サプリメントが好きでした。
なんとなく健康になれるような気がして。
体力も根性もない私が日々えんこらせ、と動くためには欠かせないものだろうと思っていました。パソコンに向かっている今も、なんとなくブルーベリーを飲まなきゃいけないような気がしています。多分気のせいです。サプリメント教でしょうか?
ちなみに先日病院から鉄剤を処方されました。妊娠中の貧血だそうで。うそーん、鉄分のサプリメント取っていたのにー、摂取した鉄はどこへいったのか?金返せーとか思いながら一緒に処方された胃薬も同時に飲み干しました。うう、胃がもたれる・・。
そんな最近ですが、最近はまっているもの。それは、簡単に作れる雑穀米です。
なにがいいかって、あの、なんともいえないモニモニ感な歯応えが好きなのです。体にもいいらしい。私にはよくわからん、だって専門家じゃないんだもん。だから二才の娘には、こう言って食べさせています。
「このご飯おいしいよー。栄養もいっぱいあるよー・・」
ここまで言いかけ。
「・・と、や○やが申しております」
ちょうど帰ってきた夫がげらげら笑いました。
「だって、栄養があるかどうかなんて分かんないもん、や○やがコマーシャルでそう言っているだけで」
「言われてみりゃ、そりゃそうだ」
健康食品業界が繁盛するのは、要は「健康になれるかも、なれたらいいな」という夢と幻想を売っているんだろうな、と最近思う。ちなみに、美容業界もそうなんだろうなとか。ぶっちゃけ、肌と顔に合えば安物でいいんだよーとか思いながら、あまりにも安物使いだと「安物で事足りる貧乏性な御肌」という気もするし、それはそれで・・と思う複雑な女心。
さて、サプリメント。というか、健康食品。
一昔前に「お酢」がダイエットに効くらしいと、以前勤めていた職場で流行りました。
御値段も高級であれば見た目も立派な瓶・・まるで高級な日本酒?の風格さえただよっておりました。私も一口頂戴ともらいましたが、顔が曲がるほど酸っぱい!(元から曲がっていたかもしれないが)基本的に口にするものは美味しいものでなきゃ駄目、という我がままな自分としては真っ先に戦線離脱してしまいました。
さて、それから一ヵ月後。
驚くべきことに、酢仲間はどんどん増えていたのです。
職場に届く酢のダンボール箱に驚きつつ、私はおそるおそる訊きました。
「あんなに酸っぱいのに、よく続きますね」
すると彼女達は言うのです。
「だって最近体調が凄くいいのよー。疲れにくくなったような気がするし」
「それは凄いですね。もしかしてダイエットにも効いてるんですか?」
「それは全然。でもね、きっとこれから痩せると思うの」
えええー?ちょっと待て。そもそもはダイエットが目的だったのでは?と、ツッコミを入れたくなったのですが、そこは相手が上司なものですから、グッと堪え・・そして、さらに一ヶ月後。
お酢ブームはすっかり廃れていたのでした。理由は
「だって値段高いし。痩せないし」
だそうです。疲れにくくなったのも、たまたま仕事の流れ的なものだったらしい。結局忙しい時期は、疲れるものは、やはり疲れるということで。
疲れたときは適度に休息を取るのが一番、てところでしょうか・・それが出来たら苦労はないと思うんですけど。
お酢、といえば。
手軽に口に出来るサプリメントの種類にソフトタイプのカプセルというのがありますよね。私はあれがとても苦手です。しかもそのことに気付くのに三年ほど掛かってしまったオマヌケでもあります。
胃がもたれる、というか。痛くなるんですよね。私だけでしょうか。
疲れているときに少しでも足しになるかと思って、そのタイプのサプリを飲むでしょ。すると、胃が痛くなる。次に市販の胃薬を飲む。それでも効かなければ病院へ・・そんな流れです。疲れているから余計に胃が弱っていたということもあるのでしょうが、なんか定番のコースなのでおかしいな、と不思議でした。
で、あるとき気がついた。
タブレットタイプ、ハードカプセルタイプのものを飲んでいるときは何も起こらないぞ、と。あれれ?どういうことだ。
つまりは、ソフトタイプのカプセルに入っている中身って、成分が濃いのではないのかと。
例えばカプサイシンとか、お酢とかブルーベリーとかなんでも良いのですけれど、食物何個分の栄養素、って・・実際不自然だよなー、普通に食事しているぶんにはありえない分量だよなと思い至ったのでありました。
どうりで胃が痛くなった訳だ。私の内臓は凝縮された栄養を抱え込むほど多分、丈夫ではないという・・でもそもそも、丈夫でないからサプリメントを飲もうと思ったんだよ、どういうこと?
本末転倒。
実際、あんまり飲んでいない今のほうが胃に限って言えば順調だわ。
なんだこりゃ。
コマーシャルとか見ていると、思いませんか?
