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どうでもイイジャン!
作:いもっこちゃん



陸上部


暁子は環の母親に起こされてしぶしぶ大学へ向かった。
倉庫から古い自転車を出してもらってその自転車に乗っているがサドルのあわせがおかしいのか少々てこずっている。
背中のリュックで携帯が震えている、暁子は嫌な悪寒が背中に走った。自転車を止めてまで確かめようとは思わない。
それらのメールや電話は全部は見知らぬ他人からの連絡であり個人情報である。
それでも環である暁子は勇気を持って短い返事を書いて送信しているが
見知らぬ人からのメールはどんな言葉でつなげていいのかさっぱりわからない のが実情だ。
なんとなく解った内容のメールは、環の陸上友達からのインカレの話題で
大学の友人らしき友達からは授業の内容について、
授業は資料やノートがあるのでなんとか用意できたが、陸上関連はさっぱりわからない、インカレが大学選手権なのだと、ネットでしらべてわかったくらいだ。
暁子は運動部の経験は、中学生の頃テニス部に所属していて、高校生二年生では少ない部員の三年生が卒業すると、部員が暁子一人になり、練習も出来ない状態となった。
暁子に続ける意志はあったがなにせ壁が練習相手ではやる気もおきない。
それ以来授業以外はジャッジを着る事も、ましてランニングに短パンを着るなどとは想像した事も無い。
これから慣れ親しんだ大学で何が起きるか考えると、暁子は頭が痛くなる。
確か乗り換えた次の電車で、天野勇気が乗ってくる。彼は経済学部だが環とは陸上部で一緒なのだ。
「オハヨウ・・」
そら来た。天野勇気は恥ずかしそうに環の周囲の友達に遠慮しながら声をかける。
法学部の環の友人達が奇異の目で天野勇気を見ていることを知っているようだ。
ここは環が間違いなく返事をするところだ。
「やぁ、オハヨウ。やってみた?」
暁子としては天野勇気は一番苦手な人種である。
「夜イケ見たーー。酷かっただろう?あのオカマ軍団」と、戸塚。天野より二駅手前で乗ってきていた。
「オカマじゃないよ、おねぇ軍団」すぐに応えたのが湯原。戸塚と同じ地区に住んでいる。
「あんなのがどっと出てるなんて誰でもびっくりするよな」戸塚は天野に対してあてつけて言っていた。
「圧巻だよ。オカマばっかり集めてさ」戸塚のあてつけを解って話に乗る湯原。
「組合作ってるんだって?オカマの弁護士になったらサーありとあらゆる事に反応して仕事が山のようにあるんだろうね」と、藤岡。
「大忙しだよ」とは、湯原。どっと笑い声がおこり天野の反応をうかがう。
苦笑している天野を精神的にいたぶるのが戸塚の楽しみでもある。
「そうかそんなに面白いTV番組があったんだ、俺は忙しくてそれどころじゃ無かったよ」と、話に乗らない事に暁子は決めた。
暁子はこの手の意地悪は嫌いだ。
金曜日に帰宅して土曜日に悶絶しているところへ、勇気からのメール、しかも長文、内容は走る事への意義とは・・が繰り返し延々と続く。
暁子は何もせずに泣き言ばかり言う輩は嫌いであるが、ここは環として振舞わなければ・・・
と、最初は優しい文章で短く受け答え、日曜日の朝のメールでは何も書くことが無かったので
「まずは走ってみよう!」と短くまとめた。
色白ですらりとした勇気がつぶやくように話す。
「昨日あれから堤防の道を、上流に向かって一日走ったよ、なんか気持ちよかったよ」
「富田山まで行けば、紅葉なんかあるんじゃない?行ったの」法学部の釜石が口を挟んだ。
彼は天野勇気と付き合ううちに変な偏見は消えているようだ。
「う、うん、ふもとまで走ったから赤い木が少しあったように思うよ」
別な誰かが話しに入ってくれて、身の置き所が出来てほっとした表情の天野である。
「紅葉が綺麗だから行って見たいよな」と、暁子。いや、環。
釜石の助けは本当にありがたい。
「沢尻君は新幹線の中で見てきただろう」と、三人は別な話で輪を作る。
他の四人は嘲笑の相手が天野からTV番組に話が移り大学の教授連にいけにえは変わっていった。

C305の教室から授業を終え、暁子が出てくると予想外の天野が待っていた。
「今日はこのまま練習に行ける?今朝聞き忘れたから。行けるなら一緒に行こうと思って」
187cmの長身をかがめてはにかんでいる。
「調子悪いんだけど、そんなこと言ってられないからね」と、答えたものの、内心もう一度帰宅してから作戦を練り直そうと、帰る口実を見つけていた暁子である。
飛花大学のそばには運動できる施設はない。
電車で移動して5分の市営のグランドを借りて練習は行われている。
暁子には始めていくグランドだ、今度の運動部後援の体育会に、参加すれば馴染みの場所になったかもしれない。
ロッカールームでジャッジに着替え、天野と二人で荷物を持ってグラウンドの土手に座って身体をほぐした。
しばらく待っていると、グラウンド入り口から6・7人の人影が現われた。部員とコーチの登場である












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