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エリィ・ゴールデン ~ブスでデブでもイケメンエリート~ 作者:四葉夕卜/よだ

第四章 グレイフナーに舞い降りし女神

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第18話 オシャレ戦争・後日談1

 グレイフナー王国の上空には春に似合わぬ雷雲が立ち込めていた。
 どす黒い雲が空を覆い隠し、針で突けばたちまち雨が降り出しそうなほど雲が重なり合っている。

 アリアナと二人で空を見上げていると、お嬢様ぁーっ、と叫ぶ声が聞こえてきた。

「どうですお嬢様! 雨乞いの効果でございます!」

 スカートをからげて猛ダッシュしてきたクラリスが、鼻息を荒くしてメイドの一礼をする。

「まあ、本当に雨が降るのね」

 そう俺が言うと同時に、ゴロゴロと雷雲が轟いて空気が揺れた。

 いや、まじなの?
 あんなふざけた踊りで雨が降るとかあり得ないだろ。
 ただの偶然だと思いたい。

「お嬢様! わたくしの言葉通りでございましょう?! やはりあの音頭隊を呼んで正解でございました!」
「とは言っても、グレンフィディック様は座ってないけどね。それに雨乞いから二日も経っているわ。あと顔が近いわね」
「それはそれ。これはこれ。イケイケドンドンファイアボールでございます」
「ご、ごめんなさい……。それ、何のフレーズ?」
「ええっ?! 十年前に一世を風靡した大道芸人の決めゼリフでございます! お嬢様も昔によく仰っていたではございませんか!」
「あら……そうだったわね!」

 お笑い芸人の一発ギャグみたいなノリだな。
 大道芸人ってところに、そこはかとなく異世界の香りを感じる。

「それはいいとして、そろそろ来る頃かと存じます」
「あら、誰か来るの?」

 ゴールデン家の中庭で朝稽古をしていたところだ。
 塀の向こうから魔力のゆらぎを感じ、俺とアリアナはそちらへ目を向けた。

「お稽古中に失礼いたします」

 塀を飛び越えて現れたのは、執事服をきっちり着込んだジャックだった。

「まだまだね」
「前よりはマシ…」
「いやぁ、お二人には敵いませんな」

 魔力循環の練習と称して、ジャックは昨日からこうして現れる。
 俺がもう少しくだけた口調にしなさいと言ったため、長年の執事業務から開放された反動からか、彼はこういった親しみやすい言葉遣いになることが多くなった。

 クラリスと目が合うとジャックは一礼し、要件を話し始めた。

「例の店の調査が終わりました。ここまで不正が出てくるとは思わず……ある意味感心しております」
「まあ、そんなに?」
「あの店キライ…」

 ジャックは右手に抱えていたケースから資料を出し、広げてみせる。

 俺とアリアナ、クラリスが書類を覗き込むと、そこにはびっしりと『ビビアンプライス』の社歴が記されていた。

 この店、パンジーを散々バカにしやがったドクロマーク付きの店だ。

 えーどれどれ。

 五十年前に裁縫店から鞄専門店へ移行。
 初代店主の後を継ぎ、二代目の息子が店を急成長させる。
 二代目が急逝。
 一人娘のババル・ビビアンが三代目になる。
 三代目女店主ババル・ビビアンはさらなる店の発展を画策。
 詐欺まがいの手口で次々と仕入れ値を下げ、中型店までのし上がり、安価で高品質な商品を出す店舗として人気を博す。

「これ、普通の社歴じゃないわね?」
「もちろんでございます。サウザンドの人脈を駆使して集めた裏社歴となっております」

 ジャックは恭しく執事の礼をし、口元にはニヒルな笑みを浮かべていた。

「あなた、かなり怒っているのでしょう?」
「はい。誠に遺憾ながらパンジーお嬢様を罵倒する場面を見ておりました。キィキィと喚く女店主を“エアハンマー”で世界の果てまで殴り飛ばすことに何の躊躇もございません」
「私達も同じ気持ちよ。それにしてもよくこんなに早く資料を集めたわね」
「あの日から即座に動いておりましたので」
「あら。そういうことね」

 ジャックは俺達がビビアンプライスに行ったその日から、復讐の準備を進めていたんだな。さすがジャック。パンジーへの愛がグレンフィディック以上だ。

「ざっくりまとめるとこうです」

 ジャックは背筋を伸ばし、俺達を見つめる。

「証拠のある罪が二個。証拠はないが、ほぼあの店がやったと思われるものが二十五個。その内、サークレット家がバックについてから犯した罪が十三個でございます。その他、調べきれない罪が大小百個ほどありそうでございます」
「やぁね。真っ黒じゃない」
「連中のやり口は契約書詐欺ですね。いかがされます?」
「証拠のある罪、とやらはどんな罪状なの?」
「検問の不正通過でございます。正確に申し上げますと門番を買収して首都グレイフナーの検問を二割安く通過しております。共犯の者にも目星がついておりますので、自白させれば証拠となりましょう」
「なるほど……。少し、弱いわね」
「さようでございます。その程度の罪なら弁舌師を雇えば賠償金千五百万ロン、二週間の投獄で済むかと」

