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シャルシルとレヴィのぶらり紋様破壊の旅 in次元世界♪ 

†††Sideルシリオン†††


はやてやシグナムと話し、少し怖い表情を浮かべたフェイトから散々説教を受けた。
正直心は折れそうだ。いや、気づいていないだけでもう折れているかもしれない。

「はぁ・・・・もう7時半か・・・」

最初は真剣な表情で心配してくれて、それは次第と愚痴となり、そして説教という三段変形。
しかも口頭ではなく念話というのがミソだ。
エリオとキャロを起こさないようにするためだろうが、それが私にとっては苦痛でしかない。
声のボリュームもさることながら、聴覚をシャットアウト出来ないというのが痛かった。

「最初の心配のところは純粋に嬉しくもあったが・・・・はぁ・・・」

それにしてもどこかフェイトの様子がおかしかった。
はやてやシグナムよりハッキリと・・・・。
何かあるのか?と訊いても「だ、大丈夫」って。・・・・何かあるだろ、あの様子だと。
まあ、私に言うような事じゃないのだろう。
私に関係しているのならきっと話してくれるはずだ。

「心遣いは嬉しいが、やはり耳が痛い」

ようやくフェイトから解放され、アースラの廊下を朝食を摂るために歩く。
フェイトは今なお眠っているエリオとキャロと一緒に二度寝に入るとのことだった。
何故そんなにのんびり出来るのかと言うと、クロノたち六課後見人から、三日間の休養期間を六課はもらったらしい。
どおりでこんな時間でも起きていない隊員がいるわけだ。

(さっきからなんだ? 人の顔を見て、どうして顔を赤くする?)

廊下を歩く中、初めは気にしていなかったが、すれ違う性別関係なく隊員全員が赤面していることにおかしく思った。
さすがにこれは何かあると思い、目の前にあるトイレへと駆け込んで鏡を見る。
鏡に映るのは、

「・・・・・・フ・・・フフ・・・クフフフフフフフフ・・・・・」

それはもう綺麗とも言えるほどの化粧を施された私の顔。
自分で綺麗とか言ってて悲しくなるが。あぁそれ以前にあのド阿呆・・・・。

「やってくれた・・・・あの女・・・・」

全力で顔を洗う。ファンデーションにアイラインに口紅・・・・。
くそっ、本格的に化粧しやがって。
何故はやてたちが私から顔を逸らし、すれ違った隊員たちが赤面する理由がやっと解った。

「すぅぅ・・・『・・・・シャルロッテェェーーーーーーーッ!!!』」

『うおうっ!? なんだぁ!!?』

リンクと念話によるダブル音響攻撃。するとシャルから驚きの声が返ってきた。
あろうことは『いきなり何するのさルシル! 頭キィーンしたじゃないの!』と文句を言ってきた。
おいおい。君に文句が言える資格があると思っているのか、ん?

『義姉さん・・・・あとで話があるから』

出来るだけ怒りの感情を抑えて、約束を取り付けようとする。

『えっと・・・お姉ちゃんにはないかな~、あはは・・・』

『・・・逃げたらピーのピーで、プーのペーでポー、ついでにパーだ』

『ごめんなさい』

ある程度シャルの苦手な事を並べると、シャルは即謝罪。シャルの撃墜を確認。

「ふぅ、まったく・・・。私の顔を落書き帳だとでも思っているのか?」

化粧も力強く洗ったことで完全に落ちた。
女性なら、もっと別の化粧品などで落とすのだろうが、男である私は知ったことか。
ハンカチで濡れた顔を吹き、一息つく。

「さあ、行こうか」

それじゃ説教へと参りますか。もう二度とこんなマネが出来ないようにこってりと。


†††Sideルシリオン⇒リインフォースⅡ†††


「うぅ、酷い。酷いよ。ルシルに汚されたよぉ・・・おえ」

「そんなん言うてもあれはシャルちゃんの自業自得やで?」

シャルさんが涙目でそう話して、はやてちゃんがため息。

「はやてちゃん、シャルさん、どうぞですっ」

「ありがとな、リイン」

「リイン・・・ありがとう♪」

艦長室に備えられたソファに座るはやてちゃんとシャルさんにお茶を出す。
シャルさんは優しく撫でてくれました。気持ちよかったですー♪
さて、どうしてシャルさんが項垂れているのかと言いますと、それはさっきの朝食での出来事でした。
ルシルさんはシャルさんのイタズラの所為で大変お怒りで、散々お説教をした後、

