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ジェノサイド・リアリティー  作者: 風来山
第二部 『コンティニュー・ムンドゥス』
109/223

109.愚かなる王

最終アーク 放散フー 電光ディン 飛翔フォイ


 祭祀王が詠唱したのは電撃の呪文だが、最終アークランクともなれば、もはや呪文なんて生易しいものではない。

 錫杖から放たれた閃光は、もはやレーザービームのようだ。


最終アーク 放散フー 電光ディン 飛翔フォイ!」


 俺もほぼ同時に電撃の魔法の詠唱を終えて、祭祀王の放った電撃に叩きつける。

 ぶつかり合った強烈な電撃は、バシュッと音を立てて相殺され空気中に飛散した。


 これは迫力がある。スレスレで相殺が間に合ったが、さすがに肝を冷やした。

 最終アーククラスの電撃は、その威力もさることながら、その衝撃で城が崩壊しかねないのだ。


 俺が最上級ハイエストを使っていたのは、マナの節約という意味もあったが。

 建物を倒壊させてしまえば、自分にもダメージがあるからだ。


 こんな場所で使うには、大規模魔法は明らかにオーバースペック。

 傍迷惑にも程がある。


「ほう、やはり最終アークランクの魔術も使えるのか」

「使えるかじゃないだろ! 何を考えてる祭祀王!」


 城が崩れるだけではない。俺の後ろには、祭祀王の配下だっている。

 この位置で放てば、祭祀王の味方も巻き込んでしまう。そんなこともわからないのか。


 それとも、俺が相殺するのを見越しての攻撃なのか?


「フハハハッ、なぜ余が下々の者をいちいち気にせねばならん」

「ああ、そうかよ……」


 お前も、そういうやつか。

 自分のために命がけで俺と戦った近衛兵達を、いともたやすく捨てるものだ。


 王と名乗るものがこれとはな。

 やっぱり、この世界は腐り切ってる。


「配下の熊人どもは、余のためにいつでも死ぬる存在よ。むしろ余の魔術の犠牲になれれば、喜ぶべきというものだ」

「……」


 自分が仕えるものに対してあまりの言いよう、その傲慢さに腸が煮えくり返る。

 その近衛兵達を斬り進んでここまできた俺が言えた義理ではないと思っても、それでも酷く不愉快だった。


 許せないと感じるのは、その人を人とも思わない言動が、俺の親父を思わせるからだ。

 こういう人を踏みつけにするだけの人間はどれほど偉ぶっていても卑しい。生きている価値が無いと言い切れる。


「さあ、近衛兵達よ。真城ワタルを抑えこむのだ。これは、神の裁きである。今一度、究極の稲妻を食らわせてやろう!」


 裁くだと?