 ジャックの言葉を聞いて、クラリスが「失礼ながら」と一歩前へ出てきた。

「あの店はそれぐらいの賠償金ではびくともいたしません。サークレット家がミスリルで得た資金を新商品開発費として投入しているので、現在はかなり潤っているはずです。投獄も別の人間に罪をなすりつけ、代理人とするでしょう」
「サークレット家はそのことを知っているの?」
「さぁ、どうでございましょうか? 知っていて放置しているのか、知らずに契約を結んでいるのか……」

 クラリスが眉間に皺を寄せて考えると、ジャックが首を横に振った。

「おそらく知らないでしょう。サークレット家もそこまでバカではございません。国王の犯罪に対する潔癖さを考えれば、ビビアンプライスの悪事を知った時点で手を切るでしょう」
「そうね」
「どうされますか、エリィお嬢様? あの店を放置しておくと、不正契約に泣く小型店が後を絶ちません。格安で鞄の部品を作らされ、毎日の食事にすら事欠く家族が数多くおります。少し偵察に行ったのですが……あれは悲惨でございました……」
「……看過できないわね」
「小さな子どもが痩せ細り、わびしげに皿の底まで舐めている姿には胸が締め付けられました」

 ジャックは思い出して悲しくなったのか、拳を握ってうつむいた。
 クラリスは苦虫を噛み潰したような表情を作り、アリアナが無表情にシャツの裾を引っ張ってくる。

「エリィ…」

 上目遣いでこちらを見るアリアナの瞳には燃えるような怒りが揺らいでいた。
 彼女を落ち着かせるため、狐耳をもふもふと撫でる。

 そのあとすぐに、ジャック、クラリス、アリアナの目を見つめた。


「分かったわ。ぶっ潰しましょう」


 どうやらエリィも怒っているのか、俺の言った「ぶっ潰そう」という言葉がほぼそのまま口から飛び出した。



     ☆



 俺っちはどうにかこうにか金具の修理で稼いだ日銭を嫁さんに渡した。
 嫁さんは痩せて骨ばった手で銀貨を受け取ると、つぶらな瞳に落胆の色を宿した。

「あなた……これだけ……?」
「すまねえ。客が一人しか見つからなかった」
「ねえ……お役所にいきましょうよ。こんなのおかしいわよ」
「もう何度も行ったさ」

 そう、俺っちはすでに何度も役所に行って契約書の確認をしてもらっている。

 役所の方々は法律に厳しい国王様の命を受け、職人顔負けのきっちりした仕事をこなしている。役所員の方が言うには、この契約書に不備はないそうだ。

 俺っちは魔法ペンでサインした自分の汚い文字を見て、怒りと呆れ、無気力感に襲われた。

 その契約書には言葉巧みにビビアンプライスの有利になる文言が書き連ねてあり、サインした店は徐々に服従し、屈服するよう仕立てられている。一見すると、ビビアンプライスの利益がこちらにも配当される書き方であるが、向こうが指定した量を収めなければ雪だるま式にこちらの商品が安くなる仕組みになっていた。

