第18話:皇の意地
いよいよ、樹がべた惚れしている皇の番だ。さて、お手並み拝見といきましょう。
「慧陵高校代表、白立皇。普賢高校代表、お遍路さん1号。」
1号ってことは、生徒会長か?しかし、生徒会長と言うより、入院患者である。
色白で細く、ブルブル震えている。こりゃ、楽勝かも…。何だか悔しい。
「それでは、試合開始。」
それは、一瞬の出来事だった。皇は、相手に一閃。1号は、倒れた。
「勝者慧陵…ん!?」
審判が見つめる先には、1号が立っている。斬られていなかったのか?
しかし、皇は不思議そうな顔をしている。
すかさず、一閃!!しかし、今度は倒れない。
パキッ!パキパキパキパキ。
「そんな馬鹿な…。俺の刀が折れるなんて…。」
「弱い…刀です…ね。」
相変わらず1号は震えている。
「貴様!何をした!」
「私は…何…も。」
「じゃあさっき倒れたのはなぜだ!」
「演出…です。盛り…上がると…思って。」
「くそっ!」
皇は、もう1本の刀を抜き、目に見えないくらいのスピードで斬りつけた?いや!斬れていない。体で受け止めている…。
パキッ!パキパキパキパキ。
もう1本の刀も折れてしまった。皇にはもう刀が無い。
「もう…終わりですか?」
「刀を失った俺にできることは、拳でのみ!」
皇は、1号の懐に飛び込み、連続パンチをお見舞いした。
ボキッ!
「ぐぁー!!」
刀でさえ通用しないのに、拳が通用するわけもなかった。
「しかし、負けるわけには…。負けるわけにはいかないんだ!!」
皇は、砕けた拳を握り締め、1号の顔面へと打ち込んだ。
「ぐぇ!!」
ドスン。誰かの倒れる音…。立っているのは…。
「勝者、慧陵高校。決勝進出!!」
皇が勝った。1号は…のびている。どうやら、顔面は弱いようだ。皇は、担架で運ばれている。
「皇さ〜ん!!大丈夫?」
「マイ…ハニー…。どう…だった?俺は…カッコ良かったか?」
「うん!カッコ良かったよ。」
「これ…から、俺の…傍に…居てくれるか?」
「………。」
樹は、俺の方を見た。
「居てやれ。俺たちなら大丈夫だから。」
「……分かった。」
そう言うと、樹は、医務室の方へと消えた。
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