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  太陽の暉 作者:あおやま
毎週木曜日に一話公開しています。
誤字・脱字があれば、報告していただければ幸いです。
序章
序章・第5話 爪元批拳VS戦闘のスペシャリスト
ダグマイヤは非常に余裕の表情をしている。

「ホッホッホ、最後の晩餐ですか。
思い上がるんじゃないですよ。
今は、貴方の方が格下なのですから!やりなさい!」

ダグマイヤが言うと、部下達が煙球を2・3個取り出し、サンの足元目がけて投げ付けた。

煙球が地面にぶつかると、爆発音と共に大量の煙が発生。
そこにさらに、今度は大量の手投げ弾を投げ付ける。


物凄い爆発音が辺り一面に轟く。

誰もが命中したと思った。
だが、煙が晴れてくるとそこには誰もいなかった。

「上です!!!」
ダグマイヤが叫ぶ。

皆が上を見上げる。
上を見ると、そこにはサンが落ちてきていた。
これに気づくと同時に盗賊達のど真ん中にいる男に、
上から落ちる勢いに任せて、頭から剣で一刀両断する。

そこにサンの両側の男が一刀両断した勢いで上体が下がっている隙を突き、
右の男が剣で斬りかかり、左の男がナックルダスターで殴りかかる。
サンは、上体を起こしながら一歩後ろに下がって右の男の斬撃を避けながら、
右に回転しつつ下ろしている剣で左下から右上に向かって斬り上げ、
そのまま後ろに回転して、ナックルダスターで殴りかかって来ている男に、
サンから見て左上の方から、剣を滑らす様に回転している勢いも加えて圧し斬る。
さらに丁度左側にいる男に、そのまま右へ体を回転させて袈裟斬る。

これらはわずか一秒間の事である。

「な・・何が起こったんだ?!」
一瞬の出来事で皆が困惑するが、困惑する暇は無かった。

サンは周りの者達に、次々と斬りかかっていく。


アビブはサンの特異な戦い方を見て不思議に思う。
「舞うような戦い方をしている、よく太刀筋がぶれないものだ。
回転して、上下運動をして・・・・よほど下半身が強いのか・・・」
ダグマイヤが話し出す。
「・・・あれは、川流澄颯流せんるちょうそうりゅうです。
川流澄颯流せんるちょうそうりゅうは舞うような太刀筋と、相手の攻撃を避けつつ攻撃する、
いわばカウンター攻撃が特徴の剣流。

回転や上下運動をすることで一見隙が多い様に見えますが、
回転運動をすることで無駄な剣の動きをなくし、
上下運動をすることで斬撃の威力を上げているんです。
しかも、敵の攻撃を受けやすそうですが、
激しく動くため狙いを定めにくく当てにくい。

ただ、川流澄颯流せんるちょうそうりゅうを扱うにはどれほど回転しようとも上下に動こうとも、
決してぶれない優れた平衡感覚と下半身の強さ。
相手を見失わない優れた動体視力。
そして体重移動が少ないゆえに、どうしても低くなってしまう斬撃の威力を補う腕力。
これら全てを兼ね備えていなければ、決して扱えない所か真似さえ出来ません。

・・・・・恐ろしいですね。
死神はそんな川流澄颯流せんるちょうそうりゅうを軽々とこなしているんです。
・・・いえ、こなしている所か完全に動き自体が川流澄颯流せんるちょうそうりゅうの動きです。
全く無駄が無い。相手に斬り付けるとすぐ次の目標に向かっています・・・・」

「なるほど、まさしく最強の剣士というわけか・・・」
アビブはそう言うと、懐から拳銃を取り出しサンに向ける。
「いくら最強の剣士でも、これに敵う者はいまい」

アビブが拳銃でサンを狙おうとした時、サンがアビブが拳銃で狙っているのに気づく。
サンは目の前の剣を持っている男を斬り捨てた後、
そのまま右方向に回転しその男の剣を持っている右腕を下から斬り上げて切断、
そのまま回転する勢いを衰えさせずにもう一度回転し、切断した勢いで宙に浮いた剣を
剣でアビブの方向に弾き飛ばす。
アビブは飛んできた剣を左にジャンプしながら避ける。

「そんなものを使わなければ私を殺せないか?」
サンは余裕の表情でアビブとダグマイヤを見つめる。

「余裕ですね」
「そんな事を言ってられるのも今の内・・・!」
アビブとダグマイヤはサンの周りを見て驚く。

30人はいた仲間が全員死体になっていた。

「わずか2・3分の間で皆殺しにするとは・・・・」
ダグマイヤは恐怖を感じる。
アビブは拳銃でもう一度狙う。
「フン、いくら死神といえど所詮は剣士。銃には敵うまい」
アビブが引き金を引いた瞬間、
サンが高く飛び上がり、右手を振り上げると呪文を唱える。
「『バン・ダ・レンメクレスト・エレス・マイドレル』
受けよ、ライトニング!」
呪文を唱えると、右手の先に雷の紋章が現れ、
右手を振り下ろしたその刹那、いかずちがアビブ目がけて雷音と共に落ちる。
アビブは黒焦げになりその場に倒れる。
「魔法剣士ですか」
ダグマイヤが言うと、
サンがダグマイヤの前に着地する。
「剣士ではない戦士。白兵戦しか出来ない三流戦士と同じにしてもらっては困る」
ダグマイヤが笑みを浮かべながら構える

「これはこれは失礼しました。
それではお詫びに、私の『爪元批拳そうげんひけん』をお見せいたしましょう」

「爪元批拳・・・・か、三大拳の一つ『爪牙無元拳そうがむげんけん』の流れを組む拳法だな」
「その通り、よく知っていますねえ。
ですが知っているだけでは、私に勝つことは出来ませんよ」

