涙 ~Lacrimae~
†††Sideティアナ†††
「・・・・ハァ・・・」
所々が焼けて壊されてしまっている六課の隊舎を見て、今日で何度目かも分からないため息。
ほんの十数時間前までは綺麗だった隊舎は、今はもう見る影も無く酷い有様だ。
「・・・ハァ・・・」
またため息が出た。
ため息をするたびに幸福が逃げる、ってどこで聞いたことがあるけど、出るものは仕方ない。
ガジェットと戦闘機人による地上本部襲撃。
たったの十数分で本部の機能を停止させた手際の良さは、まるで施設や警備のすべてを知っているかのようで・・・・。
戦闘機人戦でギンガさんは攫われて、スバルとシャルさんは大怪我。
主力が出動していて無防備に近かった機動六課も、私の目に映る様だ。
残っていたメンバーも重傷者が多く、エリオとキャロも戦闘機人によって撃墜。
ルシルさんもペッカートゥムと呼ばれる連中と戦って、決して軽くは無い怪我を負った。
それだけじゃなくて、ヴィヴィオも攫われてしまった。
すべてにおいて最悪な状況と言えて、正直私たちはこれからどうなるか分からない。
「酷いことになってしまったな」
そう背後から声がかかって振り返ってみると、そこにはシグナム副隊長がいた。
「シグナム副隊長・・・・。あの、病院のほうは・・・?」
「重傷だった隊員たちは峠を越えたそうだ。
だが・・・・フライハイトは今もまだ予断を許さないらしい。
セインテストが治療に当たっているから大丈夫だと思いたいが・・・・」
「っ! そう・・・ですか・・・」
昨日の事を鮮明に思い出す。シャルさんがあたしの視界に入ったとき、事の重大さをやっと理解した。
シャルさんのお腹に剣が刺さっていて、壁に磔にされていたのだ。
そして担架に運ばれていくシャルさんを見て、あたしは気を失いそうになって・・・。
そのとき、余裕の無かったスバルでさえ声を失って、一緒に担架で運ばれていった。
運ばれていくシャルさんはほんの一瞬だけ意識を取り戻して、立ち竦んでいたなのはさんに一言囁いた。
――立ち止まっている暇があったら、やれることをやりなさい――
それを聞いたなのはさんはガジェットを排除するために空に上がって、あたしも地上でのガジェット排除のために動き出した。
「高町隊長は?」
「中です」
シグナム副隊長になのはさんの居所を聞かれて答える。
「様子はどうだ?」
「いつもどおりです。しっかりお仕事されてます。攫われちゃったヴィヴィオの事とか、負傷した隊員たちの確認だけしたら、あとは少しも・・・・」
本当はなのはさんだって辛いはずなのに、隊長だから・・・きっと・・・。
「そうか。こちらは私が引き継ぐ。お前も病院へと顔を出してくるといい」
「あの、ですが・・・」
行ってもいいのだろうか?
今もまだ事後処理をしている最中だというのに・・・。
「行ってやれ」
「・・・はい。ありがとうございます」
シグナム副隊長の言葉に甘えることにした。
でも病院に向かうその前に、なのはさんに報告しておかないと。
『なのはさん。ティアナです』
『あぁ、なに?』
念話となってしまうのは仕方ない。
『シグナム副隊長が現場を代わってくださって。ちょっと病院の方に行ってきます』
『そう。フェイト隊長も病院に向かってるはずだから』
『はい。あの、さっき窺った話って、スバルとかシャーリーさんに伝えても・・・?』
それは六課の今後の大まかな方針のことだ。
レリック捜査からスカリエッティ一味の追跡に任務が変更にすると思う、とのことだ。
『そうだね。伝えて元気が出るようなら教えてあげて。判断は任せるよ』
『了解しました。いってきます』
『うん。気をつけて』
なのはさんとの念話が切れ、あたしはスバルたちが入院する病院に向かった。
†††Sideティアナ⇒ルシリオン†††
『ごめんね、ルシル』
シャルが静かに目を伏せながら謝ってきた。
しかしその前に、謝罪する姿勢ではないような気がするんだが・・・・まぁいいか。
『謝られる理由が判らないんだが、何に対しての謝罪なんだ?』
ロッキングチェアに座りながら本を読むシャルに訊き返す。
『色々と迷惑をかけているから、かな・・・』
『・・・・・気にするな』
翠玉の円卓を挟んで座るシャルにそう答えた。
シャルは顔を少し上げて、しかし私に視線を向けることなく微笑をつくり、そしてまた手にしている本へと再び視線を落とした。
現在、私とシャルの“意識体”がいるのは創世結界“英知の書庫”。
今は瀕死のシャルの“意識体”だけを、ここ“英知の書庫”に移している状態だ。
契約によって、私とシャルとの間に契約証が繋がっているからこそ可能なこと。
そのおかげで、こうしてシャルと話すことが出来るというわけだ。
『さて、こうして話も出来るのだし、現状についておさらいといこうか』
『気になることが一つあるの。私を貫いた剣。あれはルシファーの剣で間違いなかった。
でも、私に奇襲を仕掛けてきたのはルシファーじゃなくて、女だった。
ベルゼブブかベルフェゴールのどちらかなのは間違いないはずなんだけど。
でも何でこの女がルシファーの剣を持っているのかが解らない』
シャルの記憶を抽出して、円卓の上に画像として浮かび上がらせる。
浮かび上がったのは白髪と銀眼の女。
シャルの視覚を覆うのは・・・何かの文字が書かれた紙のような・・・本のページか・・・?