 作っても作っても安く買い叩かれる。
 それでも作らねばさらに安くなる。

 かつて誇りを持って作っていた俺っち自慢の金具は、今やその面影がない。俺っちは、ただ鞄の金具を大量生産させられる人形に成り下がっていた。

「飯はいらねえ。コリーに食べさせてやってくれ」
「あなた……」
「わりいな。作業がある。工場に戻る」
「分かり……ました」

 あれから何度嫁さんに謝っただろうか。
 娘は飯が少ないため、衰弱している。

 俺っちは家を出て、工場へと戻ろうとした。
 空を見上げると薄気味悪い暗雲が立ち込めていた。

「へっ。文句の一つでも言ってやるか」

 そうつぶやくと、腹の虫がぐうと鳴り、空腹で足元がふらついた。

 無駄だと分かっていたが、今にも泣きそうな黒い空を見て、自分の中に渦巻いていた怨嗟が咆哮を上げた。

 ビビアンプライスのババアの顔を見るのは癪だが、少しでも鬱憤をはらさなければこちとらストレスで死んでしまう。

 俺っちは腰にぶら下げた工具をがちゃがちゃ鳴らしながら、二番街へと足を進めた。あの店が首都グレイフナーの中心部に近い二番街にあることにも腹が立つ。

 さて、どんな罵声を浴びせてやろうかと考えていると、俺っちがビビアンプライスに入る前に、綺麗な馬車が停まり、中からメイドが出てきて恭しくドアの前で手を差し出した。


「お………おおっ」


 メイドの手を取って美しい動作で馬車から現れたのは、目を見張るほど別嬪なお嬢様だった。

 金髪のツインテールは絹みたいにさらさらしており、優しげな瞳は周囲のすべてを慈しむかのように垂れている。スタイルもべらぼうによかった。大人になりきっていない少女の顔の下に、大人顔負けの胸と尻が張り出しているのがたまらない。
 首都グレイフナーで流行りつつある“パンツスタイル”とやらで、見たことのない青っぽい素材のものを着用している。

 続いて現れたのは、狐人の背の低いお嬢様だ。

 こっちもえらく可愛い。
 瞬きをするだけで“ウインド”が起きそうな長い睫毛が特徴的で、手足が細くて長い。しかし付くべきところに女性らしく肉がついているため、貧相な印象は受けない。黒い魔獣の革で作られた台形スカートから狐人の尻尾が出ており、ゆらゆらと揺れている。

 この二人、どこのご令嬢だ?
 こんな美少女なら王国内で噂の一つや二つぐらいありそうだが。

 いつの間にかそばにいた執事服の男が、ツインテールのお嬢様へ耳打ちをする。

 垂れ目の別嬪さんはこちらに気づいたのか、俺っちのほうへ近づいてきた。
 見つめられるだけで胸が高鳴るのはいつぶりだろうか。嫁さんと初めてデートしたとき以来かもしれねえ。

「ごきげんよう。わたくし、エリィ・ゴールデンと申します。失礼ですが、あなたもビビアンプライスにご用ですの?」
「あ……ああ。そうでございます」
「あらそう。ひょっとして、殴り込みですの?」
「……?」

 虫も殺せないようなお嬢様から物騒な物言いが飛び出し、つい言葉に詰まる。

「あらごめんなさい。もしそうなら、ご一緒しませんか? これからこの店を潰しますのよ」
「………なんですって?」
「この店の女店主には私も怒っているの。ぷんぷん丸なのよ」
「ぷんぷん……?」
「ええ。あなたもそうでなくって?」
「よく分かりませんが……怒っているのは間違いないです」
「それなら一緒に行くわよ。クラリス、この方に変装用の甲冑を貸して差し上げて」
「かしこまりました」

 メイドは一礼すると風のような速さで俺っちを馬車へ引きずり込み、全身甲冑を着せて外へと出した。このメイド、敏腕だな。
 どうやら誰でも着れるように、軽くて大きめに作ってあるみたいだ。

 仕事で鍛えられているとはいえ、腹が減った身体で甲冑はいささかつらい。
 俺っちの腹がぐうと鳴る。

「これ…あげる」

 すると、狐のお嬢さんが上目遣いで白い物体を渡してきた。
 どうやら米を三角に握ったものらしい。

「そんな。勿体ないですよ」
「お腹…すいてるんでしょ?」
「いえいえ、そんなことは」

 ———ぐう

「…」
「……」
「食べな…ねっ?」
「い、いただきます」

 一口食べて、中に焼いたピッグーの肉が入っていることに気づき、あまりの美味さに三口で三角米を平らげた。狐美少女の優しさに俺っちの心はほんわかと温かくなる。

 それを見届けたエリィ・ゴールデンというお嬢さんは「行くわよ」と声を上げた。
 フルフェイスの兜をかぶり、慣れない甲冑を鳴らしつつ、四人の後に続く。

 鞄専門店ビビアンプライスはそこまで大きくない。

 しかし、裏手にある工場と邸宅は相当の敷地面積を有していおり、その盛況ぶりが伺える。これが、俺っちや、仲の良い職人達の汗と涙と苦悶でできていると思うと、頭に血がのぼってすぐにでもハンマーでぶっ壊したくなる。

