第七話 王はいずこ?
もうすぐシルヴィ編は最終回です。
はやくレンゲルド編で隠してる部分を書きたいです。
お気に入り件数が600件を突破・・・だ・・と?
みなさまにハグしてまわりたいです。
ありがとうございます。
それからのことは本当に大変だったといわざるをえない。
暑苦しい男たちが雄叫びをあげながら、次は俺だの押すな俺からだのもみくちゃになる様子はまさに混沌と言えよう。
ゲインは、一時呆然と寝っ転がったまま、空を見つめていたが、いきなり飛び起きると、私の手を取り、片膝をついた。
あーあ・・とシィーリーの声。
なんだか嫌な予感しかしないんだが・・・と思っていると
「あんたの蹴りに惚れた。一生付いていく、いや一生お共にしてくれ。」
とキラキラとどこの子供だというほど目を輝かせていうものだからこっちは全力で引いてしまった。
なんだ一生とは。どうしてひと足どころか何足もとんで一生お供するなんて決断がでるのか。
お前の一生をこんなあっさりきめていいのかゲイン。
そして周りの奴らもいいぞーや、一生下僕発言でたぞーなどと騒がないでいただきたい。
とりあえず返事は考えとくという名の拒否で、いったん騒ぎを落ち着かせ、あらためてほかの騎士たちと対決をすることになり、とても充実した時間を過ごすことができた。
さすがにここまで騒ぎが大きくなっては、側室候補の女だとばれるのも時間の問題と思うので、訓練所の参加は今日限りにした。
ほかの騎士達には、シィーリーに適当にごまかしてもらう。
まあ騎士見習いの服をきて、髪を後ろで結んでいたため、側室候補だとはすぐにバレないだろうが。
レンゲルド様にはけっきょく会えなかったが、側室候補の滞在期間は一ヶ月もある。
のこり三週間もあるならば、簡単にみつけることもできようと思っていた。
が、どうやら考えは甘かったらしい。
こちらにきてあっというまに三週間もたってしまった。のこり一週間をきったというのに、私はまったくレンゲルド様に会えずにいた。
ほかの側室候補はみんなレンゲルド様にお会いしているようで、なぜ私だけがお会いできていないのだろうと、少なからず落ち込んだ。
毎日、レンゲルド様を探す散策の旅をつづけていたのだが、騎士達に遭遇するとめんどくさいことになるため、散策範囲が大幅に軽減してしまったのもひとつの原因だと思う。
「夜会の衣装はもう決まりまして?」
「ええ、光沢のでた最高級品のものをわざわざ国からもってこさせましたのよ。」
「それより、その夜会には、かのシュバルティ帝国のルドヴィリー様がお目見えになるとか。」
「まあ!!それではますます夜会に向けて気合をいれねばなりませんわね。」
と、会話から察するとおり、最近の側室候補の方々はすっかり夜会の準備に忙しいようだ。
もうすぐ側室候補たちは、レンゲルド様にお目付された人以外は自分の国に帰ることとなる。
そのために、大規模な夜会が国に帰る三日前にされることになった。
その夜会でどうやらこのヴィングリー国に残ることのできる姫たちの発表を行うらしい。
私はこの三週間一度もレンゲルド様にお会いしてすらいないので、完全に除外であろう。
しかし、夜会でやっとレンゲルド様にお会いすることができる。
喜んでいいのやら悲しんでいいのやら。
もう一度会えたら、この気持ちはどんなふうに変化するのであろうか。
このとき私は、アンナが準備してくれているドレスをぼんやりと思い出しながら、夜会ではいかに目立たず、レンゲルド様をみる(というより観察する)ことが出来るかを熱心に考えていたのであった。
念のためにいっておく。
私はけっしてストーカーではないぞ。