それを圧倒的物量でシャルを押し流し、視覚阻害中に例の剣を投擲、撃破というわけか。
『今回はどいつもこいつも知らない顔ばかりだ。どれだけ代替わりしたんだろうな・・?
そしてこの剣、かなり強力な神秘で創造されている代物だった。
作成者はナンバーⅩ断罪ダムナティオ。武装名は悪ふざけだそうだ』
ルシファーの剣、悪ふざけの画像も一緒に映し出す。
剣に関しては、複製能力を利用して解析した結果、判明したことだ。
“悪ふざけ”。随分と馬鹿にしたネーミングだ。ふざけやがって。
『この女がルシファーの剣を持ち現れ、昨夜、持ち主であるルシファーは姿を見せなかった』
昨夜姿を見せたのはアスモデウス、レヴィヤタン、サタン、そして白髪の女。
白髪の女に続いて、私は円卓上に確認されているヤツらの画像が浮かび上がらせる。
『このうち、斃したのはマモンとサタンの二体だよね?』
『そうだ。マモンは英雄の居館に取り込み、サタンは複製真技で消した』
六体の画像の中から、マモンとサタンの画像だけを消す。
『あのさ、ルシル。私、意識が落ちる前に見えたんだ。
この女に重なるようにして嫌な笑みを浮かべたルシファーを・・・』
重なるようにして・・・か。
『この女がルシファーの剣を持つ理由・・・・もしかしたらなんだけど、ルシファーがこの女に取り込まれたんじゃないかな?』
『取り込まれた? どういう意味だ』
そんなこと聞いたことがない。
『ルシルって、ペッカートゥムの分裂体と戦った経験・・・・少ないでしょ?
だから知らないと思うんだけど、ヤツら、斃れたペッカートゥムを吸収して強くなる、なんてことがあるんだ。
たぶん今回もその可能性がある・・・・と、思う・・・・』
確かに分裂体との戦闘回数は、他の守護神に比べて圧倒的に少ないのは事実だ。
私の契約は何でもありだからな。界律に呼ばれ、人間に呼ばれ・・・・・。
その分、下位の“絶対殲滅対象”との戦闘がどうしても少なくなってしまう。
『それが本当だとすれば、ルシファーがどうして白髪の女に吸収されたか、だ。
マモンやサタンのように私たちに斃された訳でもないのに・・・・』
『・・・・ルシファーと白髪の女の間に何かあった、ということ・・・・だよね?
私の推測が当たっていれば、だけど』
判らないな。しかし放って置いていいようなものでもない。
その辺りは慎重に構えておく必要があるな。
色々と思考を巡らせている中、シャルにずっと見られていることに気づく。
何か言いたそうな表情だ。
『・・・・話変わるけど。私のダメージって・・・結構重い・・・のかな?』
視線を合わして数秒、囁きような小声がシャルの口から漏れた。
私は腰掛けるロッキングチェアを揺らし、少し間を置いてから告げる。
『・・・・君の容態は・・・・まぁ悪い。
あの剣には治癒阻害と魔力精製阻害などという阻害系の高位の概念がかけられている。
剣を君から抜いた今も、その概念に苦労しながら治療しているよ』
ありのままを告げる。
『そっ・・・か。いっそのこと一度死んで、再召喚されたほうが早いのかな・・・?』
『馬鹿か? そんなことをせずともちゃんと治してやるから安心しろ。
それにすぐに再召喚が行われるとは限らないうえ、召喚時の姿もどうなるかも判らない。
9歳になるかもしれないし、君の本来の体型として召喚されてしまう可能性もある』
『うっ・・・それは・・・!』
背を大きく反らして背もたれに強くぶつかったせいで、シャルの座っているロッキングチェアが激しく揺れた。
地に足を着くことで揺れを止めたシャルは、今度は軽く揺れるように優しく背もたれた。
『また9歳になったらどうする? “小っちゃくなっちゃった”って言ってみるか?』
『う~ん・・・・』
どこぞのマジシャン風にそう言ってみた。
シャルは真剣に考えているようだが、そうならないために治すと言っているんだよ、シャル。
『そして本来の体型で召喚されたとき、だ。今の君の身長は確か160だったな。
で、君の本来の身長は・・・・』
『165cmだけど・・・。あー、5cmも差がある』
『そう。もし短時間で召喚された場合、その5cmは結構大きい。
どう言い訳していいか全く検討がつかない。っと、君のスリーサイズは?』