「さあ、義姉さん。義弟の怒り(アイ)の籠もった手料理、食べてください」

「「「・・・・・」」」

私たちの目の前に出された料理。それはルシルさんが厨房を借りて作ったものです。
その料理のほとんどからある野菜の匂いがするです。

「トマトのサンドウィッチ。ポテトサラダ、トマト風味。トマト100%ジュース。
デザートにはトマトプリン。さあ、どうぞ!」

オールトマトのフルコース。
見ればシャルさんは涙目になってルシルさんを上目づかいで見るです。
男の人が見れば一発で落とされそうな表情ですが、

「あまいな。君を相手に私が落とされると思ったか?」

「チッ。・・・・・酷いよルシル。トラウマなのに・・・」

「こっちのセリフだ。化粧された顔のままで目撃者続出。こっちがトラウマになるわっ。
というか朝食だからということでの妥協だ。ありがたく思え」

結局シャルさんはトマトフルコースを食べました。
そして冒頭に戻ります。

「で、どないするん? レヴィヤタンのこと・・・」

「うん。これから会いに行こうと思う。ルシルを連れて。
だからルーテシアたちの入院してる病院へ入る許可をほしいんだ」

「ん。そこんところは任しといて」

昨日確保した召喚士ルーテシア・アルピーノ。
ガジェットを掃討し終えたと同時に気を失って、今は管理局直系の病院に検査入院してるです。
そしてペッカートゥムの一人レヴィヤタンもそこにいます。

「あーそれとバトルはあかんで? 病院やしなぁ」

「ん、努力はするよ」

「努力やのうて絶対な」

「りょーかーい」

そうしてシャルさんとルシルさんはアースラを後にしました。


†††SideリインフォースⅡ⇒レヴィヤタン†††


「・・・第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)・・・」

「あ・・・」

病院の庭先の木陰でルーテシアの髪を梳いていると、第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)が来た。
第三の力(しろいろ)は笑みを浮かべながら歩いて来るけど、第四の力(くろいろ)は目を見開いてわたしを見てる。
わたしがこうして生き残っている事を、今こうして知ったって顔をしてる。
警戒レベルMAX。いつでも応戦できるように意識を切り替える。

「来たよ、レヴィヤタン。そしてこんにちは、ルーテシア」

「な・・・どういうことだ・・・・これは・・・。シャル!」

「っ!」

第四の力(くろいろ)が怒鳴った所為でルーテシアが肩を竦めてた。
だからわたしは第四の力(くろいろ)の前まで近づいて、ぬいぐるみでボカッと殴打。
第四の力(くろいろ)はキッとわたしを睨んできた。怖くない怖くない。そう、怖がらないで良い。
わたしの身の安全は第三の力(しろいろ)が保証してくれてる。でも・・・・やっぱり怖い。

「・・・ルーテシアが・・・怯えてる・・・」

「・・・・え、あーっと、それはすまない・・・ルーテシア、でいいかな?
はじめまして、ルシリオン・セインテスト・フォン・フライハイトだ」

「・・・ルーテシア・アルピーノ」

ルーテシアと第四の力(くろいろ)が握手しているのを見ながら、第三の力(しろいろ)に声をかける。
ルーテシアの自己紹介を聞いて、目を見開いた第四の力(くろいろ)
「アルピーノ・・・」って小さく呟いている。何かあるのかな・・・?

「今日は・・・何しに来たの?・・・」

それよりまずは目的が何かを知らないといけない。
第三の力(しろいろ)と違って、第四の力(くろいろ)は今のところはきっと敵だ。

「あなたたちが目的としていたことを聞きに来たんだけど」

「そう・・・・」

「いつの間にそう気楽に話せるようになったか教えてもらいたいものだな」

第四の力(くろいろ)はルーテシアに気づかれない程度に、わたしに向けて威圧感を放ってくる。
ルーテシアに配慮していることだけは感謝しよう。

「我が手に携えしは確かなる幻想」

「っ! シャル! 何をするつも――」

私に触れぬ(ノリ・メ・タンゲレ)

それは一瞬だった。突然現れた赤い布が生きてるみたいに第四の力(くろいろ)に巻きついた。
足首から口元まで縛られた第四の力(くろいろ)がバランスを崩して転倒した。

「それじゃあ話してくれる?」

「・・・・・・うん、わたしの知っていること・・・・全部話す・・・」

それが約束だ。ルーテシアやアギトたちと一緒にいるための・・・。
だから話そうと思う。わたしたち大罪(ペッカートゥム)の目的だったことを。
さっきまでのように木陰に座る。本当はルーテシアには聞かれたくない話。
だけど、嘘をついたままじゃ一緒にいる資格なんてきっとない。
けどその前に、

