれなりのエサをあげていたつもりだったのだが、クリームは結構不満だったらしい。と言っても、猫さんのエサの好みがある程度分かっても面と向かってその感想を聞くのは初めてだったから、今後気をつけないといけない。
「とりあえず丸く収められたんだね。よかった」
 アンコもえらくやられたみたいだし、クリームも催眠剤を盛られたらしいが、みんなが無事だとわかって、ようやくシキにかかっていた全ての重荷が解かれたような気がした。
「まだ収まってないよ。私達はとりあえずアンコに対して何もしていないだけで、今からどうするかわからない。アンコも守りたいと一番に考えていたのはシキだし、結局、この問題の中心にいるのもシキなのだから結論はあなたに任せようということにしたの。だから、アンコは部屋の外に隔離しているでしょう。まあとりあえずいれてあげようか」
 クリームがベランダのカギに手をかけるとすぐに、黒猫さんがこちらを振り返り、ベランダの縁から飛び降りた。クリームが窓を横にスライドさせると、アンコはそれを後押しするように右足をねじ込むと、一気に体をいれてすごい勢いでシキの座っているベッドの上に飛び込んでくる。
 黒猫さんはそのままシキの顔のほうへ来ると、シキに頬ずりしてきた。その可愛さときたらシキは危うくまた気絶するところだった。これがシキと死闘を演じたあのアンコなのだろうか。あまりの様子の違いにシキは驚きを隠せなかった。
「アンコ、お前も無事だったんだな。よかった」
 シキはアンコに合わせるように頬ずりした。それに合わせてアンコもにゃーと鳴いた。
「おい、黒いの。離れなさい。あんまりシキと馴れ馴れしく接触するなよ。野良猫なんだから汚いでしょう」
 クリームは露骨に不機嫌そうだった。
「なになに? 随分とぷりぷりしちゃって。もしかして妬いているの? 恥ずかしがらないで、クリームも積極的にコミュニケーションとればいいんだよ」
 さっきまでにゃーと鳴いて猫をかぶっていたくせに、アンコはすぐにクリームに対して人語で反応した。本当に猫さんなのだから猫をかぶるとは言わないのだろうか?
「このドラ猫、調子に乗って! また痛い目に合わせてやろうか」
 クリームは顔を真っ赤にして怒った。この二匹は性格が正反対なので対面になるとすぐ喧嘩になりそうな組み合わせだとシキは思った。この光景が、少し微笑ましかった。
「にゃはは。ごめんねー。またおやつ貰いたいし、今日はこれくらいで我慢しとくね」
 アンコは頬ずりをやめてシキから離れ際、クリームには見えないように片目でウインクした。
「今日は?」
 クリームが凄みを効かせてアンコをにらんだ。
「今後もやらないように善処します」
 素直にアンコはクリームに従う。でもさっきのウインクの様子を見ると、腹の中では何考えているか分からないなとシキは思った。
「まあいいわ。今はアンコとシキや私達は今後どう付き合っていくのかということよ。シキは、アンコのことを許すの? シキが命ずるなら今すぐにこの黒いの仕留めちゃうよ」
 クリームは話を切って、シキに真剣な眼差しを向けた。
「許すよ。だからクリーム達もアンコのことを見逃してあげてよ。と言うか、クリームも聞かなくても僕がこう答えるって分かっていたんでしょう。あの戦いの最中に、言わなくても僕の意思を理解してくれたみたいでありがとう」
 シキは、一匹の黒猫さんと一人の白猫さんに対してとびっきりの笑顔を向けた。黒猫さんは心底ほっとして、白猫さんは心底あきれているようだわ。
「ごめんね。猫キチさん」
 アンコは短く反省の言葉を述べた。
「確かにわかっていたわね。それで今後どうするの?」
 クリームは改めて問いかける。シキがアンコのことを許すのは分かっていたので、こちらのほうが本題だったようだ。
「僕はできるだけ、今までの関係を続けていきたいんだけどどうかな? クリームはもちろんうちの飼い猫さんのままで、アンコは野良猫さんのままで。でもたまには遊びに来てよ。約束通りおやつも今までよりいっぱいあげるからさ。アンコはそれじゃあだめかな?」
 戦いの最中、アンコには拒絶された提案を改めて切り出す。
「おやつがもらえるならいいよ。また、適当に遊びに来るね」
 あれだけ拒絶された提案なのに、アンコはあっさりと従順に受け入れた。シキが寝ている間になにがあったというのだろうか。
「あくまでたまにっていう意味よ。毎日来る気じゃないでしょうね」
 クリームがアンコに釘を刺した。
「えー! あんなに美味しいもの出しといてそれはないよ。胃袋を猫質にとっておいておあずけなんて」
 クリームの一言に従順だったアンコは動転した。
「アンコにはハルカの料理をあげたの。野良猫にはちょっと刺激が強すぎたかな」
 クリームは足元でダダをこねるアンコをいなしながら、シキに説明する。そういうことなら納得である。ハルカの料理は人間にはまずいが猫さんには絶品らしい。この好みの違いはさすがのシキでも理解できそうになかったが、どの生物も食欲というのは恐ろしい。
「僕、ちょっとトイレにいってくるよ」
 二匹は食べ物をめぐって言い争いを始めて、シキの声も聞こえないようだった。みんなが元気だったのにほっとしたシキは先程から、三日ぶりの生理現象に襲われ始めていたので、二匹の様子を見てベッドから降りて、トイレに行った。三日ぶりのトイレといっても特段変わったことはない。
 シキが一階で飲み物を取ってきて二階に戻ると、シキと同じようにいつの間にやら起きていたトラが足元にやってきた。
「トラもクリームと同じように喋れるんだよね? しかも凄腕のボディーガードだって聞いたよ。今回は、なんで手を貸してくれなかったの?」
 シキは足元のトラに合わせてしゃがみ込んで聞いた。
「もちろん喋れるし人間としての姿もあるよ。今回、手を貸さなかったのはシキになんとかしてほしかったんだよ。私が相手にできる敵っていうのも限界があるからね。それでクリームを危険な目に合わせたのは誤算だったね。シキならあれくらいの相手なら圧倒できると思っていてそれは上手くいったんだけど、ここまで猫キチだったとはね。いつもあんな甘い相手だとは限らないよ。とは言え、アンコも無事に済んでしまうというのは完全に私の予想外だったから、シキなりに上手くやったということなのかな。とりあえず今回はお疲れ様。あと、しゃべるのはこれが始めてだから、とりあえず言っとくけどこれからもよろしくね。私のエサは魚もっと多めでよろしく」
 言うだけ言うとトラはシキに尻尾を向けた。
「ああ、よろしくね。トラ」
 シキはトラとそれ以上言葉をかわすこともなくあっさりとした会談だった。トラはもしかして、アンコ達との戦いの間に何かしていたのだろうか?