『えっと、8さ・・・・・って、何を言わせるかっ、コラァーーーーッ!!』
場を和ませる冗談のつもりだったんだが、シャルは円卓に置かれていた本を手に取って、その本をオーバースローで投げてきた。
咄嗟に首を反らして回避、だが二投目が存在していた。
『ぐはっ・・・・・。くっ、痛いじゃないか、シャル・・・』
眉間にヒット。刺さるんじゃないかってくらいの威力だった。
本が眉間に刺さり死亡。いくら書物が好きな私でもそんな死因だけは遠慮しておきたい。
“意識体”であるため、死ぬなんて事はない。
『まったくもう、全然関係ないでしょうが。あとさっきの数字は忘れなさい、オーケー?』
『イエス、マム』
額に青筋を浮かべて半目で睨んでくるシャル。
両手を挙げの降参ポーズで素直に頷く。
『そういうわけだ。現状での再召喚は結構なリスクを負うことになる。
もし165cmになったら、ミョルニルで叩いて身長を無理矢理縮小しないといけないしな』
『いやーーーー! そんなことされたら頭蓋骨が粉砕骨折するよっ!?』
両手で頭頂部分を抑えて“イヤイヤ”って首を振っている。あ、なんか可愛いな、それ。
『その前に雷撃で黒コゲ・・・のさらに前に吹っ飛ぶな。主に上半身が・・・』
“天槌ミョルニル”で軽くでも叩かれたら死ぬのは必至だからな。
当然これも単なる冗談だが。つまらなかったか? あぁ、そうか・・・。
『ねぇ? さっきからルシル、私をからかってばかりなんだけど・・・?』
『落ち込んでいる君を心配してのことだ。素直に受け取っておいて損はない、と思う』
シャルは「うへぇ」って言いながら円卓に突っ伏した。
『スモールな親切、ビッグなお世話だよ』
ルー○柴?とは突っ込まない。
突っ込みは私ではなく、はやての領分だからな。
『それに、だ。君は今の体で生きていたいだろ?
なのはたちと一緒に育ったあの体で、本契約が訪れて、そして終わるその時まで・・・・』
『・・・・そう・・・だね。うん、そうだ』
伏せていた体を起こして、本当に綺麗な笑顔を見せたシャル。
あぁ、だからこそ必ず助けよう。
『だから安心して待っていろ。必ず治して起こしてやる』
『ありがとう、ルシル。あ、でも無理はしないこと。
ルシルまで倒れたら、みんなをヤツらから守れなくなるから』
『ああ・・・・』
シャルの気遣いを、受け半分、流し半分の割合で頭に入れる。
こういうときにこそ無理をしなければ救えるものも救えないからだ。
『・・・それはそうとさっきから何を読んでいるんだ?』
さっきから気になっていたシャルが読んでいた本について聞いてみた。
『ん~、ちょっとね・・・・』
私に投げられて、今は床に落ちている本を拾ってみる。
“英知の書庫”に収められているのは、複製された術や能力、技、知識などが詳細に記された書物ばかりだ。
だからシャルが何を読んで、その知識に取り込もうとしているのか興味があった。
『これは・・・・結界術式の・・・?』
拾った本に記されているのは、私たちの魔術における結界術式に関すること。
シャルが結界? 攻性特化の騎士であったシャルと結界がどうしても結びつかない。
『創世結界、憧れだったんだよね。自分だけの唯一つの世界。その世界の王になれるというのが』
つまりは、シャルは創世結界の術式を組もうとしていたわけか・・・・。
『いやいやいや、創世結界ってそう簡単に発現できるものじゃないぞ?
世界に干渉する術式だからな。イメージをそのまま術式として組まないといけないし、世界からの修正に関しての術式も組む必要があるし・・・・正直面倒くさいんだよ』
“聖天の極壁”を形にするのに3年。それに与える効果の術式があまりにも複雑だったために途中挫折して、今でも未完成のままだ。
そのヒミンビョルグに設けようとしていた効果の術式を二つに分けることで完成したのが、“神々の宝庫”と“英知の書庫”だ。
“神々の宝庫”は原型があったおかげで1年、“英知の書庫”は1年半、“英雄の居館”は5年かかった。
複製の能力があったからこそのそんな短期間で完成できたものだ。
『それくらい解かってるって。単なる暇つぶしだから』
片手を軽く振りながら、それでも別の結界関連の本を読み出すシャル。
暇つぶしで創世結界って・・・。当時、創世結界を目指していた連中が聞いたら卒倒するぞ?
