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第十話 レンゲルドの焦躁

大変!たいっへんおまたせいたしましたぁぁぁ!!!

本当に本当にごめんなさい。

遅くなって本当にすみません。

テスト終わった!夏休みに突入!というわけでちまちまと更新していきたいとおもいます。

感想をくださったかたも、返信が遅くなってしまいもうしわけありませんでした。

「にーたま?」


はっと気がつくと、目の前には俺の付き人のロンフィルとヴィン。


きょとんとしたヴィンを思わず見つめる。


俺は一体どのぐらいほうけていたのだろうか。


ロンフィルは今まで誰かと話していたようで、その相手はもう背中を向けていたが、ロンフィルはおじぎをしたまま止まっている。


相手はどうやら随分と身分の高い者のようだ。


あの光り輝く髪はシュバルティ帝国の王族の血筋の誰かだと、推測できる。



ああ、あの少女も、とても綺麗な髪をしていた。


腰まで伸びる髪は、思わず手を伸ばしたくなるほどだ。


また、あの少女を見てしまったら、今度は本当に囚われてしまうのではないかと思うと、ふるり・・・と体が歓喜する。


なんということだろうか、一国の皇太子が、少女に囚われることを望むなど!


しかし、衝動は抑えることなどできない。


「ロンフィル。あそこに座っている少女はどこの貴族かわかるか?髪が王族特有のものだから、身分もそれなりに高いと思うが・・・。」


そんな俺の言葉に目を見張るロンフィル。


そのあと、ため息をはき「あの人もひどい人だ。」とつぶやくと


「いまや皆席を自由に歩いているようなので王族との区別も難しいですね。」


といった。


「・・・そうか。」


いや、分かってはいたが、どうすればいいものか。


名前だけでもしることができたら、国に帰ってすぐに許嫁の申請を取りたいのだが・・・。


「少し、ここの国に住んでいる奴に聞きにいってくる。」


「ちょ!・・・ごほん。レンゲルド様、私が行きますので、あなたがたは、早く王と王妃のもとへ戻られてください。そろそろ心配されるでしょうから。」





この場所を離れるのは本当に嫌だった。


まるで引き裂かれるようだ。


せめて話しかけに行きたかったが、すでに一度、家族全員で挨拶にいっている。


大陸全土からくる大人数をうまく裁くためには、一回限りの挨拶が決まられているのだ。


あの壇上にあがるのがもう少し遅ければ・・・と悔やむが、もうすぎたことだから仕方がない。




何度も何度も彼女の姿を振り返りながら、後ろ髪が惹かれるどころかぐいぐい引っ張られるぐらいに感じながら、俺はしぶしぶ家族のもとへと帰っていった。




このときロンフィルは誰としゃべっていたのか、そしてなぜ、ロンフィルは俺が彼女のことを聞きにいくと言ったとき焦っていたのかもっとしっかり考えておけば、長い年月を切なく過ごすこともなかっただろうにと今なら思う。


しかし、その措置が正しかったのだということもわかるから、なんともいたたまれないのだ。








「なぜだ!なぜわからない!」


俺はこのとき怒り狂っていた。


なぜならば


「水色の髪!創立祭の時に王族と貴族の席に座っていた少女!それだけあれば情報などいくらでもとれるであろう!なのになぜ名前すらわからないのだ!」





そう、彼女の情報がまったくといってないのだ。





いや、ただでさえシュバルティ帝国は鉄壁といういわれを持つほどの強固な警備と、古代の魔術師とかいう奴の結界で守られている。


いいかえれば、外からシュバルティ帝国を無理やり調べるなど無理があるのだ。


すべての情報源はシュバルティ帝国の住民、または滞在をゆるされた旅人などのひとにぎりのみ。


そして彼らはシュバルティ帝国にとって悪い影響になると思われる情報をけっして売りはしない。


どこの国よりも建国が長く、どの国よりも忠義心の厚い国民をもつ国。そのような奇跡のような国がシュバルティ帝国なのであり数あまたの人間たちが崇拝する国なのだ。


しかもこの大陸において、シュバルティ帝国に恩義のない国などいない。


建国するのを影から支えてもらったり、あまりにも非情な戦略にまきこまれそうになったときに助けてもらったり、世界大戦になりそうなほど戦争が大きく膨らんだ時にそれぞれの国の仲介をし、ことを丸く収めたのもシュバルティ帝国だ。



つまり、表立ってシュバルティ帝国に敵対するような馬鹿な国はいないのだ。裏ではわからないが。


そして少女のことがわからないということは、情報をくれる人間たちは、その少女の情報が出回ることがシュバルティ帝国に悪い影響をあたえるという判断をしたということだ。


「一体だれなんだ。彼女は・・・・。」








彼女のことを誰よりも知りたいというのに。


自分が一番彼女のことを知りたい、そして彼女を誰の目にも触れない場所へ隠してしまいたい。







激しい焦燥とほの暗かな気持ちが俺の胸をつつむ。


こうしている間にも、彼女がだれかと結婚の約束でもしてしまったらと思うと気が狂いそうだ。



彼女が俺以外の男の妻となる前に、彼女との未来をどんな形でもいい、約束できるものが欲しい。








だれか。


お願いだから。




彼女とつながる橋をくれ。




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