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・・・・ドゾ。
~入学式・前編~

俺がセルドラント帝国学園特別学級―――通称『Sクラス』に入学する事が決まってから1週間が経った。

今日はセルドラント帝国学園の入学式の日だ。学園は列車で3駅越えた所にあるのだが・・・・・・・・また俺は満員列車の餌食になってしまった。

もう・・・・・なにも言わないぜ・・・・・グスンッ。

前と同様、最後の駅に着いた時には涙が止まらなかった。

ふいに終着駅のホームを見ると、セルドラント帝国学園の制服を着た腰まで伸ばした赤髪が印象的なお嬢様っぽい雰囲気の女の子が3人の男達に絡まれていた。

3人の男の一人が言う。

「お嬢ちゃん、もう逃げれないぜ。さっきはよくも俺達の仲間をぶっとばしてくれたな」

すると赤髪の女の子は

「あんた達から絡んで来たんじゃない。自業自得よ。私は忙しいんだから、そろそろ消えて貰えるとありがたいんだけど・・・・ダメみたいね。」

そう言い放った瞬間、先ほど喋っていた男の顎に少女の膝蹴りがクリーンヒットした。男は音を立て倒れる。

ドサッ。

それを見た他の男二人が、声を合わせる。

「「てっ、テメー!!!」」

そして残る二人の男のうち一人が少女に襲いかかる。

しかし少女はなんら動揺もせず、体を一歩横に引いて目標を見失った男の鳩尾に体重を乗せた右膝を入れる。男はドサッと前のめりに地面に倒れこむ。残る男はあと一人。仲間二人がものの数秒で倒された事に唖然として立ち尽くしている。そして少女が立ち尽くす男の顔面に体重を乗せた膝蹴りで止めを刺した。

「ふん。所詮クズはクズね。次からはナンパなんて惨めな真似しない事ね。」

少女は倒れている3人の男達を見下して腰に手を当て勝ち誇っていた。

するといきなり湧いて出たかの様に、少女の周りを50人ほどの男達が囲った。

「この(あま)~調子に乗りやがって。こうなったら薬漬けにして高く売りさばいてやるぜ。」

さすがにこの人数では太刀打ちできないのか少女は顔をしかめる。

「数にものを言わせてたった一人の少女を痛めつけようとするなんて最低な奴がすることね。」

そんな事を発する少女に男達のリーダーみたいな奴が口元を緩める。ニヤッ。

「最低?確かにそうかもしれないな。で、それがどうした?」

と言った。そして男は50人近い男達に、「この女を捕まえろ!!!」と指示を出した。

男達は少女に近寄る。

(もうっ・・ダメか!!)

少女は目を瞑った。次の瞬間―――――







ガタンッゴトンッ。ガタンッゴトンッ。


少女は揺れる列車の中に居た。

「一体?何が起きた?私はさっきまで駅のホームに居て、男達に囲まれていたはず―――」

少女が辺りを見渡すと、少女の隣に居眠りをする同い年位の眼帯をした少年が居た。

(何で私は列車の中に居るの?それにこの男は誰?)

少女が身に起こった出来事を整理しようと思った時、少年の目が開いた。

「ん~良く寝たー。」

少女と視線が合う。

「やっと起きたみたいだね。君の寝顔を見ていたらいつの間にか僕も眠ってしまったよ。」 ニコッ

俺は出来る限りの笑顔をふるまう。

やっぱり第一印象は大切だよね。前読んだ本にも笑顔がその人の価値を決めるって書いてたしね。

「なっ・・///私の寝顔を・・・ずっと見てたんですか・・・///」
(なっなっ何!?///この眼帯少年メッチャカッコイイ///これが初恋ってやつなの!?///)

あれ・・・顔が真っ赤になってるよ。もしかして俺みたいな男に寝顔見られるの嫌だったのかな。

「本当にごめん。僕みたいな奴が君みたいなかわいいこの寝顔見てしまって。普通嫌だよね。本当にごめん。」

やっぱり謝っておかないとね。

「いや別に・・・嫌とかそんなんじゃなくて・・・むしろ・・可愛いとか言われると・・・その・・逆に嬉しかったり・・・・・キャ////」

なんだろう声が小さくて聞き取れない。

顔が真っ赤な少女は急に何かを思い出したかのように、声を張り上げて俺に聞いてきた。顔が近いんですけど・・・

「それよりあなた何者?一体何をしたの?」

やっぱりそう来るか。まあ時間を止めて列車に移動させたとか言っても信じないだろうから・・・

「僕は何もしていないよ。ただ、さっきホームで一人の男が現れて君を囲んでいた男達を一瞬で吹き飛ばしたんだよ。それで君は気絶しちゃって、その男の人が僕に君を押し付けて消えたんだよ。」

さすがにこの嘘はないな。

「ふ~んそうなの・・・・。あっそういえば私の名前言い忘れてたわね。私の名前はシルク・シャーロフィ。シルクって呼んでね。」

うわ~信じてくれたみたい。この人単純だな。

「うん。わかったよシルクさん。僕の事はシリウスでいいから。」

まあなんだかんだあって。学園がある駅で降りた俺とシルクさんは、そこで別れた。別に一緒に学園まで行っても良かったんだけど、行きたい所があったから駅に着いたときに別れた。シルクさんはまた学校で。と言って手を振っていた。どうでもいいことだがシルクさん完全に遅刻だよな。まあ俺もだけどね。

俺はシルクさんと別れた後、先ほどの終着駅のホームに向かった。

え?なんでかって?それはもちろん俺が悪い人嫌いだからだよー。俺の用事ってのは、さっきまでシルクさんに手を出そうとしていたゴミ野郎共の成敗さー。

終着駅のホームに出たところでさっきの男達がまだシルクさんを探していた。

「くそっ。何処に行きやがった。あのアマー。お前らもっと良く探せ。」

リーダーらしき男が、指示をしている。

俺はその男に駆け寄って、

「バイバイ。」

と囁いた。

「あぁんゴラぁー。なんだテメー、ぶち殺されたいのか。俺に話しかけるんじゃねーよ。」

次の瞬間、男はおろか仲間の男達まで消え失せた。

え?何したかって?

飛ばしたのさ北極に。

俺は踵を翻し、颯爽と列車に乗り込んだ。もちろん誰も俺が男達を消したなんて思わない。

だって皆の記憶塗り替えたもんね♪。いや~便利だよね超能力って。うんマジで。

このあと俺は入学式に5時間遅れで着いたとさ・・・




はあ~疲れたー。


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