『それとお願いがあるの。スバルに“ギンガを守れなくてゴメン”って・・・』
『・・・・シャル、それは――『ごめん。やっぱいい』――・・・そうだな』
私の言葉に被せるようにして、シャルがそう告げた。
『こればっかりは自分で言わないとダメだよね。
だからさっきの忘れて。私が治って起きたら、ちゃんと私の口から言うから』
『了解した。それじゃあ、しばらくここで休んでいろ』
『休むも何も、体が意識体じゃあまり意味ないけどね~』
『ふふ、違いない』
目の前に霞がかかり、“英知の書庫”が消えていく。意識が現実へと戻っていくためだ。
『ありがとう』
最後の最後でシャルから感謝の言葉。
その表情は泣き笑い。私は両目に浮かぶ涙をハッキリと見た。
随分とシャルは涙脆くなったものだと思う。それは良いことだとも思う。
というか、そういうのは治療が終わってから言ってもらいたいものだな。
「・・・・待っていろ、シャル」
目を開けるとそこはすでに現実で、私の前にはベッドに寝かされたシャルの体。
ベッドを中心にアースガルド魔法陣が展開、そしてルーンの円環がベッドを幾重にも覆っている。
個室であるこのシャルの病室に、簡単な儀式の祭壇を作り出している状態だ。
「・・・・まったく、死に掛けている人間の顔じゃないよな」
シャルの顔は安らかな寝顔だが、容態はかなり重い。
剣に貫かれ、孔の開いている腹部を浄化作用のある“ウルザブルン”の泉水で覆い、阻害概念を無理やり浄化、そのうえで女神の祝福をかける。
これを四時間前からやり続けている。正直ここまでの長丁場の治療行為は初めてだ。
「はぁはぁはぁはぁ・・・・。まずい、目眩が・・・・」
本来なら上級魔術である女神の祝福は使用できず、“ウルザブルン”の泉水もそう易々と使っていいものじゃない。(すごい貴重だからな)
それを無理して使っているために魔力も限界に近い。
昨夜、怒りに任せて使用した第二級権限の無許可解凍、そして制限されている上級術式の一つである女神の聖楯の発動、及び高位複製術式の使用のペナルティの所為もある。
それにしてもいい加減に上級術式の使用を完全に認めてもらいたいものだ。
そうすればこんな苦労なんてせずに済むというのに・・・・。
「あぁ、くそ。一度休みを入れないと本当に倒れかねないな」
ベッド付近に置いてある椅子に腰掛ける。
四時間続けても孔が塞がらない。その概念の強さはまるで“呪神剣ユルソーン”並だ。
シャルと同様に私の肉体に孔を開け、不死と不治の呪いをかけた魔造兵装第二位の魔剣。
その所為で私は“界律の守護神”となり、今もこうして戦い続けている。
全ては呪いを解き、人間に戻るために、だ。まぁ、それがいつになるか分からないが。
「・・・すぐに戻る。少し待っていてくれ、シャル」
ふらつく足に活を入れ、何か口に入れておくために病室の扉に向かう。
少し離れていても泉水と女神の祝福は途切れない。だからと言ってそう長く離れるようなことはしないつもりだ。
「あぁ、ザフィーラやヴァイスたちも重体だったな。
急いでシャルを治して、そっちの方の治療にも参加しないと・・・・おっと――「キャ!?」――ん?」
扉が開くと同時に蹴躓いて、扉の向こうにいた人にもたれかかってしまった。
短い叫び声は女性のもの。悪気はなかったとはいえ悪いことをしてしまった。
「ルシル!? 大丈夫、ルシル!?」
「あぁ、フェイトか。ごめん、すぐに退く」
私を受け止めていたのはフェイトだ。
おそらくエリオやキャロ、ロングアーチスタッフの見舞いに来たんだろう。
「待って! 顔色が悪いよルシル! もしかしてあれから休んでいないの!?」
フェイトが私を心配するが、その前にフェイト、ここがどこだか判らないわけじゃないよな?
「フェイト。心配してくれるのはありがたいが、少し声のボリュームを下げような。
この区画一帯は重体患者のいる病室が集中している」
「あ、ごめんなさい」
いや、そこまで沈まなくてもいいと思う。
それにしてもフェイトはこんな奥にまで何をしに来たんだ?
