挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
カジヤノキヤクビト 作者:No.

工房日誌 2017.5~

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

135/338

5月9日雨 『白魔導師1名』

「新しいの、入ったぞー」

カルラが店の前に出ると、白金色の紙を揺らした少女が仁王立ちでこちらを見ていた。そして、白いローブを揺らし、背負った杖を鳴らしながら、少女は声高らかに言う。

「正義のために、武器の献上することを許すわ。感謝しなさい!」
「何の感謝だよっ! そして、何で貢ぐ前提なんだよ! 冷やかしなら、さっさと帰れ、迷惑だから!」

明らかにまともな奴ではない。店に何かをする前に、早く退かしておこうとカルラは、シッシッと手で払う。

「ひ、冷やかしって何よ!? アタシくらいに高貴で偉大な魔導師に、恩を着せるチャンスなのよ?」
「いや、お前さっき"感謝しろ"っつったろ。恩着せがましいにも程があるだろ!」

しつこく居座る少女の応対をしていると、店の方から声が聞こえてくる。

「どうされましたか? カルラさん」

弟子のシュラが顔を出していたため、カルラは簡単に事情を話した。

「シュラ、こいつがタダで物を寄越せと言ってきた。たぶん強盗だ、来る店を間違えたと後悔させてやるぞ」
「カルラさん、今すごく悪人の顔ですよ?」

ただ殺意を込めただけで、酷い言われようだ。
シュラはカルラの横を通り、少女の前まで歩く。

「しかし、お金を頂かなくては、私達の生活が壊れてしまいますから、タダということには出来ませんね」
「そ、それは正義に反するわね。いいわ、お金は払う。だから、最上級のものを渡しなさい」

なおも偉そうに言う少女に、シュラは優しく微笑んだ。カルラは注文を受けて、要望を確認する。

「武器って、魔導師だよな? 杖で良いのか?」
「いいえ。私が欲しいのは剣よ」
「お前の体格と胸で扱えるとは思えないのだが?」
「胸は関係ありませんよっ!」

何故かシュラが怒りだしてしまった。
まさか気にしていたのだろうか。あの体型に、あの顔ならば、胸がある方が不自然なのに。

「カルラさん、何か失礼なことを考えていませんか?」

考えてません。気を取り直して、怒られない内に商品を探す。

「それで、剣だったな?」
「そ、そうよ。アタシに似合う高貴で純粋な剣」
「んなもん、何に使うんだ? 魔導師なら魔法でなんとか出来るだろ」

ふとした疑問を口にすると、少女は当然のように理由を述べた。

「最近、味方に変質者が多いから、それ用よ」
「変質者?」
「ええ。四人パーティーでアタシ以外、全員変態だったこともあるわ。別々の村で募ったのに」

どれだけ不運だったら、そんな絶望的なパーティーが生まれるんだ?
ていうか、"ことも"って、他にもあるのか、不幸過ぎるだろ。
少女は怯えた様子もなく、慣れた調子で背後を指差す。

「最近はストーカーも、そこに居るから気をつけてね」

見ると、目をギラギラと輝かせた、明らかにヤバい奴がいる。あれはヤバい奴だ。どうして気が付かなかったのか。
カルラは困惑して、少女に言った。

「おい、連れてくんなっ! 幼女趣味だったらどうすんだ!」
「カルラさん、どういうことですか!?」

胸がない女が好みらしいから……。そんなことは言えない。
チナ・ホワイトウッド(12)
特技……浄化
備考……ある国の王族で、単身その身を追われた姫様。魔力は高いが、傲慢である。体内に黒魔術の回路が組まれていて、運が悪くなっている。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