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平和な世の中なので、戦闘はあまりありません。ついでに暴言が目立つかと思いますので、苦手な人は避難してください。すいません
ある貴族の物語
作:八十四歳まで生きる



第1部:ベルトリン


今月のダンジョン。
著:ターマネーギー

今月紹介するダンジョンはここ。
「イスラバ大空洞」である。
筆者は一度だけ、内部に立ち入ったことがあるが、強暴な魔物が多数出現したため残念ながら退却を余儀なくされた過去がある。
そんな経験があるからこそ筆者は、ここはダンジョン上級者にしか勧めることはない。
そんな危険なダンジョン、読者が気になるのは財宝だということはわかっている。
ここで財宝目撃情報を・・・

「くだらない」

男は雑誌を閉じた。男の名前はベルトリン=ボーニュ。
ロードワルト王国領ミネス島を任される貴族、デルトリン=ボーニュの息子として生まれた男。母親は幼い頃に病で死んだ。現在は父親と二人で広い屋敷に住む。二人というが、使用人なども一応いる。

ベルトリンは今、父親と喧嘩をしている。他愛もない親子喧嘩ならいいのだが、かれこれ二三年は口をきいていない。

ベルトリンは領民に馬鹿にされている。それどころか、殴る蹴るの暴行を受ける始末。
理由はベルトリンの性格だ。貴族という立場を武器に、意味もなく威張り散らすのだ。
もちろん、口だけである。
一方デルトリンは、息子のそんな態度を改めさせようと、領民の息子に対する暴言や暴行を黙認している。
デルトリンの考えでは、ベルトリンが領民に、誠意や威厳を示せれば暴行などは止むのだ。
だが、ベルトリンは行動しようとしない。むしろなにもしてくれない父親に対し不満を爆発させたのだ。
デルトリンもそれには、さすがに勘忍袋の緒が切れた、というわけだ。

そしてこの度、ベルトリンもさすがに、このままではダメだと奮起した。
ダンジョンに挑むことにしたのだ。
このごろ、王国領内ではダンジョンに挑むことが、いい男のひとつのステータスとなっている。
所謂、魔物と呼ばれる人を襲う生き物の王である魔王、この魔王も第一、第二、第三魔王といたらしいが、勇者バルティンの手により討ち倒されたらしいので、ベルトリンの時代は比較的平和なのだ。
よって、娯楽目的で魔物の巣に乗り込み、怪我をする阿保も出てきている始末。
そこで有志によって、ダンジョン管理委員会なるものが結成された。
これにより、ダンジョンに気軽に挑戦できるようになったのだ。
そこにベルトリンは目をつけた。
ちょうど都合のいいことに、ベルトリンの屋敷の近くにもダンジョンがある。
ここは領民の肝試しや力試しの場にもなっており、深部に辿り着ければ一人前として認められるのだ。
ならばとベルトリン、まずはダンジョン関連の雑誌や書籍を読み漁り、イメージトレーニングをしていたのだ。

「くだらない。」

イメージトレーニングを終えたベルトリンは、装備を調えダンジョンへ向かうのだった。














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