そう考えながら廊下に設けられているベンチに座る。
思っていた以上に足に力が入らないし、いつまでもフェイトに支えられているのも、男としてへこむからだ。
「フェイトはエリオたちの見舞いか?」
「うん・・・・」
力のない返答。やはりフェイトも相当疲労が溜まっているようだ。
無理もない。昨夜はいろいろな事が一度に起こりすぎた。
「・・・・しばらくシャルの治療に入るから、六課の仕事は手伝えない。
すまない。だからそのことをはやてとなのはに伝えておいてくれ」
そう言って立ち上がる。が、それも一瞬のこと。
すぐにふらついて倒れそうになる。
「あ、ほら! ルシルだってちゃんと休まないとダメだよ!?」
再度フェイトに支えられた。
「休んでいる暇はない。シャルの治療が終われば、ヴァイスとザフィーラの治療もしないといけない」
「っ!」
フェイトの肩を掴んで離れようとしたら、フェイトが私を無理矢理ベンチに座らせた。
こうも簡単に力負けするとは・・・・ここまで弱っているのか、今の私の体は・・・。
「・・・こんなフラフラで何が出来るのルシル?
こんな無理してルシルまで倒れたら・・・・私は・・・私たちは・・・・!」
紡がれていくフェイトの言葉に、気づかない程度の嗚咽が紛れ込んだ。
私は久しぶりに見た。フェイトの涙を。
私の横に座るフェイトが、私から視線を逸らして俯いた。
「・・・すまな―――ぁ痛ぁっ!?」
おもいっきり頭を叩かれたと思ったら、気づけば視界が反転して・・・・膝枕?
あれ? フェイトの動きが全然見えなかったのも疲れの所為ですか?
「少し・・・少しだけでいいから休んで、ルシル。
そしたら私も安心するから・・・・お願い・・・・」
横になったら一気に眠気が襲ってきた。
あぁ、シャルにはすまないが少しだけ、ほんの少しの間だけ休ませてもらおう。
それにしても膝枕なんて実に懐かしい。
思い出すのは幼少時に何度かゼフィ姉様にしてもらって・・・・・そして・・・・。
「・・・・・シェフィ・・・」
彼女にも何度かしてもらったっけ・・・・。
あのとき言い出したのはシェフィなのに照れて可愛かったなぁ、本当に。
記憶と現実が混ざりながらも、私はすぐに眠りに落ちてしまった。
†††Sideルシリオン⇒フェイト†††
シャーリーたち、みんなのお見舞いを終えてシャルの病室へと向かった。
シャルの受けた怪我は魔法が効かないことが分かって、すぐにルシルが呼ばれた。
ルシルだって決して軽い怪我じゃないのに、それでもシャルの治療を始めた。
「私は大丈夫だ。みんなに比べたら軽傷だよ」って言って。
ルシルはたぶん、ううん、絶対無理してるに決まってる。
ルシルは昔からそうだから。そこだけはなのはに似て困る。
少しは心配する方の身にもなってほしいかも。
この病院の奥、重体患者の病室が集中する区画のさらに奥に来た。
そこにあるシャルの病室の扉には面会謝絶と書かれた札が掛けられている。
そして中から微かに魔力が漏れてきている。この感じは間違いなくルシルの魔力だ。
何故かそれだけは分かってしまう。けどそれが何か嬉しい。
病室の前に立ったとき、ルシルが抱きついてきた(←違います)というハプニングがあったりして、今は私の膝枕でぐっすりと眠っている。
ほとんど力ずくでの膝枕だったけど、それでもルシルは大人しく眠ってくれた。
でも、ルシルが眠りにつく直前に一言呟くようにして“シェフィ”って口にした。
「シェフィ・・・。初めて私と出会った時も私を見て、そう言って驚いてたよね・・・?
ねぇ、ルシル。シェフィって誰? ルシルの心を占めている人って・・・どんな人・・・?」
ここまで疲れ果てていて、眠りにつく直前ということはほとんど無意識に近いものだと思う。
それほどまでに大切な人の名前なんだろうか・・・?
聞きたいようで聞きたくない。知りたいようで知りたくない。
聞いたら、知ってしまったら何かが壊れてしまうような気がするから。
「フェイトさん・・・。あ、ルシルさん・・・眠って・・・いるんですか・・・?」
エリオとキャロが廊下の陰から歩いてきた。
「うん。海上での戦いから、たった今まで寝ずにずっとシャルの治療をしてたから。
疲れの所為もあって横になるとすぐに眠っちゃった」
私の腿の上にあるルシルの髪を撫でる。
昔はルシルがよくこうしてくれたけど、私がルシルにするのは今日が初めてだ。
「ルシルさん。・・・・シャルさん、大丈夫ですよね?