 それはこっちのセリフだ。


 もう決めた。

 お前は、許しておけない。


熱量ラー イア 電光ディン


 祭祀王の命令通り、俺に後ろから迫りくる熊人近衛兵達には悪いが、ここは相手をしない。

 俺は、魔闘術を使って高い天井へと飛翔した。


「空へ逃れようと無駄だ! 最終アーク 放散フー 電光ディン 飛翔フォイ!」


 逃げたわけではない。

 俺は、ビーム砲に等しい稲妻を身に浴びる。


 この攻撃を受けるのは覚悟のうえである。多少は、減術師の外套(ディミニッシュマント)が防いでくれるが。

 目をつぶっていても、猛烈な閃光と肌を刺す痛みが俺の身を焼く。


「だが、この程度!」


 ジェノサイド・リアリティーの地獄を生き延びてきた俺にとって、この程度の痛み覚悟のうえだ。

 皮一枚が焼かれた程度がなんだというのだ。


 そのまま天井を蹴って飛ぶ。

 祭祀王に向かって、孤絶ソリチュードを全身全霊の力で振り下ろす。


 ――三角斬り。


 この城の中で、巨体の祭祀王ゴルディオイは身動きが取りにくい。

 目をつぶって斬っても当たるぐらいだ。深々と野太刀の刃がその巨体を斬り裂いたが。


 しかし、身をぶつける勢いで斬り裂いても、あまりにも祭祀王がデブすぎて急所まで刀がまったく届かない。

 痛み分けに終わった。


 地面に転がった俺が最終アークランクのヘルスポーションで回復すると同時に。

 祭祀王も、回復を終えていた。


「……思い切りが良い」

「お前もしぶとい」


 頭上から、割れたステンドグラスの破片がキラキラと降り注いでくる。

 俺は孤絶ソリチュードを構え直して、祭祀王と対峙する。


「ふむ。また魔法を相殺してくれると思ったが、バカではないようだ」

「祭祀王、お前の狙いはもう読めたぞ。マナの量だろ?」


「……気がついたか」


 最終アークランクの魔法の撃ち合いになれば、俺のほうが先にマナが枯渇すると予想しているのだ。

 おそらく、祭祀王ゴルディオイは職業特性でマナの量が増大している。


 俺をマナ切れに持ち込めれば、あとは一方的に魔法攻撃で削り殺せるというわけだ。

 そうはさせるものか。


「俺は魔術師ではなくサムライだ。わざわざお前の土俵で戦うわけがないだろ」

「だが余の魔法を相殺しなくては、そこにいる者共が魔法に巻き込まれて死ぬぞ?」


 俺は鼻で笑った。


「ハッ、敵を人質にしてどうする。お前の部下など、俺はどうなっても構わんさ」

「ほう、ならばこうだ――熱量ラー イア 電光ディン!」


 ゴルディオイは、足のマナを暴走させて飛翔する魔闘術を使った。

 祭祀王ゴルディオイは、一度見ただけでそれを真似て飛び上がってみせた。


 さすがは、一種族の頂点に君臨する祭祀王とはいえるのだろう。

 一度見ただけで、新魔法を真似て使用できるとは――それは凄いのだが。


「はぁ、逃げやがったのか?」


 王の間の天井に開いた穴からそのまま飛び出して、祭祀王ゴルディオイの巨体は消えた。

 あれほどの自信を見せて、まさか逃げ出すとは思わなかった。


 その行動には意表を突かれたが、ここで奴を逃がすわけにはいかない。

 当然ながら、俺も魔闘術で飛翔して追いかける。


熱量ラー イア 電光ディン


 だが気をつける必要もある。あの祭祀王が、ただ逃げるとは思えない。

 このパターンだと、敵が待ち構えている可能性もある。そう警戒しながらのジャンプだ。


 いきなり飛び出しては、俺が頭を出したところを最終アークランクの魔法で狙撃される恐れもある。

 そのために、直線で飛ぶ訳にはいかない。


「なんだ、待ち構えては居なかったのか?」


 用心して城の外に飛び出たが、城を脱出した祭祀王ゴルディオイは脱兎のごとく街の外へと向かうところだった。

 さすがは強大なマナ量を持っているらしく、暴走させた魔闘術のパワーもかなりのものだ。


「チッ……」


 重たい巨体であっても、一直線で飛び続ける祭祀王ゴルディオイには追いつけない。

 巨人が脱兎のごとく逃げまわる姿は、いっそユーモラスにも見えててくるが。


 ここは笑ってもいられまい。

