結婚して3年目になる妻が、友人からペットをもらってきた。
胴体は犬のようであったが頭は猿、耳はウサギ、そして尻尾はトカゲのような生物である。
「それは犬かい?」
「いいえ、猫よ」
「全然猫らしい格好をしていないじゃないか」
「犬の格好もしていないわ」
「でも胴体は犬のようだよ」
「それを言うなら頭は猿よ」
「じゃあ猿なのかい?」
「いいえ、猫よ。ナー、ナーって猫のように鳴くもの」
「僕にはゲコゲコって蛙のような鳴き声に聞こえるな」
「蛙のような鳴き声の猿なんていないでしょ?」
「それもそうだね、じゃあ蛙なのかい?」
「だから猫だって言ってるでしょ?尻尾の生えた蛙なんていないわ、トカゲじゃあるまいし」
「じゃあトカゲかい?」
「この長い耳を見て。こんなふさふさの耳のトカゲなんて聞いたことある?」
「じゃあウサギだ。僕にはかわいらしいウサギに見えてきたよ」
「いいえ、猫よ。貴方は天秤座のB型だから分からないのよ」
妻はよくこの言葉を口にする、そのたびに僕はなるほど、そうかと納得してしまうのだ。
なに、科学技術は日々進化している、犬や猿やウサギやトカゲのような猫だってその気になれば作れるのかもしれない。
そう思って僕はソファーに腰掛ける。なるほど確かにだんだん猫に見えてきた。
奇妙な猫を見つめていると、妻がビールを入れてくれた。いま、ちくわを揚げますから。
僕は今日が4年目の結婚記念日であると知った。最後の記念日になるということも。
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