きっと目を覚まして、また笑ってくれますよね?」
キャロが涙声で聞いてきた。
エリオはそっとキャロの手を取って「大丈夫」って慰めてる。
「エリオの言うとおりだよ、キャロ。シャルは絶対に大丈夫。
だって私やなのは、はやての親友だよ? すぐに元気になってくれる」
「・・・はい」
それからルシルが起きるまでの間、私たち四人はベンチに寄り添うようにして座って時間を過ごした。
それはまるで家族のようで、いつか私が手にしたい未来の姿だった。
◦―◦―◦―◦―◦―◦
「寂しくなってしまったものだな、お前たちも」
スカリエッティのアジトの通路を歩くトーレがそう口にする。
「そうね。残りは私を含めた三体だけ。正直ここまで損害を被るなんて思ってもいなかったわ。
許されざる暴食がいればもう少しはまともに殺り合えるものだけど」
トーレに答えるのは許されざる色欲だ。
大罪の中でも彼女が一際ナンバーズとの関わりが深い。
そのためにルーテシアやゼストのような丁寧な扱いは許されざる色欲にはない。
「相手は一体何者だ? お前たちのような存在と戦えるとは・・・?」
「護ると銘を打っておきながら害するという二律背反の矛盾存在。
そう理解しておきながら、気づかないフリをしている愚かで哀しいお人形たち。
霊長の審判者を絶対殲滅対象と呼ぶ、名ばかりの神さま」
許されざる色欲の返答に眉を顰めるトーレ。
「どちらにしても終わりは近い。それまでは生き残らないとね・・・・」
そう言ってトーレの前から許されざる色欲の姿が消えた。一人そこに残されたトーレは呟く。
「終わりは近い・・・・か」
◦―◦―◦―◦―◦―◦
アジトの別区画に、ルーテシアと許されざる嫉妬がいた。
「・・・ルーテシア・・・」
ルーテシアの見つめる視線の先には、ⅩⅠとある生体ポッドの中に浮く一人の女性の姿。
それを先程から見続けるルーテシアに、許されざる嫉妬は彼女の名前を呼ぶ。
「あー、ルーお嬢様、レヴィお嬢様。11番、ウェンディっス!」
その二人に近づいて声をかけてきたのはウェンディ。
ルーテシアと許されざる嫉妬は、ウェンディのほうへと振り向く。
「そんでこっち、8番オットーと12番ディード」
ウェンディに紹介されたのは、エリオとザフィーラを撃墜したディード。
キャロとフリードリヒにバインドを仕掛け、六課を半壊させたオットーの二人だ。
ルーテシアは「うん」とだけ答え、許されざる嫉妬は「よろしく」と答えた。
オットーとディードも「よろしくお願いします」と二人に頭を下げた。
「これ、ルーお嬢様のお母さんなんでしたっけ?」
「らしいよ・・・」
ウェンディが、ルーテシアの見ていた女性を指してそう言うが、ルーテシアの返答は曖昧なものだった。
それを不思議に思ったディードが「らしい?」と訊き返した。
「この人のこと、覚えてないから」
ルーテシアの返答を聞いたウェンディは、“やっちゃった”みたいな顔をして、オットーとディードに振り向くが、その二人は顔を逸らしてウェンディを見捨てた。
そしてウェンディに向けられた許されざる嫉妬の視線も何気に冷たい。
「あ、いやぁ、まぁ、こちらのお母さんも適合するレリックコアが見つかれば、ちゃんと復活されるんスよね?」
「ドクターからはそう聞いてる。11番のレリックが見つかれば、この人は目を覚ます。
目を覚ましてお母さんになってくれれば、わたしには心が生まれるんだって・・・」
ルーテシアの言葉が途切れると同時に、許されざる嫉妬は空いている左手でルーテシアの右手を握った。
「ルーテシア・・・・大丈夫。・・・・わたしも手伝うから・・・。だから・・・・がんばろう・・・」
「ありがとう、レヴィ・・・」
ルーテシアはしっかりと手を握り返す。
その二人を見ていたウェンディもその気になりだした。
「そうっスね! あたしたちも今回のことが全部終わったら手伝うっスよ!
