第16話:勇者の危機
〈アキラ視点〉
「ん〜おかしいな? また行き止まりだ」
どうも、アキラです。リコさんの家に居候して3日目、リハビリも兼ねて一人で外に出たのはいいが、完全に迷った。
………。
日も暮れてきてし、お腹もすいた。帰り道を聞こうにも、路地裏だから人っ子一人いないし。
しかたない。適当に歩けば、大通りに出るだろう。
「おっと、待ちな!!」
ん!?なんだろ、この人達。ボクに何か様なのか?
ガラの悪そうな人たちがボクの囲んでいる。
「悪いね〜兄ちゃん。この道通るには通行料が必要なんだよ」
「通行料?」
「そう♪ 通行料♪」
困ったな……この世界にきたばっかのボクがお金を持っているわけないし……。
「おい、チビ!! 聞いてのか!! 金出せって言ってるんだろ!!!」
「あの〜すみません。ボク、今手持ちが無くて……」
「ああ!? そんな嘘が通じると思ってのか!! いいから金だせやぁぁぁぁ!!」
男の一人がボクの胸ぐらを掴み、殴りかかろうとしてくる。
しかたない。自分の身を守るためだ。
【スッ……パシューン】
「!?」
【ゴスッ!】
「がっ!?」
右手に召喚した剣に気を取られている隙に、ボクは胸ぐらを掴んでいる男の腹に剣の柄を叩き込む。
男はボクの胸ぐらを離し、腹を抱えてうずくまる
「てめぇ!!」
「………」
その様子をみて他の男達も、それぞれの武器を持って走ってきた。
【ヒュン!】
「死ねやぁぁ!!」
【ガキン!!】
「はぁ!!」
【ゴスっ!!】
「がはぁ!!」
剣で相手の攻撃を受け止めたり、避けたりしながら一人一人倒していくが、
「おらぁ!!!」
「くっ!!」
【ひゅん!!】
「はぁ…はぁ…」
【ぽたり…】
人数は多いが、実力はたいしたこと無い……でも傷口が開いた。頭から血が滴り落ち、目が霞む。
もう剣を振り上げることも出来ない。
その様子を見て、打ちのめした男達が集まってきた。
「なんだ、こいつ。怪我してんじゃねぇか」
「へへへへ。それは好都合だな」
このままでは………。
「じゃあ、死んで貰うか」
………。リコさん………。
「待てぇぇぇぇい!!」
「!!?」
「とぉぉぉぉぉ!!」
【シュタッ!】
いきなりのことで不良どもはうろたえた。
それもそのはず。空から変なお面をした人たちが振ってきたからだ。
「な、なんだコイツら!?」
「ん〜気持ちいい〜お約束〜♪」
「葵さん、自己紹介自己紹介」
「あっ、そうだった。私たちは弱気を助け、強気をくじく!! 我らが魔王戦隊 マオウレンジャー!! 私がリーダーの! リーダーの!! マオウレッド!!」
【ドン! ドン! ドーーーーーーン!!】
リーダーって事、強調しすぎ!!
「お色気担当魔王ピンク!!」
【ドン! ドン! ドーーーーーーン!!】
「きゃあ!? 爆風でスカートが!?」
み、見てないぞ!! 勇者のボクが、女性の下着を見るなんて………白………
「はぁ〜私に仕事をさせてくれ………マオウイエロー………」
【ドン! ドン! ドーーーーーーン!!】
やる気ねぇ!!
「あらあらまぁまぁ〜マオウグリーンですわ〜!!」
【ドン! ドン! ドーーーーーーン!!】
意味わかんねぇ!!
「がはははははは! !普段は飲んだくれ、でもやるときはやるぞ!! マオウブラック!!」
【ドン! ドン! ドーーーーーーン!!】
デカぁ! 一人だけ、ずば抜けてデカ!!
「我らが魔界の平和を守る正義の味方!! マオウレンジャー!!」×5
「なんだよ、コイツら!!」
「しるか、まとめてやっちまえ!!」
「!!?」
戸惑いから一転、臨戦態勢へと入り、男達が仮面の人たちに襲いかかる。
いけない! 助けないと………
「死ねやぁ!!」
「イエローシールド!!」
【ばしっ!!】
「ぐはっ!! あ、葵……貴様……がくっ」
「い、イエローーーー!! き、貴様ぁぁぁぁぁあああ!!」
【ボコボコボコボコボコボコボコ!!】
「ぎゃぁぁぁぁあああ!!」
…………。
「へへへへへへ!! 女だからって容赦しないぜ」
「仮面と服をひんむいてやる」
「あらあらまぁまぁ〜下品な殿方ですわね〜」
「そんな人たちはお仕置きです!!」
「へっ!?」
【ズドオオオオオン!!】
「よいしょっ!スカートの中身は無限大♪今回はこの子でいきましょう」
【ドガガガガガガガガガガ】
……………。
「く、くそ!!!」
【ドスっ!!】
「えっ!?」
「がはははは、仲間を捨てて退却か?………なら、地獄の底まで退却してろ!!!龍燐円舞」
【バキィ!! ズドオオオオオン!!】
…………。強い……なんて強さだ。たった一瞬で………ダメだ…血を流しすぎた……もう意識が…
ボクの意識は、そこで途絶えた。
「………!!」
………。
「………ん!!」
………?……。
「アキ……ん!!」
……う……。
「アキラさん!!」
「……?……」
目を開ければ……すっかり見慣れた天井……
そしてボクにとって特別な存在の人の顔がそこにあった。
「り……コ……さん?」
「アキラさん!! 良かった!!」
「ボクは…いったい……」
……それに、あの人達は……
「………」
「いた! 痛いです」
「……良かった……本当に良かった……」
「リコさん、痛いです。はなし……」
【ぽたり】
「ひっく……本当に心配……ひっく……したんですから」
「………………」
「ひっく……もう、黙っていなくならないでください……ひっく……」
「………はい………」
〈葵視点〉
ん〜入りづらい。リコちゃんの部屋から泣き声が聞こえてきたので、少しだけ扉を開けて中を覗いてみたら……あら、ビックリ!! リコちゃんが男の子と抱き合ってるではあ〜りませんか!!
「お前、なにしてんだ?」
「マー君!! し〜だよ!! し〜!!」
私は人差し指を口に当てて、マー君に小声で喋るようにうながす。
「意味がわからん。とにかく、そこをどけ。リコに食事の用意が出来たと報告せねば……」
「あっ!? ダメだよ!! 今は!! 後にしよ!!」
「また、くだらんことを!! ええい!! どけ!!」
「ダメだよ!! ダメ!! 今は……きゃぁ!!」
「うわぁ!!」
【バタン!!】
マー君は私を押し倒し、反動で扉が強く開いた。
「あっ……」×4
「えっと、そのごはん出来たから……適当に下りてきてね……」
「あっ、はい」
「じゃあ、ごゆっくり……」
【バタン】
私はマー君を連れて部屋の外へと出た。
「ああああああああああ!!!!????!!?!?!?」
「ち、ちがうです!! 違うんです!!! 葵さん!!!!!!!!」
部屋の外まで二人の声が聞こえる。でも、マー君の方が重体だ………だって、
「お〜い、マー君!! 帰ってこい〜」
「…………」
だめだ……完全に魂が抜けちゃってるよ。
…………。
しかたない。アリスちゃんに、もう少しご飯遅くするように伝えてこよ。
私は三人をほったらかし、アリスちゃんにもう少しご飯を遅くするように伝えに言った。
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