 魔闘術を一回見ただけでコピーした強敵なのだ。


 おそらく魔術の適性とマナの量に関しては俺より上だ。

 これは、さっさと勝負を決めておかないと厄介な相手になる。


「本気で逃げてるのか……ゴルディオイめ。何を考えてやがる」


 勝負をつけるんじゃなかったのか。ともかく、ここは逃げる祭祀王を追うしかない。

 カーンの街の郊外まで飛んで、そこで祭祀王は不意に足を止めた。


「真城ワタルよ。見ろ! 余の兵とお前の兵が戦っているぞ」


 まさにそこでは、祭祀王ゴルディオイの軍勢と、アリアドネの率いる軍勢がぶつかり合う戦場だった。

 カーンの街の防衛が手薄だった理由がこれだ――。


 総勢が一万にも及ぶとも言われる熊人の軍に対して、アリアドネの軍は二千足らず。

 しかもその内実は、農奴と犬人盗賊の寄せ集めなので攻め寄せたはいいが圧されている。


 祭祀王を倒そうと決めた俺を支援するために。

 アリアドネ達は、無理にでも攻め寄せてくれたのだろうがな。


「それがどうした。結局は、自分の兵隊に助けを求めるってことか?」


 そう言いながら、俺は少し焦っていた

 ここには一万の軍勢全てが集まっているわけではないが、八千人程の熊人兵士がいるようだ。


 見渡す限りの大軍である。

 この数で押し込まれて、俺の動きが鈍ったところを祭祀王ゴルディオイが攻撃魔法を連打。


 もし、そういう戦術で来られれば、今度はこちらが危ういと一瞬で考える。

 もちろん、あの祭祀王の電撃。一発や二発ならば、耐えられる。


 だがそれ以上となると、俺でもヘルスが持つか分からない。

 先ほどの近衛兵の忠義を見れば、祭祀王のためにここの熊人兵士どもも自らの命を賭けてでも、俺の足を止めるかもしれない。


「フハハハッ、見ていろ、こうするのだ! 最終アーク 放散フー 電光ディン 飛翔フォイ!」


 俺の目の前で、祭祀王ゴルディオイは最終アークの電撃を放った。

 また俺に向かっての攻撃かと身構えたが、そうではなかった。


 レーザービームのような電撃は、人族農奴と犬人盗賊の軍勢に向かって飛ぶ。

 瞬く間に兵の命が削られていく。何百人もの人間が、閃光に灼かれて一瞬にして霧散する。


 所々でこっちの兵士達が叫び声を上げる。

 そのあまりの威力に、戦争が一時中断した。突然の大規模魔法攻撃を喰らった兵士達が喚いている。


「ぎゃあぁぁ」

「なんだこれは、なんでこんな……」


 圧倒的な破壊を前にしては、もはや敵も味方もない。

 一方的な虐殺。もはやこれは戦闘といえるものではなかった。


「祭祀王、これは何のつもりだ!」

「どうだ、余の魔法を相殺しなければ、お前の仲間が死ぬぞ!」


 俺の兵を人質にしたと言いたいわけだ。

 こいつは、どうしても魔法の撃ち合いに持ち込みたいのだ。


「そうか、そうかよ」

「さあ、貴様の兵は何発で全滅するかな」


 ニヤッと分厚い唇を歪めて見せる祭祀王。

 勝ったつもりかよ。


 だが、甘い。

 俺に人質が利くと思っているのだからな。


 二千年も生きて、ボケたか祭祀王ゴルディオイ

 自分の有利な土俵に固執して、完全に眼が曇っている。


 もしこの場で、熊人の全兵力をもってして、全力で俺を倒しにかかっていれば良かったのだ。

 そうすれば負けないにせよ、俺も引かざるを得なかったかもしれない。


 その最後の機会をこいつは今、逃した。下手な策をこね回したのが貴様の敗因。

 最終アークランクの魔法を駆使する能力を持ち、俺を超えるマナ量を誇っていても、実戦の勘が鈍っているようだ。


「ハハハッ、やってみろよ!」


 俺は祭祀王の愚かさを嘲笑あざわらった。

 敵に相対しながら、その敵の本質を見失った愚か者を。


 笑いながら、孤絶ソリチュードを強く握りしめ、祭祀王ゴルディオイに駆け込んでいく。


 人質を取って、優位に立ったと誤解している今こそが好機。

 この愚かな王の巨体を斬り裂く!


「何ッ、余はお前の仲間を撃つと言ってるのだ――グアッ」


 やはり一撃ではダメか。

 だがもう一度、深く斬りこむ!