ねー、オットー、ディード?」
「はい。私たちで宜しければお手伝いさせていただきます」
ディードが答え、オットーも頷くことで応えた。
◦―◦―◦―◦―◦―◦
通路を歩くのはスカリエッティ、ナンバーⅠウーノ、そして許されざる怠惰の三人。
スカリエッティは先程から笑みを浮かべ、それに続くウーノはレリックのケースを持ち、許されざる怠惰はその二人の後をついて少し離れて歩く。
そのためスカリエッティとウーノは気づかない。
許されざる怠惰の視線がケースに向けられていて、その顔に浮かべられている微笑に。
そして三人がたどり着いたのは小部屋。
室内にいたのは診察台のようなところに繋がれて泣き叫ぶヴィヴィオ。
そしてナンバーズのⅣクアットロとⅩディエチだった。
「どうだい、いけるかい?」
「はい。バイタルは良好、魔力安定も良いです。移植の準備は終わりました」
ドクターに答えるディエチ。
ヴィヴィオはスカリエッティの登場でさらに泣き叫ぶ。
「スカリエッティ、この子、あなたの顔が怖いから怯えている。
少しの間だけでも笑っていたほうがいいのかもね」
「ひどいな、許されざる怠惰」
許されざる怠惰の言葉にスカリエッティは冗談ぽくショックを受ける。
実際にはなんとも思ってはいないのがこの男だ。
クアットロの強烈な敵意の視線を無視しながら許されざる怠惰はヴィヴィオへと近づく。
「ひっ・・・ママぁぁ!・・・パパぁぁ!・・・・マ――」
許されざる怠惰の手が額に置かれ、その銀の双眸に魅入られたヴィヴィオは、急激に大人しくなり深い眠りについた。
「これで少しは静かになった。やるなら今の内にしておきなさい」
「ふむ。別に構わなかったのだが、まぁ、煩すぎるよりかはマシか」
ウーノの持っていたケースが開封され、その姿を現したレリック。
「さて、始めようか。聖王の器に王の印を譲り渡す」
スカリエッティの両手の間で赤く輝くレリック。
そしてそれを見つめるのは許されざる怠惰。その口は何らかの言葉を紡いでいる。
しかし、この場にいる他の四人には聞こえてなく、気づいてもいない。
今、この場で許されざる怠惰を模した許されざる傲慢の計画が着々と進んでいるということに。
「ヴィヴィオ。君は私の最高傑作になるんだよ」
さらに輝きを増していくレリック。そして許されざる怠惰の口は閉じられていた。
彼女が紡いでいた言葉、それは・・・
――Dum fata sinunt vivite laeti/運命が許す間、喜々として生きよ――
◦―◦―◦―◦―◦―◦
襲撃を受け、機能していない隊舎と職員寮の代わりとして用意された宿舎。
その宿舎の外の一画、そこになのははひとり立っていた。
その姿に気づいたフェイトは、「なのは」と声をかけ近づいていく。
なのはもフェイトの姿を捉え「フェイトちゃん」と呼び返す。
「どうしたの、こんなところで? もしかしてヴィヴィオのこと、考えてた?」
「・・・うん。約束、破っちゃったなって・・・」
なのはが思い出すのは、地上本部警備の任に就くその夜、ヴィヴィオと指切りをしたこと。
「私がママの代わりだよ、って。守っていくよ、って約束したのに傍にいてあげられなかった。
守ってあげられなかった! あの子、きっと泣いてる!!」
なのはの目から次第に涙が溢れ始め、頬を伝っていく。
黙ってなのはの言葉を聞いていたフェイトは、なのはへと駆け寄って抱き締める。
彼女の目にもまた涙が浮かんでいた。
「ヴィヴィオが一人で泣いてるって、悲しい思いとか、痛い思いしてるとかって思うと体が震えてどうにかなりそうなの!
今すぐ助けに行きたい! だけど・・・私は・・・・」
「大丈夫。ヴィヴィオは絶対大丈夫だから。だから助けようみんなで。私たちのヴィヴィオを」
†††Sideはやて†††
本局の、ロッサとの待ち合わせしてる場所へと急ぐ。
「はやて!」
「ロッサ! ごめんな、お待たせや」
どれくらい待たせてしまったやろか?
待ち合わせをした約束の時間は結構過ぎてしまっとる。
「さすがのはやてもちょっと元気がないかい?」
「う~ん、まぁ、そやね。ギンガやヴィヴィオも攫われたんは大失態や。
部隊員にも怪我させてしもたし、協力者のシャルちゃんにも・・・悪いことした・・・」
ギンガとヴィヴィオの拉致。
大切な仲間も大怪我を負って、親友のシャルちゃんは今も死の淵を彷徨っとるってシグナムから聞いた。
部隊長としてこんなん許されることやない。
「そやけど持っていかれたものは取り返すし、今度は絶対ちゃんと守る」
だからと言って挫けてたらみんなに合わせる顔がない。そやから私は折れない。
「うん。落ち込んでもやる気は減ってない。なかなか立派だ」
そう言って私の頭を撫でるロッサ。
「夜天の主として、六課の部隊長として当然や!」
「・・・しかし、本気なのかい? はやてとクロノ君の頼みだから許可は何とか取ったけどさ」
これが本題や。私とクロノ君がロッサに頼んだこと。
廊下の窓から見えるのは、次元航行船L級艦船第八番艦アースラ。
私らが昔からお世話になっていた思い出深い艦。
「隊員たちの住居や生活空間も含めて本部は絶対必要やし、今後を考えれば移動できる本部のほうがええ」