第三の力(しろいろ)・・・・」

「ん?」

「アレ・・・放っておいていいの?・・・」

「いいのいいの♪」

わたしたちの視線の先、赤い布でグルグル巻きにされた第四の力(くろいろ)が転がったまま。
あの赤い布に巻かれると“力”が出せないみたいだ。

「で、この次元世界で何をしようとしていたの?」

「・・・うん・・・・わたしたちは―――」

話す。大罪(ペッカートゥム)が何をしようとしていたのかを。
正直わたしの知る事はそんなに多くなかったりする。
初めからどうでもよかったから。この次元世界と呼ばれるものが滅ぼうがどうだろうが。
けど今は違う。守りたい。大好きなルーテシアたちの生きるこの世界を。
だから知りうる限りのことを第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)に話した。

「レヴィ・・・今の本当?」

「・・・ごめん・・・ルーテシア・・・。今まで騙して・・・ごめんなさい・・・。
でも今は違う・・・・わたしは・・・この世界を守る・・・何があっても・・・」

ルーテシアの両手を取って握る。
信じてくれなくても、たとえ嫌われてしまっても、わたしは守るよ。

「・・・じゃあ、これからもよろしくね、レヴィ」

「・・・うん!」

嬉しい。ルーテシアに会えてよかった。だから、

第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)・・・・絶対に負けないで・・・」

「もちろん!」

「むーむー!」

転がってる第四の力(くろいろ)が激しく動く。わたしが第三の力(しろいろ)に視線を移すと、

「んーなになに。それは当然。だから安心しろレヴィヤタン。
それはそうと今日は一段と素敵でとても綺麗ですねシャルさん。だって。
フフ、そんな素敵でとても綺麗だなんて・・・嬉しい!」

「むぅぅぅーーーー!!!」

違うみたいだ。第四の力(くろいろ)の目が鋭くなって猛抗議を訴えてる。
何か歴代の許されざる嫉妬(レヴィヤタン)が知ってる第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)と全然違う。

「えーなになに。今までのことを反省して、ふんふん、これからは誠心誠意尽くして、ふんふん、私のために何でもする・・・うっそー、嬉しい!!」

「むぅぅぅぅーーーーーーーーーー!!!」

その二人のやり取りを見て、ルーテシアが、そしてわたしも可笑してつい、

「「クスクス・・・」」

笑ってしまった。するとルーテシアが少し驚いたような顔になった。
そう言えばルーテシアはお母さんが起きて、初めて心が生まれるって言っていた。
結局それもスカリエッティの嘘だったみたいだけど、ルーテシアは今もそれを知らない。

「あ、そうだ。ねぇ、レヴィヤタン。一つ訊きたいことがあるんだけど・・・」

赤い布から解放されようとのたうち回る第四の力(くろいろ)を無視して、第三の力(しろいろ)が歩いてくる。
わたしはそれに首を傾げることで応えて、その先を促す。

「ベルゼブブが結構まずい感じになったのに、このミッドの界律は動かなかった。
それについては何か心当たりとかない?」

「・・・許されざる怠惰(ベルフェゴール)の紋様・・・・。それが界律の目に干渉してる・・・」

「「っ!!」」

第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)が息を呑むのが分かった。
それも当然かもしれない“界律”に干渉するなんて普通は出来ないから。

「ねぇ、それってさっき話してくれた目的に関わってくるんじゃないの?」

それがあると結局は果たされることになる。

「うん・・・それがあると・・・結構危険・・・」

「じ、じゃあそれを破壊しないと、目的が果たされるんじゃないの!?」

「・・・・・・・・言われてみれば」

よく考えればそうだ。
わたしたちの目的。紋様(しるべ)を維持して、そして一体でもいいから“罪”が生き残る。
そして、そこから“主”の目的へと繋がっていく。目的の詳細は知らないけど。
この世界を守るなら、紋様を破壊して、そして尚且つ“罪”が全滅しないといけない。
そこにはもちろん許されざる嫉妬(わたし)も含まれる。

「おーーーーーい!!!」

ツッコミというのを初めて見た。

「・・・・行こう・・・紋様を壊しに・・・」

立ち上がってルーテシアを、そして第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)を見る。
この世界のために紋様(しるべ)を壊して、世界を守る。

「むぅむぅ・・・」

「えー、そんなことして本当にいいのか?」

初めて本当のことを第三の力(しろいろ)が言ったのか、第四の力(くろいろ)が何度も頷く。
第四の力(くろいろ)も結構苦労しているんだ・・・・。なんか可哀想。

「いい。・・・・その代わり・・・お願いがある・・・」

これを言っておかないと、わたしは消えることになる。

「この世界を守るためには・・・・わたしも消える必要が・・・ある・・・」

「っ! レ、レヴィ!?」

「どういうこと?」

驚くルーテシアと疑問顔になる第三の力(しろいろ)

