25.戦闘と従者
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名前{}(首なし騎士) Lv.127
種族{}魔族
体力{}320/320
魔力{}318/318
敏捷{}321
筋力{}335
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(魔族?あれ、此奴魔物じゃなかったっけ。それに魔族ってなんだよ。魔人族とは違うのか?)
『魔族とは魔物が昇格した存在です。人や魔族、亜人、魔物も強くなる事で存在が大きくなります。人、魔族、亜人はユニットからオブサーバーへ。例外として異常者《クロ様》にオブサーバー以外の存在が当てられます。そして魔物、エネミーユニットですが、エネミーユニットはもともと存在を大きくしてもパーソンになる事は出来ない様になっています。ですがそのまま存在を大きくしていけば何時しか器が壊れてしまいます。それを防ぐために《昇格》と言うシステムを作り魔物専用の器、魔族が用意されたのです。わかりやすく言えば学習できないクロ様から学習しないクロ様に進化したという事です』
(酷い例えだがわかりやすかったな。つまり容量が増えたって事だろ?まぁそこんとこは戦えれば問題ないな)
デュラハンは長剣を構えこちらに向いている。
柄を顔の横に持ってきてそのまま地面と平行に剣先をこちらに向ける。Bランクほどの強さのある奴ならどう動いても殺られる未来が見えるだろう。
それほどデュラハンの構えに隙と言えるものがない。
(ステータスはあいつと同じ300程度でいいだろ。武器は…俺も長剣でいいか)
影を実体化し長剣を作り出す。
刀身は大体1mほどで装飾などはないシンプルな形だ。
その剣の剣先を地面に向け体の力を抜く。構えというよりただ立っているだけだ。
そのまま数秒間辺りを静寂が包む。誰かの息を飲む音が静かに響く。それを合図にしたかの様にクロとデュラハンは同時に地面を蹴る。周りの奴らにはいつの間にか居なくなった様に見えただろう。消えたと思ったらボコッという音とともに地面が凹み、次の瞬間にはガギキンッと言う音が聞こえていた。そちらを向けばデュラハンとクロが互いの武器をぶつけあっていた。
実際には距離を詰め互いに初手をぶつけデュラハンが弾かれた勢いを無理やり殺し袈裟斬りを放つが、下から振り上げられたクロの剣に弾かれる。そして互いにスピード重視で上段から振り下ろし鍔迫り合いになる。
あの一瞬に3撃あったのだがそれを見る事ができたのはロベリア、ギリギリ残像を捉える事ができたのが、はじめにデュラハンと戦っていた細身のイケメンだけだった。
「本気でかかってこい!……と言いたいが手加減してもらわねば戦いらしい戦いも出来ないからな。久しぶりに本気を出せる機会だ。逃すなど惜しい。だから存分に胸を貸してもらうぞ」
「俺も最近手応えのある奴が居なくてつまらなかったんだ。いくらでも貸してやるから精々足掻いてくれよ!」
クロが鍔迫り合いの状態から力にまかせて薙ぎはらう。デュラハンは勢いに身を任せ距離をとる。
「凄い……。ユウくん凄く強くなってる…」
元気そうな美少女が言う。
「あれが…井鷹なのか。旅に出る前の面影全くねぇじゃねぇか…」
ごついイケメンが言う。
「ぐぅ、た、確かに強い…で、でも、美咲はあげない!」
クールな美女がおかしな事を言う。
「い、たかぁ。お前が、お前がぁ…」
細身なイケメンが強い憎悪に歪んだ顔で言う。
クロとデュラハンはその事に気を掛けず気の向くまま戦った。
「ハハハハハハハハッ!いい、いいぞ!これこそ戦い!この死と隣り合わせのスリル!あぁ、これだ、これを求めていたのだ!ハハハハハハハハッ」
だとか、
「いいねぇ、楽しいねぇ。さぁさぁもっと足掻け!もっと楽しませろ!フハハハハ!」
だとか人外の戦いを繰り広げながらそんな事を言うものだから周りにいる冒険者などはビビリにビビりまくっていた。
その光景を離れたとこで観戦するスズとロベリア。
「なに、あれ。クロ、戦闘狂、だったっけ?」
「いいのいいのぉ。妾も遊びたいのぉ。混ぜてはくれんかのぉ。ううぅ、我慢できぬ!スズ、妾と遊ばんか⁉︎」
「無理、ロベリアも、あの領域に達してる。私じゃ、数秒ももたない」
などと呑気にお話ししている。
先ほどまであった死の恐怖で埋め尽くされた雰囲気が、今ではクロとデュラハンへの恐怖に変わっていた。
クロとデュラハンの戦場は数分もすれば地面は凸凹、ある場所は隕石が降ったようにクレーターができ、ある場所は抉れた土で小山ができたり抉れた場所から水が湧き出て池ができたりと地形が変わってしまっている。
「はぁ…はぁ…ふふっ。まさか…本気、を…出すのが…ここまで楽しいとわ…はぁ」
「俺もかなり楽しめたぞ。こんなに楽しいのは久しぶりだ」
「ま、さか…あそこまでして…はぁ、息切れ…ひ、とつおこさない…とわな…ふぅ」
デュラハンは息を整えると自分の持っていた剣を鞘にしまって。
「よし、我はもう満足だ。終わりにしてくれ」
「なに言ってんだ。こんなに楽しめる奴殺すわけないだろ。もったいない」
「貴様こそなにを言っているのだ。我は魔物だぞ。魔物は殺すべき存在だろう」
「いやいやお前こそなにを言ってんだって感じだよ。俺にとっちゃ魔物だろうが魔人族だろうが魔王だろうが俺に害が無ければ関係ないさ。お前が生きてても俺に害はない。むしろ遊べるんだから益しかない。そんな奴を殺して何になる。すでにお前は俺にとっては大事な友人だ」
「……ふふっ。貴様、いや、すまんが名前を教えてもらっても?」
「クロだ」
「そうか。クロは面白い奴だ。我よりも強くこの世の害を友人と呼ぶ。この千年間、我が探し続けた者はクロだったのかもしれんな。…これも何かの縁よ。クロ、いや主よ。我を従えてはくれないか」
「従える、か。別に友人でもいいんだがな」
「我は主のために剣を持ちたい。守るどころか守られるかもしれん。だが、主に忠誠を捧げたいのだ。何も役に立たないかもしれん。逆に迷惑をかけるやもしれん。それでも
、どうか主のお側に……」
「そこまで言うのなら構わない。だがこれから従わせるについて名前を知らなければ不便だ。名前を教えてくれるか?」
「我に名前などありわしない。よければ主が付けてはくれぬか?」
「ないのか。そうだな……初めの従者ってことで《ゼロ》はどうだ?」
「ゼロ……うむ、問題ない。主が付けてくれたのだ。文句などあるはずもない。………不肖ゼロ、御身に楯突くものに剣を振るい御身を守るために身を賭して、御身に捧げる為にこの忠誠を、全ては御身の為に」
この日、俺に忠実な従者ができた。