 シキの猫さんへの洞察力をもってしてもわからなかった。
 そんなことより、トラの声はまるで大御所の声優がしゃべるかのようなはきはきと凄みのある声で吸い込まれそうなものだった。あのトラのおしゃべり中、シキは黙って聞いているしかなかった。普通、人のおしゃべりなんて聞いていても集中力なんてどっか飛んでいきそうなものだが、トラの話は聞いているだけで集中力が吸い込まれるかのようだった。とにかく、トラのエサの魚の量には気をつけようとシキは思った。
 シキがトラを追って部屋に入ると、トラはすでにベッドの上に飛び乗って再び眠ろうとしていた。トラともまたこんな事件とかで関わることがあるのだろうか? 猫社会にこうやって関われたことはシキにとっても嬉しかったが、これから何があるのか前途多難である。
「クリーム、お前の大好きなチーズと、アンコ、焼き鳥持ってきたよ。」
 シキは一階で飲み物のついでに、クリーム達にエサの準備をしていた。さっき飲み物をとりにいったとき、どういうわけかハルカが準備万端でエサの用意を整えていたのだ。なんで家に常備してあるチーズはともかく焼き鳥まであるのだろうか? この母親は本当にわからない。
「さすがシキ! 気が効くじゃん。あなたの世話でちょうどお腹空いていたんだよ」
「ありがとう。シキ! ハルカの料理もいいけどやっぱり焼き鳥も捨てがたいよね」
 アンコのシキの呼び方がいつの間にやら、猫キチさんからシキに変わっていた。エサを上げると二匹は待っていましたとばかりにがつがつと食べ始めた。
 シキはその二匹の様子を微笑ましく見ながらベッドに座って、シズカが用意したジュースを飲んでいた。なんで二匹にはエサの準備があってシキにはジュースしかないのか? かなりおかしい状況ではあったが、シキにとっては二匹が満足そうであればそれでよかったので、なにがおかしいのかすら気づかなかった。
「いつも通りおいしかった。人型でずっといるのも困るしそろそろ猫に戻るね」
 クリームはチーズを食べ終えると、温かい光を放っていつもの猫さんの姿に戻る。いつも通りの綺麗な白猫さんでいつも通りかわいい。綺麗なオッドアイも人型の時のそのものだ。クリームは前足をぐーっと伸ばして猫ストレッチをすると(猫ストレッチは寝起きにするものだと思っていたけど、人から戻ったときもやるのだろうか?)シキのベッドに飛び乗る。
 シキは飛び乗ってきたクリームの両脇を捕まえると、ベッドの中にいれようとした。
「今日こそ一緒に寝ようよ。クリーム」
 無理矢理寝かせようとするけれどやっぱり応じてはくれない。
「シキ、暑いし。こっちだって自由に寝たいんだからそれだけはやめてくれない」
 クリームは露骨に嫌そうに言った。
「クリームがダメなら私が一緒に寝てあげようか? シキ」
 クリームを追ってベッドに飛び乗ってきたアンコは、逆に布団の中にはいろうと積極的だった。そんなアンコをクリームは鋭くにらんだ。シキはクリームが猫さんのときのほうが人の時より迫力がある気がした。
「冗談、冗談」
 そう言ってアンコは布団からでると、シキの右手側に移動して丸くなる。クリームは左手側で同じく両の手でもみもみと自分の寝床を整えると、気に入った体勢を見つけて眠り始めた。
先程から足元で眠っていたトラ、ナツミ、マフユと合わせて五匹のパラダイス。シキはこれが夢の世界なんじゃないかと思った。シキは、いつまでもその五匹の夢の世界を見ていたかったが、戦いのダメージがまだ残っていたせいで眠くなってきた。
 でも、シキにはまだ夢が二つある。
 クリームとの階段競争に勝つこと。
 クリームと一緒のベッドの中で寝ること。
 いや、シキにはもう一つ夢が増えた。
 いつの日かクリームに「おにいにゃん」って呼んでもらうことだ。 

(おしにゃい)

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