「紋様を破壊しても・・・“罪”が残れば何度でも復活する・・・はず。
だから・・・わたしも・・・消えないと・・・・ダメ・・・」

「うそ・・・」

「だから第四の力(くろいろ)にお願い・・・・わたしが消えないように・・・してほしい・・・」

「っ」

この場の空気が一気に重くなる。その原因は第四の力(くろいろ)で間違いない。
第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)に何を言われたのか分からないけど、赤い布が解けて消えていった。

「ふぅ・・・後で覚えてろよ、シャル。さて、レヴィヤタン。
今この場で君から力ずくで紋様のある場所を訊き、私たちで壊せると思うが・・・。
それ以前に紋様を破壊せずとも、ペッカートゥムの生き残りである君を斃せば決着だ。
こんなにも簡単な解決法があるのに、何故回りくどいそんな方法を取る必要がある?」

「それは・・・」

第四の力(くろいろ)の言うとおりだ。この世界を守るのなら、わたしが消えるだけで果たされる。
でも嫌だ。それは嫌なんだ。だってまだいたいよ。ずっといたいんだ。

「レヴィはわたしが守る」

「ルー・・・テシア・・・?」

わたしと第四の力(くろいろ)の間に立つルーテシア。
わたしには背中を見せているから表情は見えない。

「ルーテシア、君は知った。私たちの正体とその在り方を。
レヴィヤタンがいなくなればそれだけで世界は守れる。
君の家族も、友達もみんな守れる。それなのに―――」

「レヴィも家族だ!!」

ルーテシアが叫んだ。わたしのことも家族だって・・・・そう叫んだ。

「レヴィは・・・わたしの友達。そして大切な家族・・・・。
だから守る。だからレヴィをわたしから奪おうとするなら・・・・」

「・・・・ルシル。そうやって子供を試すのは感心しないよ・・・」

第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)の肩を掴む。
すると第四の力(くろいろ)から威圧感が薄らいで、そして消えた。

「・・・・まったく。本当にペッカートゥムなのか信じられないな。
いいだろう。ルーテシアの強い心に誓おう。レヴィヤタンをどうにかして残す、と」

緊張か、それともやっぱり怖かったのか、ルーテシアが急に座り込んだ。
心配してすぐに前に回り込んで顔を見る。

「よかった。これからも一緒だよ」

少し弱弱しいルーテシアの微笑み。

「ありがとう・・・ルーテシア・・・」

こうしてわたしと第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)の三人で、紋様破壊の旅に出ることになった。


†††Sideレヴィヤタン⇒シャルロッテ†††


――管理外無人世界9月20日 PM13:10 

アースラのはやてに許可――ルシルはなのはとフェイトに土下座して――を取って、今私たちはミッドから遠く離れた無人世界に来ています。
目的は界律干渉の紋様を破壊すること。レヴィヤタンの“位相転移”で、それはもう一瞬で目的の世界へ到着です。

「で、レヴィヤタン。この世界の場合はどこにあるの?」

全てがジャングルとも言えるこんな世界、早々に立ち去りたい。
こういう場所に限って、何かやばいのが出てくるんだから。

「・・・もう少し」

そしてテクテク歩いて、ようやくジャングルから抜けて草原に出ると、

「ほらぁ、やっぱり出てきた!!」

――アウカサウルスの群れが現れた――

※初代ポケモン 野生ポケモン戦BGMスタート

「おお、恐竜だな。初めて生で見た。感動だ・・・!」

目を輝かせているルシル。そんなことを言っている間にも、その恐竜どもが餌である私たちを狙って向かってくる。

:行動コマンド
 たたかう  
 バッグ  
⇒にげる   
 しぬ


何、この上の行動コマンド!!?っていうか〈しぬ〉!? 死ぬのもコマンドで決定!?

「に・げ・る・の!!」

わけの分からないコマンドだけど〈にげる〉を選択。

「カメラ持って来ればよかったなぁ・・・」

もう好きにすればいいよ、ルシル。
さて、何故私たちは戦わずに逃げるのかというと、この世界は不可侵らしく、私とルシルとレヴィヤタンは異物扱いで魔術が使えない。
だから、

「地球でもないのに恐竜って、まさに世界の神秘」

「知るかぁぁぁぁぁーーーーーッ!!!」

こんな状況に陥ってしまっている。

「あれより・・・白天王の方が・・・・もっとかっこいい・・・。第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)も・・・そう思う?」