 ビビアンプライスの受付嬢にお嬢様が声を掛けると、工場へと案内された。
 無人の工場には、ビビアンプライスの女店主、ババル・ビビアンがいた。

 忌々しい女店主は、四十代後半。
 たるんだ頬の肉を隠すかのように厚化粧をしており、目が細く、鼻が平たい。
 口元は不愉快そうに右に上がっている。

 どうやらババルの工場は休みらしいな。
 豪雨になるとのお触れがあったからだろうか。

「ごきげんよう。ババル・ビビアン様」

 エリィ・ゴールデン嬢が優雅なレディの礼を取ると、ババル・ビビアンは聞こえていないふりをして、作業台から鞄を手に取り、じろじろと品定めをし始める。

「お目にかかるのは二度目でございますね。エリィ・ゴールデンでございます。この度はお忙しい中お時間をいただき誠にありがとうございます」

 エリィお嬢様は相手の様子を気にせず優雅に一礼する。
 そういやゴールデン家といえば美男美女を代々輩出している貴族だ。今頃思い出したぜ。どうりで別嬪さんなわけだ。

「アリアナ・グランティーノ…。ごきげんよう、ババア・ビビアン様…」

 狐のお嬢さんはニコリともせずにレディの礼を取る。
 俺っちは思わず吹き出しそうになった。

 ババア・ビビアン! ババア・ビビアンて!
 みんなが言いたくて言えねえことをしれっと言いやがった!
 狐耳のお嬢さん、可愛い顔をしてブラックジョークの使い手だ!
 これは痛快の極みだ!

 ババルのババアはびきりと額に青筋を浮かべたが、無視を決め込むつもりのようだ。
 返事をせずに工場内をうろうろと回り出した。
 何がしたいんだこいつは?

「ババル・ビビアン様。本日こちらに来た要件をお伝えしたいと思いますわ。クラリス」

 敏腕メイドが一歩前へ出て、厳かな動きで胸元から丸めた羊皮紙を取り出し、広げて目の前へ掲げた。

「おほん。ビビアンプライス店主ババル・ビビアン。我々コバシガワ商会は貴殿の不愉快極まりない言動に謝罪を求める。未成人でナイーブな女子に不適切な発言をし、それを訂正せず、意図的に心の傷を負わせたことは奈落の谷よりも深い罪である。貴殿に少なからずの良心と、契りの神ディアゴイスの加護があるならば前言を撤回し、嘘偽りのない謝罪をすべし」

 敏腕メイドが朗々と文章を読み上げる。
 ババルは化粧で厚くなった顔に皺を寄せ、エリィお嬢様を睨みつけた。

「うるさい小娘だねぇ! 話があると聞いてあたくしの貴重な時間を割いてやったと思ったら、とんだくだらない要件だ! あんたの頭ん中はお花畑かい?!」

 ババルは手に持っていた鞄を床に叩きつけた。
 顔をしかめたくなるキィキィ声と、商品を大切にしない振る舞いに、俺っちは強い不快感をおぼえた。

 エリィお嬢様はババルの態度を見ても笑顔を絶やさない。

「まあ……」
「サウザンドの娘だか孫だか知らないけどねぇ、あんなへんちくりんな色の髪の毛は気味が悪いんだよ! 用がないならさっさと出ていけ! 二度は言わないよ!」
「……いいのかしら?」
「何がだい?! あんたらミラーズとはもう縁を切ったんだ!」
「あなたが行ってきた数々の不正行為」
「……なんだってぇ?」
「証拠はこちらにございます。そんな態度でよろしくって? クラリス!」

 敏腕メイドは胸元から別の羊皮紙を取り出し、読み上げた。

「北門門番ジュール・ペンペトス。同じく北門門番サンポ・チョチョマーレ。両名は罪を認め、明日警邏隊に出頭予定」

 ババルは二人の名前を聞いて一気に顔を赤くした。
 あまりの怒りで歯をガチガチと鳴らし、今にも口から泡を吹き出しそうだ。

 どういうことだ?
 門番が警邏隊に出頭?

「さらに我々は貴殿が作成した契約書に明確な悪意があるとし、裁判を起こす準備がある。六番街金物屋ルービン。六番街鍛冶屋タリス。六番街鍛冶屋ルッキーニ。六番街道具屋コンスタンチロペッタ。六番街革加工屋ザッケロ。五店舗はこれを認め、抗議準備を進めている。他店舗もすぐに賛同するであろう」
「おやめ! おやめええええっ!」

 ババルは鞄を踏みつけ、顔面を引き攣らせながら敏腕メイドに飛びかかって羊皮紙を引ったくった。

「王国に受理された契約書は違えることができないのよ! そんなことも知らないのかい?! ええっ?!」

 ババルが叫びながら羊皮紙を力任せに引きちぎる。
 敏腕メイドは冷ややかにそれを見つめ、エリィ嬢をちらりと見た。

「お嬢様、お待たせいたしました」

 どこからともなく執事が現れ、両手に抱えた書類を掲げた。

「ご苦労様ね、ジャック」
「はい、お嬢様。ビビアンプライスの契約書は隠した御方が短絡的な思考の持ち主だったのか、床下というありきたりな場所にございました。十秒間の苦労で済みましたよ。ああ、十秒では苦労とは言いませんね。これは失礼をいたしました」

