古代遺物管理部“機動六課”
†††Sideフェイト†††
私となのはが見守る中、シャルは“キルシュブリューテ”で“レーガートゥス”と呼んだ眼を片っ端から斬り捨てていく。
そのうえ自分に向かってくる砲撃をも“キルシュブリューテ”で斬り裂いていっている。
でも次第に反射砲撃だけでなく、小さいのからも砲撃が放たれて、一体どれだけの砲撃が放たれているのか確認できない。
「ルシル! 援護射撃!」
シャルがルシルに向けて叫ぶ。
『了解』
――燃え焼け、汝の火拳――
ルシルからの返答はたった一言のみ。
そして次の瞬間、シャルを狙っていた幾条もの砲撃が、貨物車両から放たれた細い蒼い炎の砲撃によって全てかき消された。
あの細められた炎熱砲撃には一体どれだけの魔力が籠められているのだろうか?
「よし! 殲滅完了っと」
シャルは“キルシュブリューテ”を消して大きく背伸びをした。
まだいくつもの眼が残っているのに、そのリラックスしているシャルを見て唖然とする。
「もう終わってるよ」
「「え?」」
シャルが一言呟く。その言葉通りにすでに全てが終わっていた。
ガラスが割れたような音を立てながら大きい眼が砕け散っていったのだ。
それに続くようにして小さいのも次々と砕けていく。
シャルは、私となのはが知覚できない速さですでに大きい眼を破壊していた。
「それじゃ改めて久しぶり。なのは、フェイト」
シャルが優しく微笑んだのを見て、ようやく緊張から解き放たれた。
私となのはは顔を見合わせて、2年前に約束したことをここでする。
「「おかえり!!」」
私たちの「おかえり」を聞いたシャルは、少しだけボケっとしたあと、
「ただいま!!」
そうすごく可愛い笑顔で応えて、私となのはに抱きついてきた。
シャルの懐かしい香りと温かさ。うん、おかえり。シャル。ルシル。
†††Sideフェイト⇒ルシリオン†††
罪眼の殲滅を確認して、改めてリインたちに向き直る。
「さてと、よく頑張ったなみんな。少しばかりだが見せてもらった。
あんな小さかったエリオがこんな立派になっているなんて私は嬉しいよ。
それにキャロも。なかなかのサポートだったぞ」
エリオとキャロの頭を撫でる。フェイトが保護してきて時とは大違いだ。
エリオは良い面構えになっているし、キャロも真っ直ぐな目になっている。
二人は少しボケッとしたあと「はい!」と力強く答えた。
「リインもスバルも頑張ったな」
「はいですっ!」
「そ、そんなあたしは特になにも・・・」
リインは大きく答えて、スバルは少し照れたような仕草で呟いている。
私はもう一人の少女へと視線を向ける。
「君とは初めまして、だな。ルシリオン・セインテスト・フォン・フライハイトだ」
「は、はい。ティアナ・ランスター二等陸士です。
あの、管理局にいた頃のセインテスト一等空佐のご活躍は・・・」
彼女が敬礼をしようとする前に右手を差し出し、握手を求める。
少し戸惑っていたようだがきちんと応えてくれた。
やはりこの子は殉職なされたティーダ・ランスター一等空尉の妹みたいだ。
「ありがとう。それとそう堅くならなくてもいいよ。
私はすでに管理局員じゃないしな」
「あ、はい」
ティアナは小さく頷いた。
「ルシル!」「ルシル君!」
そこにフェイトとなのはが合流する。
シャルは久々になのは達と逢えて、頬が上気していて満足気な顔をしている。
ほら見ろ。やっぱり逢って良かったんだよ。あのままなのは達と逢わずに契約を執行し続けていたら、まず間違いなくシャルの心は病んで、壊れていただろう。
「久しぶりフェイト、なのは。元気そうでなによりだ」
車両の上へと降り立った二人に言葉をかける。
二人はお互いを見合わせて同時にある一言を口にした。
「「おかえり!」」
一瞬何を言われたか理解できなかったが、少しして頭の中に浸透する。
「おかえり」それは二年前にシャル達が約束したことだった。
ならばそれに応えなければならないだろう。
「ああ、ただいま」
その後、私たちは機動六課の隊舎へと案内された。
†††Sideルシリオン⇒シャルロッテ†††
――機動六課隊舎 部隊長室
私とルシルは、機動六課隊舎の部隊長室へと案内された。
ここに案内されるまでに隊舎内ですれ違う局員はみんな、私とルシルを見て一瞬の驚愕、そして「お疲れ様です!」と敬礼をしてくる。
私とルシルが辞めて二年になるというのに、未だに私たちのことを慕ってくれるらしい。
歩いてる最中にそう呟くと、フェイトが「だったまだ2年だから。二人はすごい人気だったし、そう簡単には忘れられないよ」と笑う。
忘れられていない。それが嬉しかった。私たちは、確かにここに居たってことが分かる。
「さて、それじゃあシャルちゃん、ルシル君、おかえり。
そしてようこそ機動六課へ。それでどないや、私の部隊の感想は?」