「殺ってみろと言っている。その間に俺はお前を殺すッ!」

「ぬうっ、貴様は仲間をぐあぁぁ!」


 俺は飛びながら刀を振るい、祭祀王の顔を狙ってみた。

 頭を落としたいが、この位置ではそこまでは難しい。


 口にでも刃が当たれば、魔法攻撃が詠唱しにくくなるはずだが。

 どっちにしろこの敵の増長、油断こそが好機。


 ――この一瞬を逃す手はない!


「死ぬまで言ってろバカめ。その減らず口を斬り裂いてやる!」

「ガハッ! 最終アーク 放散フー 電光ディン 飛翔フォイ!」


 電撃をまた撃ってきたが、そんな苦し紛れの電撃など、当たるかよ!

 ジェノサイド・リアリティーの攻撃魔法は、放射角度が直線すぎるのだ。


 狭い場所ならばともかく、この広いフィールドではそうそう当たらない。

 わざわざこんな場所まで来たのも祭祀王の失策!


 詠唱する口を狙った攻撃は、電撃の攻撃と錫杖で防がれた。

 さすがに楽に殺らせてはくれんか。 


 だがまだ序の口、俺の次の狙いは奴の右手。

 今度は真横に回って斬り伏せた。同時に、最終アーククラスのスローの呪文を詠唱する。


最終アーク 放散フー 刻限ウーア 敏捷ロス


 ここは、速攻ッ!

 速度最大で、敵に次の行動ターンを与えない。


 敵に回復の隙を与えぬうちに、このまま畳み掛ける!

 祭祀王はヘルスを回復しようと腰の袋からポーションを掴みとった。


 まったく俺の予想通りの動き。やはり、この程度の男だったか。

 俺は、祭祀王の丸太のように太い腕を思いっきり斬り裂いた。


「まだだッ」


 さらに刃を返して、渾身の一刀。


「ぐあぁぁ」


 まだッ、まだッ、まだッ!

 息着く暇もない刹那。時がほぼ停止した世界で、俺は力の続く限り孤絶ソリチュードを振る。


 これほどの斬撃を浴びせても、祭祀王の腕の骨は断ち切れない。

 なんという丈夫さであろうか。確かに、その恵まれた肉体は、ただの人間の俺よりも遥かに上の資質を持っている。


 だが同時に、愚かでもある。

 祭祀王は俺の斬撃を防ごうとして、ポーションを取り落としてしまう。


 これは、素人だ。

 実戦経験を経た戦士には、あり得ない動き。


 道理で魔法の撃ち合いにこだわるわけだ。

 こいつは、接近戦の経験が浅い。


「ぐぎゃぁぁ、腕が! 余の腕がぁぁ!」


 祭祀王は、強い魔法力に頼り切りで、配下のものに戦わせるだけで実戦経験が足りていなかったに違いない。

 これほどの巨体と膂力を持ちながら、この程度の痛みで回復阻止されるとは、なんという打たれ弱さ。


 ここは腕を断ち切られてもヘルスポーションを飲むべきターン。

 二千年も生きてきて、斬撃の痛みに耐える訓練すらしていなかったというのか?


 どれほど絶大な魔力と、強い資質と、高い地位に恵まれていても、その精神は惰弱。

 これでは、こいつのために死んでいった近衛兵のほうがよほど強かった。


 こんな愚かな男のため、魂の炎が尽きるまで戦い抜いた戦士達が犠牲になるとは、理不尽の極み。

 心の弱い者に王たるものの資格はない。


「滅びろ、鈍重な豚めッ」


 その絶大な魔力を生かせぬままに死んでいけ!