 壮年の執事は口元に薄っすらと笑みをこぼし、慇懃な一礼をする。
 めっちゃカッコいい。

「あんたそれをどこで?! 警備はどうしたんだい?!」
「屋敷の使用人、警備員はサウザンド家が移動させました。ビビアンプライスの犯した罪を知る者は証人として、知らぬ者は事情を説明して開放し職業斡旋所へ行かせました。現在時刻は午後五時。まだ斡旋所は開いております故、彼らが再就職に困ることはないでしょう。グレイフナー王国の国政は素晴らしい限りでございますね」
「ええ、そうねジャック」
「ほんとそう…」
「さようでございます」

 エリィお嬢様、狐人のお嬢さん、敏腕メイドが何気ないティータイムのように朗らかに笑顔を交わす。

「な、なんてことしてくれたんだい! 不法侵入! 人材強奪! これは立派な犯罪だ!」

 店主ババルは金切り声を上げ、全員を指差しながらバンバンと地団駄を踏む。

 ははは!
 ざまあねえなクソババア!!

 このお嬢様はビビアンプライスの不正を調べあげてババルを追い詰めている。 
 従業員が逃げ出したってことは、彼らもビビアンプライスの異常性に気づいていたんだ。巻き込まれたくないのは誰だって同じだ。ましてや家族のために金を稼がにゃならん男なら、犯罪を犯している店で働くなんてあり得ない選択だ。

 先回りして従業員を開放してしまうなんて、なんたる手際の良さ!

 証拠を押さえられてババルは顔を歪ませている。

 こんなに気分爽快なことはねえぞ!
 ババアの悔しがる顔ったらねえな!
 おーおーあんなに顔をひん曲げちゃってまあ大変なこった。

「許さないいいいいいっ! お前たちを八つ裂きにしてやる! あんた達、出ておいで!!」

 ババルは声高に言い放つと、自分の言葉に少しだけ勇気づけられたのか鼻をふくらませ、口紅を塗りたくった唇を上げた。

「ぬぼぉぉ」
「店長よんだぁ?」

 工場の奥にあった毛布がうごめくと、中で寝ていたらしい大男二人が巨体を揺らして現れた。

「うわぁ!」

 俺っちは思わず悲鳴を上げた。

 こいつらはババルのお気に入り兄弟、冒険者崩れのデムとドムだ。
 ババルを殴ろうとした親方が何人も返り討ちにあっている。噂によると身体強化できるというかなりやばい連中だ。
 こんな可愛らしいお嬢様方が相手では……何をされるか分からないぞ!

「手篭めにしちまいな!」
「ぬぼぉぉ」
「やったぁぁ」

 デムとドムがエリィ嬢の顔よりもでかい拳を振り上げた。
 まずい!

「うおおおおっ!」

 俺っちは死ぬの覚悟で飛び出した。
 ここで女を守らないのは男じゃねえぜ!

「はっ!」
「えい」

 俺っちが飛び出すよりも先に、お嬢様二人の身体がブレた。

 デムとドムのパンチをあっさりかわし、エリィお嬢様は手のひらをデムの横っ腹に叩き込み、狐人のお嬢さんは飛び上がって可愛い手でドムをビンタした。

「ぬぼぉぉ!」
「ぴぎゃあッ!」


 ——バリンバリィン!


 巨体が左右に二十メートルほど吹っ飛び、工場の窓ガラスを突き破って消えた。

 ええええええええええええっ?!
 このお二人めちゃめちゃ強いいいいいいっ?!
 超カッコ可愛いいいいいいいいいいいっ!
 狐お嬢さんのパンツ見えそうで見えないいいいいいっ!

「あ……ああ……サークレット様に言いつけてやるぅ!」

 ババルは顔を青くするやいなや、くるりと踵を返し、全力で逃げ出した。
 どんくさい走り方の後姿はあまりに滑稽で、こんな女に振り回されていた自分が恥ずかしくなってくる。

 エリィお嬢様はツインテールをふわりと後ろへはねのけ、軽いため息をついた。

「ジャック」
「かしこまりました」

 いぶし銀の執事が契約書を忠実なメイドに渡し、後を追って建物の外へと走る。

「私達も行くわよ」

 エリィお嬢様に続いて、俺っち達も外へと向かう。

 気づけば外は豪雨だった。
 雨粒が地面を叩き、黒い雲がゴロゴロと轟いて不気味にグレイフナーを見下ろしている。

 濡れるのも気にせず、エリィお嬢様は執事に肩を押さえられているババルの前に回り込んだ。

 俺っちが一番後ろ。
 その前に狐人のお嬢さん、敏腕メイド、エリィお嬢様。
 顔を青くしたババルに、肩を押さえるいぶし銀執事。
 執事の背後にはビビアンプライスの大きな工場と邸宅が見え、さらにその後ろにビビアンプライスの店の屋根が覗いている。