あの粒の中に、あんなに表現するほどヒアルロンサンがねろ〜ん、と入っているのだろうか、とか。階段を駆け上がって登れます!とか、そりゃ危ないだろう、怪我をして骨折でもしたら元気どころか病院行きだぞ、とか。青○は不味いのはともかくとして、栄養学的にもう一杯おかわりしてもよいのだろうか、ブルーベリー粒を飲んで視力が上がった人はいるのだろうか、コラーゲンってどの位飲み続ければお肌が艶々になるの?とか。えとせとら・・。
実際、人生が変わる程の変化をサプリメントごときで味わえるのでしょうか?少なくとも私の身近な人でそういうケースは一例たりとも見たことがない。効果があったことを隠しているのかしら?ああ、あの人綺麗になったなあ、とか思っていると結婚が控えているとかそういう話はよく聞いたりするのだけれど。ところが利用者の体験談は、そういう話が目白押しだ。そして、私達はついついその体験者と同じ夢を買ってしまう。時に健康に。時には美容、ダイエットに。
朝起きられなくて、日中動き回るとすぐに疲れてしまう体質の私は、時々そんな自分自身を呪い、恨み。そして無性にそんな架空の夢にすがってしまうことがあった。本気で「機械の体になりたい。私はマシンになりたい」そう思い続けていた日々があった。
なんで、こんなへっぽこな作りの体なんだろう。多少踏まれても、乱雑に扱っても、いっぱいいっぱい使いこなしても全然平気な体になりたかった。「産む機械発言騒動」が出回る大分以前に、既に私はそんな事ばかり考えていた。メンテナンスの一切いらない体になりたい・・でも、そんな事は当たり前だが無理だった。
多分、その時は相当に疲れていたのだろうと思う。そして、自分をいたわる余裕さえ、なかったに違いない。
でも、実際この世の中、そんなシステムでしょう?疲れたら休むんじゃなくて「愛情一本!」という愛情もへったくれもない台詞が出回っているのですから。本当に愛情があるのだったら、実際に休む事が出来るかどうかはさておき「今日一日くらい休んだら?」と言えるのが本当だと思えるのですが。でも、そうしたらコマーシャルとして成り立たないか。
閑話休題。
そんな時、私はインターネットで検索しまくりました。健康食品、サプリメント関係について。で、ある一件のお店に目が留まりました。そこで取り扱っている商品がとてつもなく効きそうだったからなのです。
それは「完全無農薬の有機栽培で育てた、たくさんの種類の食品を安全な工場で粒子状に加工した、人に優しいサプリメント」なのだそうです。口上によりますと、他社の商品は「人工的に加工されたいわゆる、生命エネルギーの伴っていない不完全な代物」なのだそうで。
でも、値段が高い!
しかしながら、それは「無農薬」「有機栽培」などなどの理由でそうなったらしい。
うーん・・。
では体験者の声とやらを読んでみましょうと、そう思い。「飲んだ次の日から、朝起きるのが楽になりました!」「睡眠時間は四時間くらいで大丈夫です!以前は八時間は必要だったのに」「二日酔いがなくなりました」「考え方が前向きになり、仕事がつらくなくなりました」
素晴らしい!
そうなのか、今まで飲んでいたサプリメントは「人工的」で「栄養は満たされていても生命エネルギーとしては不完全」だったから、あまり効果はなかったのね!と・・はい。私は騙されましたよ、完全に(失笑)。
もう、届くのが待ちきれませんでした。私は生まれ変わるのだと、しょっぱい位の勘違いをしておりましたとも。
そして、飲み始めて次の日・・寝坊しました。まあ、次の日だしね。三日くらいは続けないとね・・で、三日後。変わりなし。あれ、おかしいなぁ・・一週間くらいは続けないとね・・で、一週間後。相変わらずの日々。
一ヶ月は必要なのかも、私の場合はね・・変わりなし。
うそ〜ん、真面目に飲み続けていたのに、一向に変わらんやんけ!そして注文した一瓶がなくなってしまいました。さて、どうしよう。
そこでやめるのが賢い人だと私は思う。だが残念だが、私は賢くなかった。そんな賢くない私が考えたのが「お肌だって、ターンオーバーってのがあるもんね、一ヶ月以上使ってみて化粧品も効果があるって、よく聴くし」なのだった。正に、中途半端な知識ほど身を滅ぼすものはないって、この事。
効果があると疑わず、値段の高いそのサプリメントをさらにもう一瓶買っちゃった私。そして、真面目に飲み続けた私。
そして、その瓶がなくなる頃私はやっと悟ったのでした。
こんなものには、なんの効果もない!のだと。
そこで、やっと気がつき買うのをやめました。ですが、個人情報ってのはいやおうなしにダイレクトメールを舞い込ませるものであります。
生命エネルギーは他社とこのくらい違いますよ、という怪しげな写真つきだったり。素晴らしきお客様の声だったり。そのうち、だんだん疑わしい方向へと向かっていったのです。
ジャンクフードを食べても、これを飲んでさえいれば栄養的に大丈夫!・・そんなわけはないでしょう。いくらなんでも、素人でも分かるよ。そして、究めつけがこれだった。
新発売!新登場、波動グッズ!
