名前:
蜻蛉 2008-04-03 21:49
どうも依頼いただきました蜻蛉です。
私は作品を評価するにおいて、まず最初に作者のことを知るのがスタイルなのですが、当方が高校生だと知って、「ああーまた恋愛の携帯小説かー」と舐めてかかったことを許していただきたい。この作品は決してそんなレベルのものではありませんでした。
携帯小説として評価いたしますので、その点ご了承を。
酷評くさいですが、最後まで読んでいただけると幸いです。
まず文章ですが、これは数ある携帯小説の中(魔法のiランド基準)でも結構良い線を行っていると思います。改行や文章構成は相変わらずのものですが、まあその点は読みなれているので。
表現方法が、とても良い。
文章についてはこれに尽きます。今まで読んできた携帯小説の中、という範疇を超えても良いです。決して「文章力が高い」というわけではないんですが、優しい表現や、微温湯、星、世界などの詩的なものには思わず声を上げたくなるほど。
という点をふまえ、何故☆3なのかと問われれば勿論「一般と比べた場合」です。携帯小説という範疇を超えてしまうと、私のような「酷評を信条とするもの」にこれを読ませれば文章評価は2が最高でしょう。決して悪いわけではないのですが、まだまだレベルが作文程度です。「た」で終わる文章が多いのがその初心者の証。よく言われるものではありますが、確かなものでしょう。上記した、美しい表現が無ければ涙目だったかと。
まあしかし、その美しい表現だけでも十分食っていけるような気がするほどでした。私はその点を大いに評価したいと思います。滅多に見かけないので、こういう「特殊な比喩」を使った作品は。
次いで物語です。
最初に申し上げたとおり、あんまり期待はしませんでした。ですが、ある意味では見事に裏切り、ある意味ではそれすらも裏切りました。
何が足りなかったかは一目瞭然。展開が足りなかった。無駄に長ったらしい携帯小説と比べれば上手く纏まっていると評価も出来ますが、私個人的にはもっと欲しかった。
唐突に保志の前に現れた少女とのストーリーをもっと奏でて欲しかった。霊感(?)があるというその少女の設定に全て身を任せてしまっているような印象を受けます。語りたいことを藍に任せ、展開を投げ出してしまっている印象を受けます。これは序盤の話なのですが、いきなり出会ったものとの運命を感じる、そのことについては私は否定しません。
ですが、そこからの展開があまりに速かった気がします。保志の過去にしろ、藍の想いにしろ。
次いで表現に気を使いすぎて一部伝わらないところがあると思います。
それ中心として動く今回の小説では、ある意味では致命的だったかもしれません。ヒロインや主人公の想いが四散していってしまっている。色々な言葉や表現を多用したことによって、せっかくのストレートな想いが散り散りばらばらになってしまっています。美しいとは思いますが、一部はこういったデメリットも生んでいました。これは単純に私の感性の問題かもしれませんが(汗
しかしそんな中、今回、この小説でもっとも評価『出来そうだった』のがキャラクター性。多くのキャラを出さずたった二人を中心として動くところまでは良かった。
主人公が『誰かのために生きる』という思いを持っているならば、あんなちょびちょびした展開ではなく、もっと大袈裟で良かったと思います。加えてヒロインの思いは正直わけがわからなかったです。終盤になれば煮詰めてくるので分かるのですが、序盤は一体なんだったのでしょうか。逆の『自分のことしか』という風なものならば、主人公と同様、もっと展開で何かを見せるべきだったと私は思います。
簡単に言えば、「私はこういうキャラなんですよー」という自己紹介を見ている気分でした。本当に良いキャラクターを作れていると思うのに、ここだけが非常に残念です。
こういった良い「テーマ」がありながら、それを十二分に活用することが出来なかった、いえ、まずそれを掲示することが出来なかったのが、私が今作においてもっとも残念だなぁと思ったところです。
よく言えば「女性的」なのですが、やはり万人にこの小説の良さを伝えるには四歩くらい足りなかったんじゃないかと。
あとはまあ、終盤のエンディングがなんか納得行かなかったのはきっと病気です。ハッピーエンドは良いものですね。
一応追記のような形で言っておくならば、最後に恋愛に走るんだったら恋愛らしくしたら良かったと私は思います。もっとベタにして良かったです。感動の成就シーンなのですから、もっとスペースを使ってあげても良かったんじゃないかと。ええ、個人的にですが。
と、ここまで否定的に書いてきましたが、ぶっちゃけ魔法のiランドの上位作品なんかより数倍面白いですよこれ。読んでて「あんな知人友人アクセスで売れる奴よりぜってぇこっちのほうが売れるって」と、改めて魔法のiランドに殺意を(ry
こうして私が「真剣に評価できる」という作品であること自体、既に「小説としての形」が出来上がっているんだと思います。自惚れではありませんが、私はどうでも良い作品や、完成しきった作品にはこんな長ったらしい評価は残しません。よって、私はこの作品を「原石」的なものとして認識しました。磨けば光ります。絶対に。
今までの評価を総括すれば、「テーマを語る展開が足りなかった」「もっと分かり易くテーマを語る文章が欲しかった」「キャラクターを展開で魅せるべきだった」の三点です。テーマだらけですが、この作品自体結構テーマだらけなので、良いんじゃないでしょうか。
普通に面白かったです。
最後に、このクソ長ったらしい評価失礼致しました。
では、依頼ありがとうございました!
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文章評価:
★★★☆☆ 作品評価:
★★★☆☆ 出版:わからない
[S5] 15歳〜17歳 男性
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| ▼コメント 本当に…こんなにすばらしい評価を、言葉をくださるなんて… ありがとうございました!
何が足りなかったのか、 何を研けばよいのか、 とても適格に指摘してくださり、満足です。 すごく丁寧で、あぁ、そっか。ここを頑張ればいいのか!と、すごくわかりやすかったです。 広げる展開、文章力、人物の動かし方… さぼってしまった所、といいますか、勢いで書いてしまったところがご指摘され、反省してます。
アドバイス・指摘ありがとうございました。 他の作品にも繋げていけるようにがんばりたいです。 本当にありがとうございました。 名前:詠城カンナ[2008-04-06 06:43] | |