部隊長室に備え付けられたソファに腰をかける私たちは、なのはとリインが戻って来るまでの間に世間話をして時間をつぶすことになった。
「すごいよホントに!」
「私もすごいと思うぞ」
素直な感想を述べる私とルシル。
気になっている過剰戦力に関してのことは今は何も聞かないでおこう。
きっと何かしらの理由があると思うから。それに、もう管理局の人間じゃないんだし。
そういった事情に踏み込むわけにはいかない。
「そういえばルシル、一人称・・・“私”に戻したんだね」
「ん? あぁ駄目だったか?」
「あ、ううん、そうじゃないんだけど、初めて会ったときのこと思い出したんだ。
だからかな、何て言うか上手く説明できないんだけど・・・懐かしい」
「・・・そうか。ああ、そうだな」
確かフェイトがルシルの一人称を“俺”にさせたって話だ。
それが会わない間に“私”に戻っているから気になったんだろう。
私としては、ルシルはずっと“私”だったから。逆に“俺”の方が違和感だった。
「あ、でも一つ気になったんだけど、どうしてなのはとフェイトの魔力が低いの?」
私はもう一つ気になっていたことを口にする。
でもそれを聞いたはやてとフェイト、それにルシルまでが目を丸くした。
あれ? 私って変なこと言ったっけ?
「えっとシャル、一つの部隊のおける魔導師ランクの総計規模が決まってるの・・・」
「知らなかったのか?」
フェイトとルシルが信じられないって顔で見てくる。
見るとはやても似たような顔だった。
「そやから隊長陣の私やなのはちゃんにフェイトちゃん。
シグナムとヴィータもリミッターが掛けられてるんよ。
ちなみにデバイスにも出力リミッターが掛けられとる」
はやての説明に私がどれだけ知識がなかったか思い知る。
それでよく三佐にまでなったな、と自分自身が信じられない。
「し、知らなかった。でもそれじゃあ私も入っていたらどうなっていたわけ?」
私のランクがどこまで下げられるのかが気になって聞いてみた。
「そやねぇ、当時のシャルちゃんの場合は6ランクくらい下げてもらわんとあかんな」
「6ランクって・・・・・Cまで下げられるの?」
そこまで下げられるのはさすがに遠慮願いたい。
私の魔法や魔術は全てA+以上の魔力を必要としている。
単純な身体強化ですらBランクが必須だというのに、それをCまで下げられたら、それこそ何も出来なくなってしまう。
まぁ相手が人間だったら元からある身体能力だけでも十分に無力化できるけど・・・。
「お待たせー!」
「お待たせですー!」
中央ラボにまで行っていたなのはとリインが帰ってきた。
ヘリポートから急いで戻ってきたのかなのはは少し息を切らしている。
それから少しなのはを休ませてから話の本題に入る。
「それじゃ本題に入ろか。シャルちゃん、ルシル君、あの眼のこと話してくれるか?」
はやてたちが仕事の顔となった。さっきまでの柔らかな空気が重くなる。
そっか。あのはやてがそんな顔になっちゃうんだ。良いなぁ、成長できるって。
「・・・アレはレーガートゥスと呼ばれる魔力の塊で、半自律型の使い魔だ。
まぁ一番重要な話としては、アレにダメージを与えることが可能な唯一の術は――」
ルシルが神器“グングニル”を具現させて手に取る。
初めて“グングニル”を見たリインはポカンとしたあと、「キレイですー!」と言ってはしゃぐ。
久しぶりに見たなのはとフェイトとはやては、最初は平然としていたけど、内包されている魔力量に気づき目を見開いた。
以前までは形を似せただけのレプリカだったけど、今ルシルが手にしているのは正真正銘の“神槍グングニル”だ。
内包している魔力に差があるのは当然のことだ。
「私とシャルが持つ神器と呼ばれる武装、もしくは魔術の二つしかない」
そう、だから私もさっきは“トロイメライ”を使わずに“キルシュブリューテ”を使った。
罪眼もまた神秘の塊だ。神秘のない魔法では傷一つ付けられない。
「えっと、つまりレーガートゥスはルシル君かシャルちゃんにしか壊せないってこと?」
「うん、そうなるね」
なのはが首を傾げながら聞いてきたので私が答えた。
ハッキリと断言したことでなのはたちの顔に落胆の色が現れた。
そんな中、ルシルは静かに“グングニル”を蒼く光る羽根のように散らせていた。
その“グングニル”の綺麗な散り様に、リインが感嘆の声を上げて喜んでいる。
可愛いな~、リイン。おっとと。ほにゃっとしてる場合じゃない。
隣に座るルシルにリンクを通す。
『ルシル、罪眼が気になる』
『ああ、これは調査する必要がある』
さすがにこれを放っては置けない。罪眼は“ヤツ”が使役する使い魔だ。
この世界に“ヤツ”が居るとしたら、何としても・・・殲滅しないといけない。
「なぁシャルちゃん、ルシル君、よかったら力を貸してくれへんか?