 工場と邸宅に豪雨が音を立てて当たり、二つの建物は固く身を寄せ合う避難者のようだった。

 カンカンカン、と着慣れない全身甲冑に大きな雨粒がぶつかって弾け、狭いフルフェイスの視界でどうにか五人の姿を捉える。俺っちはこの光景が、一回だけ見たグレイフナー劇場の舞台みたいだなぁと、ぼんやり思う。

「ビビアンプライス店主、ババル・ビビアン。まずパンジー・サウザンドに謝罪をしなさい。彼女に会わせるつもりはないけれど、あなたの謝罪は私達がしっかり代弁してあげます」
「あ、あ、あ、謝ったら見逃してくれるのかい?! それなら謝るよ! いくらでも!」
「何を勘違いしているのかしら? 謝罪しても見逃さないわよ」
「なな、何を言っているんだい?! 早く契約書を返しておくれ! 門番を買収していたことならあたくしがあんた達にやり方を教えてあげるから!」
「王国に報告したわ。いずれ監査が入るでしょう」
「おやめ! そんなことは……ああっ……」

 豪雨でババルの厚化粧は崩れ、顔が大変なことになっていた。

「な……なぁあんた? 本当はつらいんじゃないのかい?」
「なんのことかしら?」
「あたくし知ってるのよ。あんたの秘密をねぇ……」

 ババルの言葉にエリィお嬢様がピクリと頬を震わせた。
 そのわずかな変化を見逃さず、ババルはニヤリと口角を上げた。

「あんた、替え玉なんだろう?」
「……替え玉……ですって?」
「サークレット家のスカーレットお嬢様に聞いたんだ! ゴールデン家四女、エリィ・ゴールデンはとんでもないデブでブスだってねぇ! あんたは細いし美人だし、別人なんだろう?!」


 ———ゴロゴロゴロゴロ……


 上空の雨雲が不機嫌そうに唸りを上げる。
 よりいっそう雨脚が強くなり、全身甲冑に激しく水滴が当たる。


「…………へぇ」


 エリィお嬢様は先ほどの優しい声色からは考えられないような、低い声を出した。

 気づけばツインテールがゆらゆらと湯気のごとく真上を向いて揺れている。
 雨が降っているのに髪の毛が上を向く?


 どんな原理なのか分からないが……学のない俺っちにも一つだけ分かることがあった。


 怒ってる……。
 あれは絶対に怒っている………!!
 こわいこわいこわいこわい………!!!!!!


「なあ! いったいいくらで雇われたんだい?! ブスの替え玉なんてよっぽどだろう?! 百万ロンかい?! 五百万?! 一千万?! あたくしがブスでデブの雇い主が払っている倍の金額をあげるよぉ! あたくしと手を組みなさいな!!」

 ババルのババアはエリィお嬢様の怒りに気づかないのか、べとべとに崩れた化粧顔で汚い笑みを浮かべ、両手を広げた。


「……建物…………誰もいないのよね………ジャック………」
「は、はい! お嬢様!」


 ただならぬ雰囲気のエリィお嬢様に話しかけられ、執事が背筋を伸ばす。


「聞いてんのかいエリィ・ゴールデンの替え玉さん! 倍で無理なら三倍はらってやろう! だからこっちの味方をしてちょうだい! なあいいだろう?! あんただってブスでデブの雇い主より、あたくしのほうがよっぽどいいだろうさぁ! ねえ?!?!」


 さらにババルが言葉を投げる。
 エリィお嬢様の全身からバリバリという不穏な音が聞こえる。

 敏腕メイドと狐人のお嬢様は耳を塞いだ。
 いぶし銀の執事はどうしていいのか分からず直立している。

 俺っちは恐怖で足が震えて腰が抜けそうになった。


「聞いてんのかい替え玉さん!? デブでブスの雇い主と、あたくしどっちがいいのかって質問しているんだよぉぉ!!!!」


 ———ゴロゴロゴロゴロ……


「聞いて……るわよ……」


 エリィお嬢様は怒りでぶるぶると身を震わせながら、綺麗な腕を天高く掲げ、大きく息を吸い込んだ。


 ババルは何を勘違いしたのか期待の入り混じった視線をエリィお嬢様に送り、彼女へと一歩近づいた。


 お嬢様は一瞬だけ身体を強ばらせ、綺麗な足を大きく前へ出して雨でぬかるんだ地面を踏みつけると、掲げていない左手を思い切り握って叫んだ。


「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁれが替え玉ですってええええええええええええええええっ?!」


 雨音を吹き飛ばすような大声でエリィお嬢様が激昂した。


 俺っちはあまりの剣幕に足がさらにガクガクと震え、狐人のお嬢さんは尻尾をピンと伸ばし、忠実なメイドは横顔を蒼白にさせ、執事はぽかんと口を開け、ババルのババアは何が起きたのか理解できずに目をぱちくりさせる。


「わたしがぁぁああああああぁあぁぁぁああああああっ! ゴールデン家四女ぉおおぉぉぉおぉおおおおおぉっ! エリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ! ゴールデンよぉおおおぉぉおおぉおおおおおおおおおおおおおっ!」


 お嬢様は突撃を命令する指揮官のごとく腕を振り下ろした。


 パチッ……


 パチパチッ………


 バヂヂヂヂヂッッ…………!