「うん、今は激しくどうでもいい!!」

のんびり構えているレヴィヤタンを脇に抱えて猛ダッシュ。
ルシルも私に続いてダッシュ。そして容易く追い抜いていく。

「って、ちょっと!! こっちはレヴィヤタンを抱えて走ってるんだけど!
こういうときは男のルシルが抱えてよ!!」

背後に轟く恐竜の群れの足音を聞きながら、ルシルへと怒鳴る。
するとルシルが私に振り向いて、

「男女平等」

親指を立てて、そう言って走り去るルシル。

「アハ・・・ハハハハ・・・フフフフ・・・」

第三の力(しろいろ)・・・・?」

「上等だコラァァァーーーーッ!!」

先を行くルシルをぶちのめすために歩法“閃駆”を使おうとする。
だけど、

「・・・・レヴィヤタン」

「???」

レヴィヤタンの体重が邪魔だった。どうしよう。ここに捨てていこうかな。
ダメだ。レヴィヤタンが居ないと紋様がどこにあって、どんなものかも分からないし、帰れない。

「もうーーーー!! 何なのよぉぉーーーーッ!!」

それから10分くらい全力ダッシュして、恐竜の群れを撒いた。
そのあともちろんルシルをぶちのめした。あ~スッキリした♪


†††Sideシャルロッテ⇒ルシリオン†††


「痛ったぁ・・・・。理不尽だ」

いきなり腹にレヴィヤタンを投げつけられ悶絶。
その後プロレス技のコンボを食らって一度気を失ってしまった。

「もう。ちゃんとレヴィヤタンに謝っておきなよ」

「意味が解らん! っていうか謝るのはお前だ!!」

「・・・うん、謝罪要求」

シャルがあまりにも理不尽な事を言うからツッコミを入れてしまった。
被害者2のレヴィヤタンもシャルに謝罪を求めている。

「・・・ごめんね、レヴィヤタン。ついでにルシルも」

「ついで!? それって謝ってな――」

「「「っ!」」」

――オルニトレステスの群れが現れた――

「ルシルが大声を出すからぁぁぁーーーッ!!」

「私に大声を出させたその原因はお前だ!!」

レヴィヤタンを横にして抱いて再度全力疾走。
外界に影響を与える魔術が使えないのは正直痛いが、魔力を使えないわけじゃないのが唯一の救いだ。
魔力を全身に巡らし、身体能力を向上させる。

:行動コマンド
⇒たたかう
 どうぐ
 にげる
 しぬ


いきなり頭の中に浮かんだ行動コマンドとやら。〈しぬ〉って、おい。
何となく試しに〈たたかう〉を選択。すると、

ルシルの特攻弾頭
ルシルの特攻爆弾
ルシルの特攻地雷
ルシルの犠牲

「意味が解らん!! 特攻ってナメてるのか! 犠牲って食われろってか!」

「っ!? いきなり・・・どうしたの・・・?」

突然の怒声の所為でレヴィヤタンを驚かせてしまった。
どれを選択しても死ぬしかないって、私の命はそんなに軽いのか!?

 ルシルの特攻弾頭
 ルシルの特攻爆弾
 ルシルの特攻地雷
⇒ルシルの犠牲

「は!? 待て、私は何も選択していないぞ!?」

いきなり私の犠牲が選択されたことに驚きと怒りを覚えた。

「ルシル・・・あなたのことは・・・忘れないから!!」

「シャ――」

そんなふざけたセリフが聞こえ、シャルの方へと視線を移すと同時に顔面へ迫る靴底。
それをまともに受け仰け反る。それと同時に抱えていたレヴィヤタンを離す。

「ぐは・・・!」

後頭部から地面に転倒。地面を少し転がり、そして見た。
レヴィヤタンを抱え、嘘泣きしながらダッシュで逃げるシャルを。

「あああああああああああああ!!!!!」

あのバカ女ぁぁーーーーーーーーーーーッ! 私の犠牲を選んだのはアイツか!
だからと言ってこのまま無抵抗で食われてしまうわけにもいかず、迫るオルニトレステスの群れを肉弾戦で数を減らし、向こうが距離を取ったところで離脱。
そこから全力でシャルとレヴィヤタンの後を追う。
何としてもシャルに土下座させるために。そう、そのためだけに、私は今を必死に生きるっ。

「お、生きて帰ってこれたんだ。信じてたよ、ルシル!」

ようやく追いつき、私の姿に気づいたシャルが両腕を広げて、それはもう可愛らしい笑顔で抱きつこうとしてくる。
白々しい。さっきは私を囮にして逃げたくせに。
迫ってくるシャルをヒラリと回避。そのままシャルの足を引っ掛けてコケさせた。