そのためのアースラ。
「アースラ、お休み前にもうちょっとだけ、私たちと頑張ってな」
†◦―◦―◦―◦―◦↓シャルシル先生の魔法術講座↓◦―◦―◦―◦―◦†
シャル
「今回も始まりましたシャルシル先生の魔法術講座。
えー今回は出張版ということで、ルシルの創世結界・英知の書庫アルヴィトよりお送りしてます」
ルシル
「何も君まで出なくても良いだろうに」
シャル
「ダーメ。前回はルシルだけでやってくれたんでしょ。私が始めたコーナーなのに。
今回も私がお休みなんてして、ルシルが一人でやるってことになったら迷惑だって思って」
ルシル
「馬鹿を言うな。誰が迷惑だと思うものか。今の君は、誰を頼ったって良いんだ」
シャル
「ルシル・・・・、うん、ありがと。でも私のコーナーだから出ないとねっ❤」
ルシル
「もう好きにしろ」
シャル
「好きにするもんっ。というわけで早速ゴー♪
――女神の祝福――
――創世結界――
今回はこの二つと言ったところかな」
ルシル
「了解だ。では、女神の祝福コード・エイルからだな。
私の有する治癒術式の中で最高のものだ。故に上級術式の一つの数えられる。
これは対象が死んでいなければ、どんな怪我や病気を治すことが出来るというもの。なんだが、自分に術をかけることは出来ないという欠陥術式でもある。
しかしこの術式以上の神秘を備えたダメージには多大な魔力を消費して、術者に長時間の眠りを与えるという副作用が出てしまう場合もある」
シャル
「この術式のおかげで、大戦時はホント苦労したよ。
数時間前に瀕死に追い込んだ敵がケロッとしてまた私の前に現れたんだから。
一瞬、幽霊かと思って引いたわぁ。それが本人だったと分かって、どれだけ腕の良い治癒術者が居るのかと思ったらルシルだったし。
オールラウンダーもここまで行くと逆に扱いづらくない?」
ルシル
「誰に対して扱いづらくない?って聞いているのか解らないが。
膨大な魔力を余らせて無駄にするわけにもいかなかったからな。
だから憶えられる、創造できる術式はすべて手を出した」
シャル
「あーだから今から紹介する結界術式・創世結界なんてものをいくつも創りだしたわけね」
ルシル
「そういうことだ。
創世結界とは、大戦当時はもちろん大戦が始まる前からの魔術師たちが目指していた目標の一つだ。
イメージした世界をそのまま現実世界に展開する結界術式で、創造・発動出来た者は例外なく大魔術師と謳われる」
シャル
「ルシルはそんな創世結界を四つも持ってるわけ。どんだけ欲張りかっつうの」
ルシル
「元はひとつだったんだ。だがその一つに効果が収まりきらなかったことで、仕方なしに三つに分けた」
シャル
「それが、複製した武装やら道具らを貯蔵する“神々の宝庫ブレイザブリク”。
複製した術式や能力、知識や技術などを書籍化して貯蔵している“英知の書庫アルヴィト”。
複製した際の持ち主を、複製したモノから読み取って具現化させて使い魔・異界英雄エインヘリヤルにする“英雄の居館ヴァルハラ”。
上の三つを一つにしようとしていて、結局は断念した結果、未完成のまま放置されている“聖天の極壁ヒミンビョルグ”。というわけね」
ルシル
「そういうわけだ。ヒミンビョルグに詰め込む事が出来ずに生まれたブレイザブリクとアルヴィトとヴァルハラ。
どれも強力だぞ。神と真っ向からぶつかっても問題ないくらいにな」
シャル
「まったく。ルシルの反則さには本っっっ当に呆れるよ」
はい、今回も読んでいただきありがとうございます。
気がつけば50話に到達。本当に良く続きました・・・・驚きです。
まぁ、書きたいシーンを終えるまでは諦めるつもりなんてありませんけどね。
さて、シャルを前回で墜した理由は・・・ルシルの治癒能力封じ。
シャルの治療が不必要であれば、ルシルは重体なヴァイスとザフィーラを
即完治させてしまいます。ダメですよ、それは。
その対策のためにシャルにはあっさりと墜ちてもらいました・・・すいません。
ルシルの魔術
女神の祝福
補助系上級治癒術式。死んでいなければ、どんな怪我や病気を治すことが出来る。
が、自分に術をかけることは出来ない。
この術式以上の神秘を備えたダメージには多大な魔力を消費し、術者に長時間の
眠りを与えてしまう副作用が現れる。
8年前、ルシルは本来自分にかけることの出来ないこの術を使い、
右目の視力を失ってしまった。
北欧神話では女神の一人に数えられるエイル。エイルの名には「援助」や「慈悲」の意味がある。死者すら復活させてしまうという話。
ウルザブルンの泉水
魔道世界アースガルドの中心に聳え立つ塔“ユグドラシル”の最下層に位置する
戦天使統括システム“ノルン”が設置された泉から採った聖水。
強力な浄化作用を持ち、半端な呪いなどの概念なら無効化することが出来る。
北欧神話では「運命の泉」の意味を持つ、運命の三女神であるノルンが集まる泉。
ノルンの3人はこの泉から水を汲みユグドラシルにかけ世界樹の修復を行っている。
また、神々はこの泉の周りに集まることもあり、会議を行う場所でもある。
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