運命のダブルリーチ
それは南四局、オーラスを迎えた大事な一戦だった。
僕の持ち点は2500点。これをひっくり返すには、親の連荘しか道は残されていない。
僕は手に魂を込めてサイコロを振った。牌を取り終えてすぐに異変に気づく!!
(こ、これはダブルリーチ!?)
願ってもない牌配である。
(神に願いがつうじたか!?よし、この東を切ってダブルリーチだ!!)
僕は少々興奮気味にリーチの声を発した!!
「リーチ!!」
「おいおい、まじかよ〜!」
他の三人がざわついている!
僕は心の中で当たりの牌を連呼していた。当たり牌は『発』と『東』のシャボ待ちだ!!
(発と東、発と東だ!発と東、発と…あれ???)
そう天和だったのだ!…いやいや、そんなはずはない!
俺みたいな体臭がものすごいダメ男が、天和なんかであがれるはずがないんだ!
すると後ろでこの対局を見ていた店のマスターが、僕にこうつぶやいた。
「ねぇ、はじめの一歩何巻まで集めてる?」
関係ねぇ!!マスター関係ねぇよ!!
そう思いながらも麻雀は進む。
だが俺は自分の目をも疑うような光景を目にする!
リーチかけてねぇ〜〜
そう、リーチと叫んだくせに、牌を横にしていなかったのだ!
この勝負に負ければ、俺は罰ゲームで、おしりの穴を縫わなければならない!それだけは避けねば!!
だが次の牌をツモり、状況は一変する!また東が来たのだ!
(よし、この東をきってリーチだっっ!!)
そう、僕はおバカさんなのである。
まだ秋の風が身にしみるこの頃、わずかに、だが確実に冬は近づいていた |