 戦闘の興奮に震えていた俺の心は、次第に冷たく澄んでいった。

 祭祀王を殺す。ただそれだけを念じて、俺は孤絶ソリチュードを振るい続けた。


 何度斬っても死なない身体ならば、死ぬまで斬り続ければいい。

 肉を斬り裂き、骨を断つ。


 斬り裂いた血しぶきが飛ぶ前に、次の一撃を斬り払う。

 痛みに悶え苦しんでいるせいか、祭祀王の動きはあまりにも鈍重。


 もはや、一方的にこちらの攻撃が繰り返される。

 肥え太った祭祀王ゴルディオイの肉を削ぎ、骨身を削っていく。


「ぎゃあぁぁ!」


 あまりの激痛に音を上げた祭祀王は、呪文を詠唱することすら忘れて逃げようとした。

 逃がすわけがない。戦場で敵に背中を見せたら、もう終わりだ。


 王ともあろうものが、なんたる愚かさか。

 わかってるか。お前は今、死んだぞゴルディオイ!


「うおおおおっ!」


 俺は絶叫して飛びかかった。

 その背中に思いっきり孤絶ソリチュードを突き刺す。


 心臓の位置を狙ったのだが、肉にずぶりと突き刺さり、ガチッと硬い骨に当たる感触があった。

 チッ、手応えがまだ浅い。


 これでは、まだ命を断ち切るには足りない。

 やはり、しぶといか。


「ひいっ、やめ、もうやめろぉ! ぶっ、無礼者が、余を誰だと!」


 まだしゃべる力が残っている。

 さすがに、このデカブツを潰すのは骨が折れる。


 だが、どれほど大きかろうが生き物の急所は決まっている。

 心臓と脳だ。


 分厚い脂肪に遮られて、一メートルを超える孤絶ソリチュードの刃ですら祭祀王の心臓には届かないようだが。

 それならば、頭を潰せばいい。


「皆の者、何をやっている! 余を助けろ! この痴れ者をなんとかしろぉぉ!」


 ドウと地面に仰向けに倒れこんだ祭祀王の顔に、俺はそのまま飛び乗った。

 眉間に向かって、俺は刀を振りかぶる。


「もう間に合わん。自らの愚かさを呪って死んでいけゴルディオイ!」

「あっ、最終アーク 放散フー 電光ディンッ――」


 そして、突き落とした。

 孤絶ソリチュードの刃が、深々と祭祀王の眉間へと突き刺さった。


 そうして、トンと刃の先が突き当たった瞬間に、祭祀王の巨体がビクンと震えて、動きが停止した。

 祭祀王の最後の詠唱は間に合わず、その巨大な濁った眼から光が失われる。


「殺ったな……」


 脳髄を破壊されて、生きていられる人間はいない。

 巨大な化物モンスターに思えた祭祀王ゴルディオイも、ただのデカイだけの人間だったということだ。


 突然現れて戦闘を始めた俺と祭祀王ゴルディオイの姿を、ぽかんと見ていた敵味方の兵士達が次第に騒ぎ始めた。


「おい……あれ祭祀王陛下が、まさか敗れたのか?」


 熊人の兵士達は、自分達の王が死んでいるということをようやく理解し始めたようだ。

 大将首を取られてから気がつくとは、こいつらも哀れなものだ。


 うわーという叫びと激しい動揺が、連鎖的に敵軍の間に広がった。

 そこに、馬蹄の響きが近づいてくる。


 馬に乗ったアリアドネが、騎兵隊を引き連れてやってきた。


「やりましたね、ご主人様!」

「ああ、なんとかな。アリアドネ達の陽動も、助かった」


 こいつらが、敵兵を上手く引きつけてくれたからこそ、祭祀王に勝てたとはいえる。

 礼ぐらいは言ってやってもいい。


「ご主人様。あとは、こやつらを倒すのみです!」


 倒すのみといっても、見たわす限りの敵の大軍はそのままだ。

 さっきの祭祀王ゴルディオイの電撃攻撃で、こっちはさらに数を減らされている。


 さてどうするか、この数を威圧する方法もないことはない。

 祭祀王との戦闘のあとで少々しんどいが、アリアドネ達には助けられてしまったから仕方がない。


 もうひと押し。

 今度は俺が、アリアドネを手助けしてやることにするか。

次回4/17(日)、更新予定です。

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