もしその話が本当やったら、私たち魔導師やと太刀打ち出きんいうことや」
「そ、それは大変ですー!!」
はやてから協力が申し込まれた。
なのはとフェイトも同じ意見なのか、私とルシルを見て頷いた。
私はその協力について少し考える。
ガジェットとともに現れたとなると、“ヤツ”がガジェットを操る者と何らかの関係を持っているのかもしれない。
なら機動六課と行動を共にすれば調査しやすいはずだ。
「ルシルの意見は?」
「私としては協力関係はいい考えだと思うぞ。
罪眼がガジェットと行動を共にしていたのなら、今回の事件を追っていけば罪眼の主へと行き着ける可能性が大きいしな」
ルシルも私と同じ考えだった。
無駄に労力をつぎ込まなくても、なのはたちと一緒に行動すれば向こうから会いに来る。
なのはたちと一緒にいられる、“ヤツ”の手がかりを得られる、まさに一石二鳥というやつだ。えへ♪
「決まり。私の剣とルシルの槍、今一度みんなのために振るわせていただきます」
「よろしく頼む」
なのはたちと協力、悪く言えば利用することになってしまうけど、こればかりは許してほしい。
“ヤツ”がこの次元世界に間違いなく来ている。
そうなれば神秘のない魔法を使う魔導師たちは成す術なく“ヤツ”に殺されてしまう。
それだけは何としても阻止しなければならない。もしなのはたちに指一本でも触れたりしたら・・・ふふ。
「ちょっ、待ってシャルちゃん、ルシル君!
協力はこっちが頼んどるんやで頭下げるのは私らの方や!」
はやてが立ち上がってそう言うけど、私たちの方もこれは必要なことだ。
この頭を下げる行為には謝罪の意味も含まれているのだから。
「気にしない気にしない♪ あ、それより協力といえば私たちは民間協力者ってことかな?
さすがに管理局員に復帰してこの部隊に配属、もしくは出向になっても保有ランクが決められているなら、もうこの部隊に入れないよ私たち」
なのはたちはこの機動六課に納まるためにわざわざリミッターまで掛けた。
そこに私たちが入れば、一つの部隊における保有ランクを超えることになる。
そうなればなのはたちは、さらに魔力制限の追加を受けることになってちゃうはず。
もちろん私たちも滅茶苦茶な魔力制限を受けることになるのは間違いない。
「ん~、そこんところはクロノ提督たちに掛け合ってみるわ。
何せ相手を倒せるんがシャルちゃんとルシル君だけやとなると事情も変わってくるし。
だから、たぶん何らかの方法で二人には六課についてもらうことになると思う」
はやてが思案顔になって腕を組んだ。
確かメールで読んだけど、クロノとリンディさん、そして騎士カリムがこの部隊の後見人っていう話だ。
さすがにはやての独断では決定できない事由だとは思う。
だからクロノたちに掛け合うということなんだろうね。
でも最終的にはお世話になるらしいけど・・・。
「ということは、またシャルちゃんたちと一緒に過ごせるってことだよね?
そうだと嬉しいなぁ。ね、フェイトちゃん?」
「うん、また一緒にいられると思うと嬉しい。いっぱい話したいこととかもあるから」
なのはとフェイトはそう嬉しそうに話している。
うんうん、私としても嬉しいよホントに。
「話聞かせてもらってありがとうな。そんじゃこれで一応解散ってことでええな。
リインは、シャルちゃんとルシル君を空いてる部屋に案内したって」
「はいですっ!」
「ちょっとはやて、まだ決まっていないのに私たちを隊舎においていいの?」
いくら私たちがそれなりの管理局員だったとはいえ、今は完全に民間人だ。
そんな私たちを管理局施設におかせるなんてまずいんじゃないかな?
