初登校とジュエルシード探索
†††Sideシャルロッテ†††
時刻は早朝、学校生活初日という興奮材料のおかげで(子供か?子供よね)朝の弱い私も早起きをして、今は士郎父さん、恭也兄さん、美由紀姉さんと共に道場で汗を流していた。
「うわ~ん、シャルちゃんに負けたよ~(泣)」
士郎父さんが自己鍛錬していた私に突如、美由紀姉さんと試合をしてほしいと言ってきたので、かる~く相手をしてあげました。
「あの、ごめんなさい。美由紀姉さん」
あと美由紀姉さん、先の動きが読めまくりです。
私が生前参加し、死んだ理由である大戦においては騎士見習い以下、というか一般人クラスですよ?
「いや~強いなシャルちゃん。動きが洗練されていたよ。
けど少し違和感のある動作が多々あったけど・・・どうしてだい?」
士郎父さんはなかなか鋭い観察眼をお持ちのようだ。
それなりに自然の動きをしたつもりだったけど、バレてしまっている。
下手に嘘をつくと後々首を絞める結果になりかねないから、ここは真実を語っておくことにする。
「えっと、やはり得物の違いでしょうか?
私がいつも振るっていたのは刀身が140cm位ある長刀ですので」
と、答える。動きの違和感の原因、それは身長と得物である。
165ちょいあったものが、今では130から140の間くらい、当然筋肉など色々変わってくる。
まぁ大して気にはならない。なぜなら今回の契約は子供の状態での召喚だから。
かなり能力の制限も受けている以上は全力を出す必要がないということだ。
「そうなのか。いや、それは恐れ入ったよ」
それから少し話し込んで朝食を取り、なのはと共にバス停まで向かった。
†††Sideシャルロッテ⇒なのは†††
私とシャルちゃんは、バス内で合流したアリサちゃんとすずかちゃんと共にバスを降りて学校へと歩いています。
「なんか・・・すごい視線を感じるんだけど。ねぇ、私ってもしかして変なのかしら?」
シャルちゃんが自信なさげな低い声で話しかけてきた。
自分の制服姿を見て、「どこか間違ってる?」って呟いている。
「ううん変じゃないよ、シャルちゃんが可愛いからみんな見てるんだよ♪」
すずかちゃんが笑顔でシャルちゃんを元気付ける。
うんうん、私もそれには同感だ。
「確かにね~、シャルって絶対男子にモテるわよ。私が保証するわ」
アリサちゃんもシャルちゃんを元気付ける。
「にゃはは、シャルちゃんの髪ってサラサラだから、風に靡くとまるで天使の羽のように見えるもんね~♪」
「私の髪をそんな風にたとえたのってなのはが初めてよ。
でも・・・ありがとう。すごく嬉しい」
そんな話をしながら、私たちは他の生徒の視線の中をひたすら歩いて学校へと入っていった。
†††Sideなのは⇒シャルロッテ†††
生まれて初めて(もう死んでるんだけど)の学校に緊張しながら歩き、今は隣にいる私の担任となる女教諭と共に教室の前に立っている。
「大丈夫よシャルロッテさん。みんないい子たちだからすぐ友達が出来るわ」
「え、あ、はい!」
どこまで緊張する私!? こんな経験なんてしたことないから焦る焦る。
唯一の救いはなのはたちと同じクラスだということ。
もし別のクラスだったら・・・うわっ、なんかすごいことになってしまう未来が見えてしまうわ。
「それじゃ、呼んだら入ってきてね♪」
「は、はい、わかりました」
先生が教室へと入っていた。そして、
「おはようございます。今日はみんなに新しいお友達を紹介します。
ではシャルロッテさん、入ってきてください」
呼ばれたーーーーーーー!!!
笑顔、笑顔、笑顔、笑顔、笑顔を忘れるな。
桃子母さん直伝の笑顔を思い出せ! そして挨拶はハッキリと!
「はい」
さぁ教室に入ったぞ、シャルロッテ・フライハイト。
うわ・・・みんな見てる。なのはとすずかはいつもみたいに笑顔だ。少し落ち着く。
そしてアリサ・・・緊張してる私を見て、あなたは必死に笑いを堪えてるわね。
とりあえず、まずは深呼吸して・・・よし落ち着いて行け。
「初めまして、今日からみんなと一緒に勉強することになりましたシャルロッテ・フライハイトです。
どうぞ、シャルって呼んでください」
†††Sideシャルロッテ⇒なのは†††
シャルちゃんが同じクラスになることをお母さんから教えてもらったときはとても嬉しかった。
学校でも一緒ならシャルちゃんは独りじゃない。
それにしても教室に入ってきて緊張しながら挨拶するシャルちゃん、可愛かったな~。
シャルちゃんの紹介が終わり、それから午前中の授業が一つ終わるごとにクラスのみんなから質問攻めを受けています。
実に大変そうです。
「そろそろシャルちゃんを助けてあげたほうが・・・」
「そうね、さすがにこれ以上は無理ね。シャルと一緒にお弁当食べたいし」
「にゃはは、そだね」
私たち三人は、シャルちゃんを質問攻めから救出する為、そして一緒にご飯を食べる為に人だかりへと向けて出陣したのでした。
午後からは私とアリサちゃん、すずかちゃんも一緒にシャルちゃんの許へ行き、全力で助け続けました。
シャルちゃん、どこまで人気になってしまったの?