「いだっ! 何するの!?」

「こちらのセリフだボケっ!」

ここまで酷い目に遭うのはなかなかない。まさか恐竜のえさになる寸前だったことなど。

第三の力(しろいろ)第四の力(くろいろ)・・・・着いた」

大口論の出鼻を挫くようにレヴィヤタンが私の袖を引っ張った。
レヴィヤタンが指さす場所へと視線を移すと、

――それは大きなティラノサウルスが現れた――

※初代ポケモン ジムリーダー戦BGMスタート

いい加減にしてくれ。
最後の最後でティラノ(巨大)って、神はどれほどの試練を与えれば気が済むのか・・・。

:行動コマンド
 たたかう
 たたかう
 たたかう
 たたかう

逃げれないってか。

「ああもう。やってやろうじゃない」

「ああ。魔術がなくとも恐竜相手に後れを――」

――Mors certa/死は確実――

私とシャルの背後から巨大ティラノサウルスへと向かうすみれ色の閃光。

「「・・・・・・・」」

あれぇ? 何故レヴィヤタンは“力”を使えているのかなぁ?
ここに来た時には使えないとかって言っていたはずなんだが・・・。
レヴィヤタンの放った砲撃の直撃を受けたティラノが吹っ飛んで空の星となった。

「・・・・大罪(ペッカートゥム)許されざる嫉妬(レヴィヤタン)がここに命ず・・・」

未だに固まってしまっている私とシャルを置いて事を進めるレヴィヤタン。
何故かすごく惨めな気持ちになってきた。別に泣いてないぞ。
レヴィヤタンの言葉に応えるかのように現れる紋様。
幾何学模様のそれが淡く輝き、そしてレヴィヤタンが止めと言わんばかりに砕いた。

「・・・これで・・・一つ目」

一息ついたレヴィヤタン。そう、これでやっと一つ目だ。
ここ最近心が折れそうな事柄が起きてばかりな気がする。

「ねぇ、ルシル」

「なんだ?」

「いろいろごめんね」

「気にするな」

「あと・・・18個」

折れた。今確実に心が折れた。
それはもうポッキリと綺麗な音を立てて折れた。

「それじゃ・・・転移出来る場所まで・・・戻らないと・・・」

ドサッと音がしたかと思えばシャルが後ろで倒れていた。

「もう・・・やー・・・」

気持ちは痛いほど解る。

「今日中に・・・終わらせないと・・・」

それから私たちはこの世界の入り口を目指して走り出す。

――カルカロドントサウルス×4が現れた――

「出たぁぁぁ!!」

「レヴィヤタン! 攻撃攻撃!!」

「・・・はふぅ」

背負っているレヴィヤタンが気の抜けた声を出しながら砲撃を撃って、カルカロドントサウルスを散らした。

――ゴジラサウルスの群れが現れた――

「いやぁぁぁぁぁ!!」

「シャル! モ○ハンの腕前はアリサ以上だったろ! 何とか出来ないのか!?」

「ムリーーーー!! っていうかリアルとバーチャルじゃ全然ちがーーーう!!」

「追いつかれる・・・・」

「何とかしろーーーー!」

レヴィヤタンが迫るゴジラサウルスの足元に細すぎる砲撃を撃って、散らした。
どうしてあんなに小さいのか訊いてみると、「わたしも・・・目をつけられ始めた」とのことだ。

――スゼチュアノサウルスが現れた――

「大き過ぎぃぃぃぃッ!! っていうか肉食のエンカウント率が高過ぎるーーーー!!」

「そう言えば草食とは一度も会ってないな」

「やっぱり・・・白天王の方が・・・かっこいい」

「どっちでもいいわ!!」

そんなこんなで何とかこの世界から脱出。
もう二度とこの世界に来るものかと思った。


†††Sideルシリオン⇒シャルロッテ†††


――ミッドチルダ南部アルトセイム地方9月21日 AM8:11 

「も・・・もう・・・いやぁ・・・」

「気をしっかり保て、シャル。もうこれで終わりだ・・・」

そう、ようやく残り一つとなった。
ここに来るまでに私とルシルが一体どれほどの精神的な死を体験したか・・・。
そう、例えば・・・・


―――ある管理外世界

「◇*☆♂÷○」

――耳長裸族(狩人)×6が現れた――

この世界じゃ魔術は簡単なものなら使えるようだ。
でも、だからと言ってこの世界の住民を傷つけたら確実にアウトだ。
どんなペナルティを負うことになるか分からない。

「ここは任せろ」

そう言ってルシルが私たちの前に躍り出て、

「#@?Ζ¥」

よく聞き取れない言葉を口にした。耳長裸族さん達――目のやり場に困るよぉ――の言語と似ている。
さすがだ。ルシルには彼らが何て言っているのか解って、その上で返すなんて。