 呆然と立ち尽くすババル・ビビアン。
 不気味な雷音が小さく鳴り、周囲がほんの一時だけ静かになると、とんでもない轟音と爆音が炸裂した。


 バリバリバリバリバリバリバリィッッ!
 ピシャアアアアアアン!
 ピッシャアアアアアアン!
 ピッシャアアアアアアン!
 ピシャンピシャンピシャンピシャンピシャンピシャァァァンッッ!!
 ガガガガガガッガガガ!!
 ガガガガガガガガガガガッガガガ!!
 ガガガガガガッガリガリガリガガガガガッ!!
 ゴガガガガガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリィィィィィィィィッ!!!


 俺っちの目の前は真っ白になった。


 お嬢様の怒りが天に届いたのか雷撃が狙いすましたかのようにビビアンプライスへと次々に突き刺さる。

 ババルご自慢の工場は屋根が吹っ飛び、ガラス窓は砕け、壁が粉砕し、電熱で燃えて豪雨で鎮火し消し炭になる。ついでにぶっ壊すといわんばかりに邸宅にも白い稲妻が雪崩の如く落ちて、建物のすべてを木っ端微塵に蹂躙し、強大なエネルギーが空間を埋め尽くすかのごとく入り乱れて激しく躍る。雷撃の風圧で飛び上がったビビアンプライスの鞄がいくつも爆発四散していく。

 爆風でババルと執事が吹っ飛び、敏腕メイドと狐人のお嬢さんは踏ん張り、俺っちは尻もちをついた。


 見えない。何も見えない。
 黒い煙が辺り一面に充満し、焦げた臭いが漂っている。


 豪雨によって煙が静まり、徐々に前方の様子が明らかになってきた。


「………は?」


 俺っちは、自分でも知らぬうちに声を出していた。


 憎たらしく鎮座していたビビアンプライスの店、工場、邸宅は、跡形もなく、ただの更地になっていた。


 ざああああっ、という雨の音だけが耳にぼんやり反響する。


 ババルのババアが新作だと言って張り切って設計していた、大してカッコよくない鞄の破片が俺っちの目の前に転がっていた。


 俺っちが作ったらしき金具の一部が雨に濡れ、水を弾いている。
 職人仲間が加工した魔獣の革が水たまりの上に浮かんで、雨に弾かれ踊っている。


 もう一度前を見ると、確かにビビアンプライスの工場、邸宅、店は消えていた。
 どうやら夢じゃないらしい。


 ヒヒーーン!
 おんぎゃあおんぎゃあ!
 きゃぁーーーーーっ!
 ドンガラガッシャーン
 ヒーホーヒーホー、ヒィーッ、ホッ……
 ぶしゅわーーーーーー


 どこかで馬がいななき、赤子が泣き、女性が叫び、何かが盛大に崩れ、臆病者のヒーホー鳥が呼吸困難に陥り、更地の真ん中から湯気をまとった温泉らしきものが噴き出した。


 どのくらい唖然としていただろう。


 自分の工場、邸宅、店を破壊されたババルのババアは身体の芯を引っこ抜いたみたいに腰砕けになり、地面にべちゃりと座って茫然自失しながら更地を見つめている。

 俺っちはどうにか放心していた意識を取り戻すと、更地になったビビアンプライスと、ババルのババアを見て笑いが込み上げてきた。

 俺っちと嫁、子どもを苦しめてきたクソババアの店が雷で木っ端微塵とは、とんだ天誅! 自業自得だ!

「ぐふ……くふふ………ははは………」

 契りの神ディアゴイスはしっかりと見ていた!
 悪い奴には天罰と天誅が下る!

「ハーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ! こいつぁ! こいつは愉快だ最高だぁ! クソババアの店が消えた! 消えたぁぁああぁぁっ!」

 俺っちは兜を放り投げ、温泉の近くまで走って踊った。
 嬉しくて身体が勝手に動く。

 痛快だ! こんなに痛快なことはねえぜ!!!


 ババアの店が消えた!! イヤッホォォォゥ!!!!