そう言うとダグマイヤは、サンに向かって走り出す。
サンと2mほどの距離になると飛び上がり、頭が左方向を向くように横になり左方向に回転する。
「細切れにしてあげましょう。『斬壊拳ざんかいけん』!」
ダグマイヤは右手で、回転する勢いも加わった強烈なチョップをサンの頭上にたたきつけた。
サンはそれを剣で受け止めると、金属同士を激しくぶつけた様な物凄い金属音が鳴り響いた。

「・・ふふ、さすがは死神といった所ですか。
並みの剣士ならば、例え受け止められても斬撃が体まで届いていたでしょう。
そして、避けなかったのも正解です。
斬壊拳は見た目以上に攻撃範囲が広いですからね。
もし避けていたら、身が削れていたでしょう。

ですが、この程度では私を殺すことは出来ませんよ」
ダグマイヤは一歩下がると、左手を引っ込めた。
「『五指齧拳ごしげつけん』!」
刹那、引っ掻くように前のめりになりながら突き出す。
サンは、左に避けながら、前に移動するようにしながら左手の剣を
ダグマイヤの左腕の下から左に向かって剣を滑らすように斬ろうとしたその時、
ダグマイヤが右手でサンの左手首を掴み剣の動きを止める。

「私は、前に一度川流澄颯流の使い手と戦ったことがありましてねえ。
川流澄颯流せんるちょうそうりゅうの戦い方はよく熟知しておりますよ。

前に戦った剣士は二刀流なので苦戦しましたが、
一刀流の君は敵ではありません。
さあ、覚悟しなさい」

サンは無表情のままダグマイヤを見つめる。
「私をあいつと一緒にしてもらっては困る。あいつは私より弱い」
ダグマイヤは笑みを浮かべながら話す。
「おや、知り合いでしたか。
やはり何か因縁でもあるのですかね?
あの剣士とは戦った時、私は大苦戦しましたけど、
最終的には勝ちましたよ。
あの剣士が貴方より弱いとは、とても信じられませんけねえ。
現に貴方は、私に対して苦戦しているじゃないですか。ホッホッホ」

「こんな雑魚如きに負けるとは、あいつもまだまだだな」
「余裕ですね、苦戦しているというのに。
まあいいでしょう、さあ死になさい!

斬壊拳ざんかいけん!」

ダグマイヤが、もう一度左腕で今度はサンの頭上に斬壊拳ざんかいけんを放つ。
サンは左手の剣を離すと、落ちる剣を右足で上へ蹴飛ばし、
斬壊拳ざんかいけんを放つ左腕に直撃させた。
左腕は切断されサンの右頬を少しかすめたが、擦り傷程度で済んだ。
そしてダグマイヤがひるんだ所へサンが、右手でダグマイヤの胸部へ技を放つ。

風迅突裂拳ふうじんとつれつけん!」

胸部へ強烈な風圧と衝撃を伴う突きが命中する。
肋骨が複雑骨折した模様で、胸部は激しく凹んでいた。
だがダグマイヤは体重が重いせいか、衝撃や風圧で飛ばされるという事は無かった。
「ゴフッ!、ぐ・・貴様・・・その技は爪元批拳そうげんひけん・・・」
そこへ、サンは畳み掛ける様にさらに技を放つ。

飛躍破頭脛蹴ひやくはとうげいしゅう!」

サンは飛び上がり左足のすね部分で、ダグマイヤの頭を左方向へ蹴飛ばす。
そして、蹴飛ばした剣が落ちてきたのをサンが左手で取る。
ダグマイヤは約10m飛ばされ民家にぶつかった。

「ガ・・ぐ・・・・、これは・・・牙無岐拳がむきけん・・・。
・・・そうか・・・・貴様・・爪牙無元拳そうがむげんけんを・・・」

サンはダグマイヤの方を無表情のまま見つめる。
「その通り。武器が無くては戦えない様では、戦士として失格だ。
私はありとあらゆる条件下で戦える様、剣術、拳法、魔術、槍術、魔法剣術、弓術、棒術など
ありとあらゆる戦闘術を習得している。
拳法しか扱えない様な貴様が、私を殺すことなど出来はしない」

「グ・・そうですか・・・・、元より敵う相手では無かった・・・・ということですか・・・・」

「・・・・今更気づくのでは遅い。
まあいい、私に触れられた奴は久しぶりだ。

立て、冥途の土産に川流澄颯流せんるちょうそうりゅうの奥義を見せてやろう」


「・・・瀕死の状態の私を・・・慈悲もかけずに殺そうとするとは・・・・。
・・・ぐ・・・・・・貴方が死神といわれる理由が・・・分かりますよ」

ダグマイヤは立ち上がる。
「・・・ですが、私もただでは死ぬつもりはありません・・・。
思いっきり・・・足掻かさせてもらいますよ!」

ダグマイヤはサンの方に走り出す。
するとダグマイヤの周りに物凄い量の闘気が発生する。 
次第に闘気が獅子の形に変化していく。

サンは剣を両手で構え、体を少し右寄りに向ける。

ダグマイヤがサンへ飛び掛る
「いきますよ!爪元批拳そうげんひけん奥義!
獅子しし齧砕拳げっさいけん!」

ダグマイヤは両手の五指を開き、右手を上に左手を下にして、
まるで獅子が噛み付くように攻撃する。

サンは動かない。


川流澄颯流せんるちょうそうりゅう奥義
せいそうおうざん

サンは全く動かなかった。
そしてダグマイヤがサンをすり抜けてサンの後ろに着地する。


数秒の時間が流れる。


「・・・・これが・・・・・死神・・・ですか・・・・・」

数秒後、
ダグマイヤが切り刻まれていき、バラバラになる。


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