「でもシャルとルシルって寮暮らしだったよね。
今から泊まれる宿泊施設を探すのも大変だろうし、今日はここに泊まったほうがいいよ」
「「あ」」
ルシルと二人して間抜けな声を出す。そうだった。もう帰る場所がないんだった。
私だって一応は女だ。さすがに野宿なんてのは絶対に嫌だ。
それに、
【元管理局員フライハイト(仮名)三等陸佐、同セインテスト(仮名)一等空佐の二名が、公園内で野宿しているところを、地区内の陸士部隊に発見、保護された】
なんてことになったら死にたくなる、というか本気で死んでやる。
そんな最悪な未来を回避するために、ここはお世話になるしかない。
「決まりだね。それじゃシャルちゃん、ルシル君、またあとでね」
「ルシル、シャル、あとで一緒にご飯食べようね」
そう言って、なのはとフェイトは部隊長室をあとにした。
それに続いて私とルシルも、リインに空き部屋へと案内された。
もちろん私とルシルは別々の部屋。姉弟とはいえ当然のことだ。
で、夕飯までは私に用意された部屋でルシルとのんびり、とはいかなかった。
三時間くらいして、はやてに呼ばれた私とルシルは、再びはやての――部隊長の部屋へと赴いた。
そこには、
「久しいなフライハイト、セインテスト。しかしお前たち、しばらく見ん内にまた腕を上げたようだな」
「ん? おいセインテスト、お前右目見えてんじゃねぇのか?」
「お久しぶりフライハイトちゃん、セインテスト君」
八神家の面々、守護騎士ヴォルケンリッターが揃っていた。
それにしてもヴィータ、よくルシルの右目の視力が再生しているのを気づいたものね。
ルシルの視力は、守護神としての能力・干渉を使って、ダメージを負ったっていう事実を無くした。
「元気そうでよかった」
「ああ、久しぶりだ。それにしてもよく判ったなヴィータ。
もう右目の視力は回復したよ。そして相も変わらず小っさいな君は」
「うっせぇっ!! テメェだって女みてぇなツラしやがって!!
もういっそのこと女になっちまえ!! バーカ!!」
ルシルが余計なこと言うものだからヴィータに脛を思いっきり蹴られた。
痛がるルシルを尻目にヴィータがソファに座り、偉そうに踏ん反り返っている。
「それで、私とルシルをここに呼んだ理由は何?」
ルシルはもう放っておいて本題に入らせてもらおう。
すると部隊長室の中央にモニターが現れる。
『久しぶりだなシャル・・・・ん? ルシルは何をやっている?』
モニターに映ったのはクロノだった。すっごい久しぶり。
「放っておいていいよ、クロノ。それよりおめでとう、子供生まれたんでしょ」
「お・・おめでとう・・・クロノ・・・」
『あ、ああ、ありがとう』
私に続いてルシルも脛をさすりながら口にした。
クロノは少し照れている。おめでたいことなんだから照れなくてもいいのに・・・。
「私たちに用があるというのはクロノね」
『ああ、はやてからの報告は受けた。
レーガートゥス、だったな。本当にアレは魔導師には倒せないモノなのか?』
真剣な面持ちでクロノがそう聞いてきた。
私たちはソファへと腰かけ、話をする態勢へと入る。
「そうだ。アレに対抗するには、私かシャルの神器と魔術、その二つしかない」
ようやく痛みがひいたのか、ルシルも真剣な面持ちで答える。
さっきまでの情けない顔がウソみたいだ。
『やはり、か。君たちの魔術と同じような神秘、というやつなんだな』
「そういうこと」
『なんてことだ・・・・そうだ、君たちの今後の予定に関してなんだが・・・』
クロノはため息を吐いたあと、思い出したかのように私たちの今後の予定を聞いてきた。
そんなのもちろん決まっている。
「私とルシルはしばらくミッドに滞在するつもり。罪眼の一件が終わるまでは離れられないよ」
「そういうことだ。罪眼を全て・・・操る者も例外なく打ち据えないとゆっくりと出来ない」
“ヤツ”から話を全て聞きだし、そのうえで抹消しなければミッドが滅ぼされかねない。
それが終わるまでは他の契約なんてしていられない。というか“ヤツ”のことが最優先されるはず。
だから他の契約が来ることはない・・・・と思う。
『そうか、それは助かる。では君たち二人には、これからしばらく機動六課で民間協力者として働いてもらいたい。
それからもう一つ、君たちの魔導師ランクのことだが、さすがにSSSとなるとまずい。