†††Sideなのは⇒シャルロッテ†††
私の初登校から早いもので一週間が経った。
今ではクラスのみんなだけでなく、別のクラスの子とも仲良くなったと思う。
女子とはよく話すようになったし、男子とはスポーツ(サッカーというらしい)をして何故か男子全員を凹ましてしまった。当初において理由は一切不明。
私がチームに指示を出して大差をつけて勝ってしまったのと、私のプレーが男子のプライドを粉砕したことが原因だと、あとでアリサに教えてもらった。
ホントにごめんなさい、だって楽しかったんだよ!?
†††Sideシャルロッテ⇒なのは†††
この一週間はあっという間に過ぎて去ってしまった。
魔法使いのユーノ君とシャルちゃんとの出会いは驚きの連続だった。
そして今、ジュエルシードの探索のほうも結構順調だと思う。
毎朝早起きしてユーノ君とシャルちゃんに魔法の練習を見てもらってるからかな。
ユーノ君とシャルちゃんの魔法談義にも少し慣れました。
でもそれが話の内容が難しすぎてサッパリ分かっていないからだと思うとちょっぴりヘコみます。
とりあえずこの一週間で見つけたのは六つ。
一つ目はユーノ君と出会った日の夜、二つ目はシャルちゃんが助けてくれた日。
そして・・・
Mission:1 水着を狙う変態野郎を駆逐せよ
放課後、以前から約束していたプールへとみんなで遊びに来ました。
せっかく楽しんでいたというのにジュエルシードが発動。
目の前に現れたのは、女の子の水着だけを狙って脱がし、脱がした後の女の子はポイ捨てするという水のおばけ。
アリサちゃんもすずかちゃんも被害者だった。
そして油断していたのかシャルちゃんも胸を覆う水着を盗られました。
「アハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!」
コワッ!!! 怖いよ、シャルちゃん!!! 顔が鬼のようだよ!!?
「この変態野郎がぁぁぁぁぁっ!!!!」
痛ッ! 突然、手に痛みを感じたので、鬼シャルちゃんから背けていた顔を戻すと、シャルちゃんの全身から電気のようなものが光っていました。
「っ!! ダメだよ、シャルちゃん!!
そんなことをしたら結界内の人たちがとんでもないことになるよ!!?」
最悪の光景を想像し必死にシャルちゃんを説得する。というか私も死んじゃうよ。
「・・・チッ」
チッ!? 舌打ちしないでシャルちゃん!! 私の心が折れそうだよ!?
その後いろいろありましたが、何とか新しい魔法“ディバイン・バスター”を使ってジュエルシードを封印しました。
教訓、シャルちゃんを怒らせると血の雨が降ることになる(未遂)。
ちなみにユーノ君はシャルちゃんに怯えたり、私の砲撃を見て驚いたりととても大変そうでした。
Mission:2 ヌイグルミの軍勢を包囲せよ
学校で夜な夜なヌイグルミが街を徘徊するという噂を耳にしました。
ジュエルシードの力かもしれないということで、ユーノ君とシャルちゃんを連れて見回りを行いました。
一時間もしない内に目の前に現れたるはヌイグルミの軍勢。
種類が豊富でトコトコ歩くその姿はとても可愛かった。
「あぁなのは、私はもうMPが無いから後は任せるね」
と、シャルちゃんは大きなあくびをしながら私に言いました。
MP!!? え、何それ!? ただ眠いだけで魔力はまだ余ってるよね!?
結局、私はシャルちゃんを拝み倒して協力(強制的に)させました。
教訓、シャルちゃんは眠気に襲われると、とてつもなく堕落する。
そして嫌いなトマトを食べてあげると言うとすごく嬉しそうになる。
Mission:3 学校に現れるお化けさんを(力ずくで)成仏させよ
噂その2、お化けさんが夜な夜この学校に出るらしい。
よし、今回は聞かなかったことにしよう。え、ダメ?
