エピローグ
「くすっ。大樹のサングラス姿もだいぶさまになって来たね」
「そうか?俺かっこいいか?」
「うん。すごくかっこいいよ」
「そうか。そうか」
「くすっ。大樹、かわいい」
「……美裕は今どんな格好かな」
「わたし?」
「ああ」
「あのときしようって言ってたあのマフラーと帽子をしているよ」
「えっ?」
「わたしもだいぶ髪の毛が長くなってきたし……、もうちょっとだけ若かったらあの絵と同じになるよ」
「あはは。美裕はまだ全然若いじゃないか」
「でも、もうわたし学生じゃないし……」
「そうか。もうあれからだいぶ経つものな」
「うん。でも、大樹がわたしを見られるようになれば、きっとこの姿を見たいなって言うと思ったから、恥ずかしいけれど、このかっこ」
「そうか……。俺、やっと、また美裕を見られるのかもしれないんだよな」
「うん」
「あはは。それにしても、胡太郎はやっぱりすごいやつだったな」
「うん……」
「美裕、心配なのか?」
「ううん……。大樹の目が治れば、すごく嬉しいな……って、思って」
「美裕にも色々世話になったもんな」
「ううん……」
「目が治ったら、俺、美裕に何かしてあげるからな。今までずっと俺に優しくしてくれた分、何倍もにして」
「うん……」
「それと……。俺、思う存分美裕を見るから、覚悟しておいてな」
「くすっ……。うん」
「そして……」
「そして?」
「また、俺、美裕を描きたい。あの絵に負けないほどの、あの姿をした、大好きな美裕を」
「くすっ……。うん。がんばってね!」
「ああ!」
『森村夫妻へ
久しぶり。元気だろうか。
いや、元気だな。結婚して毎日ラブラブな夫婦をしている二人だものな。
っと、こんな冷やかしをしようと思って、こんなに久しぶりな連絡をしたわけじゃないんだ。
いままでに色々手紙を送ってくれて、返事が出せずに申し訳ない。
いろいろやっていて、手紙を出す余裕が出来なかったんだ。許して欲しい。
それで、突然だけど、俺、医師になった。
それで、俺、最近失明治療の画期的な方法をあみ出せた。それで、大樹。お前の目も治せるかもしれないんだ。
いや、大樹の目を俺に治させて欲しい。
俺はあれからずっと勉強して、いまようやくお前達に恩を返せる時がきたんだ。
だから、是非、俺のいる病院に来て欲しい。
そして、親友。また昔のようにたくさん話をしようじゃないか。
おもいっきり冷やかしてやりたいしな。
なんてな。でも、いつでも来てくれよ。いや、早い方がいいな。
手紙を届いたらすぐにだ。
それじゃ、久しぶりの再会を祈って。
吾妻胡太郎』
Fin.
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