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北海大海戦 砲撃戦 下


 ビスマルクに痛打を与えたのは、ロドネーであった。彼女は速力が遅かったため、艦隊の最後尾にいた。それが幸いし、この時点でロドネーは大した打撃を負っていなかった。
 ビスマルクはヨーロッパ最強の戦艦とうたわれたが、実際は第一次大戦中のバイエルン級戦艦の設計を流用していた。だから、この時代の大和やアイオワに比べると、決して最新鋭の戦艦とは言えなかった。一応防御装甲は改良されていたが、それでも、一部で設計の古さがあるのは咎めれない。
 ロドネーの射撃で、ビスマルクは3基の砲塔が使用不能に陥り、速力もガクンと落ちた。炎上する彼女は格好の的となり、短時間に40cm砲弾7発、36cm砲弾3発を喰らった。さらに、突入してきた英巡洋艦の20cm砲弾5発も喰らった。
 英艦隊はここで一気に独逸艦隊に大打撃をくらわせた。
 しかし、独逸のお返しは猛烈だった。特に、ビスマルクに打撃を与えたロドネーは集中砲火を受け、40cm砲弾12発、38cm砲弾5発、28cm砲弾7発を喰らった。そして、その内3発程度が装甲を貫通し、弾火薬庫で炸裂した。
 大英帝国が開戦以前に建造した最後の戦艦はこうして北海深く沈んだ。
 ロドネーの沈没により、ほぼ海戦の趨勢は決まったも同然だった。独逸側は未だ5隻の戦艦が戦闘可能にあったのに対し、イギリス側は2隻にまで減っていた。
 結局、英海軍はその高速を利して、撤退を開始した。独逸側は深追いはせず、沈没艦の乗員救助に全力を尽くした。
 海戦は英艦隊が撤退した2時間後、大破漂流していたビスマルクが駆逐艦の魚雷により自沈処分された瞬間に終わった物とされた。
 この海戦で、独海軍はビスマルクに加え、巡洋艦2、駆逐艦5隻を撃沈されたが、英海軍の損害はそれをはるかに上回り、戦艦3、空母3、巡洋艦6、駆逐艦8隻を失い、事実上壊滅した。この海戦により、独逸はWW1の雪辱を完全に晴らした。そして、講和会議は独逸有利の形で進められる事となった。

 次回、いよいよ最終話です。


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