「@○§*☆」

「*¥◇ΠΨ」

そこで一度会話が途切れて、沈黙が流れる。
どうしたのかな?って思ってルシルの声をかけようとしたら、耳長裸族の方々が剣や槍や弓矢を構えてきた。

「なんで!?」

「ふむ。やっぱり適当では駄目だったか・・・残念だ」

ルシルがそんなことを言って、レヴィヤタンを抱えて即逃げ出した。っていうか・・・・、

「お前の頭の中が残念だ!!」

尊敬して損も損、大損だ。

「私の尊敬の念を返せ、ルシル!!」

全力ダッシュのおかげで何とか逃げ切って、無事に紋様を破壊出来ました。
これからは、ルシルを尊敬しないようにしようと思った、まる
だとか・・・・。そういえばこんなことも・・・・


―――第23管理世界エルドラド


「こんな街中にもベルフェゴールは来て、紋様を描いていったわけ?」

私たちの目の前にあるのは賑やかな街並みと、多くの人々。
人が溢れていて活気づいている良い場所だ。

「・・・こっち」

レヴィヤタンの言うがままについていく中、ある店で信じられないものを見た。

「これって、ベルフェゴール・・・・だよね・・・?」

間違いなくそこに張ってあるのはベルフェゴールの写真。

「ん? ・・・・・バエルじゃなく、ベルフェゴールというのが本当の名なのか・・・」

ルシルがそんなことを言いながら、私の横からその写真を見る。
無表情なのに、どこか満足そうにピースサインを決めているベルフェゴールの写真だ。
その写真の下の空きスペースにはこう書かれている。

――超得盛りチャーハン(30人前)を8分で完食――

「「・・・・・・」」

えっと、何をやっているのか・・・・。
紋様まで歩く中、その他にもベルフェゴールに関連するようなものがあった。

――ダンス大会に飛び入り参加で優勝――

――ミス・エルドラド特別賞――

――市民のど自慢大会優勝――

「「・・・・・・」」

ベルフェゴール・・・・お前は一体何をしようとしていたの・・・?
本当に謎ばかり残して逝ってしまったね・・・。
出会い方が違えば、たぶんそれなりの知り合いになれたかも・・・。
で、その世界の紋様は比較的楽に破壊出来た。


そんなこんなで、ようやくここミッドチルダの紋様だけとなった。
レヴィヤタンは全く疲労の色が見えないのに、ルシルはそれはもう酷い顔色だ。
たぶん私も似たようなものだ。あんだけ走って叫んで・・・・・・。

「あとは・・・ここだけ・・・」

着いたのは自然が多く残る空間。
そう言えば、アルトセイムってフェイトの故郷だったっけ・・・・。

「・・・・大罪(ペッカートゥム)許されざる嫉妬(レヴィヤタン)がここに命ず・・・」

そう囁いたレヴィヤタンの足元に最後の紋様が浮かび上がる。

「っ・・・神秘が・・・強い・・・」

吹き荒れる神秘の奔流に、レヴィヤタンが吹き飛ばされそうになりながらも必死にスカートの裾を押さえながら踏ん張っている。
私も全力で捲れあがろうとしてるスカートを押さえて、ルシルの方を見る。
するとルシルは、私には無関心と言わんばかりに横を通り過ぎていく。

「べ、別にいいけど・・・何かムカつく・・・」

そのままレヴィヤタンの近くまで行って、“グングニル”を手にして、

「これで・・・・終わりだ・・・!」

突き刺す。パキンって音がして紋様が散っていく。
吹き荒れる神秘の奔流も治まっていく。

「・・・・終わった~」

時間にすれば20時間ちょいだったけど、それ以上の時間を過ごした気がする。

「さて、あとはレヴィヤタンをどうするかだが・・・」

ルシルがレヴィヤタンに視線を向ける。
レヴィヤタンはその視線を真っ向から受け止めて、

「・・・難しい・・・?」

「いや・・・・。お前の話だと、そのぬいぐるみこそが“嫉妬”の本体なんだろう?」

「・・・うん・・・そう」

最初、レヴィヤタンからその話を聞いた時は驚いたけど、今までのレヴィヤタンの行動を見れば納得するしかない。
戦闘でも転移でも、必ずレヴィヤタンが手にするクジラのぬいぐるみから強力な神秘を感じ取ることが出来た。

「つまりは本体(ぬいぐるみ)を破壊し、尚且つお前の人格とその身体を保つようにすればいいわけだ」

「・・・・で、どうするわけ?」

紋様の復活を阻止するには“罪”が消えるのが絶対条件。
だから嫉妬の“罪”の本体であるぬいぐるみが消えればそれでオーケー。
でも本体が消えたら、それに追随するレヴィヤタンも一緒に消えることになる。