そして今は深夜の校舎内。ヒィ、暗いよ怖いよ何か出そうだよ~。
私は尋常じゃないくらいに震えている。
「えっと・・・大丈夫なのは? ごめんね、こんなことさせて」
ユーノ君がそう言ってきてくれた。
「だ、大丈夫だよ。こ、怖くないから。早くジュエルシードを見つけて帰ろうね、ユーノ君」
精一杯の強がり。シャルちゃんはこんなことどうでもないと言わんばかりに前を歩き続ける。
強いな~シャルちゃん。突然、シャルちゃんが止まって聞き耳を立てて廊下の奥を見据える。
「出た」
たった一言。それが私を一気に恐怖の臨界点まで押し上げる。
「なのは、それ以上はユーノが生物をやめるから放してあげたほうがいいわ」
「ほぇ?・・・!!! ごめんユーノ君!! 大丈夫!?」
シャルちゃんに言われて初めて気付く。
私が力いっぱい握っていたのは“レイジングハート”じゃなく、ユーノ君だったのだ。
ダメだ、完全に魂が出てる。私は急いで外に出たユーノ君の魂を戻す。
「ハッ!? ここは一体どこ!?」
よかった~、生き返ってくれたよ。
「来るわよなのは、ユーノ」
そう言ってシャルちゃんは右手に白い変わった(横棒が少し垂れた)十字架を握り締める。
後で聞くと葡萄十字という形で第三聖典という名前らしい。
「私があれをどうにかするから、なのはたちはジュエルシード本体を探して」
そう言いつつお化けさんに突っ込んでいくシャルちゃん。
あまりの突然の行動に驚いた私とユーノ君は声をかけようとしてやめた。
だって・・・・
「とっとと逝ってしまいなさい、地縛霊どもーーーーー!!」
第三聖典を握り締めた右手でお化けさんたちをボコボコに殴り飛ばしているのだ。
いろんな場所へとすっ飛んでいくお化けさんを哀れに思いながら探索を開始した。
十分としない内にジュエルシードを発見、封印を終えた。
正直、シャルちゃんを迎えに行くか迷ったけど、ユーノ君に諭され迎えに行きました。
うう、何か来た時より怖いよ。
そしてそこには、良い運動をしたと言わんばかりのシャルちゃんが肩で息をしながら仁王立ちしていました。
教訓、シャルちゃんはお化けさんだろうと何だろうと力での解決を望む。
Mission:4 暴走大樹を停止させよ
今日はお父さんが監督を務めるサッカーチーム“翠屋FC”の試合の日です。
アリサちゃんやすずかちゃんと一緒に味方チーム応援します。
ある用事で遅れてきたシャルちゃんが応援に加わると、うちのチームはさらにテンションが高くなって、敵チームに大差をつけ始めました。
ホント人気があるねシャルちゃん。
アリサちゃんの話によると、男子の間ではシャルちゃんは“サッカー女帝”と言われているらしく、そのシャルちゃんの前では格好悪いプレイは出来ない、らしい。
試合終了のホイッスルが響き渡る。今日の試合は“翠屋FC”の圧勝でした。
その後、翠屋で昼食を終えた私たちは解散することになりました。
でも私は一つミスをしました。
サッカーチームの男の子の一人がジュエルシードらしき物を持っていたように見えたのですが、気のせいだと思い込み放っておいたのです。
そして発動するするジュエルシード。暴走する大きな樹。
ユーノ君が人間が発動させたんだと言いました。
「っ! やっぱり、あの時の子が持ってたんだ」
私、気付いていたはずなのに・・・こんなことになる前に止められたかもしれないのに。
後悔の念で一杯になる。
「後悔も反省も後! ユーノ、どうすればいい?」
「あ、うん。封印するには原因となっているところまで接近しないとダメだ。
でも、これだけの範囲に広まっちゃっているとどうすればいいか・・・」
「そう(探査系の術式も封印されてしまっている以上、私には手が無い)」
「私がやる」
ユーノ君とシャルちゃんの会話を聞き、そう告げる。
「ちょっとなのは、それは「ユーノ」・・・」
シャルちゃんがユーノ君の言葉を遮る。
「手があるのね?」
「・・・うん、大丈夫。任せて」
「・・・分かった。信じるよ。ユーノ、ここはなのはに任せましょう」
「・・・なのは、無理はダメだよ」
「大丈夫だよ、ユーノ君」
結果として私はジュエルシードを封印できました。
けど、みんなにいっぱい迷惑をかけた。それがすごく辛い。
「なのは、今日のことを忘れちゃダメよ。
今回の失敗を反省して繰り返さないようにするためには、ね。
あとそれに早期発見による被害拡大は防げた。それだけでも大したものよ」
「そ、そうだよなのは。被害が拡がる前に封印できたんだ。
それだけでもすごいことだよ!」
「うん、ありがとうシャルちゃん、ユーノ君」
二人の言葉に心が少し軽くなりました。
同じ失敗は起こさない、それが今日の教訓でした。
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