だからSSランク、出来ればSプラスあたりで行動してもらいたい』
クロノからの提案はまぁ理解できる。
確かにSSSランクが二人、一つの部隊にいるというのは避けたいだろう。
いくら正規の局員ではないとはいえ、そんなのが地上で活動していたら、おそらく地上本部のトップ――レジアス中将が黙っていないはずだ。
あのおっさん。平和への気概は分かるけれど、ちょっと強引すぎるんだよね。
「了解。でも罪眼とその操り手が現れたら手加減しないから」
「了解。まぁできるだけ派手なことにならないよう気をつける」
『ああ、よろしく頼む。はやても機動六課を頼むぞ』
「了解です」
クロノとの久しぶりの会話は仕事関連だけとなった。
それも仕方ないか、タイミングが全て悪すぎた。
「それじゃあ、こんな時間やし夕御飯食べに行こか。なのはちゃんたちも待っとると思うし」
はやての一言で、私のお腹が「くぅ~」と鳴った。
あまりの恥ずかしさで赤面、みんなの方を見るとニヤニヤと笑みを浮かべていた。
「し、仕方ないじゃない! だって今日はまだ何も食べてないんだからっ!」
「はいはい、そんじゃ食べに行くで~」
半ばはやてに押される形で食堂へと向かった。
†††Sideシャルロッテ⇒ルシリオン†††
クロノとの協定を終えて、はやて達に食堂へと案内された。
そこにはすでにフェイトとなのは、それにスバルたちが揃っている。
私とシャルは用意されていた席へと座り、今日初めての食事を開始した。
シャルはスバルたちフォワード陣と同じテーブルで、私はフェイトたち隊長陣とだ。
そして久しぶりの大人数での食事に、シャルは本当に嬉しそうにしている。
「――それじゃルシルさんとシャルロッテさんもこれから六課で働くんですか?」
「ええ。あぁそれと私のことはシャルでいいよ。シャルロッテなんて長いから面倒でしょ?
みんなもシャルって気軽に呼んでくれていいから、そのほうが私も嬉しいしね」
「はいシャルさん!」
「よろしいっ!」
スバルの問いにそう答えたシャルは、自分も愛称で呼ぶように言った。
それにすぐさま応えるスバルもすごいな。
「まぁそういうわけだからスバル、エリオ、キャロ、ティアナ、よろしく頼む」
「「「「はいっ!」」」」
私の軽い挨拶に四人は元気よく答えた。
さて、食事が冷めないうちに済まさないといけないな。
「ねぇねぇルシル君」
「ん?」
なのはがわざわざ小声で話しかけてきたので、小声で話す必要があるのだろうか、と思いつつ私も小声で応対した。
「ルシル君とスバルって知り合いだったの?」
「言われてみればそうだね。いつ知り合いになったの?」
なのはにつられてフェイトも小声になる。
そういえば当時のことは何も言っていなかったか。
「管理局に入ってすぐの頃だったか、クロノに謀られて首都防衛隊に研修させられた際にスバルの母親、クイントさんに目を掛けられてね。
よく拉致に近い形でナカジマ家に御呼ばれさせてもらったことがあるんだ。
そこでまだ幼いスバルやギンガと顔見知りになったというわけだ」
あの頃を思い出しながらそう説明した。強く優しかったあの方には今も感謝している。
しかしクイントさんはもういない。
確か落とされた際に負った怪我を無理やり女神の祝福で治し退院してすぐだ。
クイントさんが任務中の事故で亡くなったと知ったのは。
そのときは信じようとしなかったのを覚えている。
「そうなんだ。ルシル君も大変だったよね、あのときは・・・」
「クロノが半ば騙す形で、ルシルをいろいろなところへと研修させてたもんね」
「あはは、そやったな~」
「笑い事じゃないぞ本当に」
全く、クロノにはいつも苦汁を飲まされたものだ。
気づけばあれよあれよと無限書庫から離れていったあの日々。
あのときはクロノに会うたび愚痴を零していたな。
今となってはいい思い出・・・・なわけがない。
「はぁ、思い出したら泣きたくなってきた・・・」
まぁそんなこんなで、私とシャルは機動六課へと席を置くことになった。
これが楽しいひと時となるか、それとも辛いひと時となるか。
シャルにとっては楽しいものであるように。辛いものは、すべて私が引き受けるから。
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