「・・・ルーテシアとレヴィヤタンが契約をすればいい。
レヴィヤタンが消えないように、この世界に留まれるように、ルーテシアを楔とする」

「・・・・そんなことって本当に出来るの?
ルシルのように“存命の概念”がないんだよ、レヴィヤタンには・・・」

ルシルはたとえ本契約が終わっても残ることが出来る。
ルシルやマリアのように生きたまま“界律の守護神(テスタメント)”になった二人だけの裏技のようなものだ。
当然、すでに死んで肉体が無く、魂も玉座に就いた私には出来ないことだ。
だから私は残ることは出来ない。ま、仕方ないけどね。

「確かに。だがそこにもう一手打つ」

「「???」」

疲れ切った顔で微笑を浮かべるルシル。その一手が分からない私とレヴィヤタンは一緒に小首を傾げるだけ。
その疑問が晴れることなく、私たちは、ルーテシアの待つ病院へと向かった。


†††Sideルシリオン⇒レヴィヤタン†††


第四の力(くろいろ)に任せた以上は信じる。もし上手くいかなかったとしても、ここまでしてくれたことへの感謝があるから恨みはない。
でもやっぱりルーテシアと別れるのは辛いかも。

「レヴィ、おかえり」

「ん・・・ただいま・・・ルーテシア」

病室のベッドで横になっているルーテシアにそう返す。
この何気ないやり取りがすごく嬉しくて、すごく楽しい。

「ルーテシア、レヴィヤタンをこの世界に残す方法を提示する。
それを受けるか否かは君の――」

「何でもする。・・・レヴィが、残ることが出来るなら・・・」

「・・・覚悟あり、か。・・・・レヴィヤタン、こっちへ」

第四の力(くろいろ)の言うとおりにルーテシアのいるベッドまで近づく。

≪我が手に携えしは確かなる幻想≫

そう告げた第四の力(くろいろ)の右手に黄金の瓶が、左手には虹色の珠が一つ現れた。
そしてベッドの横にある小さな木製の台の上に小さな黄金のコップが現れた。

「さてと、久々にやってみようか・・・・」

第四の力(くろいろ)がその黄金のコップに、黄金の瓶の中身を注いでいく。
コップに注がれた液体は、透明な水のようなものだ。

「マン・ウル・フェオ・チュール・イング・シゲル・ベオーク」

病室の床に十字架と剣の紋様が描かれた。
そして、虹色の珠から淡い虹色の光が溢れていく。
それはとても強い神秘。たぶん“罪”以上の神秘だ。

「二人とも、これを飲むんだ」

わたしとルーテシアそれぞれに黄金のコップを渡す。
お互い顔を一度見合して、そして一気に飲み込む。

「「・・・・おいしい」」

何かに例えることが出来ないほどの美味しさ。

「よし。レヴィヤタン、ぬいぐるみを今から破壊する。
おそらく壊れたと同時にお前も消えていくだろう。
だが、その前にこの宝玉を呑み込み、ルーテシアと契約を交わすんだ。
手っ取り早い方法としては口づけ、キスだ」

第四の力(くろいろ)がわたしの持っていたぬいぐるみを手に取る。

「それじゃあ始めるが、心の準備はいいか、レヴィヤタン、ルーテシア」

「「うん」」

同時に頷く。わたしは虹色の珠を手に取って、いつでも呑み込める準備をする。
ルーテシアはすぐにでもわたしと契約(キス)が出来るようにすぐ横に移動した。
そして、

「いくぞ・・・!」

第四の力(くろいろ)が“グングニル”っていう槍を左手に携えて、

「貫け、神槍グングニル・・・・!」

クジラのぬいぐるみを貫いた。
その直後、大きく裂けた“許されざる嫉妬(レヴィヤタン)の本体であるクジラのぬいぐるみが光の粒子となって散っていく。
それを見てすぐに虹色の珠を呑み込んで、

「「んっ」」

ルーテシアと契約(キス)を交わす。わたしの中で荒れ狂う神秘の奔流。
正直苦しくて、暴れたいくらい辛い、痛い。でも、これはわたしが存在するのに必要な通過点。
意識というものが落ちていく感覚。そして、



「・・・・おかえり、レヴィ」



次に目を覚ましたとき、わたしは、この世界に残ることが出来たと理解した。

「うん・・・ただいま・・・ルーテシア」

ルーテシアと抱き合って、わたしは生を実感。ありがとう、第四の力(くろいろ)
はい、レヴィが生き残るというシナリオになってしまったことで急遽組んだ今回、どうでしたでしょうか。
そして今回で、私にギャグの才能が無いということがハッキリ解ってしまいました。
何というか不完全燃焼と言うか、穴だらけの話しというか・・・・。
もう少し面白く出来ないのかねぇ、私。
そして、レヴィルーの契約の話の詳細云々にツッコミを入れないで頂けると助かります。


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