 ざまあみやがれ! ざまあみやがれ! ざまあみやがれええっ!!!



     ◯



 豪雨は一過性のものだったのか、黒い雲が消えて夕日が沈もうとしていた。

 かろうじて残っていた椅子二脚と、半壊したテーブルをビビアンプライスの更地に置き、ババア・ビビアン……もとい、ババル・ビビアンと対峙する。

「しゅ、しゅみましぇんでした……」

 放心するババル・ビビアンはパンジーとエリィに対して謝罪し、すべての契約を破棄した。

 また、警邏隊に支払う賠償金と、契約書詐欺を行った店への賠償金が、概算で一億五千万ロンになると伝えると、店がなくなったからそんなに払えないと泣きながら言ってきた。仕方がないので土地の権利書を買い取り、支払ってやることにする。

 二番街の一等地を格安でゲット。

 ババル・ビビアンは雨に濡れながらジャックに警邏隊の詰め所へと連れて行かれた。
 賠償金を支払っても罪は免れないため、彼女はしばらく刑務所のご厄介になることだろう。悪いことはするもんじゃねえな。

「エリィお嬢様! ババルを追い詰めた手腕、見事でした! 詐欺にあった店を代表して御礼申し上げます! 本当にありがとうございました!」

 金具屋の店主だという男が喜々として礼を言ってくる。彼の笑顔は過ぎ去った嵐のあとの空と同じで、晴れやかだった。

 俺は彼の顔を見てピーンときた。

「お礼を言われるほどのことじゃないわ」
「何を仰るのです! 我々は三年以上ババルに苦しめられてきました! 身体にまとわりついていた鎖がすべて取れたような気分ですよ!」
「ねえ、それよりもあなた。お風呂は好き?」
「はい? ええ、好きは好きでございますが……」
「ちょうど温泉が出て土地の権利書も手に入ったし、ここに温泉複合施設を作ろうと思うの。あなた、そこで番頭をやってくれないかしら?」
「番頭? 俺っち、商人ではないのでできるかどうか分かりませんよ?」
「あなたの顔つき、法被が似合うと思うのよね」
「はっぴ? なんですそれは?」
「洋服のことよ。金具屋と兼業でいいから。ね? いいでしょう? ね? ね?」

 ちょっと困った顔を作って口を尖らせると、男はドギマギして顔を赤くした。
 エリィの懇願顔、便利すぎるな。
 あまり多用すると俺の営業力が落ちそうだ。

「お嬢様にそこまで言われたら断れないですよ」
「じゃあいいのね?!」
「……はい! 少しでもお嬢様のお役に立てるなら、俺っちはドラゴンの巣にだって飛び込みます!」
「嬉しいわ! あとで詳細を伝えるから、ご自宅の住所をクラリスに教えてあげてね」

 こうしてビビアンプライスへのおしおきは終了した。

 つーかね、スカーレットは他人にエリィの何を吹き込んでるんだよ。
 エリィがブスでデブだって周囲に吹聴して回っているらしいな。あいつ、ミラーズのエリィモデルが買えないことに腹を立てているみたいだ。

「エリィはいつでも可愛いよ…」
「ありがとう」

 なぐさめてくれるアリアナの耳をもふもふしてと。

 学校でスカーレットに会うのが楽しみだ。
 あいつがどんな顔をするのか。

 そしてあいつの家がバイマル商会と手を組んでやろうとしている、ミラーズの後追いと、ミスリル製品を流行させる動き。オシャレ戦争は終わったが、報復は終わっていない。

 オシャレ、女子力、可愛さ、魔法力、勉強、家柄、金。
 どっちが上なのか勝負だ。
 スカーレット、首を洗って待ってろよ。
 エリィを嘲笑った罪は重いぜぇ。
 決着をつけてやる。

「温泉楽しみ…」
「そうね」

 夕日が沈み、星空の下、温泉が勢いよく噴き出している。
 やっぱ怒ると温泉出るんだよなー。意味分からんな。

 てか怒りに任せて“雷雨サンダーストーム”ぶっ放したけど、雷雨がなかったら言い訳できなかったな。雨が降ってくれて本当によかったぜ。ラッキーラッキー。

 集中的な落雷があったビビアンプライス跡地には野次馬が殺到していた。
 そらそうだ。

「家に帰ってお風呂入ろ…風邪引くよ」
「そうね」

 俺とアリアナはバリーの待つ馬車へと歩き出した。

 空には豪雨の名残である雲が一筋残っており、けだるげな様子で風に流されている。

 星空がひかえめに輝き、温泉の湯気で見えなくなっては現れ、野次馬の喧騒とビビアンプライスへ恨みを抱いていた人々の歓声が周囲に響いていた。

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