そっち系かよ!
効果があるんだかどうか分からない代物に、私はお金を払ってしまったよ・・ごめんね、旦那。もうしないから許しておくれ、と心の中で謝る私(話したら怒られる)。
そして、後に私は知るのです。
無農薬野菜が必ずしも「安全」とは言いがたいものであるということを。どうやら植物っていうのは、虫に喰われたりすると「毒性の強い物質」を分泌するものがあるらしいのね。野菜も例外ではなくて。その毒性ってのは、農薬よりもはるかに強いものらしいわけ。
農薬を掛けられていると、野菜は虫から守られているから「物質」を出すのを控えめにするらしいのだけど、無農薬だと自分を外敵から守らなくちゃいけないからガンガン出すのだってさ。えええ〜?
そんなの初めて聞いたよ、と言うと、とある農業関係者は「常識だよ」と言うのでありました。ちなみに「今は残留農薬にすごく厳しいから、体に悪い農薬とか、大量に撒き散らすなんて恐ろしくて出来ないよ。出荷出来なくなったら大損害になるし、大変だもの」なのだそう・・。「大体昔と違って、今の農薬なんかちょこっと飲んだ位じゃ腹壊す程度のものがほとんど、死にゃしない」って、実際試す気にはならん情報をありがとうございました。
ううう、健康情報って、どこまで信じたらよいか分からなくなりましたよ。
考えてみたら、完全に安全な食べ物って、この世には存在していないのかもしれないなあ、なんて思う今日この頃なのであります。なぜなら、「人間に食される為に生きている生物は存在していない」からなわけで。
野菜だって、自分を守らなくちゃならないんだもんね、喜んで食べられているはずないんだものね。
「食育」って言葉は苦手だけれど(なぜなら料理が苦手だからさ)、人は他者の命を頂いているのだという・・こういう気持ちを持って感謝して食事するってことは大事なのかもしれないなぁ、としみじみ考えさせられました。
ちなみに。
今回学習したこと。「無農薬」「自然」「天然」「ロハス」などなどの美しい宣伝には気をつけなくちゃなあ、と思いました。やっぱりね、「宣伝」だからね。
言われましたです、「天然痘って、天然だけど有害だろう?そばアレルギーの人が百パーセント無農薬のそば粉を使ったおそばは食べられないだろう?」・・そうなんですね。
以前、実家の祖母が近所の人に誘われて、とあるオープンしたての自然食品のお店に行って、講演会とやらを聴いたそうなんです(その時点でなんか怪しい)。で、チラシと数十名様にだけ配られるという「特別な卵」をもらってきたのでした。
彼女はニコニコして家族に言ったらしい(私は嫁に出たので、その状況は分からない)。
「これはね、卵アレルギーの人でも食べられる、有機なんとかの餌で育てられた鶏の卵だよ!」
一瞬、シーンとなる家族。そして。
「そんな訳ないでしょ?」
「そんなインチキな所に行くな!」
などなど、一斉に罵倒されたのだそうで。彼女は言いました「体にいいと思ったのに」と。
アレルギーという言葉自体が存在しない大正時代に生まれ、戦後をたくましく生き抜いた彼女。まさか平成の世になって、こんなわけわからん事態が来るとは思いもしなかったでしょう。
家族を想い、店までの道を「先着数十名様」に間に合うようにと、お年を召した体で一生懸命に歩いたのに。
卵、普通に美味しかったよ・・おばあちゃん。おすそ分けしてくれて、ありがとうね。一緒に見せてくれたお店のチラシには正直笑っちゃったけれどね。
健康情報って、正しい目で見るって本当に難しいですよね。
生きる時代による、人つまり体質による、考え方と思想による・・あとそれから、味の好みによる。
なるべく病気になりたくないし、できるだけ安全なものをと願いながら・・それでも、情報を疑う目を持たなきゃならないのだなぁ、難しいなぁ・・と。
娘のお昼寝の寝顔を見つつ、腹の中の子の胎動を感じつつ。
サプリメントに頼らずウオーキング位しろ、と自分突込みをしながらも。
へっぽこなオカンは中途半端な知識で、栄養価はあるんだろうかと実は疑いながら、今日も晩御飯にや○やの雑穀米を炊き始めるのでした。
おしまい。
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