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kimi
作:LEIN



12


レイコが嬉しそうに目を輝かせる。

「コンビニで待ち合わせをしたんですけれど、じーっと遠くから見ていたら、それらしき男が
いたんですよね。」

「うんうん」

「格好はいいんだけれど、私、無精ひげを生やしている人は嫌いなんです。だから…そのままダッシュで帰っちゃった」

悪びれる様子もなくレイコはけらけらと笑う。

「あと2回は?」

「ひとりは叔父さんだから逃げちゃった。あと一人は、約束はしたんですけれど…」

「ん?」

「その人は一週間後って指定してきたんですよ。」

「それが何か問題あるの?」

「大アリですって。ああいうのは、その場の勢いがあるから行けるものでしょ。一週間も生活

してたら、その間に「あ〜、馬鹿な事約束しちゃった。もうしたい気分じゃないし」って冷静

になりますよ。」

「あはは、それはわかるわ」

「でしょでしょ?レイコの友達で実際にしちゃう子がいるんだけれど、その子も、「今すぐ」ならば行くけれど、日程をゴチャゴチャ先延ばしにされたらまず100パー行かない。」

女の欲望って、そんなものよね」貴子もそれはわかる。


男はいつでもやりたい動物だけれど、女は日常生活が始まると正気に戻るもの。

その疑問を馨にもぶつけてみたい気がした。



kimi ねぇ、馨

馨 うん?


kimi ここには「Hのできる人コーナー」っていうチャットがないでしょ。

馨 わかってないなぁ。ビアンサイトにそんなものあってもガラガラだってば。

kimi あらどうして?

馨 わかりやすく説明しようか。

kimi お願いするわ。

馨 kimi、発展場って知ってる?

kimi 何よそれは?

馨 ゲイが集まる場所があるんだ。サウナとか映画館とかね。そこで見知らぬ同士がいたすわけなんだけれど。

kimi いたす、ってセックスの事?

馨 うん。

kimi つまりは発展場=乱交場ってことなのね!

馨 乱交って(爆)!まぁ、近いけれども、ちょっと違う。

kimi どういうふうに違うのかしら。

馨 あくまでそこで出会った、自分の好みの相手を抱くわけ。

kimi 乱交じゃなくって、一対一なのね。

馨 ビンゴ!

kimi 想像できない。私には異次元の世界だわ。


頭がくらくらしそうになりながらも、話を元に戻さなければと貴子は慌てた。

kimi それが、ビアンには「Hのできる人コーナー」っていうチャットが出来ないっていう事と、どういう関係があるわけなのよ。


馨 わかるように言うから、ちょっと待って。

馨 ゲイのハッテンバは、日本全国にあるのに、ビアンにはハッテンバがないというのはどうしてでしょう?

kimi ビアンは性に関して、選り好みをするって事?

馨 まぁ、そんな感じ。危険面をクリアしても無理な部分がある。つまり、さぁHしましょうっていうチャットを作っても、ビアンの場合はガラガラになるよ。

kimi あら、それは普通の女も一緒よ?

kimi 余程のハプニングでもない限り、好きな男としかセックスしないもの。

馨 そう。ビアンも女の子だからね。

馨 特に受け、つまりネコはね。

kimi ノンケの女の子より堅いのかしら。

馨 それはまさに正しいね。この世界の方が、よほどプラトニックなんだよ。

kimi ほんとかしら?

馨 嘘だと思ったら、どこかのチャットで聞いてごらん(笑)。




馨の言っている事と、馨のやっている事は、随分と矛盾しているような気がする。

馨は攻める側だから、男みたいなものなのだろうけれど、相手のネコは?

慎重なはずのビアンの女達は、なぜ、そう易々と、馨の申し出を受けるのだろう?




kimi ねぇ、馨クン

馨 うん?

kimi ここってパソコンのサイトじゃない

馨 そうだよ?

馨 どうしたの?いきなり…。

kimi このサイトがもし、携帯なら、今からエッチしましょう、とか、外出中にも入れられて便利なのにね

馨 言われてみればそうだねぇ^^。

kimi 普通の男女の出会い系サイト見た事ある?

馨 あるわけないじゃん。僕はビアンだもん。

kimi ねぇ、馨はここのツーショットで会う約束するとするじゃない。

馨 うん。

kimi パソコンで約束したら、速攻で抱くの?







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